《さて、なかなか話し込んでしまったが本題を済ませるとしよう、ペロリン!》
…そうだな、じゃあ行こうか。オーブン、道はわかるか?
カタクリは歩き出しここから
《いやいやカタクリ、お前どこに行こうとしてやがる?ここで始めるんだぞ?》
…始める??何をだ??
《おぅ、実はなカタクリ!!お前には生き返って別の人生を送って貰おうと思ってな!!》
…………は??????
オーブンのここで始める発言からダイフクの生き返ってもらう発言、あまりに突拍子もない言葉にカタクリは呆けたまま固まってしまった。
《ダイフク兄さん、カタクリ兄さんは何も知らないんだから一から説明しないとわからないわ。》
《あぁ、そうだったな。じゃあペロス兄から説明を…》
…いや、ちょっと待て…。
…始める?生き返る?別の人生…???
…それ以前に、俺たちは死んだろう?だったらこれから
地獄に行くんじゃないのか?
生前、多くの国民や兄弟達を守るためとはいえカタクリは数えられないほど多くの人間を殺めてきた。お互いに譲れない信念をぶつけ合った強者たちもいたが、殺めてきた人間の大半は戦う力を待っていない一般人で死ぬ覚悟を持って挑んできた者の方が少数なのだ。どれだけ崇高な信念を持っていようと行なっていたことは『海賊』であり『人殺し』、カタクリ達が『善人』か『悪人』かと問われれば間違いなく『悪人』だろう。カタクリは自身が『悪人』の自覚があるからこそ、死んだのであれば地獄に行くことが当然であると考えていたのだ。
《まぁそうだな、本来であれば俺たちは問答無用で地獄行きだ、ペロリン。だが、俺たちはここでとある人物に出会っちまったのさ、ペロリン。》
《そいつが言うには一人だけだが人生をもう一度過ごすことができる、それも自分以外の人間に新たな人生を授けることができるそうだ。》
この話を聞いたカタクリは思わず顔を顰めた。当然だ、あまりに話がうま過ぎる。死後に新たな人生を送ることができる、とてつもない話の上に相手側にメリットがない。「自分以外の人物」に新たな人生を与えるならそれこそ親しい人物に渡すことが普通だ、それなのに見ず知らずの自分を対象にするなどとてもじゃないが信用できない。騙そうとしているに決まっている。
しかし長男であるペロスペローがこの話にのっているのも気になる。ペロスペローは生前に策謀・調略を得意としていた人物だ。そんな人物がこんなうま過ぎる話を信じるとは思えない。ましてや騙されるなどありえないことだ。
《…流石に戸惑うよな、カタクリ兄さん…。》
《ペロリン、無理もない。俺だってまだ半信半疑なんだ、ペロリン。》
《騙されていると思うのが普通だよな。だが会えば納得すると思うぜカタクリ!》
ペロスペローだけでなくスムージー、オーブン、ダイフクまでも乗り気でカタクリは分からなくなる。兄弟の中でもしっかり者の4人が揃ってこんな怪しい話を持ちかけてくるのだ、どういうことなのだろうか。
《ウィッウィッウィッ!兄さん達、話は終わったかしら?》
……!!!!!
突然カタクリ達4人の間に大きな鏡が出現し、そこからサッカーボールほどの大きさの光体が現れ、その光体からカタクリの人生に大きな影響を与えた人物の声が聞こえた。カタクリにとっては忘れたくても忘れられない事件、幼少期の頃に自身の傲慢さが原因で一生残る傷をつけてしまった大切な妹、四皇になってからもこの妹だけは絶対に傷つけないと誓っていた妹の声だ。
【シャーロット・ブリュレ】
シャーロット家8女で“ミラミラの実”の能力者。カタクリの人生に多大な影響を与えた人物であり、幼少期にカタクリへ恨みを持つ者たちに顔を傷つけられ、この事件を機にカタクリは「完璧」に固執するようになっていった。カタクリにとってたくさんいる兄弟たちの中で一番特別な妹であり、自身の死に際を看取った人物でもあった。
…本当にブリュレなのか?お前ももう死んでしまったのか…?
