『星乙女と~』でその内使うスキルも入っています。
迷宮都市オラリオ。
冒険者の街。
美女、美少女がいる街。
ダンジョンの蓋。
行けば時代の流れに揉まれることもあるだろう。
興味があれば行け。
そんなことを、誰かが言うことだろう。
最強の二大派閥はとうに消え、暗黒期が訪れるも、なんやかんやと悪堕ちした2人の英雄は救済され、正義の乙女達は死ぬこともなく、平和にも、活気に満ちたそんな街は今日も色々な話題にこと欠かない。
「次の方どうぞ」
「失礼します・・・ああ、相変わらず外は眩しい・・・」
真っ白な室内、清潔さを保たれた場所、1人の少年の前に配置された椅子に座るは、繋ぎ服を着た痩せ気味の男。腰には工具用のベルトが巻かれており、その男は外が眩しいと目を細める。少年は溜息をついて立ち上がり、棚からサングラスを取り出し手渡した。
「もしかして」
「ああ・・・また・・・落としてしまった。作業に没頭すると・・・他のことがつい杜撰になってしまう」
「はぁ・・・なんなら、貴方の弟さんみたいにゴーグルをつけてみては?」
「ああ・・・あいつはこの間、死んだよ」
「え」
「モンスターと遊んでたら落盤にあったらしくてな・・・不幸な事故だ」
「う、うーん・・・・」
「まぁ異父兄弟でそこまで関わりがあるわけでもない。感傷はない」
「まぁ貴方がそれでいいならいいんですけど・・・ゴーグルの方がバンドで固定もできますし、落とす心配はないと思いますよ」
「考えておく」
ボードに目の前にいる男の情報が記された紙を挟み、談笑もそこそこに問診を始める。
「一応、ここは治療院ではないので・・・僕がそういうスキルを持っているってだけで」
「ああ・・・俺も元が元だからな。治療院に行くわけにはいかないだろう・・・」
「いや、貴方、顔覚えられてないから問題ないかと」
「・・・・・進めてくれ」
「では」
「体に異変はありますか?」
「ない」
「左眼が疼く?」
「問題ない」
「ブランチ?」
「マイニング」
「大丈夫そうですね」
「そうか」
目の前の男と問診を早々に終わらせ、つらつらと紙に書き上げる。
白髪に痩せ気味の男。彼の名は
バルカ・ペルディクス。元闇派閥所属。
『ダイダロス通り』の地下で1000年の始祖の妄執よろしくシコシコと人工迷宮を作っていた男、その人である。
そんな男との出会いは、偶然にも少年が『ダイダロス通り』に立ち寄った際、孤児院の子供達が『焼き芋』なるものを御所望だったために少年が用意し落ち葉を集め、孤児院裏の廃材を退かした場所、つまりは火災が起きても被害が移らない場所を選んでそれは行われたのだが、これが闇派閥を壊滅させる一打となったのだ。
そう、闇派閥は、『焼き芋』に殺されかけた。
人工迷宮の出入り口の1つが偶然にもそこにあり、その入り口の真上で焼かれていた芋。
そして、煙は地下の空間を通って徐々に徐々に、広大な迷宮を飲み込んでいく。その日は偶然にも換気扇のスイッチを切っていたために、不幸にも一酸化炭素中毒とでもいうべきか、それはもう、えらいことになったのだ。
『ぐあぁぁぁぁ!? け、煙がぁぁぁ!?』
『おのれ!? オラリオぉぉぉぉぉ!?』
『宝玉が!! 宝玉がぁぁぁぁぁ!?』
『げほっ、ごほっ・・・これ、ダメだ。俺、逃げるわ!』
『タナトス様ぁぁぁぁあ!? あ!? ヴァレッタ様が死んでる!?』
闇派閥は迷宮を飲み込む煙に翻弄され、幹部は死に、神は逃げた先で道化の神に偶然見つかり捕まった。死に物狂いでなんとか地上でとりあえずは生還しなくては・・・と一先ずの脱出をしたバルカは、焼き芋を焼いていた少年に出くわし顔に熱々の焼き芋が降り注ぎ気絶。翌日、『闇派閥が完全消滅!!――きっかけは焼き芋!!――』という記事が都市内にばら撒かれた。
