ウルスラ革命は最終局面に向かった
反体制派……第666戦術機中隊はヴェアヴォルフと交戦
そして僕もマフティーとしてファム、シルヴィアを再起不能にした。
アネットはまだ動けるようだが、真面に戦闘は出来ないだろう。
残ったのはテオドールだけだ。
民衆は反体制派ではなくマフティーを支持している
ベアトリクスが描いている究極の戦闘国家の実現を
彼女の……ユルゲンの理想と思想は少しずつ実現しようとしている。
問題なのは救国の女神として拝められているアイリスディーナ
本来ならばアイリスディーナを粛清するところだが、それでは国民の支持は激減していくだけでこれは愚策だ
2人を……英雄として君臨するしかない
《マフティー、カウルスドルフ収容所上空にいるがどうやら先越されてしまった》
「先越された?」
アクスマンか。
自らの欲を満たす事しかできない出来損ない下種将校が!
エメラルダが乗るメッサーがシルヴィアの機体の前に着陸
跪き手を差し伸べシルヴィアをメッサーの掌に載せる
「エメラルダ、シルヴィアを頼んだぞ」
《任せときなさい、ハサウェイ》
シルヴィアは寂しげな目で僕を見ている
掌に載せたままゆっくりと飛び去って行った
僕はクスィーガンダムのコクピットに入りシートに座りつつ操縦桿を握り締める
「ガウマン、アイリスディーナを救い出せ!」
《了解だ》
アイリスディーナはガウマンに任せよう
僕は最大全速でテオドール機に向かいつつビームライフルで威嚇射撃
テオドール機はそれを躱す
「テオドール……」
僕は目の前にいるテオドール機と無線交信を試みた。
《ハサウェイか?》
「投降する意思はなさそうだな…ならば僕はマフティーとしてアンタを粛清する!」
僕はテオドール機の動きを合わせ突進しビームライフルを連射
テオドール機はそれを回避する
《アンタは利用されてるんだぞ!》
「僕を殺すと言ったアンタが言う事か!」
頭部バルカン砲でテオドール機に向け砲撃
多目的追加装甲で防がれる
「(真面にやり合えば一般人に巻き込まれる……)」
その時だ、僕の頭の中から何かが見えてきた
何だ……何か見えるぞ
収容所………人影が。
フライト・フォームを展開しアイリスディーナがいるカウルスドルフ収容所へ最大全速で向かう
《おい、逃げるのか!ハサウェイ》
「マフティーの声明は聞いただろ!アンタが救おうとしている英雄を救いに行くだけだ!」
《俺達を裏切って…御人好しにも程があるだろうが!》
「いい加減にしないとビームライフルで焼くぞ!」
テオドール機はクスィーガンダムを追いかけるが戦術機の速度では全く追い付かず、ベアトリクス機と再戦しつつナイフを握り構える
僕はカウルスドルフに向かった。
一方その頃、アクスマンによって連れ去られているアイリスディーナはアクスマンの部下に誘導され車に乗り込もうとするが、ガウマンが乗るメッサーのロング・ビーム・ライフルでアクスマンが乗ろうとした車に向け射撃しつつ爆散され使い物にならなくした
「何だ!?」
アクスマンは予想していなかった
表情は歪んでいる
《そこの!あー、そこのクソ将校、早く彼女を引き渡した方が身の為だぜ》
「中佐……これは」
「し、知らん。こんな機体見たことがない!」
《ほぉ、ドミニオンに乗り込もうとしたんだろ?知らないとは言わせないぜ》
アクスマンは冷静を保ち歪んだ表情しつつも得意げな顔をして言い放つ
「アイリスを助けに来たのか?そう簡単に渡せはしないよ」
ミヒャエルは収容所の前に止まってる別の車を指す
「中佐、護送車があります」
「よし、それに乗り込め」
ミヒャエルはアクスマンの命令に従いアイリスディーナを護送車に乗り込ませようとするが、最大全速で飛行しているクスィーガンダムのビームライフルで射撃し爆散した。
「な……!?」
左方向にカタリーナが乗るアリゲートル、右方向にドライセン3機が立ち塞がりアクスマンの逃げ道をなくした
《ハインツ・アクスマン!もう逃げられないぞ!》
「ぐぬぬ……!」
《観念するんだな、クソ将校さんよ》
カタリーナも怒りを表す
《アクスマン中佐、ベルンハルト大尉を盾にするつもりですか?自分だけ逃げ得しようとする……救いようがない男ですね》
此奴だけは赦せない。
アイリスディーナの実兄を死に追いやり、リィズを盲目的な愛情を強調し歪ませてまで執拗的にテオドールを手に入れようとした事……。
不穏分子は排除しなければ……この国は救えない
「……」
アクスマンは急に立ち止まった
何を考えてるんだ?
