模擬レース後、あたしたちのトレーナー室に現れたひとりのウマ娘。それは、あのレイアフォーミュラと同じレイア家のウマ娘、レイアクレセントだった。
「いらっしゃい」
出迎えるトレーナーの声色は、どこか嬉しそうだった。思いがけない訪問に戸惑うあたしたちをしり目に、トレーナーはレイア家の令嬢を部屋の中へ招き入れる。
しとやかで、落ち着いた様子の彼女は、同じレイア家とはいっても、レイアフォーミュラとはまた違う雰囲気を持っていた。
なんだろう。同学年の相手だし、あたしは別に人見知りでもないのに、なぜだか落ち着かない。この人の前では
「それで、お答えは?」
トレーナーが尋ねた。流れから見て、これはレイアクレセントに聞いているんだ、ということはすぐに理解できる。ただ、なんの話かわからず、あたしたちは首をかしげた。
当の本人は、すぐにその問いに答えた。
「ええ、是非よろしくお願いします」
よろしくお願いします? それって、まさか。あたしがその答えの意味にたどり着くのと同時に、レイアクレセントはその続きを口にした。
「
「ええ!?」
黙ってなんないられなかった。あまりにも衝撃的すぎる。所属している身で言うのもなんだけど、うちのチームにレイア家のお嬢様が興味を示すなんて、とてもじゃないけど信じられない。それから、もうひとつ気になることがあった。
「アンタ、もとのチームはどうするの」
そう、レイアクレセントは、パレカイコやレイアフォーミュラと同じ、チームカペラに在籍しているウマ娘。うちの一員になるということは、すなわちチームの移籍ということになる。正直、何のメリットもないように思えた。あっちにはたくさんの優秀な先輩がたくさんいるし、これから有望な後輩も数多く入ってくるはず。合宿や遠征には特別なスタッフがついたり、ウイニングライブ用に専属のダンス指導員もいたり、これ以上無い環境のチームだ。そんなチームを捨てるなんて、もったいない。百人に聞けば、百人が同じように答えるだろう。
けれど、彼女の中では、移籍はもう決定事項のようだった。
「先ほど、カペラのトレーナーさんには脱退届を提出いたしました。すでに受理されています」
「どうしてそこまでして」
こっちの都合だけを考えれば、高い能力を持っているであろう彼女の移籍はありがたい話。でも、何がそこまでの動機になったんだろう。トレーナーには悪いけど、あたしにはやっぱり理解できなかった。
「カペラは大変すばらしいチームです。才能と、血統と、話題性、そのすべてが最高の水準で揃った者にとっては」
レイアクレセントのその言い回しには、どこか引っかかるものがあった。まるで自分には欠けているものがあるとでも言わんばかりだ。あたしから言わせれば、彼女は才能も、血統も、話題性も最高にあるウマ娘だというのに。
あたしがその疑問を口にする前に、トレーナーは先回りするように立ち上がって、新しいチームメンバーに握手を求めた。
「歓迎するよ。よろしく」
レイアクレセントも、その手をためらうことなく握り返す。ここに、チームプルート四人目のメンバーが加わった。
「よろしくお願いいたします」
その場はとりあえず、それ以上追求するのはやめにした。ともかく、戦力が増えたというのは、チームプルートにとって悪い話ではないのだから。
「そういえば、ルピナストレジャーさんはマイルが得意と聞いております。私もマイルは得意にしておりますので、楽しみです」
訂正。強力なライバルが増えた、だった。
このニュースは瞬く間に広まった。レイア家のお嬢様が、チームカペラから、
「私にとっては、このチームが一番魅力的に思えたものですから」
なぜ名門を捨てて、プルートなんかに移籍したのか。だれが聞いても、レイアクレセントはそう答えるだけだった。