孤児院の子供達はまさかの寄付金が増えるという事態に大喜び。孤児院は改築されることとなった。
少年はバルカを治療院の知己の聖女のもとに運び2人がかりで治療。その際に、『洗脳のような呪いの様なもの』がかけられている事が判明。時間をかけて治療を行うということで監視することとなったのだ。現在の彼は、時折、禁断症状めいて『土を掘りたい・・・』と言い出すものの人工迷宮の管理をする傍らで拡張することはなかった。つまり、1000年の妄執ともいえる『手記』という元凶は焼却処分され、ダイダロスの衝動は押さえ込まれるに至った。
「まぁ・・・であった頃に比べれば顔色は良い方ですね。アミッドさんには会いました?」
「俺は・・・彼女は苦手だ・・・」
「そうは言っても、彼女だって恩人でしょうに」
「それとこれとは別だ。・・・・ああ、そうだ、コレを渡しておこうと思って持って来た」
「これは?」
「『宝玉の胎児』の燻製だ」
「いらないですよ!?」
闇派閥サイドからしたら大事件だったソレによって精霊の分身は進化することなく死滅。燻製になっていた。もはや寄生することも叶わず完全に死亡しているらしい。もっとも、未だに2人だけ捕まっていない者がいるらしいが。
「レヴィスとオリヴァス・・・でしたっけ?」
「ああ・・・奴等はあの時から見ていない。」
「2人が持っているという可能性は?」
「否定・・・しきれん」
「ふむ・・・わかりました。とりあえず、女神様に伝えておきます。他にありますか?」
「いや、ない・・・」
「わかりました。では、薬を処方しておくのでちゃんと飲んでくださいね。あとは・・・もし左眼がどうしても疼いて、衝動が押さえきれなくなったらすぐ来てください。最悪、摘出しますから」
「・・・・わかった」
男は立ち上がり、部屋を出て行き料金を支払って薬をもらい立ち去っていった。
「ベル様? 今日はもうお客様は来られるのですか?」
「んー・・・いや、今日はもう閉めましょう。たまには顔を見せろって言われてるので。お願いできますか春姫さん」
「はい、かしこまりました」
金髪、狐耳、メイド服の少女は表に出て、木板で出来た看板を『OPEN』から『CLOSE』に変えて再び室内に戻ってくる。
建物の名は【天秤の傾き亭】――果たせぬ依頼、お受けします――。
「ベル様、今日はアミッド様のところには?」
「とくに言われてないのでいかないですけど・・・」
「そうでございますか」
「何かありました?」
「い、いえ・・・その・・・『たまには顔を見せてください』と。」
「・・・そのうち、行ってみます」
「はい、そうしていただけると。あ・・・手をお繋ぎしても?」
「いいですよ?」
左手を差し出し、少女は嬉しそうに右手を出して指を絡めて繋ぐ。
人通りの多いストリートとは離れた場所にある少年と少女が2人で経営している店を出て、歩くはメインストリート。時折2人に声がかかれば愛想よく返す。
「・・・あ」
「?」
「そういえば、お義母様も仰っていましたよ?」
「え?」
「『お前の店は遠すぎる。もう少し近くに建てられないのか!?』と。あと顔を見せろと」
「僕ってそんなにファミリアから距離空けたつもりないんだけど・・・・それに、あそこは静かで丁度良かったんだけどなあ。『青の薬舗』のすぐ正面だし。」
「静かなのは評価されてるみたいですが・・・」
「まぁ、お義母さんの体のこともあるしアミッドさんに今度相談してみよう」
