ダンジョン。
数多の階層に分かれる無限の迷宮。凶悪なモンスターの坩堝。
富と名声を求め自分も命知らずの冒険者に仲間入り。ギルドに名前を登録していざ出陣。
手に持つ剣一本でのし上がり、末に到達するのはモンスターに襲われる美少女との出会い。
響き渡る悲鳴、怪物の汚い咆哮、間一髪で飛び込み翻る鋭い剣の音。
「【アストラル・ボルト】っっ!!」
怪物は灰となって消え失せ、残るのは地面に座り込む可愛い女の子と、クールにたたずむ格好の良い自分。ほんのりと染まる頬、自分の姿を映す潤んだ綺麗な瞳、芽吹く淡い恋心。
以下省略。
子供からちょっと成長して、背伸びして大人なんです!って主張してみたりして、年上のお姉さんにぽんぽんと頭を撫でられからかわれる。可愛い女の子と仲良くしたい、綺麗な異種族の女性と交流したい。そんな風に思っていた時期が僕にもありました。
『ヴヴォォォ・・・・・』
「ひ、ひひっ・・・・!?」
ああ、なんということでしょう女神様。
僕のこと、見てますか? 見えてないですよね、知ってます。
だってここダンジョンですし、女神様は一緒じゃないですし。
行き止まりに追い込まれた哀れな
自分よりも一回りも二回りも大きい、ちょっと素晴らしいとさえ思えてしまうその筋骨隆々の肉体美。 筋肉はすべてを解決するというけれど、なるほどこういうことか。 すれ違いざまに
死期が間近に迫り、ああ、今日は女神様が美味しいシチューを作ると言っていたなあ・・・とか、お義母さんが今日中に1~10階層までの隅々まで網羅した地図を作ってこいというお遣いこなすのは無理そうだなぁ・・・とか、せめて最後にエルフのお姉さんのお耳を触らせてほしかったなぁとかそんなことを考えてぷるぷる震えていると急に猛牛が動きを変えた。
『ヴォォ・・・フゥーッ』
「・・・・ひぇっ」
猛牛は両足をきっちりとそろえ、どこから取り出したのかわからない羊皮紙を取り出し、僕に差し出してきた。ひょっとしたらこんなアクシデントが起こってしまうのも僕のスキルと発展アビリティによる奇跡的コラボレーションによるものなのかもしれない。
なんだよ、「
いいんだよ、お義母さんの負担を僕が引き受けたりできるし? でも不幸体質になるのはよくないよね! つい最近の出来事といえば、お風呂に入ろうとしたらリューさんが生まれたままの姿でバッタリと出くわしてリューさんは悲鳴を上げて僕をぶん投げるし、生まれたままの姿の僕は世界がフル回転して輝夜さんの腹に頭を突撃させて輝夜さんは気を失うし、それをたまたま見かけたアリーゼさんがびっくりして転んで僕の下半身に接吻してしまったらしいし。 もっというなら買ったばかりの新しい剣が抜剣したとともにポキッと折れたり、街を歩いていたら「じゃが丸君」の屋台が爆発して大量のジャガイモに襲われたり、細い紐で大きな乳房を支えている幼女神様が頭上から降ってきたり、転んだ表紙に「じゃが丸君」をつぶしてしまってアイズさんに怒られたり。
発展アビリティ「幸運」がそれを相殺しているのかわからない、いや、やっぱり相殺できてない。
だって、こんな変なアクシデントが起きているんだもの!
こほん。
脱線してしまったけれど、Lv.2になってオラリオにやってきて、初めてのダンジョン探索。
大人ぶって「1人で大丈夫!」なんて言ってしまった手前、ついてきてくれる? なんてチラチラ見て訴えることもできず、こんなことになっている。
猛牛はどこから取り出したのかもわからない羊皮紙を取り出し、僕に差し出してきたのだ。
それは、いったい誰が書いたのだろうといっそ聞きたくなるほど美しい文字で、この猛牛が書けるとはとても思えないほど、綺麗で、美しくて、見惚れてしまうほどの文脈だった。
◇ ◇ ◇
人類の皆さまこんにちは。
お元気ですか? 今日も死んでますか? いえいえ、私共は日々、サービス向上のために精進しているため、あなた方の血肉で切磋琢磨しております。実に有意義です。
今回、発生いたしました
Q1.放出したミノタウロスの数量は適切でしたか?
