ご注意ください。
「落ち着こう、悠仁! ほら、深呼吸して!」
「お、おれのせーで、五条先生が」
「僕最強だから大丈夫だって。ほら、安心して」
宿儺が癒やすから、中々死ねない。苦しい。苦しい。
「正しい死を迎えるんじゃなかったのかよ!」
「そーよ、せめてプレコグの内容相談してからにしなさいよ! 未来は変えられるんだから!」
「だって俺、だって俺」
プレコグが暴走する。囚われて無理やり子作りさせられる未来が視えた。
「うげっ」
げえげえと吐く。
気持ち悪い。むりやり子供を作らされることもそうだけど、知った顔がいたことで更に心に痛みが走る。その醜悪な光景に興奮してしまった自分に最大級の嫌悪感を感じる。
「わーっ 傷の上に吐くな!」
慌てて吐いたものを五条先生が受け止める。申し訳ない。
五条先生は、俺の額に額を当てた。
「テレパスは使えるかな? 不安、全部吐き出して」
ぐちゃぐちゃのテレパスが暴走する。
伏黒と釘崎も吐いた。
やっぱり、俺の未来気持ち悪いから。
気持ち悪い。気持ち悪い。死んだほうがいい。
「悠仁。怖かったね。昨日、不安定な時に怖い質問したからだね。ごめんね。大丈夫だから」
落ち着いた五条先生の思念が、焦る俺を落ち着けていく。
「僕の心、読むことに集中して」
ごめんって思う気持ち。大丈夫だよ、って思う気持ち。落ち着いた思念が、プレコグの未来とか悲嘆とかぐちゃぐちゃした心を落ち着けていく。
「プレコグはなし。自殺もなし。夢も見ずに眠って、起きて、ちゃんと話そう。今日は脹相達との面会日だ。お兄ちゃん達が心配するよ」
「うん……」
ポンポンと背中を叩くリズムが、眠気を誘っていく。
「うーん、これ多分、離れた瞬間悠仁発狂するね。テレパスで僕が落ち着けてる状態みたい。悪いけど片付け手伝ってくれる?」
「はい」
「まだ頭の中がぐちゃぐちゃしてる……。悠仁、私あんたのこと気持ち悪いって思ってないからね? 悠仁の思念がぐちゃぐちゃだったから吐いちゃっただけだからね?」
「悠仁……悠仁が怖いなら、そんな未来引き寄せる前に殺してやるから。安心しろ」
ころす。ころしてもらえる。だいじょうぶ。
俺の意識は、今度こそ落ちた。
そして、起きた後、俺は落ち着いていた。
すっと五条先生から放れて、床に這いつくばり頭を下げる。
「申し訳有りませんでした! もう落ち着きました」
「じゃあ、お風呂はいろーか」
「はい。申し訳有りません」
お風呂で身を清めた後、俺は面会に向かった。
「お前が……俺達の……弟……」
「虎杖 悠仁です!」
「朝、死にかけたのは自殺未遂だと聞いた。なぜ」
「えっと、説明するの面倒だから「送る」な」
兄弟の繋がりがあるからか、テレパスのレベルが上ったのか。この至近距離なら行けそうだ。俺は記憶を送る。
「……虎杖 悠仁を助けるなら、君達の処刑は保留にする。返答は?」
「最初から選択肢は一つだ。お兄ちゃんは弟を守る!!」
「兄さんが望むなら……」
「俺の弟! 悠仁! 兄者って呼んでいいぞ!」
「じゃあ、京都校も交えて作戦会議しよーか。皆も心配してるから、悠仁、ちゃんと謝るんだよ?」
「はい、せんせー」
そういうことで、俺達は集まった。
「悠仁!」
「うわっ」
メカ丸……幸吉が乗り出してきて、引く。
「絶対に未来を変えるぞ!!」
「う、うん」
「御三家揃ってるし、なんとかなるはずだ。未来は変える。だから安心しろ」
「ああ、ありがとう、加茂先輩」
「お前、テレパスで最悪な未来撒き散らしてたぞ。今まで他人事で悪かった。とりあえず真依をあんな目に合わせたくないから、本気で未来変えるぞ。駄目だったら殺してやるよ」
「そーいうこと。大船に乗ってつもりでいなって☆」
こうして、作戦会議が始まった。