ヒーローというものに一番最初に憧れたのはいったいいつだっただろう
子供の頃、日曜日の朝早くからやっている戦隊モノか、ライダーか、もしくはウルトラマンだろう
自分の場合、その辺りは早々に卒業し、親の影響でガンダム方面にドハマリしたが
なるほど、アレも理由は様々ではあるが、平和の為に戦っていると言えなくもない
こうして、子供の頃から戦隊モノ、ライダー、ウルトラマン、ガンダムとオタク文化に塗れた俺は、30歳が見えてきた今でも立派なオタクであった
「あ!」
仕事帰りのゲーセンで全国対戦のガンダムゲームをプレイしてた俺だったが、些細なミスで敗北してしまった
相方を狙ったであろうビームに、自分から突っ込んでしまい、撃破されたのだ
「やらかした…何処の誰とも知らぬ相方よ、スマン…」
若干の罪悪感を覚えつつも、キリが良いので帰る事にする
「さてと、帰ったら風呂入って飯食って…寝るか」
最近買っても作っていないガンプラの山が一瞬気になったが、明日も仕事はあるのだ、夜更しは無理だ
てか、最近歳のせいか夜更しが辛くなってきた
まだ30なってないのにね…
若干身体の衰えに悲しくなりながらも、ゲーセン最寄りの駅前通りを歩く
既に辺りは暗く、俺の様に帰宅途中と思われるサラリーマンがチラホラ散見する
後ろを歩いてる親子は…恐らく保育園のお迎えだろうか?子供が母親の手を引いて走ろうとするのを、止めている様にも見える
子供ってすーぐ走ってどっか行っちゃうからね、お母さんも大変だ
目線を前に戻すと駅前の交差点が赤になってしまったのを確認し、慌てて止まる
後ろから子供の落胆の声が聞こえてきたのでなる程、子供は信号を早く渡りたくて走ろうとしていたのだろう
自分にも20数年前はこんなんだったかと思いを馳せていると、不意に視界の明度が変わる
「何だ…!?」
不思議に思って顔を上げると、其処には(おそらく)曲がりきれなかったであろうトラックが、スピードを落とさずに此方に突っ込んで来ていた
その時、世界がスローモーションに感じた
ガシャァン!!
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気がつけば俺は、何だか光る発光体の前に立っていた
「は?え、何だ…何!?光ってる!?てか何処!?」
『貴方は、無謀な運転をしたトラックに巻き込まれて死にました』
「うぇい!?何か喋ってる!?」
目の前の発光体がチカチカと明滅を繰り返すのに応じて声が聞こえてきた
「こ、コレが喋ってる…のか」
『exactly、その通り!!』
じ、ジョジョネタ、だと…!?
『突然の出来事に混乱するかもしれませんが、どうか心を落ち着けて下さい』
「ほ、本当にコレから声が聞こえる…」
数分後…
『少し落ち着いたみたいですね?』
「あ、はい…」
正確には落ち着いたというよりも、非現実的過ぎて呆気にとられているに近いが
『さて、何となく察しているかと思いますが、私は神と呼ばれる存在です』
「はぁ…」
うん、まぁ、何となくそうじゃないかと
そしてこの後の展開に淡い期待を抱いている自分もいる
『はい、今際の際の状態で善行を行った貴方には、異世界転生の権利が与えられました』
おお!異世界転生!って、善行?
「あのー、善行って?」
自分が覚えているのは、トラックが此方に突っ込んで来ていた場面だけだ
善行と言われる行いなどした覚えが無い
『覚えていらっしゃらないのですか、貴方は後ろにいた親子を突き飛ばして助けたのですよ?』
「え、そうなの!?」
何でも、俺はトラックが突っ込んで来ていたのを確認した後、無意識に親子を助けていたらしい
まぁ、それで自分が死んでは意味無いが
だが、自分が親子を突き飛ばしていなければ犠牲者が増えていた、とも言われ、まぁ、それなら良かったのかな、と思う事にした
『さて、聞きたい事や言いたい事も色々とあるかもしれませんが、そろそろ転生の準備を開始します』
「あ、はい、って何をすれば?」
『簡単な質問にいくつか答えてくだされば結構ですよ、ではまず一つ』
Q1:転生したい世界は?
A:うーん………ヒロアカ…?
『では、僕のヒーローアカデミアの世界に決定しますね
…てっきりガンダムの世界かと思ったのですか』
「ガンダムは好きですけどね、戦争確定の世界は勘弁ですよ…」
『ビルドファイターズとかの世界なら良かったのでは?』
「あ」
やっべやらかした…よく考えたらヒロアカもほぼ毎日ヴィランが暴れてるから戦争だよな…
Q2:転生特典、3つまで選べますよ
A:個性、個性がAFOに取られなくなる、強靭な肉体
Q3:個性の内容は?
A:うーん…ヤオモモみたいな何でも作れるような個性が欲しい
『具体的には?』
「え、あー…こんなのとか?」
その後も、何だか途中から面接みたいになりながらも質問に答えていった
『はい、無事に転生準備が整いましたよ。右手に見える扉を潜れば、僕のヒーローアカデミアの世界になります』
「あ、ありがとうございました」
最期に転生の世話を焼いてくれた神様?にお礼を言い、転生の扉を開ける
扉から溢れてくる光に飲まれるように、俺の意識は薄れていった
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これは
ただのオタクだった俺が
神様のお陰で
ヒーローを目指す
物語だ
にわか(作者)のヒーローアカデミアがはーじまーるよー