四割の男   作:かりん2022

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なお五条先生の忙しさ。


つかのまの休日

「悠仁ー」

「自然災害や大きな事故、事件でプレコグで関知した物のリストね」

「いやー、話が早くて助かるよ。ちょっと圧力強くなってきてさ―」

「先生が俺を守るために頑張ってくれてるのは知ってる」

「ありがとね、悠仁。でも、言っといてなんだけど、しばらくプレコグ禁止」

「なんで?」

「顔色が悪い。こういうの見逃したら、大抵ろくなことにならないからね。今日一日休んだら、交流会に備えて呪力の特訓を頑張るよ―に」

「はーい」

 

 部屋で大人しく休んでいると、訓練を終えた釘崎と伏黒もやってきて一緒に御飯を食べる。

 

「順平だけど。どうする?」

「情報漏れてんでしょ。派手に動いてるから、未来代わるんじゃない?」

「それでも、順平は誘われるよ。実験台として条件を満たしてるから」

「あー」

「虎杖。理由があるにしろ、呪力で人を傷つけたら、呪術規定でそりゃ裁かないといけない。そいつ、人が目の前で殺されてるの容認してんのよ。あんまり背負い過ぎちゃ駄目よ」

「うん」

「メカ丸を助けるってのもナシよ。一人助けるために何人も犠牲にしちゃ世話ないわ」

「うん」

「そもそも、今日プレコグ禁止だから」

「うん。っていうかさ、一応俺も政府に仕えて、後ろ暗い経験もしてるし、休憩の大事さも知ってるって」

「潰れて自殺してるって事まで含めて知ってるから言ってんだよ」

「あんた、メンタルか弱い自覚しなさいよ」

 

 同級生が優しい。

 俺はまだ人殺しを戸惑ってしまうのだが、呪詛師がバンバン襲ってくる為、二人は既に殺人童貞を捨てている。

 プレコグだとなんでも分かるというわけではないので、大々的にプレコグを使うのは失敗だったかもしれないとちょっと後悔する。

 ただ、運命を大きく変えないと、あまりにひどい未来が待っているので、見て見ぬ振りが正しいとも思えない。そこがプレコグの難しいところだ。

 サイコキノなどと違って、戦い方が根本的に違うし、悠仁はそういう戦いは苦手である。

 あくまでも歯車でしかなかったし、これからもそう有りたいのは甘えだろうか。

 

「……クイーンとか、パンドラとか。今でも憧れてたりする?」

「それは憧れるよ。やっぱり、自由とか力とかって最強じゃん。でもさ、籠の鳥が檻の外で生きてけるわけねーし。檻の外は外で大変みて―だし。周りを傷つけるサイコキノ、迷子のテレポーター、嫌な部分知っちまうテレパス、そう考えると普通が一番強いのかなって」

『お前の記憶は面白いな。呪霊などなくとも、人など勝手に争って死ぬことがわかる』

「宿儺じゃねーけど。もうちょっと話聞きたいな」

「じゃあ、俺がクイーン・オブ・カタストロフィに助けられた話する? それともパンドラに勧誘されたときのことがいい?」

「なにそれ聞きたい!」

「まて釘崎、かなり重い話にならないか……!?」

「伏黒、気にならないの?」

「気になる」

「俺はその日、プレコグの限界にチャレンジした……。プレコグをかいくぐってどこまで逃げられるかチャレンジしたんだ」

「プレコグかいくぐれんの?」

「色々方法はあるよ。例えば、ギャンブルで言えば、俺が賭け試合で未来を見て大金を掛けたとする」

「うん」

「大金を掛けられた時点で、反対の試合結果になるように八百長をすればいい」

「あ、そっか」

「後は、プレコグ同士の対決での未来の読み合いとか……プレコグが見れるのはあくまで未来の可能性のワンシーンだけだから、色々あるよ。変わってたのが、プレコグ用に使ってるニュース映すテレビで、ビデオ流されたことかな―。思いっきり騙されて結構大変なことに」

「その話も面白そうね」

「さすが元異世界人、話題には事欠かないな」

「なにそれ、僕も聞きたい!」

 

 勝手に部屋に入ってきた五条先生が、順平を連れてズカズカ入ってきて言う。

 

「せんせー。お疲れ……様」

「今日は頑張ったよ、僕! 真人は取り逃がしちゃったけどね」

「やだせんせ―。惚れる男前」

「先生の分大盛りにしておきますね」

「順平、よろしくな! 俺、虎杖!」

「よろしく順平。私は釘崎 野薔薇」

「伏黒 恵だ」

「あの、プレコグって君? 僕、吉野 順平って言います! 色々聞いてもいいですか?」

「聞くより、こっちの方が早いよ」

 

 俺は順平と額を合わせて、プレコグった内容を見せる。

 その過程で、順平の心も少し見えた。俺はグリンと首を回して五条先生を見る。

 

「先生。順平スパイっす」

「まあね! 無理やり連れてきたし、説得する時間とかなかったからね! これから説得してよ!」

「そこは丸投げしちゃうんだ……」

「先生にそこを期待しちゃ駄目だろ、釘崎」

「お鍋美味し―。いやー。悠仁に対する圧力が凄いのなんのって。僕がタジタジになるのって相当だよ?」

「本当に今日一日忙しかったのね。デザートの果物切ってあげる」

「はちみつ掛けましょうか」

「えっ 俺が順平説得する流れ?」

「「「そこは悠仁担当でしょ」」」

 

 あっ 額合わせてないのにコミュ力おばけって聞こえた!

 




感想、お気に入り、ココスキ、ありがとうございます!
マシュマロもありがとうございます、長文感想嬉しいです、待ってます!

ちょっと体調崩しぎみで更新鈍るかもしれませんが、
がんばります。
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