シュヴァルツェスマーケン 閃光のブレーメ   作:マブラマ

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第22話

ベーバーゼー基地内にあるブリーフィングルームで強化装備の上にジャケット着用してるベアトリクスはシュミットに連絡事項報告した

ニコラも一緒だ。

《ハイムが動いたか》

「前線に出ている隙を突かれました。申し訳ありません」

《仕方あるまい。アクスマンが加担したのだろう。小賢しいからな奴はだがホーエンシュタイン中尉の処遇については一考すべきか》

シュミットは冷静に振舞う

「戦力としては期待できます。彼女にはもう後がありませんから」

リィズは後がない

それは確かだ

リィズを戦力に加えるベアトリクスに対しニコラは心の中でベアトリクスと会話する

「(同志少佐、ホーエンシュタインを戦力に加える気ですか?私は彼女の事信用できません)」

「(まだ分からないの?これは一つの選択。ホーエンシュタインを信用できないのも分かるけど……)」

「(ホーエンシュタインを過信し過ぎです!ここは予備戦力として)」

首を振るニコラ

ベアトリクスは小さな笑みを浮かべる

「(駄目よ。彼女は貴女が率いる中隊の作戦に加えるわ。大丈夫よ、私も最初から彼女の事は信用していない…安心して良いわ)」

「(ふむ、ではホーエンシュタインを戦力に)」

「(ええ、慎重にね)我がヴェアヴォルフ大隊は前線に戻りBETAとの戦闘を継続、反乱軍への対応にヴォルクヴァルデ中隊を残します。我らは党の盾と剣。必ずや成果を挙げてみせます」

とテレビの画面に映ってるシュミットに対しベアトリクスは彼の前で敬礼した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

格納庫の中で反体制派の対応に任されたニコラは残留した衛士を集い作戦会議を開く

僕もその作戦会議にいる

ニコラは号令をかける

「総員傾注!ノイルピーン市街のホテル・アルベルトにてハイムと協力者の会合があると判明した。我が中隊は同ホテルを襲撃。ハイム少将を確保する。生死は不問だ」

ニコラが掲げる作戦を解説すると、まずホテルを囲い込み、ヘリに乗ってる工作兵をホテル内に侵入し反体制派であるハイムを確保する

ただそれだけの作戦内容だ

シンプルで分かりやすいと思うが、リィズはその作戦の内容が杜撰だと見抜き指摘する

「敵の罠かと。話ができすぎています」

「ハイムの移動は確認している。加えて反乱軍が西の特使を危険にさらすとは考えにくい」

「ですが…」

「そういえば反乱軍には貴様の兄が参加しているらしいな」

テオドールの事言ってるんだな

これだけは事実を覆せようもない

ニコラは最初からリィズを信用していない!

「貴様の意見は聞くに値しない」

と切り捨てる

僕も挙手する

「待ってくれ!その作戦は確かに反乱軍を殲滅しやすいが何しかけてくるか分からない」

「何が言いたい?マフティー・ナビーユ・エリン」

「アンタは副官だ。中隊長でもある!リィズが…ホーエンシュタイン中尉がこの作戦が杜撰だと見抜いたのは偶然でしかないというのはあり得ない」

悔しいが、リィズは優秀な衛士だ。

「なら貴様ならできると言うのか?」

そうだ、前衛になれば

「僕を前衛に任せてくれ!そうすれば守りは固める事は出来る」

意見を言う事は信頼度が高ければ聞いて貰える

リィズ、アンタは信頼度が低過ぎる

だから信用されないんだ。

「駄目ならブロニコフスキーを前衛に回せばいい。僕は後方支援に回る」

「……」

ニコラは目を瞑り考え込む

腕を組んで豊満な胸を強調しつつ考え込む

「ふむ、そう言い張るなら貴様が前衛に回れ。ホーエンシュタインは後衛だ!」

「了解…」

リィズはジト目で僕の方を向いている。

「話は以上だ。ヴォルクヴァルデ中隊出撃する!」

準備は整った。

作戦会議が終了後、衛士全員は所定の位置に着き管制ユニットに乗り込み出撃した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ニコラ率いるヴォルクヴァルデ中隊は反体制派殲滅任務でホテルアルベルトに向かっていた。

「見えたぞ。ホテルアルベルトだ」

チボラシュカ12機とクスィーガンダムで

撃ち合いになるとは……

戦術機とモビルスーツの違いは、分かっている筈だ

「総員警戒!注意を怠るな!」

ホテルアルベルトに着地し包囲した。

警戒を怠ったら死に繋がる。

死なせはしない……!

