東ドイツ革命勃発により反体制派の活動は活発化し、東ドイツの秘密警察の国家保安省…シュタージの信頼は失墜に追い込まれていた
シュタージ内部ではモスクワ派とベルリン派の2つの派閥により政治的対立していたが、その結果はベルリン派の敗北に終わりヴェアヴォルフ率いるベアトリクスは総帥に昇り付いた恐怖の象徴であるエーリヒ・シュミットの情報を集め極秘に調査
そして彼はソ連のКГБの一諜報員だったことを明かす
東ドイツは一人のロシア人によって私物化しており、BETA大戦を早期終結するにはBETAに効果のない核兵器をソ連から譲り受けることでBETAが出現すれば国民ごと国土を焼き払い、見せかけのBETA討伐で権力を維持する事を計画していた。
シュミットはベアトリクスを自身の駒として扱っていたが、実際には彼女に身辺調査の為踊らされていたに過ぎず正体を見抜かれる。口封じを図るも逆に返り討ちにより最期を迎えた。
そしてベアトリクスはシュタージ総帥として君臨しようとするが、僕がそれを拒否し彼女を納得した
こんな事、ユルゲンが喜ぶだろうか?
逆だ、悲しむに決まっている。
正しき道へ進む為には、正しい導き方が必要だ。
だが、残念ながら僕がやろうとしている事はカティアやテオドールの願いを拒否するような行為だ。
だからと言って民主主義など変貌したら、腐敗した連邦政府と変わらない
シュミットが亡くなった後、東ドイツの政府官僚達が次の指導者は誰にするか揉めてるだろう
こんな奴等当てにならない
自分が都合悪かったら突き放す
そう、死なせてはならない……僕はベアトリクスを守り抜くと心の底で誓ったんだ。
だから、僕は……。
「ガウマン、エメラルダ。準備は出来てるか?」
《ああ、問題ないぜ》
《こっちもいつでも行けるわ》
クスィーガンダムのコクピットの中に座り操縦桿を強く握った僕は周囲モニターを確認し東ベルリン市街の様子を見る
《マフティー、貴様が指揮を執れ。私の中隊を好きに扱ってくれ》
二コラ、アンタは良い奴だ。
《私は少佐を、護衛する。その為に貴様を中隊預けた》
《他の機体も凄い勢揃いね……マフティー、知ってる機体あるの?》
カタリーナ、モビルスーツに興味出てきたな?
少し教えるか
「ああ、ハイザック、マラサイ、ギラドーガにメッサーだ」
《へー、ギラドーガに乗りたいな……他のはパス》
ハイザックも一応良い機体だぞ?
「今度、カタリーナにモビルスーツの操縦の仕方教えるよ」
カタリーナは少女みたいに喜んだ。
まだ年頃の少女なのに……無関係な人間を粛清することを強いられたんだな
《ニコラ、カタリーナ、ロザリンデ、ファルカ……マフティー。放送局は貴様に任せる。私は反乱軍残党……エーベルバッハを追い詰める》
ベアトリクス……。
《反乱軍の戦術機を確認》
これが最後の戦い……!
