源王は玉座を譲らない   作:青牛

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リメイクとしていっぱい感想来てた前作を消しちゃった手前図々しいですが。


感想が……いっぱい欲しいです……!(乞食根性)

あんまりランキングとか細かいこと頻繁に確認しないものだから実感が薄いのよね。
確認したらいっぱい来てるっ!
となるけどやっぱりどこが面白かったかとかちらりとでも書いてくれると特に嬉しいです。









源王は猛者達に揺るがない

 雷門中、帝国学園、そしてまだ見ぬ各地の強者達。

 彼らが待ち受けた全国大会の開会式は、ついにその当日を迎えた。

 

『全国の中学サッカーファンの皆様、ついにこの日を迎えました!』

 

 実況の角馬(かくま) 王将(おうしょう)の興奮しきった声がフットボールフロンティアスタジアムの観客席、控え室、会場全体に響き渡る。

 

『各地域の激戦を勝ち抜いてきた強豪達が、今日より日本一の座を賭けて、更なる激闘に臨みます! 最強のイレブンはどのチームか! 早速紹介しましょう、近畿ブロック代表、戦国伊賀島中学!』

 

 話は地区予選を勝ち抜いてきた出場校達の紹介に移り、近畿ブロック代表の戦国伊賀島中を皮切りに続々と全国各地の猛者達が入場していく。

 帝国学園の選手達も、呼ばれるのを待ちながら集まっていた。

 

「ふー、緊張するね成神」

 

「そうかぁ? なら呼ばれるまで曲でも聞いてみるか? 貸すぜ」

 

 1年生の洞面が体を強張らせる。

 帝国が無敗の王者で、彼が入学後すぐにスタメン入りした実力者と言っても、初めての全国大会に冷静ではいられない。

 そんな彼に、同学年でありながら対照的で落ち着き払った成神がヘッドホンを弄りながら渡す。

 

「洞面、緊張するか?」

 

「源田さん……」

 

「今の内に存分に緊張を吐き出しておけ。俺達は先輩だからな、お前のそれを去年経験済みだ。誰も責めやしない」

 

「ククク…ええ、私達は先輩ですからねえ。あなた達が緊張で何か失敗しても、フォローくらい容易いことですよ」

 

「五条さん、俺緊張はしても失敗まではしませんよー! 見くびらないでください」

 

「そうだぞ五条。洞面も成神も凄い奴らだよ。心配はいらないさ」

 

 2年生の主力メンバー達には、去年も通った道である。

 皆涼しい顔で、自分達が呼び出される時を待っていた。

 そんな中、鬼道が彼らの前に歩み出た。視線を集めた彼が口を開く。

 

「皆、必ず優勝しよう。影山の掌の上で踊らされていたサッカーはもうない。今回の優勝から、俺達帝国学園の本当の伝説が始まるんだ!」

 

『応っ!』

 

 鬼道の言葉に、全員が揃って応じた。

 

『さあ、続いては関東ブロック代表! 帝国学園の入場です!』

 

「フッ。さあ、行くぞ皆」

 

 放送の声に従い、プラカードを持ったスタッフの後に並んで続く。

 すぐに外の光が見えてきた。

 眩い陽光と、吹き上がる歓声。鬼道達にとってそれは去年も感じたものだが、先の鬼道の言葉のように、今年にはまた違う、そして大きな意味がある。

 

『例年通り全国大会へとやって来ました、王者帝国学園。今回も圧倒的な実力を見せつけ、41連覇なるか!?』

 

 煽り立てる言葉。鳴り響く歓声。

 全てが力に変わっていく感覚があった。

 

『さらに、関東地区予選決勝にて帝国学園と死闘を繰り広げた雷門中学の出場が認められております! 彼らは無失点伝説を誇った帝国の守護神から初得点を奪った前代未聞の強者。今大会きってのダークホースと言えるでしょう! 決勝にて、伝説のイナズマイレブンの復活が期待されます!』

 

 位置についた帝国学園の隣に、雷門中の面々が並ぶ。

 

「いよいよだな。お前ら、決勝まで負けるなよ?」

 

「それはこちらの台詞だ。自分達の心配をするんだな。全国は今までとは格が違うぞ」

 