目の前の光体から大切な妹の声が聞こえるが、ここ死後の世界で話ができるということは
《ウィッウィッウィッ!違うよ兄さん!あたしはまだ死んでないさ!まだまだこっちで兄さんが残してくれたものを守っていかなきゃならないからねぇ!!》
自分はまだ死んではいない、守りたかった妹はいまだ健在であることが分かり、ブリュレの発言にカタクリは心底胸をなでおろした。
だが、そうだとすると今の状況に疑問が残る。現世で生きている妹が死後の世界にいる自分たちに話ができている状況はどういうことなのだろうか。
《カタクリ兄さん、なんで生きてるあたしが死んでる兄さんたちに話ができるのか、そう思ってるんだろう?》
…あぁ、ブリュレは“ミラミラの実”の能力者で死人と話ができる能力は持っていない…。他の兄弟たちにもそんな能力を持った者はいないはずだが…。
《そうだね、私たち兄弟に死者と話ができる能力を持ったのは
…ブリュレ、お前覚醒を…!!!!!!!!!!
“悪魔の実の覚醒”
悪魔の実の能力者によっては能力を極めた結果、ごく稀に悪魔の実が“覚醒”することがある。
もちろんカタクリの“モチモチの実”も覚醒しており、カタクリもその気になれば周囲のものすべてを餅に変えて思い通りに操作することが可能であった。
《あたしの“ミラミラの実”は鏡の中に鏡世界(ミロワールド)という別世界を創り出し、その鏡の中の世界に自由に出入りできる能力だってことは兄さんたちは知っているよね。この力が“覚醒”すると、鏡世界(ミロワールド)の中の鏡を通じてあらゆる世界、それも『死後の世界』を含めたありとあらゆる『異世界』に干渉できるようになったのさ!!ウィッウィッウィッウィッ!!!》
…なんだと!!!!!!!!!!!!!
“ミラミラの実”の覚醒、その力はとんでもないものだった。もともと鏡世界(ミロワールド)自体が鏡を通じて様々な場所に移動できる破格の性能をしていた、それが覚醒するとまさかの『異世界』まで繋げることができると言うのだ。とんでもない能力である。
《驚いただろう、カタクリ!流石の俺たちもこの能力にはひっくり返ったぜ!》
《まさかこんな力が秘めていたなんて、想像もできなかったわ。死んでからも驚かされるなんてあるのね。》
《ペロリン、ペロリン!!そういうわけだカタクリ!この力を使って、お前には新たな人生を歩んでもらうってわけさ!ペロリン!》
…ブリュレの力がとんでもないものだというのは理解した…。だが俺は既に死んでいるんだ、死人をどうやって異世界に移して尚且つ生き返らせる?流石にそんな力はないだろう?
…そしてこれが1番の疑問だ。なぜおれなんだ?