《総員傾注!》
ベアトリクスの「総員傾注!」と号令をかけ部下達に労いの言葉を言い放つ
《反乱軍残党の戦力は残り僅かだ。遂に我々の願望を果たす時が来た!この戦いは決して負けてはならない!》
二コラは満面の笑みを浮かべ誇らしい表情になる
カタリーナ、ロザリンデ、ファルカも
《同志諸君、最後の戦いだ》
ベアトリクスが乗る紅いアリゲートルは先頭に立ちニコラが乗るアリゲートルはベアトリクス機の隣に
カタリーナ機、ロザリンデ機、ファルカ機は3列並んで後方支援
ガウマンやエメラルダ達とナタルの部下達が乗るメッサー、ギラドーガ、マラサイ、ハイザック、105ダガー等のモビルスーツはカタリーナ機、ロザリンデ機、ファルカ機の背後に
僕が乗るクスィーガンダムは一番後ろだ
各機、ブースターを展開し噴出しつつ飛行する
《ヴェアヴォルフ大隊出撃だ!》
「各機、それぞれ散開しベアトリクスの支援に当たれ!」
《了解!》
ベアトリクス率いるヴェアヴォルフ大隊の手によって、次々と撃破される反体制派。散っていく仲間の思いを受け継ぎ、テオドールは戦い続ける。だが、人類同士の争いを他所に、BETAは最終防衛線を突破する。このまま東ドイツは滅んでしまうのか……最後の灯火だけは消させはしない。
僕だって同じだ。
腐敗している議員を擁護してまで民主主義を取り戻そうとでもしてるのか。
そんな事は絶対にさせない!
「C小隊、ベアトリクスを死守しろ!反体制派の戦術機が来るぞ!」
「ガウマン、ロザリンデの援護に当たれ。エメラルダ、カタリーナの援護を!」
《了解したぜ!》
《分かったわ!》
レーダーに反応
あれは、バラライカ4機とチボラシュカ?
《マフティー、モニターをよく見ろ》
僕はガウマンの言った通りにモニターを表示しある機影を目視する
《666の紋章……あれが噂の戦地改修機だぜ》
チボラシュカツヴァイ……か。
あれに乗ってるのは恐らく、テオドールだ!
ロザリンデ機がテオドールが乗るチボラシュカツヴァイに接近し発砲するが、テオドールの技量があってこそか期待のバランスが良く調整しており速くなっている
《なんなんだよこいつは!》
これを察知した僕は
「行くな!此奴は僕が」
僕はテオドール機と接触を図ろうとするが、ハイザック1機がテオドール機と交戦
《我々の事は構わず、早く放送局へ!》
ザク・マシンガン改で対抗し連射
しかしテオドール機はそれを躱しアネットが乗るバラライカの連携で多目的追加装甲で叩きつけハイザック1機は撃墜
マラサイ1機がアネット機と交戦しビームライフルで対抗しようとするがテオドール機によって阻止され撃墜
ギラドーガ1機がテオドール機と交戦しビーム・マシンガンで連射しようとするがテオドールの機転により機体の背後に回り込み突撃砲で撃墜
僕はクスィーガンダムのミサイルランチャーで威嚇射撃しようと試みる。がベアトリクスが乗る紅いアリゲートルが僕が乗ってるクスィーガンダムを遮った。
あくまでも自分が強いぞとアピールしたいのか……。
ベアトリクスは声を高らかに上げ反体制派……テオドール機とアネット機に向け誇らしげな表情で言い放った
「不埒な反逆者に人狼の裁きを!」
テオドール機とファルカが乗るチボラシュカの操縦桿はリィズのリボンが巻かれていた
彼女の死を無駄にしない為に戦おうとしている
互いに……。
「この国の未来のために…666戦術機中隊、突撃!」
テオドール機とアネット機の背後にファム、シルヴィア、ヴァルターが乗ってる戦術機が急速に接近
「……来たか(この感じ……ファムとシルヴィア!?)」
本気でかかってくる……!
「覚悟はしていたさ、邪魔をしないでくれ!」
ベアトリクス機は前を出てテオドール機と交戦
ニコラ機、カタリーナ機、ロザリンデ機は散開
《どうする?マフティー》
「……イングヒルトは?」
《あの嬢ちゃんなら放送局へ着いた頃だぜ。俺達の同志を連れてまでさ》
「なら話は早い!ガウマンは戦闘ヘリや戦車師団の残党を掃討、エメラルダはニコラ機の護衛だ!」
《了解したぜ!》
《分かったわ》
僕は接近してくるファム機、シルヴィア機、ヴァルター機にビームライフルを向ける
「投降を勧告する、諸君を無駄死にさせるようなことはしたくない!」
《ハサウェイ君!?》
ファム、すまない。
僕は退く訳にはいかない
《……この裏切り者が、よくよくと私達の前に現したわね》
シルヴィア、恨むなら僕を恨んでくれ
抵抗するなら……!
