シュヴァルツェスマーケン 閃光のブレーメ   作:マブラマ

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第18話

1983年 3月2日

 

旧ポーランド グダンスク

揚陸艦ペーネミュンデ

 

任務を終えた第666戦術機中隊はグダンスクから東ドイツに向けて出港した

中隊員やその他大勢が甲板に立ち、手を振る。

見送る西側陣営。

結局、西側の衛士と全然話せなかったな。

次会える日は来るだろうか?

……いや、ない。僕は貴重な機会を逃してしまった。

今更後悔しても遅い。

前へ向かなければならない。

「ハサウェイ、アンタさ…シルヴィアと仲良くなったけど、もしかして好きになっちゃったの?」

アネットは僕を揶揄い僕は優しい笑みを返した。

「生憎、僕はさっき彼女に告白したけど見事振られたよ」

正直に言っておこう

「アネットもシルヴィアの事どう思ってるんだ?」

「え?そりゃあ、性格はあーなんだけど大切な仲間だってことは変わりはないよ」

「そうか……」

昨日の祝勝会の影響で舞い上がってるな。

10杯…20杯ビールやウォッカとか飲んだら舞い上がるに決まってる

自制心を持たないと……。

僕が振り向くと、美しい長い金髪、整った顔立ち、女性なら誰もが羨む外見の持ち主がそこにいた。

アイリスディーナだ。

「ハサウェイ、よく頑張ってくれた」

「ベルンハルト大尉」

僕はアイリスディーナに向け敬礼を交わす。

「そう畏まらなくていいぞ。ハサウェイは西側の連中と沢山話したか?」

「いえ、僕はあまり話せてなかったです。申し訳ありません」

話せてないことは事実だ。

アイリスディーナは首を傾げる

「何故謝るんだ?お前は私達の同志だからな」

「ベルンハルト大尉……」

「アイリスで構わない」

いいのか?僕は…。

「私の仲間は皆私をそう呼ぶ」

アイリスディーナ……僕も仲間と認めてくれるんだ。

「アイリス、君は笑っていた方がずっといいと思うよ」

僕は穏やかな表情で笑みを浮かべつつアイリスディーナと言葉を交わす

思わず言ったその一言を聞き、彼女は少し頬を赤くなり照れていた。

「……さあ見納めだ。最後にもう一度見ておけ、ハサウェイ」

僕の名前を呼び、自身の愛称を呼ばれた照れ隠しに僕を促し、アイリスディーナは甲板に上がる。

僕もそれに続いた。

「なかなかいい景色だろ」

東と西の陣営が手を振り合ってるのを見てアイリスディーナがそう言った。

「そうですね……」

父さん、僕は今この世界に来てから色んな人と出会い満喫している。

僕が宇宙世紀と言う時代の世界からいなくなってもこの世界でもう一度……もう一度だけ頑張って見せる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドイツ民主共和国 ロストック県

 

揚陸艦が東ドイツに帰った途端に揚陸艦に武装警察軍が乗り込んできた。

海王星作戦で大活躍した中隊の牽制が目的であった。

ベルリン派のアクスマンが来たのだった。

僕はアクスマンの顔を見つつ声を聞くと、父さんの声がそっくりだ

彼奴は父さんじゃない。

何しに来たんだ?

国家人民軍の台頭に武装警察軍が結束しなければならないという事態に東ドイツ国内はなっていたのだった。

その最中、第666戦術機中隊衛士達にテオドールとリィズがかつて亡命に失敗し、武装警察軍の手に落ちたということが知れ渡ってしまう。

同じ部隊に親族がいるという異常さ、義兄妹がシュタージにマークされていたという事実。

必然的に中隊にはリィズへの不信感が募った。

祝勝ムードだった中隊にシュタージの存在を知らしめることに成功した。

何か隠している……僕はベアトリクスとアクスマンの行動や心理を疑問抱いた。

そしてアイリスディーナは本部まで連行され事情聴取された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつクスィーガンダムの封印を解かれるか?

僕の他にも、ニコルやナタル、アストナージさんはどうなってるんだろうか?

シュプレーヴァルトに留まったままだろう。

僕はこの中隊にいていいだろうか?