少年はファミリアから出たというよりかは、自立のつもりで個人で役所めいたものを建てたのだがそれは派閥内の団員・・・姉達にはすこぶるよく思われていないらしく、2日でも帰らないとぶーぶーと文句を言われる。嫌ではないのだが・・・帰れば帰ったらでハーレムが云々で義母の機嫌が悪くなるから困るのだ。ただでさえこっちは急に姿を消して、死んだと思って悲しんでいたというのにオラリオに来てみればご健在。困るのだ。
「迷宮には行かれますか?」
「今日はやめておきます。明日、明後日にゴライアスが出るらしいのでいくつもりですけど・・・たぶん、アミッドさんやヴェルフ達も来るだろうし」
「私も同行しても?」
「いいですよ。サポーター、お願いします」
「はい!」
やがて辿りつくのは所属するファミリアの本拠。
【アストレア・ファミリア】星屑の庭。
扉を開けると、女神が目を見開いて喜び、迎え入れる。
可愛い唯一の男の眷族のお帰りである。
「おかえりなさい!」
「「ただいま!」」
■ ■ ■
「おい知ってるか? 【
「ああ、知ってるさ。この間、俺の仲間がダンジョンで命を救われたんだ!」
「知ってるか? このオラリオの何処かに『探偵事務所』があるって」
「いやいや、探偵事務所じゃねーよ。ギルドやガネーシャ・ファミリアでも受けてくれない依頼を受け持ってくれるってだけだぜ?」
「なんだそれ、汚いこともするのか?」
「いや、しねぇ・・・どこぞのカジノに娘を奪われたと依頼が来ればカジノごと奪い取ったって最近聞いた。まぁ・・・誰かを殺してくれとかそういうのはないらしい。むしろ」
「そういう依頼を持って来たやつは即、お縄らしい」
そんな話が迷宮都市にはあった。
曰く、真っ黒なフード付きのローブをつけている。
曰く、白髪に赤眼。
曰く、メイドが傍にいる。
曰く、
曰く、聖女が白なら兎は黒の戦闘衣装で横に並んでいる。それを見れた奴はツイてる。
曰く、ハーレムを持ってる。
曰く、街角の英雄。
曰く、曰く、曰く・・・
その中でも目立つ話題は「戦える治療師」と「ギルドが受けてくれない報酬がほぼ出せないような依頼を受けてくれる」というもの。無論、報酬を払えるのにないフリをするものは相手にされない。嘘が通用しないからだ。その少年は冒険者登録をしておらず、ギルドからしてみればよく思われてはおらず、知人のハーフエルフの受付嬢はギルド長からの圧やらでぶっ倒れたという。
「ベ・ル・君!! お願い!! 冒険者登録、して!! 」
「いやですよ・・・面倒くさいし・・・」
「もーそんなこと言ってぇえぇぇ!! 」
「ち、近い、近いですエイナさん!?」
「私、この間、ついに倒れたんだよ!? 胃に穴が空いたんだよ!? 私の心労を癒して!! ベッドに引きずり込むよ!?」
「別に・・・いいですけど・・・」
「え・・・いいの!? えと、あの、そのぉ・・・」
「じゃあ、僕、行きますね?」
「ま、待って、待ってぇぇぇ!! お願い、登録して!! 君のレベル的に登録してないと本当に面倒くさいの!!」
「Lv.5の野良兎なんてそこら辺にいますよきっと」
「君だけだからぁ!!」
「うーん」
「それに君、この間ダンジョンに入ったでしょ!? 登録してない人は入っちゃダメなの!!」
「でもウラノス様には許可もらってますよ?」
「もぉぉぉぉ!!」
曰く・・・・受付嬢はゾッコンな白兎に今日も負けた。
そんな少年は、冒険者登録はしていない。
興味がないからだ。平和に暮らせればそれでいい。
いなくなった家族と再会が叶い、新しい家族・・・女性だらけだけど見目麗しい美女に囲まれるという日々。満足しているし危険を冒す冒険者になる理由はなかった。怪物祭でモンスターが脱出するわ、植物みたいなモンスターが出るわでその日から目だってしまうことになったが姉達にも女神にも強制されてもいないものに、登録しようとはどうしても思わなかった。