〇非常に多かった
〇多かった
〇どちらともいえない
〇少なかった
〇非常に少なかった(おかわり!)
〇その他
その他の場合を選んだ方はその理由をお書きください
◇ ◇ ◇
「え・・・えぇ・・・こ、これ、書くの・・・?」
『フゥーッ・・・フゥーッ・・・・ブホッ』
「・・・・まじか」
是非お願いしますとでも言うかのような、低姿勢すぎる猛牛に対して僕は頬をひきつらせた。
だって、明らかに聞いていたダンジョンと違うんだもの。
お義母さんからこんな話聞いてない。
アリーゼさんも、輝夜さんもリューさんもアストレア様もこんなことは言ってなかった!
あれかな? オラリオに来る前にお義母さんの知らないところでヘラお祖母ちゃんによる
『ベル、お前の父親はクズだ』
『ひえっ』
『病弱で一人で部屋からもでられん私の可愛い娘に種付けしよった。クズだ』
『はうっ』
『その赤い目を見ると、むかついてくる。 この世から赤色なんてなくなってしまえばいいのに』
『そんな・・・これからいったい何の色で止まればいいって言うんだ!?』
『ゼウスの系譜に漏れなく不幸が祟ればいいのに』
『ひっぐ・・・ぐずっ・・・うえぇぇ・・・』
『お前も同じようなことしたら・・・・わかってるな? ん? かわいい孫だから、そんなクズなこと、しないよなぁ~よちよち~』
『ひぃいいいいいいいっ!?』
祟ったよ、おばあちゃん、ものの見事に祟ったよ。
なんなら今、「喉乾いてます? これ、どうぞ。 新鮮な、水です」とか言うかのように、血の付いた誰かの鎧兜に水を注がれて手前に置かれたよ。
「うぅ・・・僕、これ書き終わったらきっと殺されるんだ・・・ぐすっ、やだよ、死ぬ間際に頭使わされるなんて、嫌すぎる・・・」
◇ ◇ ◇
人類の皆さまこんにちは。
お元気ですか? 今日も死んでますか? いえいえ、私共は日々、サービス向上のために精進しているため、あなた方の血肉で切磋琢磨しております。実に有意義です。
今回、発生いたしました
Q1.放出したミノタウロスの数量は適切でしたか?
〇非常に多かった
〇多かった
〇どちらともいえない
〇少なかった
〇非常に少なかった(おかわり!)
〇その他
※その他の場合を選んだ方はその理由をお書きください
A.その他:僕のところには1匹・・・1体? しか来ていないのでそもそもどれだけの数がいたのかわからない
◇ ◇ ◇
「よ、よし・・・ってまだある」
ようやく1問書き終えて、まだ続きがあることに絶望。
ダンジョン探索しに来たはずなのに、ダンジョンにアンケートをしに来た人類がいただろうか。 いいや、いない。いるわけがない。いてたまるか!! お義母さんにチクってやる!
◇ ◇ ◇
Q2.放出したミノタウロスの敏捷、耐久、体力、筋力はその階層に、イベント難易度に対して適切でしたか?
〇非常に適切だった
〇適切だった
〇どちらともいえない
〇不適切だった
〇非常に不適切だった
〇その他
※その他の場合を選んだ方はその理由をお書きください
Q3.あなたを追いかけてきたミノタウロスは、貴方を逃がしてくれましたか?
〇滅茶苦茶優しかった
〇優しかった
〇お姫様抱っこしてくれた
〇追い込まれた
〇壁ドンされた
〇その他
※その他の場合を選んだ方はその理由をお書きください
Q4.今イベントにヒロインを設置する必要性はありますか?
〇非常にある
〇ある
〇どちらともいえない
〇ない
〇非常にない
〇その他
※その他の場合を選んだ方はその理由をお書きください
Q5.好みの種族をお答えください
Q6.