彼女がチーム練習に加わったことは、あたしにとってはいいことずくめだった。スピード豊富な先行脚質の彼女がいるだけで、差し戦法のシミュレーションをしやすくなる。これまでは、あの模擬レースの時のような、前を見ながら走る練習はできなかった。ホープアンドプレイは追い込みだし、クラウンセボンではスピードが足らなくて、あたしの方が前に出てしまうからだ。
もちろん、あたしだけでなく、チーム全体の練習の質も確実に上がった。同じ脚質のクラウンセボンは積極的にレイアクレセントから教えを仰ぎ、ホープアンドプレイはそのスピードに追いつこうと、ダッシュの本数を増やした。トレーナーもそれに合わせて、どんどんハイレベルなメニューを指示してくる。カペラからの移籍者の効果は、間違いなくプラスに働いていた。
それだけに、違和感が拭えない。これだけのウマ娘が、B組に進級したばかりの大事な時期に、元いたチームを捨てるなんて。レイアクレセントのレベルの高さを感じるごとに、あたしの中の疑問はますます大きくなっていった。
「ねえ、カイは何か知らないの?」
あたしは、パレカイコに尋ねてみた。カペラでチームメイトだった彼女なら、事情を知っているかもしれないと思ったからだ。
けれど、彼女もまた、レイアクレセントの一件についてはほとんど何も知らないようだった。
「そうねえ、私はあんまりクレセントちゃんとはお話したことなかったのよ。カペラって、ものすごくメンバー数が多いでしょう? だから、よくわからないのよ」
「フォーミュラは何も言ってなかった?」
「それが、フォーミュラも全然聞いてなかったんですって。でも『本人が選んだことなら、私が口を出すことじゃないだろう』なんて言ってたわ」
「あはは、あいつらしいや」
しかしそうなると、手がかりらしいものがほとんどない。パレカイコによれば、クラスメイトや寮の同室の子にも黙っていたことなんだとか。本当に自分一人で決めたことだったみたいだ。やっぱり、なにかおかしい。授業の合間の休み時間も、あたしの頭の中はそのことで一杯だった。
「ルピナスちゃん」
「うわっ、びっくりした」
突然肩を叩かれてとんきょうな声を上げてしまった。見れば、話しかけてきたのはクラウンセボンだった。
「もう、やっぱり聞いてなかった」
「ごめん、考え事してて」
全然気づかなかった。クラウンセボンは頬を膨らませて、怒ったような表情を見せるも、すぐに元の優しい顔に戻って、あたしが聞き逃していたらしいことをもう一度言ってくれた。
「あのね、今週末の皐月賞のことなんだけど」
クラウンセボンの手には、月刊『トゥインクル』が握られている。そういえば、すっかり忘れていた。模擬レースからこっち、いろいろなことがありすぎたもの。
「せっかくだから、チームのみんなで観に行かない? ちょっと遠いけど、中山レース場ならなんとか日帰りできると思うし」
「ああ、いいねそれ」
あたしはすぐにうなずいた。単純に観たいという気持ちもあったし、チームの親睦を図るという意味でも、きっと役立つと思ったから。不安要素といえば、あたし以外の子が行きたがるかどうかだけど。その心配をあたしが口にするよりも早く、クラウンセボンは問題の相手に突撃していた。
「ホープちゃんはどう? 一緒に行かない?」
さてどうなる、と思ったあたしの不安をよそに、ホープアンドプレイは意外なほど素直に答えた。
「うん。行こう」
「ほんと? よかった。ホープちゃんとお出かけできるの、すっごく嬉しい! 約束だからね!」
よほど嬉しかったのか、クラウンセボンは次の授業の最中もずっと浮かれ気味だった。数学の時間だというのに、先生に指名されたところで「中山レース場、芝2000メートルです」なんて答えるくらい。皐月賞が近いということもあって、少なからずみんな意識がそっちへ向いているものだから、それほどキツいお叱りは受けずにすんだけれど。