リィズは異変を勘付いた

「何か…変」

異変を気付かないニコラはイングヒルトから秘匿回線が来る。

《一旦退いてください!これは罠です》

頭の中から直感し何かが見えてきた

これは……?

「工作部隊は引き下がれ!これは罠だ!」

僕はマイクロミサイルポッドとミサイルランチャーを展開し、ホテルアルベルトの建物は破壊する

工作兵が乗ってるヘリはそのまま後退する。

《早く退いてください!大尉!》

イングヒルトの声が響き渡り二コラは秘匿回線を切り中隊員に指示をする

《…総員傾注!全機距離を置け!これは罠だ!》

間違いない…気付いてなかった。

これは罠だ。と。

ノイルピーン市街に潜んでいる反体制派の戦術機が現れ攻撃態勢に入る

《反乱軍に告ぐ!今すぐ戦闘行為を停止し投降せよ。繰り返す戦闘行為を停止し投降せよ!》

ニコラは反体制派の戦術機部隊に投降勧告する。

しかし返答はない

僕はニコラ機を遮り、高速飛行でビームライフルを反体制派の戦術機に向ける

「私はマフティー・ナビーユ・エリンである。反乱軍に告ぐ!投降しろ。繰り返す投降しろ!」

投降する意思はないのか。

《此方、国家人民軍地上軍第612中隊の中隊指揮官代理、オイゲン・アルトナー中尉だ。貴官らの要求は呑まない。我々はシュタージを叛く者の集まりだからだ。すまないが理解してくれ》

意地でも戦うつもりなんだな

ならば……!

「警告はした!覚悟があると認める!ニコラ、付いてこい!」

《待て!私は大尉だぞ》

ニコラ、それは分かってる

《貴方の機体ではチボラシュカの速度についていけません。前へ出過ぎないようにしてください》

イングヒルト……そうだな、少し速度を下げるか

「分かった、速度を下げてアンタ達に合わせる。それでいいな?」

《はい、それでいいですよ》

イングヒルトはクスっと笑みを浮かべ明るく振る舞う

そして僕は速度を下げチボラシュカ12機を合わせつつ反体制派の戦術機部隊に立ち向かう。

「人の過ちを犯す者は、マフティーが粛清する!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「奴等が体勢を立て直す前に一気に叩くぞ!」

《了解!》

666中隊も反体制派と合流しニコラ率いるヴォルクヴァルデ中隊に向け攻撃仕掛ける

《同志中尉!》

アネットはクスィーガンダムを目視し長刀を握り構え切り込もうとするが

「その武器ではこのクスィーガンダムは倒せない!」

アネットの動きだ!

僕はビームサーベルを握り構えアネット機の右腕を切り刻む

「ハッ!」

その場で機体は停止する

もう一本腕あるが、どうせ真面に動かせない

アネット機を停止されたのを見たグレーテルは驚愕する

「そんな……」

《申し訳ありません同志中尉》

「あ、相手が悪すぎたんだ。気を落とすな、早く離脱しろアネット、ここは私達が」

グレーテルはアネットに離脱を求める

アネットは「出来ません」と言おうとするがファムに止められる

《大丈夫よアネットちゃん、必ず生きて帰ってくるわ》

「ファム中尉、互いに連携しての戦闘で我らに勝てる者などいない。行くぞ!」

《了解!》

グレーテルとファムはニコラ率いる中隊に向け突撃砲を握り構え砲撃しつつアネットを置き去りにした

アネットはグレーテルが放った言葉を安堵を感じていた

「アネットって呼んでくれた」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「総員傾注!敵の動きは読めた、罠だと知った以上徹底的に叩き潰せ!」

