ウマ娘に転生したけど元ネタがなにかおかしい 作:普通のもふもふ
『併走という名の真剣勝負で通算235戦もしてピンピンしてるのホンマバケモンやでどっちも…』
(´・ω・) 確かにな…
(´・ω・) でもナリタブライアンはすごいけどバケモノはかわいそうかも…
(´・ω・) じゃあ世界の方をおかしくするか
前書きは以上です。本編どうぞ
学園に来て1年間、俺の周りではいくつか大きな変化があった。まずはトゥインクルシリーズ、ミスターシービー先輩がクラシック三冠を獲得し、それに続くようにシンボリルドルフ先輩もメイクデビューを快勝、現在間近に迫った皐月賞まで連戦連勝無敗の皇帝ルートを進んでいる。それを見てかどうかは分からないがナリタブライアンはチームリギルに所属することにしたらしい。並み居る先輩方を押しのけ選抜レースに勝利、新入生ながらリギルの新星として名を馳せていた。
その一方で俺自身には大きな変化はなかった。学園に来て初めの数日間こそルームメイトとして馴染もうと駄洒落を連発するルドルフ先輩や俺とのうまぴょいを狙う(そんな意図はない)ナリタブライアンのせいで大変だったが現在では生活もルーティン化して安定している。早朝に起きてナリタブライアンと朝練をし、ルドルフ先輩やナリタブライアンと食事をし、ナリタブライアンと授業の成績を競い、放課後はナリタブライアンや彼女についてきたビワハヤヒデ、あるいはリギルの面々に混ざってトレーニングを重ねる…。安定してるし充実もしてるな!(生活のほとんどをナリタブライアンに浸食されていることから目を背けつつ…)寮が違うのがせめてもの救いである。
ちなみにだが俺自身はまだチームにも所属していないし専属トレーナーもついていないフリーのウマ娘だ。模擬レースの結果を見たトレーナー達(リギルのおハナさんもいた、どうして…)からの熱いスカウトの嵐もあったが…、何故だろうなにかしっくり来ないので全てお断りさせて貰っている。まあそのうち見つかるだろう。
そんな俺だがこの1年でかなり仲良くなった相手がいた。我らが美浦寮の寮長キスオブファイア先輩だ。数年前にメイクデビューすると、その末脚でトリプルティアラを達成、その後もマイルレースを中心に勝利を重ねている優秀な先輩である。その上初対面の時から言葉の端々に現れていたが、この先輩口調は乱暴なのに滅茶苦茶面倒見がいい。寮内でのトラブルや寮生の相談事などがあるとすぐさま現場に介入、解決へと導いていくのでもっぱら美浦寮での評判は頼れる長姉扱いだ。今年の新入生のヒシアマゾンちゃんが二重の意味でキラキラした憧れの目で見つめていた。本人はなんともいえないむず痒さを感じているようだが…閑話休題。
さて、俺とファイア先輩だがどちらも元がチョコボだからなのか妙にウマがあい(トリ娘なのにウマが合うとはこれ如何に)わりと頻繁に先輩の部屋に招待されている。ここ数ヶ月は先輩が海外遠征をしていたためにごぶさただったが、今日は一時帰国したついでにお土産を渡したいとのことでお呼ばれされていた。
「おう、いらっしゃい。この前遠征先で美味いもの見つけてな、お前も好きそうだから持って帰ってきてやったよ。今出すからちょっと座って待ってろよ。」
先輩はわざわざお茶を入れて待ってくれていた。やはりこの面倒見の良さは生来のものらしい。先輩が荷物を漁っているのを眺めていると、ここ1年間ほど感じていなかった感覚が背筋をよぎった。そういえば遠征先のレースでも活躍してたことは聞いていたが、遠征先の国とレース名を聞いていなかったな…。いやでもまさかこの後に及んでそんなおかしなことが起こるはずは…。謎の感覚に一人で頭を悩ませていると何時の間にか先輩が戻ってきていた。
「この野菜なんだが遠征先の国の名産品でな。生でも美味いし料理にも色々使えるらしい。日本では見かけたことなかったんだが向こうのウマ娘はよく食ってるんだ。まあ一口食べてみろ」
そう言って出されたのは大きめのカブと大根の合いの子のような野菜。よく分からない既視感を感じながらもとりあえずかぶりついてみた。
…モグモグ…、うん…これは
「この野菜すごくおいしいですね!」
「そうだろ!」
正直言ってめっちゃうまい!若干の苦みがありつつもそれが野菜の甘さを引き立てている!生でこれなら調理すればもっとおいしいに違いない。
「『ギサール菜』っていう名前でな。向こうではニンジンよりもこっちが主流なんだ」
…え?ギサール菜って、まさかこれギサールの野菜!?そんなもの一体どこから…
「そういえば先輩、遠征先ってなんていう国でしたっけ?」
「ん?言ってなかったか?『イヴァリース』ってとこなんだが」
「嘘でしょ…」
どうやらこの世界は思っていたよりもおかしいようだ。
ギサールの野菜:チョコボの大好物、大きくてカラフルなニンジン、あるいは桜島大根のような見た目らしい