「へへっ、だから燃えるんだろ」

 

「雷門、俺達と互角に戦ったお前達がこのスタジアムで無様を晒せば、俺達の名にも傷がつく。くれぐれもみっともない試合はするんじゃないぞ?」

 

 並んだチームのキャプテン同士がそんなやり取りをするなかでも、チーム紹介は続いていく。

 そして強豪達が出揃い、最後の一校に差し掛かった。

 

『そして残る最後の一校、推薦招待校として、世宇子(ゼウス)中学の参戦が承認されております!』

 

「ぜうす?」

 

「推薦招待校……聞いたこともない枠だな」

 

 完全な無名、謎の存在に、誰もが彼らのやって来るはずのグラウンド入口へ視線を向けた。

 だが、そこから歩いてきたのは世宇子のプラカードを掲げる、頬を羞恥に染めた女性スタッフ一人だけ。

 後ろに続いてくる筈の世宇子の選手達の姿はない。

 

『えー……世宇子中学は本日調整中につき、開会式欠場とのことです』

 

「世宇子……何者か知らないが、俺の速さの前にはどこの誰だろうと敵ではないな」

 

「都会もんは協調性がねえズラ」

 

「ムカつくじゃん。推薦招待校とか言ってお高くとまってる、みたいな」

 

「そうッスねー」

 

「ねー」

 

『ーー以上の強豪達によって、中学サッカー日本一が決められるのです!』

 

 姿を見せない世宇子中に猛者達がそれぞれ反応を見せる中、FF全国大会の開催が宣言された。

 

「…………」

 

 その中でも源田は、静かに世宇子のプラカードを睨み付けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 開会式から数日後、雷門VS戦国伊賀島の第1回戦が行われた。

 序盤、雷門は秘伝の忍術で鍛え上げられた戦国伊賀島の、素早さと多彩な必殺技による忍者サッカーに翻弄されながらも、風丸の活躍で突破口を開かれ試合を有利に進めた。

 

「伊賀島流忍法ーー土だるま!」

 

くもの糸!」

 

かげぬい!」

 

「伊賀島流蹴球戦術ーー偃月(えんげつ)の陣

 

マジン・ザ・ハンド!」

 

ワイバーンクラッシュ!」

 

爆熱ストーム!」

 

 円堂は彼らのシュートを危なげなく止めきり、風丸達がボールを回せば雷門のストライカー陣がシュートを撃ち込んでいった。

 

つむじ改ーーぐぁぁ!」

 

 戦国伊賀島中はその素早さで雷門の回すボールをカットするなどしたものの、シュートを放たれれば止めきれず、スコアは2ー0で雷門の快勝となった。

 スタジアムでそれらを見届けていた鬼道は、帝国の仲間達に試合結果を伝えた。

 

「あいつらはもはや全国でも有数のレベルだ。きっと決勝まで来るだろう」

 

「やはりあいつらは勝ち上がってくるか。へへっ、腕が鳴るぜ!」

 

 大野はその身体に力を漲らせて張り切る。

 雷門が勝ったのなら、自分達も当然それに続かねばなるまい。

 誰もがそんな思いを抱いていた。

 

「で、俺達の1回戦の相手はどこだったっけ?」

 

「世宇子中だ。例の推薦招待校だよ」

 

 大野の疑問に寺門が答えた。

 推薦招待校というこれまでの大会ではなかった枠で突如出場。開会式にも姿を現さず、学校や選手のこれまでの経歴も一切不明。

 世宇子中は不気味なベールに包まれていた。

 

「まっ、ぽっと出の連中に俺達が負けるとは思えませんけどねー」

 

「油断はするなよ成神。“彼を知り己を知れば百戦(あやう)からず”という言葉がある。今回俺達は“彼”を知らん。どんな手を使ってくるか、十分に警戒するんだ」

 

「寺門の言う通りだぜ。何か情報はありませんかね鬼道さん?」

 

「いや。俺にも情報は手に入らなかった」

 

「ここまで何もわからないのは、少し不安だな……」

 

 佐久間が苦い顔で言う。

 帝国のサッカーはただの力押しではない。相手の情報を十分に集め、研究することは常套手段だ。

 もともと情報の守りが堅い学校はないでもないが、帝国の情報力で本当に何もわからないというのは初めての事例である。

 彼らの様子を眺めていた源田が口を開いた。

 

