シュヴァルツェスマーケン 閃光のブレーメ   作:マブラマ

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最終回です!


最終回

ウルスラ革命終結から1年、東ドイツは陥落し西ドイツへ戦場へ移りBETAの侵攻は止まず東西ドイツ諸共陥落してしまった。

しかし東ドイツの総帥となったベアトリクスはかつてシュタージ長官であったシュミットが施行された疎開禁止令を撤廃

国民は全員救出した……とは言い切れない。

今までBETAと立ち向かい無残な死に方をする者が多かったからだ。

ベアトリクスの話を聞いたが、マフティーという秘密結社が東ドイツを統治するのは相応しくないが一時的に傭兵扱いとしてBETA駆逐する。との口実で東西ドイツ統一は30年後というのは遅過ぎると思っている人は殆どだろう。

しかしその後、様々な事態が起きると英断だったと関心せざるを得ない。本当に彼女は先がよく見える……と思う。

ベアトリクスとアイリスディーナの暗殺を狙ったテロが引っ切りなしに来たのだから。さらに『統一反対』『ベアトリクス退陣しろ!』『再び民主主義を!』のデモも各地に起こった。

恐らく、元反体制派の構成員や西側のドイツ赤軍が手を組んで起こしたのだろう

俗物風情というのはこういうことだろう

第666戦術機中隊はファムにアイリスディーナの後継者として任命され、アネット、シルヴィアは中尉に昇格。テオドールと共に小隊長となった。

中隊は光線級吶喊で大いに活躍し、祖国ドイツ並びに欧州奪還目指すために貢献したのだが、あるとき重大な事故が起こった。ある日の任務から小隊長のテオドールが帰還せず、行方不明となった。

必死の捜索にも彼は見つからず、皆大いに悲しんだ。

それを知ったベアトリクスは戦力の要の一つを喪うわけにはいかないと必死に捜索したが25日経った後捜索は打ち切られMIAと認定された。

僕はマフティーとしてBETA支配下となった東ドイツへ送り出しヴェアヴォルフ大隊と共に殿を務めた。

地球連合軍の将校だったナタル・バジルール少佐は正式に武装警察軍に編入しドミニオンは武装警察軍直属の旗艦として活躍した。

1993年、マフティーは東ドイツの統治から撤退、これによりベアトリクスが全権を握った。

そして僕は日本へ移住し、ベアトリクスが購入してくれた豪邸で隠居生活を送っていたが欺衛軍の崇宰恭子大尉と出会う

僕がマフティーだってことはあっさりとバレたけど彼女はそれを知りつつ疑わなかった。

こんな僕にも尋ねてくる人間はいる

「マフティー……それが貴方が率いた秘密結社なのですか」

「僕はただ、彼女を助けたかっただけですよ。崇宰大尉」

結果的には欧州大陸は完全にBETAの支配下になってしまったが、死んでいった英霊たちに対し僕は「よく頑張った!」と大きく声を上げることができる

「そう、でも私は征夷大将軍を守る立場であり欺衛軍の一衛士です。マフティー・ナビーユ・エリン、貴方は東ドイツの革命に参加したようですが」

「僕は正しい選択をしたまでだ」

ベアトリクスと結婚した僕は子供を授かった

彼女が幸せになるならそれでいい

「あの時、もし腐敗した議員や官僚達を粛清しなかったら、ベアトリクス・ブレーメとアイリスディーナ・ベルンハルトの2人はこの世には存在せず指導者として君臨出来なかったと思います」