〇非常に適切だった
〇適切だった
〇どちらともいえない
〇不適切だった
〇非常に不適切だった
〇その他
※その他の場合を選んだ方はその理由をお書きください
Q7.ゴライアスの
〇亜種は熱い
〇18禁も熱い
〇どちらともいえない
〇適切ではない
〇非常に不適切ではない
〇その他
※その他の場合を選んだ方はその理由をお書きください
Q8.アンフィスバエナに翼を与え、陸、海、空を制覇させるのは適切でしょうか?
〇非常に適切
〇適切
〇どちらともいえない
〇不適切
〇非常に不適切
〇その他
※その他の場合を選んだ方はその理由をお書きください
Q9.ウダイオスが二刀流をやってみたいと悩んでいます。 良いかな?
〇格好よさそうなので良い
〇良い
〇どちらともいえない
〇よくない
〇剣よりも立ち上がってほしい
〇その他
※その他の場合を選んだ方はその理由をお書きください
Q10.貴方は「きのこ」派? 「たけのこ」派?
〇きのこ派
〇たけのこ派
〇その他
※その他の場合を選んだ方はその理由をお書きください
◇ ◇ ◇
「ひ・・・ひぃ・・・ひぃ・・・」
なぜか階層主の亜種を生み出してもいいか、みたいな内容があったり、女冒険者を苗床にでもしたいかのような内容だったり。 恐ろしいアンケート内容だった。 リューさんにダンジョンに行くときは気を付けた方がいいって伝えておかないと。エルフはそういう宿命を背負ってるみたいなこと、誰かが言ってたし。
全ての項目を埋め、目の前の猛牛に差し出す。
そうすると、両手でご丁寧に受け取り
『モシャモシャモシャ・・・・モシャモシャモシャ・・・』
「え・・・えぇえええええええええっ!?」
せっかく書いたものを、目の前で食われた。
ごきゅんっ、と飲み込んだ音が鳴り、僕の手前に置かれていた水の入った鎧兜を手に取るとそのまま口に呷ってごきゅごきゅっと飲み干して最後にげっぷをして、ニタァと笑みを浮かべていた。そして、まるで今までの一連の出来事をなかったことにしようとでもいうのか咳払いをして
『ブォオオオオオオオオオオオオオオオッ!!』
「ほぁああああああああああああっ!?」
お前を今からコロコロしちゃうぞ☆ とでも言うかのように覆いかぶさってきた。
僕は今の今までの出来事を、女神様とお義母さんに話せばきっと笑われるんだろうな、でも2人の笑顔はとてもうれしいからそれもいいかな、なんて思っていたら、次の瞬間、猛牛の胴体に一線が走った。
「え?」
『ヴぉ?』
僕とミノタウロスの間抜けな声。
走り抜けた線は胴だけにとどまらず、厚い胸部、蹄を振りかぶった上腕、大腿部、下肢、肩口、そして首と連続して刻み込まれる。銀の光が最後だけ見えた。やがて、目の前にいたモンスターが、ただのミートパティへとなり下がる。
『グブゥ!? ヴゥ、ヴゥモオオオオオォオオォォオオオ―――!?』
断末魔が響き渡り、血飛沫がシャワーとなって僕に降り注いだ。
「・・・・ベル、大丈夫?」
シャワーの向こうから、コテン、と首を傾げる金髪金眼の優しい女冒険者のお姉さんが心配そうに声をかけてきた。
「ア・・・アイズゥさぁん・・・・こわかったよぉおおおおお!!」
思わず、血まみれの身体で、彼女に抱き着いて柔らかいお腹に顔を埋める。アイズさんは最初こそびっくりしたような反応をしめしたけれど、「汚しちゃったし・・・」とそのまま受け入れて頭を撫でてくれる。ああ、でもよかった、怖かった、本当に怖かった!! 殺されそうになったこととか、圧迫面接のようなアンケートが怖かった! そして答えさせるだけ答えさせて後始末しようとする・・・・ああ、ダンジョン怖い!!