「皆、少しいいか? その世宇子のことなんだが」

 

「源田さん?」

 

「何か情報が手に入ったのか?」

 

「奴らのこと自体は皆と同じだ。だが、気になることがあってな」

 

 源田が神妙な面持ちで語り始める。

 

「まず初めに……影山が釈放されたらしい」

 

「なんだと!?」

 

 その内容に思わず鬼道が声を荒げた。

 確かに逮捕された筈なのに、何故あの男が自由になっているのか。

 帝国の面々も動揺を隠せない。

 

「もう一つ。先日ニュースで見たが、大会の実行委員長が最近事故で大怪我を負ったそうだ」

 

「ああ。それは俺も聞いた。春奈によると雷門の理事長で、マネージャーの1人の父親でもあるそうだが……まさか――」

 

「杞憂ならそれで構わん。しかし、俺は影山が世宇子の参戦に絡んでいると見ている」

 

 帝国イレブンがその言葉に、何も言えなかった。

 まだ影山の呪縛は、終わってはいないのだと、そう感じられたのだ。

 

「影山はサッカー協会副会長だった。委員長は協会会長でもある。影山の権力を抑えられるただ1人の人物が病院送りになり、その間に前例のない特別枠で無名の学校が出場してくる……いくらなんでもできすぎだろう?」

 

 源田が世宇子の周囲に渦巻く不自然さに気づけたのは、ろくに覚えていない世界の記憶から漠然と、この先に恐ろしいものが待っているということだけを知っていたからだ。

 その一環で影山という危険な男の動向を探っていた。

 お陰で一つ一つの不自然な点が線で結ばれ、こうした推測ができるまでになったのだが。

 

「確かにな……」

 

「証拠ならあったんじゃないのか……影山、どこまで……!」

 

 万丈が源田の言葉に頷き、佐久間が憤りに震える手を膝に打ち付けた。

 皆、表情は固かった。

 そこで、俯いていた鬼道が顔を上げた。

 

「……ならば、俺達は世宇子に勝つまでだ。やることは何も変わらない。必ず、雷門と決勝に行くぞ」

 

 勇ましいその言葉に、帝国は奮い立った。

 誰もがその目に炎を宿し、口々に闘志を吐き出していく。

 

「鬼道さん……そうですね、何も変わっちゃいない!」

 

「ククク…それもそうですねえ。かつての総帥の息がかかったチームとなれば、私も全力を出せそうですよ」

 

「どんな攻撃が来ようと、この俺がぶっ飛ばしてやるぜ!」

 

「いつものリズムで決めちゃえば、どんな奴らも敵じゃないでしょ」

 

「なんたって、俺達ゃ帝国だからな」

 

「そーだそーだ! 俺達は帝国だー!」

 

「世宇子とやら、初出場で泣きべそかかせてやるぜ!」

 

「向こうのキーパーが、シュートから逃げ出す腑抜けじゃないことを祈っとこうじゃねえか。そんなことがあったらストライカーとして張り合いがないからな」

 

「俺の“サイクロン”でボールにも触らせやしねえぞ……!」

 

 頼もしい仲間達の意気込みに、源田も思わず笑みが零れる。

 

「……不安を煽るようなことを言っておいてなんだが、俺も同意見だ。ゴールは俺が守ってみせる」

 

「頼むぞ源田。お前は、俺達の最強の守護神なんだ」

 

「ああ、任された。明日、必ず勝とうな」

 

応ッ!!

 

 帝国の心は一つだった。

 得体の知れない相手であろうと、ただ勝つのみ。

 必ず勝ち進んで、雷門との再戦の約束を果たしてみせると。

 だが――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何があった、鬼道…………!?」

 

 試合開始直前。

 帝国キャプテンである鬼道の姿はスタジアムになかった。

 

 




源田幸次郎
ゼウスを警戒した。
朧気なこの先ヤバいのがあるという意識から、思い付く中で最もヤバい人である影山を注視した結果。

戦国伊賀島
ダイジェスト。
ちょっと強くなってるけど描写してる暇はない。

鬼道有人
試合に来れていない。
理由はお察し。
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