「クレセントさんを誘いに行こう!」
お昼休みを告げる鐘が鳴ると同時に、クラウンセボンはあたしたちを引き連れて隣のクラスの教室へと駆けていった。
「こんにちは!」
元気よく扉を開くクラウンセボンに、教室中の目が集まる。後ろに控えるあたしたちを見つけて、何人かの表情が変わった。あちらこちらから「あれクレセントさんの」とか「こないだの模擬レースしてた」とか、そんな声が聞こえてくる。そういえばあんまり考えてなかったけど、レイアクレセントのクラスメイトにとって、あたしたちの存在ってどういうものなんだろう。なんとも微妙な空気だった。
「クレセントさん、いますか?」
その雰囲気に気づいていないのか、あえて無視しているのか、クラウンセボンはいつもの明るい調子で尋ねた。昼休みもまだ始まったばかりで、まだほとんどの生徒が教室に残っている。けれど、ぱっと見た限りでは、レイアクレセントの姿は見当たらなかった。
「あの子なら、もうトレーナー室に行くって」
あたしたちの目の前にいた、黒鹿毛のウマ娘が答えた。
「あ、そうなんだ。どうもありがとう」
そう言って、きびすを返そうとしたクラウンセボンを、その黒鹿毛のウマ娘が引き留めた。
「待ちなよ。あなたたち、プルートのメンバーでしょ?」
「え? そうだけど」
答えながら、クラウンセボンは一瞬、あたしに目線を送ってきた。あたしはとっさに、ホープアンドプレイを隠すように少し前へ出る。黒鹿毛のウマ娘は、あたしたちをじっと見つめ、少し迷うようにしてからおもむろに口を開いた。
「クレセントのことだけど、何か知らない?」
それを聞いて、あたしは全身に込めていた力がふっと抜けるのを感じた。というのも、相手の口調に敵意のようなものを感じなかったから。大切なクラスメイトのことを本気で心配しているような、そんな態度だった。
「ここのところ、あの子ずっと元気が無くてさ。かと思ったら、急にチームを移籍するとか言い出して。何かあったのか聞いても答えてくれないし、私たちみんな、あの子のことが気がかりでしょうがないんだよ。一体どうしちゃったんだろうって」
黒鹿毛のウマ娘は、いまにも泣き出しそうだった。
それに続けて、その後ろにいた別のウマ娘がこう言った。
「それだけじゃないよ。あんたたちのトレーナーについては、ヘンな噂があるじゃん? だから――」
「ちょっと、それどういうこと!?」
珍しく、クラウンセボンが食って掛かった。こういうことになるとしたらホープアンドプレイの方だろうと思っていたあたしにとって、これは意外だった。
「ボン、やめなよ」
「でも!」
あたしはクラウンセボンを制して、大きく深呼吸した。ヘンな噂って、例の改造手術だの薬漬けだの言ってるめちゃくちゃなアレのことだ。正直、あたしだって怒鳴りつけてやりたい。その噂の疑いは結局、あたしたちが不正をしているって言われてるのと同じことだもの。
でも、できなかった。彼女たちがこんな心配をするのは、プルートというチームの過去を思えば、ある意味当然なんだ。それくらい覚悟していたことじゃないか。いまはケンカしたって良いことなんかない。あたしは自分にそう言い聞かせた。
「ごめん。あたしたちも、何もわからないんだ。あたしも混乱してるんだよ。よりによって、なんでうちなんかに移籍したんだろうって」
あたしは冷静を装って、そう答えた。それでこの子の不安は解消されやしないだろうけど、あたしにできることなんて、これくらいしかなかったから。黒鹿毛のウマ娘は、そんなあたしの態度を見て、きまり悪そうにしながら言った。
「……そっか。こっちこそごめんね。おかしなこと聞いて」
「ううん、気持ちはわかるよ。ただ――」
あたしはぐっと拳を握りしめた。
「あたしたち、恥ずかしいことは何もしてないから」
それだけは言っておきたかった。そうして、あたしたちは教室をあとにした。