「ファム、シルヴィア。このクスィーガンダムがどんな機体か分かってる筈だ!戦術機の動きはあっさりと見抜き撃墜することも出来る」
そうさ、実弾の戦術機じゃ相手にならない
《何故だ、マフティー・ナビーユ・エリン!それほどの力がありながら何故シュタージに組する!》
クリューガー中尉、アンタも腐った官僚の片棒担ぐのか。
「ベアトリクス・ブレーメと言う女傑がこの国の指導者として君臨し彼女が掲げる戦闘国家を築き上げる為だ!民主主義を取り戻す…シュタージは悪だ消え失せろと声を大きく訴え歯向かってるがアンタ達こそがこの国に蝕む毒だ!この状況で民主化を推奨したら……今の体制だろうが新しく体制作り上げようが腐敗している議員や官僚が得するだけだ!」
ベアトリクス機も僕の隣に寄せつつ足を揃えて優雅にホバリングする
「BETAという人類未曽有の危機に立ち向かうには自由や平等など不要。我々は万全たる監視体制で国民を統率し全ての戦力を対BETAに注がねばならない」
ニコラ機とカタリーナ機は普通に足を開きホバリングする
「教育・思想・経済。その全てを対BETA戦に注ぎ込む。究極の戦闘国家の創造。そのためにはシュタージによる絶対的統制が必要なのよ」
これがベアトリクスの……ユルゲンの思想と理想。
当然ながらテオドールは猛反発
「ふざけるな!俺達はロボットじゃない!そんなやり方…」
「世界が!それを望んでいるわ。人類は絶対一つになれない。いずれBETAに滅ぼされる。だから私は東ドイツを…」
テオドール、やはりアンタとは合わなかった。
東ドイツ政府は増長し、議員や官僚は腐敗している
早く気付いてくれ!
ベアトリクスに続き僕も便乗する
「間違いは正さなければならない……腐敗している議員や官僚を粛清し東ドイツを救う為だ!」
「この星を救う為に!」
ベアトリクス、僕なんかよりいい指導者になれるよ
……ユルゲンは今のベアトリクスを見てどう思ってるだろうか?
悲しんでるだろうか?
喜んでるのか?
それは本人にしか分からない
「それがユルゲン・ベルンハルトとの誓い。私の邪魔をする者は人類の敵だ!」
ベアトリクスは臨戦態勢に入りニコラ機、カタリーナ機を連れつつテオドール達と対峙する
「……そして、人の犯す過ちはマフティーが粛清する!」
僕はファム機にビームライフルを向け動きを合わせ交戦する。
《ハサウェイ、今なら間に合うわ。投降して!》
「今の僕は貴女が知ってる僕ではない。理解してくれ」
ファム機に目掛けビームライフルで射撃
動きを合わしてる為、ファム機はそれを躱し急接近
「くっ!」
機体の動きを合わせるのをやめ、徐々に速度を上げる。
ファム機は僕を目掛け突撃砲を握り構え発砲
僕はそれを躱す
「ガウマン、状況を!」
《戦車師団、壊滅……とはいかないがあと少しってところだ》
「よし、順調に殲滅しているな」
ファム機は突進し多目的追加装甲で叩きつける
「……!やるな」
ベアトリクス機はテオドール機を執拗に突撃砲で発砲する
「終わりよ…」
突如、モニターが表示し画面の中にはポニーテールの少女が映っていた
《私は国家人民軍第666戦術機中隊ウルスラ・シュトラハヴィッツ》
カティアか!