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「了解だ!」

イングヒルトから秘匿回線

ん?何だろう

《ハサウェイ、ホーエンシュタインの動きを見逃さないでください》

「どういう事だ?イングヒルト」

僕は理解できなかった

しかし、イングヒルトが言ったことが現実になるとはニコラは絶対に気づいてないだろう

これは見捨てようとしている

《発信機で分かると思います》

発信機か……。

「分かった、警戒しておく」

《御武運を》

秘匿回線を切った後、僕はリィズの動きを監視

イングヒルトが言った通りリィズは戦線を離れ接近してくる戦術機に近づき交戦する

僕も気づかれないよう上空から覗きリィズの動きを監視する

「ニコラ!リィズの動きが」

《こっちは2機撃破した。貴様は》

「市街地にいる戦術機は他の連中に任せて、付いてくるんだ!」

《偉そうなことを言うな!誰に向かって言ってるんだ!》

自分が死に急いでるって事気付かないのか!

「リィズがまた謀反しようとしている」

《!》

「一緒に戦おう。そして葬る!」

そうさ、浄化しなければならない。

僕はニコラ機を誘導し、リィズ機がテオドール機と交戦してる場所に向かう

《信じるぞ、貴様はブレーメ少佐のお気に入りと同然だからな》

「信じてくれなきゃ困る」

《イングヒルト、後は頼む》

《了解です、大尉》

とイングヒルトは嬉しそうな表情し市街地に残って反体制派の戦術機を無力化し続ける

少しずつ速度を上げリィズ機に近づく

ニコラ機はテオドール機に近づき砲撃

テオドール機は後ろから撃たれ背部兵装担架が損傷だけで済み無力化

テオドールは気絶した。

そして……。

「リィズ、最初から最後まで裏切ったな」

《な、何なの!?私についてきて!》

その怒りは最もだ

しかし、アンタがやった行動は許されざる事ではない

僕はビーム・ライフルでリィズ機の頭部を破壊

ニコラ機もリィズ機に近づき突撃砲で恨みを込めるように両腕、両脚を破壊

リィズ機は行動不能になった。

《う……》

《私を見捨てようと目論んでたのか?リィズ・ホーエンシュタイン》

ニコラは般若顔でリィズを叱責する

《ぐ…》

苦しそうな表情しているリィズは喀血する

《機体から降りろ!ホーエンシュタイン》

リィズは管制ユニットから降りる

同時にニコラも管制ユニットから降りた

《貴様もだ、マフティー》

「ああ」

僕も機体の動きを止めコクピットから降りた。

ニコラは喀血したリィズに近づく

「リィズ・ホーエンシュタイン」

その表情は軽蔑してる顔だ。

「ホーエンシュタイン中尉、何故勝手に行動するんだ?」

リィズは苦しそうにしている

血の色が明るいピンク色だ

肺から血を吐いたのだろう

「私は…大尉の命令…通りに従っただけ、です。ぶほぉっ」

また喀血

「言い訳は聞き飽きた」

ニコラはワルサーP38を握り、リィズの額に銃口を当てる

「え?」

「貴様をこの場で処刑する」

ニコラ、アンタは……。

「躾をしてなかった私が責任ある。マフティー、これは私の全責任だ」

そんな事……。

そんな事ない!

でも、元はと言えばリィズをこんな風に仕上げたのはアクスマンの所為だ

ニコラの所為ではない

「アンタの所為ではない。責任を全て取るのはアクスマンと言う将校だ」

父さんの声に似てるが父さんではない

グレーテル機、ファム機も到着

テオドールは気絶から立ち直り、管制ユニットから降りリィズの元に向かう

「リィズ!」

「お兄ちゃ……ん……」

弱弱しい声でリィズはテオドールの事をお兄ちゃんと呼んでいる。

テオドールはリィズを抱き締める

「リィズ、すまない…俺の所為で」

「ホント、馬鹿だよお兄ちゃん……シュタージに逆らえないのにどうして……どうしてシュタージと戦うの?反体制派の連中は馬鹿ばかりだよ。お兄ちゃん……私と、一緒に、き…て……」

