四割の男   作:かりん2022

14 / 15
現状を打開する方法

 

俺の精子は出荷されて行った。

もう後戻りはできない。

望みのESPが発現しなかった子達は、兄貴達が育てる事となった。

 

早速、俺の子種が悉く盗まれたと聞いて、肩を落とす。

まあね。そうなるよね。

 

子供達が力を発現するまでには、警備体制を確立させて欲しいところである。

 

それにしても、母さんは本当にしぶとい。

 

下手に刺激すると、1000万の呪霊が放たれてしまうので、とても難しいのだ。

 

それに、多分……いる。母さんの側に。

未来から来た、俺の上を行くエスパーが。

 

となると、こっちもやはりドーピングしかないかな。

 

「うーん。早く荷物届かないかな」

「ドーピング薬の材料なら、受け取ってこっちで処分したから」

「げっ」

「ドーピングはダメって言ったでしょ」

 

 ぽんぽんと頭を優しくし叩いて、五条先生はいう。

 

「でも、このままじゃ、俺、勝てないし。俺は俺の幸せのために勝ちたい」

「それはわかるよ。ってことで、これ」

 

 宿儺の指を渡される。

 

「宿儺の指?」

「結局、悠仁を守るには悠仁自身の強化をするしかないと思うんだよね。それに、君を殺す言い訳もしやすいし。プレコグは便利だけど、宿儺は危険なのでやっぱり殺しますってね。後は漏瑚からなんとか宿儺の指を強奪しないとね」

 

 俺は頷く。

 

「趣向を変えて、周りから削っていこうか。漏瑚の場所、予知できる?」

「やってみる」

 

 というわけで、攻撃に転じてみた。

 襲撃すること二十数箇所。

 

 ようやく俺達は、エスパーの顔を拝めた。

 

「傑っ……!!」

「ようやく会えたな。俺の……子孫!」

「釘崎。わかってんな」

「大丈夫。虎杖は守るわよ」

 

 五条先生と母さんが対峙する。

 

 俺はエスパーを見た。

 俺そっくりの子供は、疲れ切った年老いた目で、母さんの裾を掴んでいた。

 

「五条先生……」

 

 その声を聞いて、俺は理解した。

 子孫じゃない!

 

「あんたが、俺を殺してくれなかったから」

「俺!?」

 

 恨みがましく言って、未来の俺は莫大な呪力を纏わせた。

 

「悠仁! 恵! 野薔薇! 逃げろ!」

 

 五条先生の指示で退がる。

 同時に大量に出された呪霊を先生が一掃する。

 

 未来の俺が五条先生を攻撃する。

 それは無限を貫き、五条先生の鳩尾に深々と突きをした。

 気絶した五条先生を抱き上げる俺。

 

「五条先生!!!」

「くそっ 退くぞ!」

「先生が攫われたら未来なんてないわよ!」

 

 恵は問答無用で俺達を避難させる。

 そして、学校へと逃げ帰った。

 夜蛾学長が頭を押さえた。

 

「なんて事だ……。悟が攫われるとは」

「とりあえず、打てる手が一つだけある」

「……言うな」

「俺が死ぬ事だ」

 

 俺の手の内には、漏瑚からどさくさに紛れて奪った宿儺の指コレクションがあった。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。