「B小隊は何やっている!?」
《おいおい、どうしちまったんだ!?》
放送止めることは出来ない
このまま彼女の演説が国民に届いたら……。
《この革命に参加した衛士の一人です。そしてかつてこの国を戦ったアルフレード・シュトラハヴィッツ中将の娘です》
何て事だ…ベアトリクスがご立腹になってる。
しかも冷ややかな目線で
秘匿回線が繋がる
《遅れて申し訳ない、バジルール少佐だ》
ナタルは既に放送局の中に入り込み主調整室の前に見張り役としていていた。
《主調整室の中はドミニオンのクルーが2人いる。映像の切り替わる作業はブロニコフスキー少尉に一任してる》
カティアの演説を見る東ドイツ国民達
国民に届いたのだろうか?
カティア……いやウルスラ
残念だけどアンタが語ってる事は全て夢物語に過ぎない。
こんな少女が革命の女神だなんて現実にいるのだろうか?
「フン、革命のシンボルか」
ベアトリクス機は放送局に向かおうとするがテオドール機によって阻止される
「やらせるか!」
アネット機も奮戦
「邪魔させない!仲間は私が守る!」
まだ抵抗するのか!
アネット……。
ファム機はアネット機をフォローし僕に銃口を向け発砲
僕はそれを躱しつつ頭部バルカン砲で発砲
《父の存在を消され、兄を撃つ事を強要され、妹をその手で殺める。これが果たして幸せな国家でしょうか?答えは断じて否です!》
僕は躊躇った。
ファムを、殺したくない
《カティアちゃんの声が皆に届いてるわ》
アネット機は下がりファム機は飛行したままその場で動きを止めつつ銃口を向ける
《もう一度言うわ、降伏しなさい》
カティアの言葉が国民に届くのか……。
《今私の仲間はシュタージと戦っています。革命によってこの国に絡みついた鎖を引き千切ろうとしています!》
東ベルリン……いや東ドイツ全体…欧州全体が反体制派側に付こうとしている。
《お願いハサウェイ、貴方だって無理無理にベアトリクスと一緒に戦ってるんでしょ?》
ファムは僕に優しい声をかける
だが、答えは
「悪いが、降伏はしない」
《父は言っていました。西と東二つのドイツが一つになれば冷戦だって必ず終結できると!》
《急げ、マフティー!》
ガウマン、ここは任せた
僕は無言で最大全速で放送局に向かう
「あ、待ってハサウェイ!」
《ファム姉…》
アネット機はベアトリクス機に近づき長刀で斬り込もうとするが返り討ちに遭い市街の道路の真ん中で墜落
ファムは寂しげな表情でクスィーガンダムをただ放送局に向かい去る姿を見るだけだった
僕は放送局に向かい最大全速で飛行している
間に合わない……。
もう、負けるのか。
《この国に…》
突如、放送が途切れカティアの映像からマフティーの紋章に切り替わる
イングヒルト、やったのか?