悩んでいる。

僕は最初からリィズを疑い続けていた。

最初に出会ったベアトリクスやニコラ、カタリーナ、ロザリンデ等の衛士から聞けば、耳が痛くなるほどの内容だ。

リィズ・ホーエンシュタインは、第666戦術機中隊の潜入任務遂行してる1人であるが、それを同時に義兄であるテオドールを籠絡し他の皆は目障りだから粛清しようとしている。

ニコラ、アンタが言った通りだ。

これで分かった気がする、この国…東ドイツは……ベアトリクスが指導者として君臨すべきだ!

しかし、彼女だけではとてもじゃないが無理だ。

幾ら言葉巧みで演説力あろうと共感する人いればそうでもない人がいる

だから僕はマフティーとしてベアトリクスが描く世界を築き上げる手伝いをするんだ!

勿論、リィズを疑っていたのは僕だけではない。

誰がどう見てもリィズの行動が怪しく見える。

何故そんな見え透いた嘘を吐く女を送り込んだんだ?ベアトリクス、アンタが下したんだろ。

テオドールの枷にするという理由もあるが、何より本命の情報提供者が他にいるのだろうと僕は睨んでいた。

その本命の情報提供者は恐らく……僕だ。

マフティーである僕は事実上、二重スパイだ。

ただ、リィズの場合は二重ではなく多重スパイだ。

アクスマン…ベアトリクス…アイリスディーナ

その3つを綱渡りしてる状態だ。

確かな証拠を得た僕は遂にリィズの排除に乗り出そうとしていた。が僕には出来ない。

どうするか……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1983年3月15日 

ベーバーゼー基地

食堂

 

その日の天候は吹雪だった。

食堂でカティア一人震えていた。

あのリィズの一件から隊内にはどこか妙な空気が漂っている。

海王星作戦の時の一体感などまるでなかったことのようだ。

最近は、1人かもしくはアネットと僕に加わって食事を摂ることが多い。

この日は、次の任務を備える為の訓練が行われる予定だ。

だがカティアが震えている原因は、その緊張ではない。

カティアが朝食を早めに済まそうと思い一人で食べていると、目の前に珍しくシルヴィアが座ったのだった。

「……」

シルヴィアは無言のままカティアを見つめていた。

カティアはお世辞にも美味しいとは言えないその料理の味がさらに何も感じなくなり、幾分か慣れていた東ドイツの環境にもはや余裕は感じられなかった。

常にシュタージの情報提供者に見張られているように感じる。

だが、それすらも凌駕するシルヴィアの視線にカティアは緊張を強く感じられた。

シルヴィアは静かにうなづいた。

「カティア、もしテオドールが人をまた信じられなくなっても、側にいられるかしら?」

カティアは質問の意図はよく分からなかったが、シルヴィアの真剣な眼に初めて目を合わせた。

「はい!私はテオドールさんから離れることはありません!」

「そう……ならいいわ」

シルヴィアは席を立ち去っていった。

カティアは「シルヴィアさんも」と声をかけられなかった。

立ち去るシルヴィアの背が何かを告げていたからだ。

僕はただ立ち去るシルヴィアの背中を見るだけだった。

すまない、シルヴィア。

僕はアンタと同じ人生には歩めない。

アンタの事、好きだった……。

僕の目が突如誰かが両手で塞ぎ視界が見えなくなった

誰だ?

誰なんだ?

「ふふ、だーれだ?」

ファム!?

「ファム中尉ですよね?」

「あら?分かっちゃった?」

分かるさ

母さんみたいに温かい手だ。

「お姉さんが作った料理……美味しかったかしら?」

ファムは楽しそうに僕を笑顔で振る舞い交わす

僕はファムの手を握り触る

「ファム中尉の手、母さんみたいに温かいですね。ずっと傍にいたいって感じです」

そう、母さんみたいに優しくて温かい……。

「お母さんみたいに……」

「あ、料理美味しかったです」

「ありがとう♪ハサウェイ君は優しくて温かいわよ♪」

ファムは優しい笑みを振る舞い僕の頭を撫でる

「ファム中尉、この後僕と付き合って頂けないでしょうか?その、話したいことがあります」

僕は複雑な表情になりファムと会話を交わす

「良いわよ、お姉さんの部屋に来て、こっちも話したい事あるの……」

「分かりました、では1時間後に」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1時間後、僕はファムの部屋に向かい廊下へ歩いてる途中にシルヴィアと遭遇する