無能な連中が国を任せるよりはマシだ

「最後に質問いい……かしら?」

「どうぞ」

「何故危険思想を持つベアトリクス・ブレーメについていこうと決心したのですか?」

僕は崇宰大尉に決まり切った返答を返すことにした。

「守りたかっただけです」

「どうして?」

「可能性を信じるなら彼女に賭けてみようと思っただけです」

その過程で崇宰大尉含め欺衛軍の連中と仲良くなったのだが、ベアトリクス直々の嘆願で新たな任務が与えられた。

場所はアラスカのユーコン基地。ソ連とアメリカが国境を接する地で東西の陣営を超えて技術交流を深め、戦術機開発をするそうだ。

そこには国連軍の兵士達がいる。

しかし僕は乗り気じゃなかった。

国連主導下の大規模作戦に加わることを意味する

当然ながら僕はこの嘆願は断った。

マフティーが国連の主導下で従えない

そう悟ったからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2001年

日本に隠居している僕だが、突然ある転機が訪れた

朝刊をよく見るとキリスト恭順派というテロ組織が暴れまわってるという内容だ。

教義を見てみると『BETAは神の使いであり、全世界を無に帰すことこそ神のご意志。それに逆らう者は神の冒涜者』などという、僕には理解不能の教えだ。

アムロさんなら「神を冒涜する哀れな連中の集まりだよ」と言うだろう。

僕は43歳だ。

新任衛士という名目でユーコン基地に行くのは不自然だ。

僕はベアトリクスと連絡を取りユーコン基地での任務を遂行することにした

「あ、すまない。ブレーメ総帥と話がしたい」

《ハサウェイか?》

久々に聞いたニコラの声

僕は少し穏やかな表情になった

「ああ、久しぶりだなニコラ」

《あぁ、ブレーメ総帥と話したいと?今会議中だから早くても3分だ。私が取り合ってみるから少し待ってくれ》

と言いつつ保留音が鳴り響き僕は3分間待った

保留音が鳴り終わり、ベアトリクスが電話を出た。

《あら?どうしたのかしら》

「ああ、僕をユーコン基地に送り出してくれないか?」

《何故?》

「………嫌な予感がするんだ」

僕はベアトリクスに嘆願しユーコン基地へと向かい難民解放戦線のメンバーであるナタリー・デュクレールと接触

そして彼女をマフティーのメンバーとして迎え入れキリスト恭順派のリーダーとなったマスターと名乗るテオドールと再会し衝撃の真実を語られたり、悲しき別れをしたりもした。

国連に協力せず僕はマフティーとして戦い続ける

僕の戦いはこれからだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、国連主導下の作戦『桜花作戦』が終わった後、ある1つの事件が起こった。

キリスト恭順派であるマスターことテオドール・エーベルバッハがアメリカに潜伏していたが逮捕され裁判の結果は当然ながら死刑判決が下され薬殺刑で処刑されたと報道された。

その裁判はかつて仲間だったアネット、シルヴィア、ファム、グレーテル、カティア、アイリスディーナの姿はなかった。

人は斯くも愚かなものなのか

東ドイツだけでなく全ての国々の閣僚や国連軍将校の些細な復讐心により流したこの報道によってテオドール・エーベルバッハという元第666戦術機中隊衛士は、人々の心に残り更に国連への不信を煽るという皮肉な顛末を迎えた。

テオドールが処刑されてから10年後、欧州大陸は奪還成功し軟禁状態を解かれたカティアは東ドイツに戻り、思いを胸に祖国の地を踏んだ。

やがてマフティー・ナビーユ・エリンは第666戦術機中隊とヴェアヴォルフ大隊と共に革命と祖国防衛の中心的な存在であり多大な戦果をあげた為、そのメンバーは半ば伝説となっている

カティアはベルリン墓地に建てられたテオドールの墓で一緒に墓参りしに来たファム、アネットにこう言い放った

「私、軟禁から解かれるまでこう思ったんです。ハサウェイさんの言う通り急ぎ過ぎは良くない。と」

「カティア……」

「それで私は祖国ドイツの地で死にます」

カティアの言葉を聞いたアネットとファムは複雑な表情になり悲しげな顔になる

「あたしは……ファム姉とずっと一緒にいるよ」

「……いつになるか分からないけど今の東ドイツがなくなって新しい体制が出来上がりまた組織の悪癖が出ないというのは限らないわ。BETAがいなくなっても同じことの繰り返しに……」

アネットは首を傾げる

「ファム姉?」

「その為に次のマフティーを作る用意でもしようかしら?」

「次のマフティー?」

「40年後かもしれないけど、テオドール君やベルンハルト総書記……ベアトリクスでもいいわね」

ファムは悪戯っぽく笑みを浮かべる

「そんなのが復活するような組織が作ってみたいわ」

「そうだねファム姉……まだ終わりじゃないよ。テオドールは……殉教者として伝説に奉られる」

殉教者……それは自らの信仰のために命を失ったと見做される者という意味だ。

その言葉通りにテオドール・エーベルバッハという名はこの先もずっと語り継がれていくだろう。

時に2012年4月11日

第一書記となったイングヒルトにより民主化は急速し、東西ドイツは正式に統一し東ドイツと西ドイツは過去の産物となりドイツ連邦共和国となった。

秘密結社マフティー・ナビーユ・エリンは東西ドイツ統一をきっかけに解散し更に10年後、カティアは首相となりベアトリクスが仕切った究極の戦闘国家としての東ドイツは終わりを迎えた。

僕はといえば、政権をカティアに譲り退いたベアトリクスと共にベルリンにある豪邸で過ごしていた

「よく頑張ったね、ベアトリクス」

54歳となった僕は相変わらずベアトリクスと仲良く寄り添っていた

子供も成長し自立して衛士になろうと勉学を励んでいる

「ふふ、貴方もよく頑張ったわ」

BETAが欧州大陸から消滅したとはいえ全て消滅した訳じゃない

BETA大規模殲滅作戦は全て国連主導下となり未だに前線で戦ってる者もいる

「ハサ、私はずっと傍にいるからいなくならないで」

「ああ、勿論だよ」

互いに目を瞑り唇を重ねた

幸せを掴み取った僕はベアトリクスの笑顔を見るたび笑顔が増え続け僕はずっと一緒になることを決意した

もう二度と彼女を離したくない

二度と……離さない

「愛してるよベアトリクス」

「私もよ、ハサウェイ」

 

das Ende




『シュヴァルツェスマーケン 閃光のブレーメ』はこれで完結です!
ご愛読ありがとうございました!
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