《ハサウェイ、今です!貴方の声が聞きたい人が沢山いる筈です》
やったんだな、イングヒルト
《そのままで飛行しながら演説しろ。ここは我々が抑える》
ガウマン……。
「分かった!」
僕はスピーカーを使い、東ベルリン市民……東西ドイツ両国民に向け言葉を送る
機体の足を揃えて優雅にホバリングする
「東ベルリンに集結した反体制派、並びに東ドイツ政府閣僚の方々に申し上げたい。自分がマフティー・ナビーユ・エリンであります。今日までシュタージを中心とした戦術機大隊が東ドイツ政府の閣僚たちを粛清して参りました。それについては、かなりの世論の支持を得ていることは東ドイツ政府、国家人民軍、反体制派の関係者もご存知の筈です。にもかかわらず今の東ドイツは反省の色も見せずに、ここ東ベルリンでは民主主義を推奨し社会主義国家としての東ドイツが消滅をするような法案の成立を目論んでいます」
許すべきではない
カティアがやろうとしてる事は国が腐敗し滅亡を早めてるだけだ
「このウルスラ革命が国家人民軍、シュタージの差別意識を合法化するための革命であることはどれだけの方がご存知でしょうか?考えてみてくださいこの状況下で民主化を推奨する法案が可決されれば、BETAによって欧州全体の国民の犠牲が数十倍になるのは簡単なことなのです。BETAによって人類が地球そのものにも瀕死の重症を追わせたのです。人類がBETAと戦って数々の戦いで繰り広げ、日に至っても地球は癒されていません。それは何を意味するか?そうです。東ドイツ……ドイツ民主共和国にはまだ民主主義は戻ってはならないということです」
そうだ、戻ってはならないんだ
「なのに反体制派は東ドイツを民主化させる準備を始めて、その前に自分達の寄特権を手に入れようとしているのです。父の存在を消され、兄を撃つ事を強要され、妹をその手で殺める。これが果たして幸せな国家でしょうか?答えは断じて否です!…… 今私の仲間はシュタージと戦っています。革命によってこの国に絡みついた鎖を引きちぎろうとしています!ウルスラの演説で聞いた通り、確かにその通りかもしれません。彼女の言葉を聞いて共感し国民は動くでしょう。それが、東ベルリンで行われているウルスラ革命での真相なのです。議会がこれらの法案を廃棄しない限り閣僚たちの粛清をここで実行することを宣言します。この放送を聞けば関係者は逃げるかも知れませんが、これ以後東ベルリン周辺から逃亡する物は無差別に粛清の対象にします。しかし我々は一般人を巻き沿いにするつもりはありません。 関係者以外はこれより一時の猶予を与えますので、東ベルリンから退避してください。その後に東ベルリンから出る乗り物と人は全て我々のターゲットになるものと思って頂きます」
これで、終わる
これが正しい国の変え方だ
《良くやったわ、マフティー。あとは任せるわ》
「ベアトリクス、生きて帰ろう」
反体制派は混乱に陥ってまで必死に抵抗を続ける
市街地の道路に着地し、僕の目の前にファムが乗るバラライカが待ち構えていた
「(カティアが言ってることは正しいが……腐った議員や官僚達の片棒は担がれないんだ!)」
《どうして……カティアちゃんの声、貴方に届いた筈よ!》
自由を求めたい、それは良いが態々シュタージを打倒しなくても何か解決できる道がある筈だ
《答えて、ハサウェイ!何でカティアちゃんの演説を邪魔したの?》
「戦場と言うのは常にこういう事があるのさ、彼女だけ特別扱いする訳にはいかないんだ!」
シルヴィア機、ヴァルター機はロザリンデ機と交戦。
2対1だ……バラライカとアリゲートルの違いは分かる筈だ。
普通に考えたらバラライカでアリゲートル相手では勝てない。
何か秘策を持ってるだろう。
「悪いが、やらせてもらう!」
僕はビームサーベルでファム機に突っ込む
ファム機は突撃砲で発砲するが、僕はシールドで防ぎビームサーベルで握り構えてる突撃砲を切り込み、使えなくした
ナイフに内蔵してる左右腕部分を切り込んだ。
これで武器は使えない
僕はビームサーベルを収納しファム機の管制ユニットにビームライフルの銃口を突き付ける
「武器は使えなくした、早く投降してくれ!」
《ハサウェイ、貴方は……》
「敵であってもアンタだけは死なせたくない!アンタは666の次席指揮官であり未来を導く指揮官だ!」
こう言ったが、これは僕なりの接し方だ
背後からシルヴィア機がクスィーガンダムに向け突撃砲で発砲
「!」
《ハサウェイ……!よくもファムを》
シルヴィア……手は緩めない相手だ!
だが動きを合わさなければいけない
僕はビームライフルでシルヴィア機に目掛けて連射
しかし、シルヴィア機はそれを躱した。
動きを読んでるのか?
「シルヴィア!やめろ!僕はアンタを殺せない!」
《甘ったれな事を……そんなんじゃBETAどころか私は倒せないわよ》
強気な態度で…その威勢はどれだけ持つかな?