何だか冷めた表情だ……何だ?この感覚は

僕はシルヴィアに話しかけようとするが、彼女自ら僕に話しかけてきた

「ハサウェイ、アンタ……隠し事あるでしょ?」

僕は一歩下がる

「シルヴィア…この僕が隠し事なんてすると思うかい?」

「思うわね、悪いけど少し探らせてもらったわ。別世界から来たってことは信じてあげる。でもリィズ・ホーエンシュタインがシュタージの犬だってことは確証してるからそれ以前にアンタもシュタージの犬だと疑惑してるの」

全ては御見通しって訳か……。

「正直に言って頂戴。でないとどうなるか……」

潰す、か。

…………執念深いな

仕方がない、僕がマフティーだって事やこの世界に転生した理由も話すしかないか。

「いつまでも隠し事してもいずれ皆にバレてしまう。それは分かってる……実は僕はマフティーと言う名を語って議会を占拠しようとしたテロリストだ」

「マフティー?何それ」

知ってるわけがないよな……。

「そしてこの世界に転生した理由は……」

僕の口が途中で閉じ黙ってしまった。

「……理由は何?」

シルヴィアが僕の顔に近づけ目線を合わせる

その目は如何にも怨念を生じた憎悪と思わせる目だ

「……誰にも言わないから素直に言いなさい」

素直に言った方がいいな

そうだな…。

「僕がこの世界に転生した理由は東ドイツを救う為だ!」

これは表向きの理由だ

「そう?アンタはベルンハルト大尉が何故この中隊の長を務めてるか知らないでしょ?」

言われてみれば……。

僕もアイリスディーナが中隊長を務めてる理由は知らない

「すまない、知らないんだ」

本当に知らないんだ。

「いいわ、教えてあげる。アイリスディーナ・ベルンハルトと言う将校が第666戦術機中隊の長を務めてる理由はその実兄の遺志を受け継ぎ今の体制と戦ってるの」

成る程、理解した。

今の体制だと確かにBETA戦に備える共闘手段はない。

連携を取らなければ……ならないと言うのに内戦か

シュタージ……東ドイツの秘密警察

この社会主義国家で不平不満持つ人がいるのも珍しくはない。

どんな優秀な人材であっても今の体制に相応しくない言動したら粛清される

この国はシュタージに支配されてる。

ベアトリクスでもアクスマンでもない……シュタージ長官の皮を被った醜悪な売国奴が政権を掌握している

この醜悪を取り除かない限り、東ドイツは崩壊する道へ辿っていくだけだ

自由を求めて民主主義を取り戻そうと画策してる反体制派

社会主義国家として存続し何も手施しはせず東ドイツを生贄に捧げようとする醜悪な長官を被った外道

対BETA戦に備え全体主義国家として究極の戦闘国家を築き上げようとしているベアトリクス

外道と同類、何も手施しはせず人権を無視し好き放題国を掌握しようとしているアクスマン

666中隊は3人を排除し反体制派が政権を掌握し民主主義を取り戻すだろう

……これでは連邦政府の閣僚と同じじゃないか!

国の指導者として君臨するのは誰なのか?

分かってる筈だ!

僕がいた宇宙世紀と言う時代の世界みたいに悪法を可決させる事は望んでいない!

なら僕は……。

「そうだったんだな……」

「ええ」

僕はシルヴィアの腰を手に回す

「!」

「僕がシュタージの犬だっていう証拠はない。もしあるならば無線でのやり取りを盗聴しこの基地の監視カメラや盗聴器の記録から残ってる」

そう、僕はリィズ・ホーエンシュタインみたいには出来ない

突然、シルヴィアが僕を抱き締め唇を重ねた

え?不意打ち?