ベル・クラネル 13歳
あだ名【
Lv.5
力:S 911
耐久:S 920
器用:SS 1100
敏捷:SS 1132
魔力:S 999
幸運:E
耐異常:F
神秘:F
精癒:G
スキル
■【
パッシブ:生命力上昇、自己治癒。信頼の丈に応じ効果向上、効果共有。
アクティブ:治療魔法使用時、効果上昇。触れた対象に癒しの効果を与える。
■【
・早熟する。
・懸想が続く限り効果持続。懸想の丈により効果向上。
■【
パッシブ:孤立状態時、生命の状態に応じて仲間に危機を報せる。
アクティブ:叛逆する意志の丈に応じてステイタスに高補正。治療魔法使用時、効果上昇。
■【
パッシブ:捕食時、生命力、体力、魔力に回復効果。
※生もの、怪物の場合、効果が落ちる。
※悪食は出来ない。
アクティブ:トリガー【
3秒間だけ魔法を無効化する盾を展開する。
※被弾時効果喪失。
※魔力の大幅消費
魔法
■【
【孤独の滴、暗き慟哭、崩された箱庭、悲しみを跳ね除けてここに。我が力、我が誠をもって癒せぬ者さえも癒しつくすることをここに誓う。私をどうか独りにしないでほしい。故に破邪となれ。傷の埋葬、病の
傷の治療、体力回復、状態異常及び呪詛の解除。生まれ持った病をも軽減させる。詠唱完了時、光の刃を出現させる。刃の長さは5M。文字通り光の刃で斬ることで治す。
■【
【満天の星々よ、かつての英雄達よ、生きとし生けるもの全て、見届け、見定め、道を示し、我らが歩みを照らし続けてほしい。我が女神よどうかここに。あなたがいれば私はどこまでだって歩いていける。もう怖い物はない。故に誓おう――星の輝きが消えるその時まで我が命は聖火となって貴方を照らし返すと。】
全能力上昇。対象人数5名。
自身のみ、他者の動作模倣時、高域補正。
■【サタナス・ヴェーリオン】
【
音による砲撃。
久しぶりにステイタスを更新してもらい、女神に寄りかかりながら羊皮紙を眺めて、リビングに降りファミリアで昼食を取る。女神の隣に座り、さらにその横には灰色髪の美女が。どうやら本日も『誰が少年の嫁になるか』という戦いをしていたらしく、姉達はボロボロにされていた。
「・・・アリーゼさん、大丈夫?治そうか?」
「甘やかすな、ベル」
「でも・・・」
「い、良いのよベル・・・これもまた、ベルの嫁になるための・・・試練なの・・・ごふっ」
「団長・・・口を拭け。血が出てるぞ。・・・くっ」
「そういう輝夜こそ・・・ボロ・・・ボロでは・・・?」
エルフ、極東美人、赤髪の女。ともにボロボロである。
どうやら『嫁の作法』なるものを叩き込んでいたらしいけれど、全員が死に体だった。
「それにその・・・ベルの魔法って全癒だけど、刃で斬られるわけで・・・怖いのよ。」
「ああ・・・突き刺されると特にな。」
「私は以前、走馬灯を見ました・・・ベルとの初めての接吻・・・」
「ちょっと、その話をアルフィアがいる前でしないで!!殺されるわよ!? ただでさえあの子のハーレムを作ろうとしてるのに!!」
「はぁ・・・懲りんな、小娘共」
「お、お義母さん、あんまり怒らないで・・・」
「はぁ・・・それでベル、お前は今日は何をしていたんだ?」
「ん? お店で依頼を受けたり、治療したりだよ。春姫さんも手伝ってくれた」
「ああ・・・いつもすまないな。春姫」
「あ、いえ・・・春姫は戦えませんのでこれくらいしか・・・」
「純潔は捧げた? ねぇ、春姫、純潔は捧げたの?」
「――【
突如、食卓が吹き飛んだ。
通算、ン百回目・・・いや、それ以上かもしれない音の暴風で、星屑の庭は、塵屑の庭へと早代わり!!
壁には大きな穴が空き、アリーゼ・ローヴェルは瓦礫に埋まった!!