重苦しい空気のままトレーナー室へ向かうあたしたちの中で、沈黙を破ったのはクラウンセボンだった。
「ねえ、ホープちゃんは中山レース場、行ったことある?」
ホープアンドプレイは、首を横に振った。
「レースはテレビでしか見たことないから」
「あ、そうなんだ! じゃあ、いろいろ教えてあげるね。観光スポットとか、おすすめのグルメとか……」
いつも以上に明るく振る舞うクラウンセボンの気持ちは、痛いほどに伝わってくる。本当なら、こういうノリが苦手なはずのホープアンドプレイも、嫌がる素振りを見せない。無愛想なやつだけれど、案外優しいところがあるんだと思った。
「それでね、私とルピナスちゃんは東京レース場での入学試験の時に初めて会ったの」
クラウンセボンのおしゃべりの内容は、いつのまにかレース場の話から、あたしとの出会いの話になっていた。日頃口数の少ないホープアンドプレイとなかなか話せるタイミングがなかっただけに、いままで溜まっていた分を取り返す勢いだった。
「あのときのルピナスちゃん、ものすごくカッコよかったんだよ」
「ほら、もうその辺にして」
ちょうどそこでトレーナー室の目の前に着いたのと、気恥ずかしさもあって、あたしはおしゃべりをやめさせた。あの黒鹿毛のウマ娘が言ったことが本当なら、レイアクレセントもここにきているはず。クラウンセボンはうなずいて、ノックをしようと扉へ近づいた。
その時だった。
「
突然の大声に、あたしたちは身を震わせた。声は中から聞こえてくるようだった。
「いけません、クレセント。あなたは自分がレイア家のウマ娘であるという自覚がないのですか!」
「今更何をおっしゃいます。私のことなど、あの子のおまけ程度にしか考えていらっしゃらなかったでしょうに」
トレーナーとは違う大人の女性のような声と、レイアクレセントが何やら言い争いをしているらしい。あたしたちは互いに目配せして、扉に耳を当てて、中の様子を探ることにした。入るのが気まずい雰囲気だということもあるけれど、それ以上にちょっとした野次ウマ根性が芽生えていたからだ。
「とにかく、私はこのチームで活動を続けます。トレセン学園の生徒には、チームを選ぶ権利があるのですから」
「ならばここでなくとも、他にいくらでも良いチームがあるではありませんか。こんなスキャンダルまみれのチームなど、あなたの名誉に傷がつきますよ」
「あなたが気がかりなのは、私の名誉などではなく、レイア家の名誉でしょう」
なんだか、どこかのマンガかドラマの話でも聞いているみたいだ。家の名誉だの、自覚だの、話している内容はとてもシリアスな内容なのに、現実感が無い。あたしはどこか、他人事のように聞いていた。
「――それに、仮にあなたが言うように、このトレーナーが清廉潔白で優れた人物であったとして、このチームは、あなたを入れてもまだ四人しかいないではありませんか。その環境の差は、いくらあなたでも認めざるを得ないでしょう。カペラにいれば、競い合う相手も、手本となる者もたくさんいたでしょうに」
「ですが、あのチームでは私を私として見てくれる方はいませんでした。いいえ、あのチームだけではありません。学園にも、レイア家にも、いままで一人としていなかったのです。かけてくださる言葉と言えば、フォーミュラのようになれ、フォーミュラに続け、そんなものばかり! それに対する私の苛立ちさえ、あなたを含め、誰も気付いてはくださいませんでした。違ったのは、ここにいる河沼トレーナーだけです。フォーミュラとの模擬レースの話にいらしたとき、この方はチームを一目見て、私の存在に、私の胸の内に気付いてくださいました」
そこではじめて、レイアクレセントが最初にやってきたときのトレーナーの態度のわけが分かった。あのときトレーナーは、まるで最初から分かっていたかのような様子で、レイアクレセントを出迎えていた。それは、模擬レースの話が始まったときから、チーム移籍の話を進めていたからだったんだ。