「……いい経験になったでしょ?」

「あ、ああ…そうだな」

頬を赤らめ照れる僕を見たシルヴィアは僕の唇をその人差し指でそっと触れる

「アンタがシュタージの犬でありベアトリクスに利用されてる……」

…………。

「分かったわ、この事は誰にも言わないわ」

「僕はいつ裏切るか分からない……その時は」

それ以上言わせない為か、シルヴィアは再度僕を軽くキスした

クリューガー中尉、僕は不貞行為してしまいました、申し訳…ありません。

「この事はヴァルターに内緒よ」

そう言ってシルヴィアは小さく笑みを浮かべる

「ああ、勿論さ」

シルヴィアは僕に和やかな表情しつつ笑みを浮かべ歩き去った。

「(ファム中尉に怒られるな……どう弁解しようか)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後、ファムの部屋に到着し扉を叩く

「いるわよ」

そして扉を開く

「遅くなって申し訳ありません、ファム中尉」

僕はファムに謝った。

しかし、ファムは笑顔を崩さず僕の顔を見ている。

「ファム中尉?」

ファムは突如僕を抱き締める

「ふふ、遅かったじゃない……」

その表情は、妖艶な笑みを浮かべていた。

「ファム中尉、僕は」

「ファム姉」

「え?」

「ファム姉って呼んで?」

ファム姉……。

僕はファムの髪を触れつつ匂いを嗅いだ

良い匂いだ……包むこむように

「それでハサウェイ君が話したい事って?」

「ファム中尉…いやファム姉って呼んだ方がいいですか?」

「ふふ、いいに決まってるじゃない」

抱き締めるのをやめ僕の頭を撫でるファムは常に笑顔だ。

「僕は25歳ですが、そんなに若く見えます?」

「え?あらあら、ごめんなさいね。全然見えなかったわ」

若く見えてたんだ。

同じ20代とは言え3歳違いの歳の差。

「弟みたいに見えますか?」

僕は問いかける

ファムは笑顔のままでこう答えた

「ハサウェイ君は弟のように見えるわよ?」

これが姉属性というのか……。

僕はファムの手を握り本題を切り出した

「ファム姉さん!」

「何かしら?」

よし、勇気振り絞って言うんだ

「実は僕……この世界の人間ではないんです」

そうそう、目と目を合わして話すんだ

「どういう事なの?」

ファムは困り果てている

そうだろうな、最初は戸惑うものさ

「宇宙世紀と言う時代の世界にいた人間で、連邦政府の議会を占拠しようと目論み悪法を可決するのを阻止しようとしたテロリストなんです!」

「テロリスト?ハサウェイ君、貴方、一体……」

「そしてこの世界に転生した時、最初に出会ったのはヴェアヴォルフのベアトリクス・ブレーメ少佐で僕の事を利用しています」

ヴェアヴォルフ……ベアトリクス……。

この言葉を聞いたら流石に嫌われるだろうと僕は思い込んでいた。

第666戦術機中隊は反体制派に関与している疑惑があり常に監視されてる。

「僕はテロリストだったから何処も受け入れてくれないだろうと……」

覚悟はしてるさ、僕はシュタージに……ベアトリクスに利用されてる身だ。

クスィーガンダムもベアトリクスによって封印している

あんなの表に出てきたら、国民は…全世界は混乱に陥りパニックになる。

666を抜ける覚悟をしていた僕だったが、ファムが急に僕を抱き締めその豊満な胸で僕の顔を埋める。

「あぁ、何て可哀想な…不憫な子なの!」

凄く温かい……。

「大丈夫よ、他に知ってる人間はいるの?」

「シルヴィアだけです、僕の事を探ってまで何も言わず口は堅かった」

「そうなのね」

と言いつつファムは優しい笑みを浮かべる

このまま一緒にいたい………。

「リィズちゃんがシュタージのスパイだとこの基地内で噂広まってるけどハサウェイ君はどう思ってるかしら?」

「クロです、十中八九シュタージの犬だとシルヴィアから言われました。僕もシルヴィアと同じです」

そうだ、リィズはこの中隊の毒であり浄化しなければならない。

このまま放置したら危険だ

「僕はいつ裏切るか分かりません、貴重な時間を無駄にしたくない」

僕が続けて言おうとした時、アネットがノックもせず部屋に入り込んだ

「ファム姉、リィズの事……だ、けど…」

見られてしまった

「アネットちゃん!?違うのよ」

アネットは呆然

ファムは必死に弁解する

「ご、ごゆっくりー!」

と部屋から出て走り去った

あー、なんてことだ。

まぁ、いいか。

それから僕はファムの部屋でファムと一緒に添い寝しそのまま眠りについた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ベーバーゼー基地