焦るな、警戒を緩めるな
目の前にアイリスディーナがいる。
もう少しだ……もう少しで終わる
その間の辛抱だ。
《自分の目的を果たす為女一人を盾にするとは……情けない男だな!》
「国家は貴様らみたいなテロリストが築き上げるモノではない!」
………何が言いたい?
《ベルンハルト大尉を解放しろ!》
「お断りだ……君はベアトリクスと協力しているのではないのかね?」
僕はビームライフルでアクスマンに銃口を向ける
《僕は本気だぞ!》
早く渡してくれ!
《マフティー、言っても無駄よ。あの男は聞く耳持たないわ》
《カタリーナ……》
《アンタの言う通り、アクスマン中佐は自分の利益しか考えないクソ将校よ》
アクスマン、アイリスディーナをどうするつもりだ。
「そうだな……どちらについていくか?アイリス、君が決め給え」
決定権をアイリスディーナに委ねたか。
「アクスマン中佐、答えはもう既に決まっています」
アクスマンは得意げで勝ち誇った顔をしている
《アンタはテオドールといち早く会いたい筈だ。僕と一緒に来てくれ!彼はベアトリクスと戦ってる》
「私と一緒にアメリカへ亡命してよりよい人生を築き上げよう、身の安全は保障するよ」
此奴……!
「家族や友人を持たずただ自己中心的で自分の事しか考えない……哀れな男だなハインツ・アクスマン」
「この歪んだ世界で生き抜くのに必要なのは権力だけだ!理想やイデオロギーなど所詮方便に過ぎないのだ!」
アイリスディーナが出す答えは?
「私はマフティーについて行く!それが私の答えだ」
僕はクスィーガンダムのマニピュレーターを動かしアイリスディーナを掌に載せつつハッチを開きコクピットに入れる
「そんな……何故だ!?アイリス!」
「私は貴様の人形ではないし指示に従わない」
ハッチを閉め僕はこう言い放つ
《アクスマン、アンタはやり過ぎた。他人の人生を滅茶苦茶にし罪無き人々を陥れ自分の欲を解消すべく女性を襲わせ強姦した事を申し訳ないと思わないのか!?》
此奴は粛清しなければならない
僕はアクスマンの姿を見るだけで反吐が出そうだ。
外道は葬らなければならないんだ
人間の形のまま死なせはしない
僕はクスィーガンダムのブースターを噴出しゆっくりと上昇する
アクスマンは拳銃を握り構え僕が乗るクスィーガンダムに向け感情を剝き出しにしつつ発砲
しかし弾丸は弾く
「あ……あぁ……私の…私のアイリスがあああああああああああ」
アクスマンは叫ぶ
アイリスディーナはぎっと睨みつける
「その名を呼んでいいのは私の同志達だけだ!」
アイリスディーナは操縦桿をそっと握りレバーを引きビームライフルでアクスマンに向け射撃し近くにいたミヒャエルと共に蒸発された
アクスマンを葬ったアイリスディーナはハサウェイが駆けるクスィーガンダムに乗り込みテオドールの元に向かう
しかし、彼はベアトリクスと近接戦闘を繰り広げていた
さて、ここからどうなるか?
アイリスディーナ、ベアトリクス……2人の運命は如何に
次回のお楽しみに