ロザリンデ機がシルヴィア機に突っ込んできて突撃砲を握り構え発砲
《何をやってるマフティー!早く此奴らを!》
シルヴィア機の動きが変わった
膝関節部分が動いてる
まさか、膝蹴りをしようとしてるのか!
「避けろロザリンデ!」
ロザリンデはシルヴィア機の動きをよく見ておらず諸に膝蹴りを受けてしまい墜落
《ぐ……!》
管制ユニットは傷ついてない
無事にいてくれロザリンデ。
ファルカ機が市街の道路の真ん中で横たわっているアネット機に近づき長刀を握り構える
「先輩……私に力を貸してください」
ファルカ機が長刀を握り構えアネット機に接近
シルヴィア機がアネット機を援護しようとするが僕はそれを阻止した
《そこを退きなさい、ハサウェイ》
「退く訳にはいかない」
シルヴィアの目は……本気だ。
僕を殺そうと…。
《潰されたいかしら?》
僕はシルヴィア機の動きを警戒しビームライフルを連射
「潰されるのはアンタだ!」
突進しつつビームライフルで照準を定め射撃試みるがシルヴィア機は膝蹴りを僕に喰らった
「ぐ…!ポーランドの亡霊は伊達じゃないのか!」
ビームライフルを収納しビームサーベルでシルヴィア機の頭部を貫く
メインカメラは使えなくした
「投降を勧告する、頼む……僕を殺させないでくれ!」
これで分かる筈だ
《……こ…》
?
《こ……う…ふ…》
《それでも、やらなければならんのだ!》
クリューガー中尉、割り込んできた
易々と引き下がる衛士ではない。
105ダガー4機が僕に接近する
C小隊が来た
《例え俺の身体が砕け散ろうと……今が、戦うべき時なんだ!シュタージの恐怖から人々を解放し、この国を真っ当にする為に》
野太い大きい声でシルヴィア、アネット、ファムに伝わっていった。
当然ながらテオドールもだ。
《死にに行くようなものです》
《その為に命を使えるのならば、本望だ……》
死にに来たのか!?
実力行使させて貰う
悪く思わないでくれ……。
「C小隊、攻撃開始せよ!」
ヴァルター機はベアトリクス機に向け吶喊する
拙い、テオドール機が近くにいるぞ
僕もヴァルター機を追跡しようとするが頭部を失ったシルヴィア機に阻止される
《行かせはしないわ、ハサウェイ》
「退いてくれ!」
《お断りよ……》
まだ戦うと言うのか!?
ファンネルミサイルは使えない
ミサイルポッドも、ミサイルランチャーもだ。
ビームサーベルでやるしかないか……。
僕は最大全速でシルヴィア機を振り切り、ビームサーベルでベアトリクス機に向け吶喊するヴァルター機の跳躍ユニットを損傷
ヴァルター機は無力化した…と思われたがベアトリクス機にしがみ付き最後の力を振り絞り自らの命を捧げて自爆装置を作動しベアトリクス機を無力化しようと試みていた。
僕はビームサーベルでヴァルター機の両脚を切り込む
しかしまだしがみ付いている
105ダガー3機がヴァルター機に攻撃
1機は腕を切り込み、もう1機はヴァルター機を蹴りだした
そのもう1機がベアトリクス機をヴァルター機から離れさせビームライフルで射撃し墜落させた
《ヴァルターーーーーーッ!!!》
ヴァルター機が墜落し爆散した光景を見たシルヴィアは怒りを爆発し105ダガーに向け突撃砲を構え乱れ撃ちし撃墜する。
《お前をさっさと殺しておかなかったばかりに……!》
ヴァルターが喪ったシルヴィアの怒りは本物だ
復讐心が見える
シルヴィア機は僕に目掛けてナイフを振り回してくる
何度も何度もクスィーガンダムの装甲を叩きつける
《死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!!!》