「アリーゼさぁぁぁぁぁん!!」
「「「団長ぉぉぉぉぉ!!」」」
「・・・・・・」
「ベ、ベル様!? アストレア様が気絶されております!?」
「んなぁっ!? お、お義母さん!!僕のアストレア様がぁ!?」
「うっ・・・お、怒るなベル。お前に怒られるとさすがに困る」
「困ってるのは僕だよ!? ああ、アストレア様ぁ!」
アリーゼ・ローヴェルは瓦礫から発掘される中、女神と少年の仲の良さを再確認して親指を立てて・・・ポトリ、と腕を落として意識を飛ばした。
鳴り響くのは少年と美女達の悲鳴であった。
「はぁ・・・・ザルドにまた修理を頼むか。治療費代わりだ」
「やめたげてよぉ!」
「・・・・ベル、ザルドがたまには一緒に飯を食べないかと言っていたぞ?【ロキ・ファミリア】にいつでも遊びに来いだと」
「え?あ・・・うーん・・・わかった」
「何だ? 行き辛い理由でもあるのか?」
「ないよ? ただ、フィンさん達に遠征に一緒に来てって言われるから」
「仕方ないだろう・・・お前は戦えて、治癒魔法が使えるんだから。神秘もあったか? 何か面白い物は作ったのか?」
「うーん・・・水晶の義手とか? あとは・・・えっと、最近だとアスフィさんと協力して遠くの人と会話できる魔道具を作ったよ。試作品だから調子はイマイチだけど」
「ほう・・・がんばっているんだな」
「えへへ」
目の前で起きた惨劇などどこへやらと、慣れた光景だと割をきって昼食を続ける団員に、息子の活躍振りに誇らしげに頭を撫でる義母。そしてその息子。発掘されたアリーゼは白目を剥いて芝生に寝かされ、『これ以上本拠を壊す原因を作るな!』と雷を落とされ、白い布を顔に被せられた。
「・・・・あとで治してあげよう」
「・・・・すまん」
「ほんとだよ・・・ただでさえお義母さん、僕は死んだと思ってたのに。元気なんだし・・・」
「・・・・すまん」
「ああ、そうだ。今日バルカさんが僕のところに来て、クノッソスはギルドから緊急時の避難場所として活用したいって言われたらしくて、今はそれに向けて改築しようとしてるってさ」
「ああ・・・『焼き芋』で闇派閥が滅んだアレか」
「うん、お義母さん達も使ったんでしょ?」
「まぁ・・・そうだな。」
むくり、とアリーゼは立ち上がり、よろよろ・・・と体を揺らして少年に背後から抱きついて可愛い弟の活躍振りを自分のことのように誇らしげにする。さらには少年の傍にいれば、魔法を受けないという悪知恵まで使って。
「アリーゼさん、大丈夫?」
「え、えぇ・・・平気よ。私は死なないわ。貴方にこうして触れているだけで貴方のスキルで治るわけだし・・・それに、貴方の嫁になるためには・・・げふっ・・・ごほっ・・・というかアルフィア! あの時、私達勝ったじゃない!! ダンジョンの中で勝ったじゃない!! 年下の男の子を旦那にして何が悪いのよ!! オラリオってムサイ男ばっかなのよ!?」
「ムサイは同意する。しかし貴様等は忘れていないか?」
「「「え?」」」
「貴様等は、集団で私と戦って勝ったにすぎん。1人で勝ってこそだ。故に、妥協はしてやっている。ハーレムなどふざけた事を聞いたときは殺してやろうかと思ったが。」
「じゃ、じゃぁ・・・この子と初体験するのは?」
「そもそも母親に、『貴方の息子と子作りしていいですか』と聞いてくる阿呆がいるのか?」
「ここにいるわ!」
アルフィアは溜息をついて頭を痛ませた。
大抗争で敗北し、希望を託したというのにどういうわけか命を助けられ、【
「お前もお前だ・・・女神に一目惚れするなど・・・はぁ・・・」
「アストレア様、優しいし綺麗だよ? お姉さんって感じ。」
「確かにそうだが・・・」
「エレボス様も、この間黒猫を集めながら『ああ、アストレアっていいよな。天界じゃ膝枕してもらいたい女神No.1だったんだぜ?いいよなーそんな女神と風呂入って同衾してるとか。オラリオ滅ぼすか?』って言ってたし」
「奴も相変わらず・・・いや待て、風呂と同衾は別として、黒猫? あの神は何をしているんだ?」
「オラリオを黒猫だらけにして、不吉を呼ぶ都市に変えるって言ってた」
「大抗争の時よりちっぽけになっているな・・・なんだその嫌がらせは・・・」
「ヴィトーさんは白猫を集めてた。モフがいいって言ってた。」
少年に強引に治療されたヴィトー何某は、白猫と運命的に出会い、猫カフェ『顔無し』を開店。絶賛モフりを目指して主神と凌ぎを削っている。
残念なやつらがそれなりにいる、そんなオラリオは今日も平和である。