「桃ーっ 三輪ーっ ごめんねーっ」
「ううん、真依ちゃんは悪くないよっ 悪いのは……っ」
女の子達がわあわあと泣いた後、キッと五条先生を睨む。そう、真依は東京校から出場になってしまったのだ!
「文句なら未来の君達に言ってね?」
「じゃあ、未来情報教えなさいよ! 真希に抱きしめられて当主なんてならない、ずっと一緒にいようって言われたのはありがとう!」
「そうよ、なんなのよ、プレコグって! 超能力なんて絶対インチキっしょ! でも真依ちゃんはおめでとう!」
「君達、怒るのと喜ぶのどっちかにしたら? まー、真希にはプレコグの内容知らせてるから、そっちに聞いておいて。僕は僕で忙しいから」
「忙しいって何がよ」
「んー? 君等はいつも通り頑張ればそれでいいよ」
「しかし、あまりにも東京校が有利になりすぎるのでは」
「そこで! 東京校からは宿儺の器を貸し出します! 護衛として他の一年生もつけるけど、不測の事態に備えたもので戦いには参加しないよ」
「よろしくな!」
「「「はあ!?」」」
「親睦を深めて悠仁のこと知ってもらうにはコレが一番だと思ってね」
「面白い! 乙骨! 存分に戦おうではないか!」
「あはは……勝つよ」
というわけで、作戦会議を行うこととなった。
「で、宿儺の器は本当に未来が見えるのか?」
「見えるよ」
「どっちが勝つ?」
「まあ、待てって」
ざらららららっと粉薬を飲んで、えずく。
「おい、大丈夫カ?」
「ドーピング。きっつ……」
『普通に毒だからな。俺の器になってもなおキツイと感じる毒、普通ならば死んでるぞ』
「聞いてね―ぞ、虎杖!」
「それって普通に死にかけてるだけじゃね―か! 吐き出せこら!」
「先生が、信じて、任せ、てくれた、んだから、ちゃんと、仕事、したい」
そして、虎杖は地図に色々と書いていく。
「まず、東京校の配置とルートはこんな感じ。京都校はこう。ここで接触して、戦いはこっちは東京校、こっちは京都校の勝ち。ここでぶつかって、そこで呪詛師の乱入が起きて、こういうルートでこうなって……ここで花の呪霊が現れて……ちょっと加茂先輩、面貸して」
ペンを持つのもきつくなった俺は、加茂先輩に額を合わせる。プレコグの結果、今日はメカ丸の救出まで行けるようだ。
五条先生はそのつもりらしい。向こうも、メカ丸の救出が出来るのかで俺のプレコグの精度を推し量ってくる。負けたくない。
今回のプレコグでは、メカ丸の救出は……ぎりぎり間に合わなかったみたいだ。
「!? ……頭の中に映像が……」
それが終わると、俺はへちょっと崩れ落ち、釘崎に指を突っ込まれてげえげえ吐いた。
「牛乳もってこい! それと水!」
「わかった!」
「今の、何されたの」
「頭に直接イメージを流し込まれた、みたいだ。一連の戦いの流れが見えた。特級呪霊が途中で乱入するのも見えた。……未来は、変えられるのか」
俺はコクコクと頷き、ドーピング薬をザラザラっと取り出す。
「勝てる未来を探り当てるまで、やるから」
「やらねーよ!」
俺は釘崎に意識を落とされた。
目が覚めた俺が見たのは、ぼろっぼろの皆が、傷だらけのお母さんにすがりついて泣く順平と、五体満足で泣く幸吉を抱きしめている所だった。
「何が起きたの?」
俺は涙ぐんで見守る西宮に聞く。
「見えないの?」
「俺、過去視は出来ね―んだよ。過去視は何方かと言うとサイコメトリーに分類される」
「ふーん。じゃあ、加茂先輩のメカ丸の説得も、あんたのプレコグからの作戦立案も、呪詛師の迎撃も、幸吉の告白も、加茂先輩の華麗な指揮も、あんたの誘拐劇も、奪還劇も、ぜーんぶ見逃したんだ」
「えっ 俺、仲間はずれ!?」
皆は、激戦をくぐり抜けて結束を高めました! なんて顔をしている。
「これに懲りたら、毒なんて飲むなよ、マジで。……あんたには、感謝してるんだから」
西宮の言葉に、俺はへにゃり、と笑う。
「役に立てたなら、良かったよ」
「良くないから! 僕、そこまでしろなんてひとっことも言ってないよね!? そりゃ、プレコグ相手だとどれだけ厄介か一度経験してみたいとは言ったけど! ドーピング薬が毒なんて聞いてないし! もう三日間は外出もプレコグも禁止だから!」
「はーい」
「ヘラヘラしないっ 僕は怒ってるんだけどね? 何がそんなに嬉しいのかな?」
「いや、先生って本当簡単にプレコグ禁止っていうなぁって」
「私達も言うわよ! ドーピングは二度と使うな!」
本当に、俺っていい仲間に恵まれたな。
「それはそれとして、仲間はずれは寂しい……」
「自分から自爆でリタイヤしといて何言ってんだ」
「おっしゃるとおりです」
伏黒に牛乳を口に突っ込まれ、俺は反省した。
牛乳もう入んないっす。腹タップタプ。
「じゃあ、反省会しようか! 悠仁抜きで♡ 今日は美味しいものごちそうするよ」
「あ”ー!!」
文句を言った俺は一切省みられることなく、普通に厳重にセキュリティの掛かった部屋で安静に休まされた。
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何度も読み返してくれるのがPV数でわかる……。
嬉しい。嬉しい。
ありがとうございます!
ガンガン更新がんばりますね!