くっ……シルヴィア、クリューガー中尉が戦死したことはお気の毒だと思うよ。
毒を取り除かなければ国が腐敗していく
僕はそれを、やったまでだ。
《あの人を、返せぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!》
再度ナイフを振り回したが僕はその腕を掴む
がっちりと掴んでいる
「(聞く耳は持たないか……)!」
《あああああああああああ!!》
シルヴィアは泣き叫んだ
その涙は愛する者が喪い復讐心がある
「シルヴィア!」
僕はシルヴィア機の右腕を引きちぎる
しかし左腕に内蔵してるナイフを持ち握り突っ込む
《死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!》
僕はビームサーベルでシルヴィア機の左腕を切り込んだ
これで戦闘不能に追い込んだ
「これで分かっただろ、戦術機じゃ僕のクスィーガンダムに勝てる訳ないんだ!」
シルヴィアは管制ユニットから降り僕に目掛けてマカロフPMを構え発砲する
当然だが、機体に掠り傷程度で装甲が分厚い為撃ち抜かれない
「ガウマン、状況を!」
《ああ、こっちは終わったぜ。これで全滅……だな》
「今すぐ来てくれ、反体制派の機体を回収だ」
《了解したぜ》
未だに動かないアネット機を見たファルカは手を差し伸べる
「動けない敵を切り刻んだら面白くないですよ」
《?》
ファルカ機は長刀を背部兵装担架に収納しアネット機を無理に立ち上げさせる
「動けますか?」
《……うん、何とか。でも何であたしを》
ファルカなりの思いやりがある
シュタージの戦術機部隊にいる衛士は人間なんだ
「666の長刀使いがあっさりとやられたら私は軽蔑します」
《………》
互いに手を取り合い、互いにいい経験を積み込む
ライバル同士であっても正々堂々と立ち向かわなければならない
戦闘ヘリがテオドール機と交戦しているベアトリクス機に向かって接近してくる
嫌な予感がする……味方ではない。
モニターを表示し画面を拡大、よく見ると……あの男はアズラエル!?
奴は反旗を覆したか
「今だ、撃て!早く撃墜しろ!」
アズラエルは戦闘ヘリの中でヘッドセットを付けガンナー席にいる兵士に12.7mm機銃A-12.7をベアトリクス機に目掛け連射
右手に持ってる突撃砲を損壊
「アズラエル……貴様」
ベアトリクスは堪忍袋の緒が切れ冷静さを欠けつつ背部兵装担架に収納してる予備の突撃砲を構え発砲するが戦闘ヘリがUB-32A-24 32連装ポッドで57mmS-5ロケット弾を発射
予備の突撃砲を失ったベアトリクス機は近接戦闘に持ち込みナイフを握り構える
「ブレーメ少佐、下がってください!」
ニコラ機がアズラエルが乗ってる戦闘ヘリを狙い突撃砲で120mm弾連射
戦闘ヘリは躱し9M17P ファラーンガ-Mを発射
ニコラ機は回避する
「な……!?」
アズラエルは顔面蒼白する
《よくも私の顔を泥塗ってくれたわね、アズラエル》
ベアトリクスの声を聴いたアズラエルは焦りに焦り冷静さを欠けしどろもどろになる
「ベアトリクス・ブレーメ……お前はこの世にいてはいけない存在だ!」
《貴方こそ……ふふふ、密かにアクスマンと連絡し合ってたけど彼は貴方の事最初から最後まで信用していないわ》
「何!?アクスマン中佐はビジネスパートナーだぞ!」
《貴方は利用されたのよ、使い捨ての道具として……ね》
ベアトリクスのその笑みは不適そのものだった
テオドール機と交戦していると言うのに余裕の表情だ。
《さようならアズラエル……そのまま朽ち果てなさい》