“ミラミラの実”の新たな力は確かに凄まじいが、あくまで『干渉』できるだけだ。現にブリュレはカタクリがいる『死後の世界』に干渉はできても『来る』ことはできていない。このことから、死者と会話はできても実際に会うことはできないのだ。ましてや異世界に送り人生をやり直させるなどどう考えても“ミラミラの実”の能力を逸脱している。そんな力がブリュレにあるとは到底思えない。
《……ウィッウィッウィッ!!大丈夫だよ、カタクリ兄さん!!普通なら無理だが、実は覚醒した“ミラミラの実”には「一度だけ」他人の魂を別の世界に送ることができるんだよ!!》
《…えぇ、そうね。だからカタクリ兄さん、私たちは兄さんに新たな人生を送ってもらうことにしたの。》
…「一度だけ」?そんな能力があるのか…?(…なんだ?何か引っかかる…。何かを見落としているような…。)
《そういうことだ、カタクリ。ちなみにこれは俺たち兄弟全員の総意だぜ!》
《ペロリン、お前はずっとビックマム海賊団のために生きてきた…。それにおまえはずっと俺たちに言えない願いがあっただろう?》
…皆に言えない願い?そんなものは俺には…。
《カタクリ…、ここまできて噓をつくな。…ブリュレから聞いた、麦わらと戦った時のお前はいつになく生き生きしていたと。…羨ましかったんだろう?何のしがらみもなく純粋に戦える麦わらが。仲間と一緒に世界中を冒険しているあいつらが。》
……………………。
オーブンの言うとおりだった。本当はカタクリも自由に生きてみたかった。冒険したかった。好きなように生きてみたかった。
でも同時に怖かったのだ。かつて自分が思うように生きたことで、大事な妹の顔に一生残る傷をつけてしまった。その後も皆が自分に期待してくれていた、その期待を裏切ることも怖かった。さらには自分たちの国ができ、その国が失わてしまうことも怖かった。ビックマム海賊団という大海賊の一族に生まれた故に、カタクリにはたくさんのしがらみがついて回っていたのだ。
《ペロリン、お前が自分の思いを伝えられなかった要因は俺たちにもある。俺たちはお前ならなんとかできる、お前ならなんとかしてくれる、そう思ってしまうことがビックマム海賊団の中で当たり前になってしまっていた…。俺たちはお前を無意識に縛ってしまっていたんだよ、ペロリン…。》
…そんなことはない…!!さっき言ったとおりだ!俺は皆を守りたかった!皆が大切だった!皆がいたから俺は強くなれたんだ!!!
《…そうだな。だがそれと引き換えに、俺たちはお前が望んだ生き方をさせてやれなかったんだ。そのことを俺たちは悔いているんだよ…。》
《だからこそ、次はカタクリ兄さんが望んだ生き方をしてもらいたいんだ。…兄さん、私たち兄弟からの最後のプレゼント、どうか受け取ってほしい…!》
……………………おれは……。
カタクリは迷った。確かに麦わらのルフィと戦った時はこれまでにない感情で溢れた。その生き方に興味がわいた。その生き様に魅入られた。あの男のように、自由に生きてみたいと思った。
だが自分だけが望みをかなえていいのだろうか?ほかの兄弟たちだって違う生き方を望んだことはあったはずだ。幸せになりたいと思ったはずだ。自由になりたいと願ったことがあるはずだ。それなのに自分だけがやり直していいのだろうか…。
やはり受け取れない。兄弟たちには申し訳ないが、自分だけがやり直すわけにはいかない。先に逝った兄弟たちと共に地獄へ旅立つことを決め、そのことを伝えようとした次の瞬間、カタクリの背後に大きな鏡が現れた。さらに鏡から光が溢れだし、その光を浴びるカタクリの体が細かな粒子に分解されていき、徐々に鏡の中へ吸い込まれていく。
…これは…!!!おい、止めるんだブリュレ!!俺は一人だけやり直すわけには…!!!
《…やっぱり兄さんは受け取ってくれないと思ったよ…。でもね、私は兄さんに今度こそ素直に生きてほしいんだ…!私のヘマで兄さんの生き方を縛ってしまって、ずっと悔いていたんだ・・・!!!私の最後の力、兄さんのために使いたかったんだよ…!!!!》
…最後の力だと…!!!まさかこれは…!!!止めてくれブリュレ!!!俺はこんなことは望んでない…!!
《カタクリ、さっきも言っただろう?お前が望む生き方をさせてやりたい、それがシャーロット家兄弟みんなの思いなんだ!!》
《今まで自分を縛っていたんだ、今度こそ思うままに生きてみろ!!》
《カタクリ兄さん、今まで本当にありがとう…!!!》
《ペロリン、カタクリ!!次は人生を心から楽しめよ、ペロリン!!!》
…オーブン…!!、…ダイフク…!!、…スムージー…!!、…ペロスペロー兄さん…!!