屋上

 

「お兄ちゃん達やっぱりシュタージと戦おうとして…」

「俺は中隊長に任務の報告をしてただけで…」

「私怖いの…決戦も近いのにまたカティアちゃんやアネットさんがずっと私の事疑ってて…お兄ちゃんも私の事スパイだと思ってる…?」

「お前は俺にとって大事な家族だ。俺はお前を信じてる。みんなだって望んで疑っちゃいないさ…」

ここまで聞けば普通の義兄妹だ

しかし

「それ本気で言ってる?」

テオドールとリィズの会話にシルヴィアが介入しリィズに向け銃口を突き付ける。

「知らなかったわ。貴方達にあんな過去があったなんて。来いリィズ・ホーエンシュタイン。お前を拘束する」

僕も後から屋上に着きシルヴィアの傍にいた

「どういうつもりだよ!リィズはシュタージじゃないって証明した筈だ!」

何処がだ?

明らかにスパイじゃないか!

僕も言える立場ではないが、やはりリィズは粛正すべきだ!

ベアトリクスが築く世界には相応しくはない

生き残れず孤立する

「不安要素を排除するのよ」

ファムとアネット、カティアも屋上に到着

「自らの怪しさを自分から言いだして疑いを逸らす。連中の常套手段よ」

それもあるな。

「そいつが武装警察軍の衛士なら亡命者狩りをしてた可能性もあるわ」

いや彼女既に人を殺めているから手遅れだ

シルヴィアは冷酷にリィズを問い詰める

「やめろ!これからBETAと決戦だってのに中隊の戦力が減れば…」

テオドール……アンタは。

「あたしがフォローする!」

アネット……。

「通常同一部隊に家族は配置しないの。誰かの意思が介在しない限り」

ファム、確かにそうだよ。

……。

「リィズ…違うよな…?お前がシュタージなんて…さっき証明したはずなのに…」

「当たり前じゃない!シュタージなんて大嫌いだよ!お父さんお母さんをあんな目に会わせて…お兄ちゃんも私を疑ってるんだ…!」

「…」

「…」

「リィズ…」

アネット、ファム、シルヴィア沈黙

当然だな。

カティアもリィズの事気にかける

「リィズさん」

「リィズ、お前…」

「私はシュタージじゃない!私の目を見て!これが嘘を吐くような目が見えるの?」

あくまでも否定するのか?

リィズ、アンタは卑怯者だ

「…演技ね。貴女はシュタージの犬よ!」

シルヴィアはリィズを睨む

「リィズ…お前…そんな…」

「私は分かってるのよ。貴女がシュタージの犬だって事を」

僕は正直な気持ちでハッキリと言った

「すまないがリィズ、アンタを擁護出来ない。僕からハッキリ言うがアンタはシュタージの犬だと思ってるよ……自分の事しか考えてない卑怯者だ!」

「みんな揃って…酷いよ…こんなの…うぅ…うあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああん」

リィズは号泣し走り去っていった。

「リィズさんは私に聞いてきたんです…大尉が何をしようとしてるのか」

カティア、リィズは……最初から探ってた訳か

「それでも…俺はあいつを見捨てることはできない!」

テオドールはリィズの後を追って走った

テオドール、アンタはリィズに甘過ぎる

悪いけど僕はリィズを粛正すべきだと思う

アンタに可哀想な思いさせるが、こればかりは擁護出来ない

そう思いつつ胸を撫で下ろした僕はシルヴィアの言葉を聞いて少し…いや前々からリィズはシュタージの犬だと見抜いてたか冷静な判断でこう言い放った

「中隊長に報告よ、テオドール・エーベルバッハはもう駄目だって」

その言葉の意味は理解した

テオドールは既にリィズと寝てしまった。

後に僕はテオドールを信用出来なくなり軽蔑した。

アイリスディーナはシュタージ本部での事情聴取を終え基地に戻ってきた。

 




次回、久々のベアトリクス視点からの話です。
ザフト軍のニコル、地球軍のナタル、エゥーゴとロンドベルにいた整備士、アストナージはどうなったか!?
ドミニオンは!?
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