テオドールはリィズを離れる

「ごめん、お前とは一緒にいけない。俺にはこの国を変える使命があるんだ……だから」

テオドールは拳銃を出そうとするがニコラに止められる

「貴様の手で殺させはしない」

………。

義兄の手で殺させることはしたくない……そうだろ、ニコラ。

僕も同じだよ

ニコラはリィズに銃口を向ける

「ホーエンシュタイン、いや外道な義妹と言った方が正しいか」

ニコラは怖い声を出し般若顔している

リィズは少し怯えている

「我々ヴェアヴォルフ大隊含め第666戦術機中隊に対しファム中尉を殺そうと目論み私達を自滅を仕向けようとして申し訳ないと思わないのか?」

今の発言で完全にリィズは……。

「裏切って自分だけ逃げて申し訳ないと思わないのか?」

リィズはニコラが持つワルサーP38を弾き飛ばすように強烈な蹴りを放った。

だが、相手が悪すぎた。

ニュータイプの素質を持っている僕はリィズの悪足掻きを見抜き首筋に手刀を繰り出した。

「がはっ!」

雪原に倒れたが、リィズは意識が飛びそうになりつつもなんとか繋ぎ止める。

テオドールはリィズに近づこうとするがニコラに阻止される。

「行かせてくれ!」

ニコラはテオドールを平手打ちする

「!」

「貴様が愛すべき人は誰なんだ?ホーエンシュタインではないだろう?ベルンハルト大尉の事を愛してるのではないのか!?」

「それは……」

強化装備は僕の手刀の威力を軽減していた。

リィズは涙を流し、泣き始めた。

「全部お兄ちゃんの為だったの!」

命乞いに生じた隙を狙う。それしかリィズの生き残る方法はなかった。

「何なら私のこの体も好きにしていい。誰でも満足させられる自信もあるわ」

色目を使って僕を見上げた。

だが僕の目は暗く酷く冷めていた。

「不用意だな、周りの事を無視してテオドールの事ばかり考えてたからアンタはこういう酷い目に遭うんだ!」

リィズは命乞いなど意味のないことを知った。

恐怖……リィズの心を恐怖が支配した。

「テオドールにアンタを殺させはしない。僕がアンタを殺す」

弾き飛ばされたワルサーP38を拾い握り構えるニコラは再度リィズに銃口を向ける

「いや、私が粛清する」

ニコラ、落とし前は自分でつけると決意したんだ。

「どうせ殺されるならお兄ちゃんに殺されたかった!!そうすればお兄ちゃんは私の事をずっと覚えてくれる。他の女に盗られることもない!」

リィズは観念したのか叫び始めた。

「……耳が腐る回答だ!裏切者が!」

ニコラはリィズの顔面に向け蹴り上げた

歯が2本折れてしまった。

「がは!」

ボロボロになってるリィズを見ているテオドールは嘆願する

「やめてくれ……リィズをそれ以上傷付けないでくれ!」

ファルカも遅れて到着し慌てて管制ユニットから降りる

「先輩!」

ファルカはリィズのもとに駆け付けニコラの蹴りを阻止する

「大尉!先輩は、エーベルバッハ少尉の為に戦ったんですよ。それなのに…それなのにどうしてこんな事するんですか!」

ファルカは泣き始めリィズが今までやった事を許しを得おうと嘆願するが

「……ミューレンカンプ、ホーエンシュタインを助けようとしていることは分かっている」

「でしたら…」

僕はこう言い放った

「ファムはリィズ…アンタを助けようとした。それを不意にしたのはアンタ自身だ!」

それは義兄への妄執。

義兄への狂愛。

それだけが彼女の生きる目的そして凶行へ駆り立てていた原因だった。

が、ファルカはそれをわかっていても意地でも庇い救おうとしていた。

ニコラはワルサーP38をリィズの頭に向ける。

吹き荒ぶ雪の音が銃声を掻き消した。

僕含め、ファルカ、グレーテル、ファム、テオドールはただ見守るしかなかった。

「リィズせんぱああああああああああああい!!!」

号泣するファルカは叫んだ。

そして、リィズの命の灯火が………。




ハーフェル川戦突入です
第612戦術機中隊のリリー、オイゲンが本格的に出てきますよ!
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