問題児と完全無欠の主人公が異世界に来たそうですゾ〜 作:遺憾千万
樹の行動に驚いていた黒ウサギに
「……これで、僕達の勝ちで良いかな?」
「でっ、どうだったんだ?」
十六夜が五人の代表として黒ウサギに質問した。
「箱庭の中枢から有効であるとの判定が下されました。皆さんクリアです。」
すると、十六夜は
「で、勝負は俺たちの勝ちなんだよな? だったらこっちの命令を聞いてもらおうか…。」
黒ウサギは変な事を要求すると思い
「だ、ダメですよ! 性的なことは…」
「ま、それも魅力的ではあるんだが、そんなのはどうでもいい。俺が聞きたいのは……ただ一つ……」
「な、なんですか?」
「俺が聞きたいのはたった一つこの世界…面白いか?」
その時僕は、彼らを呼んだ手紙にはこう書かれていた事を思い出した。
『家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨てて我らの”箱庭“に来られたしーー』と。
「見合うだけの催し物が有るんだろうな?」
すると、黒ウサギは一瞬目を輝く様に笑顔で言った。
「ーーーYES。『ギフトゲーム』は人を超えたものたちだけが参加できる神魔の遊戯。箱庭の世界は外界より格段に面白いと、黒ウサギは保証いたします♪」
その後、黒ウサギに連れられて、箱庭と呼ばれる天幕巨大都市に向かった。その途中で十六夜が僕に
「なあ、及川。」
「……ん、何十六夜君?」
「十六夜でいいぜ。これからちょっくら世界の果てにでも見てくると思うんだが、一緒にどうだ?」
「じゃあ、十六夜。良いね、僕もそう考えて居たんだ。」
その樹の言葉の返答に十六夜は
「ハハハ、お前とは気が合うな。」
その返答に樹は
「じゃあ、早く行く?僕は結構脚が速いよ。」
「そいつは残念だな、俺の方が速いぜ。」
すると、二人は同時に久遠飛鳥と春日部耀,誘宵美九に聞こえるように、黒ウサギには聞こえない様に言って物凄い速さで世界の果てまで走った。
?箱庭?
「ジン?、黒ウサの姉ちゃんがまだ箱庭に戻って来無いの?」
「私も疲れたー」
すると、そのジンという少年は
「先に帰って良いよ。僕は新しい仲間をここで待って居るから。」
少女達はジンの言う通りに先に帰って行った。
(もし、黒ウサギの目論見が外れたら…僕らも箱庭を捨てて外へ、宛の無い旅をするしか無いのかな…其れだけは防が無いと)
とジンは考えていたら、黒ウサギが十六夜と樹以外を連れて来て
「ジン坊ちゃーん! 新しい方を連れてきましたよー!」
「お帰り、黒ウサギ。そちらの御三方が?」
「はいなこちらの御五人様が……」
ジンの返答に可笑しいと気付いた黒ウサギは後ろに三人が居ると分かり、
「………え、あれ?」
と固まってしまった。
「もう二人いませんでしたっけ?全身から“俺問題児”ってオーラを放っている殿方と何を考えて居るか分から無い“透明人間”みたいな殿方が。」
「ああ、十六夜君とグラディウス君のこと? 彼らなら“ちょっと世界の果てを見てくるぜ!”と言って駆け出していったわ。」
と久遠飛鳥は返答した、その言葉に黒ウサギは
「な、なんで止めてくれなかったんですか!」
「だってぇ“止めたらダメ”と言われたんですぅ。」
「ならどうして黒ウサギにひとこと。」
「“黒ウサギには言うなよ”と言われたから。」
「嘘です、絶対嘘です! 実は面倒臭かっただけでしょう。御三人さん!」
「「うん」」 「そうですよぉ。」
黒ウサギが前のめりに倒れ、ジンは
「た、大変です! “世界の果て”には野放しにされている幻獣が!」
「幻獣?」
「ギフトを持った獣を指す言葉で、特に“世界の果て”付近には強力なギフトを持ったものがいます。出くわせば最後、とても人間では太刀打ちできません!」
「あら、それは残念。もう彼らは…」
「ゲーム参加前にゲームオーバー?……斬新」
「大丈夫ですよぅ♪まっくんといっくんは♪」
「冗談を言っている場合ではありません!」
ジンは必死に重大さを訴えたが、三人は余りにも面倒臭そうで、黒ウサギはその言葉に溜息を吐き立ち上がった。
「……ジン坊ちゃん。申し訳ありませんが、御三人の御案内をお願いしてもよろしいでしょうか?黒ウサギは問題児達を捕まえに参ります。“箱庭の貴族”と謳われるこのウサギを馬鹿にしたこと、骨の髄まで後悔させてやります!」
黒ウサギは、つやのある黒い髪を淡い緋色に染めていく。
「一刻程で戻ります!皆さんはゆっくりと箱庭ライフをご堪能ございませ!」
全力で跳躍した黒ウサギは弾丸のように四人から飛び去った。驚きに久遠飛鳥は
「……箱庭の兎は随分早く跳べるのね。」
「うふふ、髪の色が変わっても可愛いですぅ♪」
「ウサギたちは箱庭の創始者の眷属。力もそうですが、様々なギフトの他に特殊な権限も持ち合わせた貴種です。彼女なら余程の幻獣と出くわさない限り大丈夫だと思うのですが……」
心配そうにしているジンは向き直り、久遠飛鳥と春日部耀,誘宵美九を連れて箱庭に入って行った。