《…お兄ちゃん、あの時ヘマしてごめんね…。…そして…
あの時私のために怒ってくれて、本当にありがとう…!!!
…ブリュレ…!!!!!
カタクリの体は完全に光と同化し鏡の中へ消えていった。直後に鏡も消え、その場からカタクリの気配は完全に消え去ってしまった。
《…行っちまったな…。》
《…あぁ、行っちまった…。》
《…カタクリ兄さん、怒っていないかな…?》
《…まぁ、間違いなく怒ってると思うぜ、ペロリン。最後は有無言わさず送り出しちまったからな、ペロリン》
オーブン、ダイフクが感傷に浸り、スムージー、ペロスペローがカタクリが怒っていないか心配していると、ブリュレの声がしていた光体が4人の傍に来て形を変え始めた。
《しょうがないよ、もうあたしの命もギリギリだったのさ。これ以上カタクリ兄さんの強情さに付き合うわけにはいかなかったからね、ウィッウィッウィッ!!》
光体は完全に【シャーロット・ブリュレ】の姿となり兄弟たちの傍で会話に交じりだした。
《…ブリュレ、ここでその姿になれるってことは、やっぱりお前は…。》
《…まぁ、そういうことだよオーブン兄さん。人一人生き返らせるんだ、当然の代償さ…。》
死んだ命を生き返らせる、いくら悪魔の実でも何のリスクもなく出来うわけがない。同じような効果を発揮する悪魔の実も多大な代償が必要となる。
“オペオペの実”という悪魔の実には実は人一人を不老不死にすることができるという隠された力がある。しかしその代償として、“オペオペの実”を食べた本人は命を落としてしまうのである。
そう、“オペオペの実”と同じように“ミラミラの実”の力でカタクリを別世界に送る代償、それは
《まぁ私の命は消えかけだったんだ。あと数か月保ってくれればいいほうだったんだから、カタクリ兄さんのために使えて本望だったよ!!ウィッウィッウィッ!!!》
カタクリ亡き後、ブリュレもまた戦いの中で病に倒れ命が尽きかけていたのだ。多くの戦いを経たことで“ミラミラの実”は覚醒に至り、その力の使い方が分かってからは死んでいった兄弟たちに接触し、この力をカタクリのために使いたい旨説得して回った。幸いにも反対する兄弟たちはおらず、ブリュレは残り少ない命を使って、カタクリを別の世界へ送り出したのだ。
《しかし最後は駆け足だったからな、カタクリを送り出した世界がどんなものか説明する暇がなかったな。》
《そうね。でもカタクリ兄さんのことだもの、きっとすぐに順応できると思うわ。》
《そうだな、ペロリン。きっと上手くいくさ、ペロリン!》
《…
《ウィッウィッウィッ!!大丈夫だよ、ダイフク兄さん!!なんせカタクリ兄さんは
私たちのヒーローだったんだからさ!!!!
事の始まりは 中国 軽慶市
“発光する赤子”が生まれたというニュースだった
以降各地で「超常」は発見され 原因も判然としまいまま時は流れる
いつしか「超常」は「日常」に・・・
「
世界総人口の約8割が何らかの“特異体質”である超常社会となった世界
混乱渦巻く世の中で
この世界の「超常」を超える「頂上」世界で
「皇帝」と言われた一人の男が
新たなうねりを生みだしていく
これはそんな物語・・・
ようこそ!!!僕のヒーローアカデミアへ!!!
“ヒーロー?ヴィラン?俺は家族を守るだけだ!” 開幕!!!!
…だぁ???(…ここは???)
初めて5000字超えましたけど、皆さんこれぐらい書いてると思うとすごいの一言です。
カタクリと一緒に強くなるライバル、この中で誰が相応しい?(緑谷、爆豪、轟は除く)
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飯田天哉
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尾白猿夫
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上鳴電気
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切島鋭児郎
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障子目蔵
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砂糖力道
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峰田実
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鉄哲徹鐵