「その模擬レースの結果も、素晴らしいものでした。カペラの先輩方も口々におっしゃっていました。ルピナスさんも、編入生のホープさんも、ヒト生まれとは思えない力を発揮したと。作戦といい、コース条件選びといい、プルートの新しいトレーナーは底知れない力を持っていると。手腕も確かで、私の心を知ってくださる方なのだとしたら、何の迷いがあるでしょうか」
「言い訳はもうたくさんです」
レイア家の人らしいその大人の声は、ぴしゃりとレイアクレセントの言い分を切り捨てた。
「結局あなたは、大きな強い組織の中で平民に甘んじることに耐えられず、小さな弱い者たちの女王になろうと考えた、ただそれだけのことです」
「私のチームメイトを侮辱なさるおつもりですか」
「母として、あなたの志の低さを戒めているだけです」
そのとたん、ドンという大きな音とともに、レイアクレセントの怒気を含んだ声が響いた。
「勝手なこと言うのはやめて!」
沈黙。それは怖いくらいの長い長い沈黙だった。自分の心臓の音がドクンドクンと耳にうるさく聞こえてくるのだけが、時の経過を教えてくれる。しばらくして、別の声が静かに聞こえてきた。トレーナーの声だった。
「今日のところは、お引き取り願えますか」
「――私は、この子の将来を思って」
「わかります。ですが、あなたが愛しい我が子の未来を守りたいとお思いになるのと同じく、私も、大切な教え子の心を守りたいのです。どうかいまは、クレセントさんの判断を見守っていただけないでしょうか」
あたしたちはみんな、固唾を呑んで次の言葉を待っていた。トレーナーの言葉に、相手がなんと返すのか、あるいはレイアクレセントがなにか付け加えるのか。一向に聞こえてこないその返事に、じれったくなってきたところで、コツンコツンと声ではない別の音が鳴った。何だろう、と思って耳をもう一度扉に押し当てた瞬間、ガチャリという音とともに、あたしたちは扉から跳ね飛ばされた。
「いたっ」
頭を抑えながら、あたしたちは三人そろって後ろに倒れ込んだ。突然のことにびっくりしてしまって、扉が開いたんだと気づくのには少し時間がかかった。
開けた本人は痛がるあたしたちに見向きもせず、そのまま足早にその場を立ち去っていく。顔も見られなかった。
「大丈夫ですか!?」
駆け寄ってくるレイアクレセントの後ろから、トレーナーも顔を出した。
「立ち聞きとは感心しないね」
そうして、にやっと笑う。どうやら痛い思いをした分、怒られずに済みそうだ。あたしも頭をさすりながら、親指を立てて笑い返した。
「ごめんなさい。母のせいで皆さんが」
おろおろするレイアクレセントに、大丈夫だと返事をして立ち上がる。
「あたしたちこそ、ごめん。勝手に立ち聞きなんかして」
「いえ、それよりもお怪我はありませんでしたか?」
あたしは思わず吹き出した。勝手に立ち聞きされたことよりも、あたしたちの心配を優先してくれるなんて、人が良いとはこのことだ。あたしの中で、レイアクレセントに対する印象は、少しずつ変わり始めていた。レイア家の令嬢だと思って身構えていた何かが、扉の衝撃と一緒に吹き飛んでいったみたい。
ただひとつ、今度から、立ち聞きするときに扉へ耳を当てるのはやめよう。そう思った。
登場人物-No.07【レイアクレセント】誕生日 1月14日
【挿絵表示】
身長 160cm/体重 増減なし/BWH 87-57-84
毛色 鹿毛/靴のサイズ 両足24.0cm
大企業であるレイア産業の令嬢。三冠路線を期待されるレイアフォーミュラとは幼いころから競い合ってきた間柄。レイア家の本家筋からはティアラ路線へ進むことを期待されている。チーム《カペラ》から《プルート》へ移籍。