「ま、待て!」
見捨てられたか
当然の結果だな
《アズラエル》
ナタルから通信が来た
「バジルール……!」
《貴方の負けです》
「!」
《貴方とは二度と会う事はないでしょう。では》
通信終了
そして、発狂する
テオドール機は突撃砲でベアトリクス機に近づき発砲するがベアトリクス機は躱しアズラエルが乗る戦闘ヘリに直撃
「クッソオオオオオオッ!!」
戦闘ヘリは爆散しアズラエルは散った。
戦闘ヘリの破片はテオドール機に当たるがプロペラが突撃砲に当たり落とされる
地上戦へ…… テオドール機も逆手持ちでナイフ装備
「アイリスディーナ。確かに貴方の育てた衛士達は強い。よくぞここまで。でもね…」
マフティーのデモ行進が行われていた
「みんな…みんな戦おうとしてるんだ…シュタージと…!」
ファルカ機と対峙しアネット機は長刀を握り構える
「まだやれるよね?バラライカ!」
《それでこそ、666の長刀使いです。覚悟!》
ファルカ機はアネット機に目掛けて長刀を振り回しアネット機も長刀を振り回しつつ受け止める
「!」
《それで終わりな訳ないですよね?》
「まだまだ!」
アネット機はファルカ機と奮戦
互いに退く様子はない
何度も受けつつアネット機は長刀を振り回す……がファルカ機に一手取られ、アネット機の長刀が折れてしまう
「そんな……当たらなかった……」
折れた長刀の先端はファルカ機の頭部に突き刺さる
《いや、もう当たってますよ……》
力尽きたファルカは深い眠りに付き、機体の動きは止まった
《マフティー、俺は収容所へ行く!銀髪の嬢ちゃんはお前に任せる!》
「ガウマン、急いだ方が良い。エメラルダ!」
《カタリーナ機と共に残存の戦闘ヘリを殲滅したよ》
「シルヴィアを回収してくれ、僕はベアトリクスを」
シルヴィアが持つマカロフPMの弾倉はなくなり地面に叩き付けるように棄てる
「降りて来なさい!」
シルヴィア、僕と肉弾戦に挑むつもりか?
……時間はある、少しだけ付き合うか。
僕はクスィーガンダムのコクピットから降りシルヴィアと対峙する
「潰す……!」
目が本気だ
逃げられない
僕は身構える
身構える時は死神は来ないと思ったが……今僕の目の前にいる
手加減は出来ない
シルヴィアは僕に向かって走りそこで拳を握り締め殴りかかる
僕はそれを躱しシルヴィアの背後を回り左腕をがっしり掴み背負い投げする
「本気で喧嘩したらアンタが僕に敵う筈ないだろ」
「煩い!」
不意打ちで僕は殴られた
そのパンチ力はボクサー並みの力だ。
真面に受けそのまま倒れるが、意識はしっかりしておりムクッと立ち上がる
僕はシルヴィアを抱き締める
強く抱き締め、腹に拳当てられても倒れない
「離せ!どういうつもりなの!」
「もういいんだ、シルヴィア。アンタは戦わなくていいんだ」
僕はシルヴィアに向け冷静さを欠けることなくこう言った。
「クリューガー中尉の事は……お気の毒だった。事故だとはっきり言っても済まされないと言うのは分かってる」
シルヴィアはクリューガー中尉の事を本気で愛していた。
「うぅ…裏切者に何がわかるっていうのよ!」
シルヴィアは涙を溢れ出し怒りを表すも僕を抱き締める
「アンタなんかに……アンタなんかに分かって…うぅ…うあああああああ」
そして泣き崩れた
もう戦わなくていいんだ
これで…いい。
いいんだ、これで。
まだ続きます!
次回、テオドールとベアトリクスの一騎討ち
ベアトリクスは東ドイツの為に戦いテオドールも同じだ
しかし、それぞれの考えがすれ違って対峙する
ハサウェイはベアトリクスを助ける事出来るのか?
それは見てのお楽しみに