「おいアイズ、いたのか!?」
「あ、ベートさん・・・ベル、そのくすぐったいよ」
「ぐすっ・・・ひぐっ・・・・ごべんなざい・・・」
「・・・・なにしてんだてめぇら」
見ただけで、ザ・不良 のような怖い狼人のベートさんが僕を睨みつけている。 でも僕は今、貴方より怖いものを見たし貴方より強い人を知っているからネ! あなたなんて糞雑魚だよ! 怖くないさ!
「むかつくから殴っていいか?」
「ごめんなさい許してください」
僕の心の声は、あの狼の耳をもってすれば簡単に聞き取れるらしい。
冒険者・・・怖いなぁ・・・。
落ち着いた僕は、なんと遠征帰りで
しょんぼり気味の僕の手を引いて立ち上がらせるアイズさんは優しく何度も気にかけてくれる。 他派閥なのに、優しい。 でもランクアップしたいからってお義母さんに戦いを挑むのはやめてほしい。
「兎、てめぇこんなとこで何してやがった? Lv.2だろてめぇ」
恐らくは、「こんなところで死にかけるようなレベルじゃねえだろ」ということなんだろう。
ミノタウロスだって、LV.1じゃ無理でもLv.2なら・・・と思うけど、そもそも僕はオラリオに来てから初めてのダンジョン探索なんだ、無理を言わないでほしい。僕は呆れたような顔をベートさんに向けて「わかってないですね」感を出して言葉を投げた、彼の顔が一層引きつっている。
「お義母さんが1~10階層の地図埋めをしろって。隅々まで。今日の課題なんです」
「隅々まで・・・? どうして?」
「何の意味があんだよ・・・さっさと下に行けよ」
「あー、わかってないんですかベートさん! お爺ちゃんが言ってましたよ、地図を隅々まで埋めることで解放される隠し場所があったり、秘密の宝箱がでてきたりするって! あ、でも宝箱の中にはたまに手足が生えて2M大くらいの身長で掴みかかって食べてくるタイプのがいるらしいから気をつけろって言ってました」
「知らねえよ! 見たこともねえ!」
「とにかく、僕、すぐに武器壊れちゃうから、お金がいるんです! これは立派なお小遣い稼ぎなんです! エイナさんも地図埋めをしてくれるのは助かるって言ってました!」
「壊さねえようにすりゃあいいじゃねえか」
「じゃあそのメタルブーツ貸してくださいよ。 一触即砕してみせますから」
「壊す前提で俺が渡すと思ってんのか!?」
「チッ・・・あ、ドロップアイテムだ・・・・アイズさん、これ、もらってもいいですか?」
「・・・うん、いいよ。巻き込んじゃったから、お詫び」
「わぁい」
「ベルは可愛いね・・・あ、でもちゃんと綺麗にしてから帰らないとダメだよ?」
「?」
「トマト野郎って言われんぞ」
「・・・・・・」
アイズさんやベートさんがダンジョンのことや俗世に疎い僕にあれこれアドバイスやらをしてくれる。 ベートさんはツッコミ役らしい。 会話をしながら、ミノタウロスの灰の中から魔石と、ドロップアイテムの角を拾っていると、灰の中から1枚の羊皮紙が出てくる。それは飲み込んだアンケート用紙だと思って手に持って燐光に照らすと、明らかに内容の違うものが描かれていて僕は唖然として固まった。
「・・・・・バージョンアップ?」
よくわからない文字が一番最初にでかでかと記されていて、後ろから僕が見ているものを覗き込もうと2人が近づいてくる。
「兎、それ何だ・・・」
「ベル、それなに?」
「モンスターを倒すと・・・出てくる・・・? さっきも、アンケートさせられたんです!」
「悪い薬でもしてるの、ベル?」
「
「えっ」
酷い。
だって、本当なんだよ! 本当にミノタウロスにアンケートに協力してほしいって頼まれたんだ!
僕は間違ってないぞぉ!?
どんなに訴えても、2人は肩を竦めたり、今日は早く休んだほうが良いよって言ってきたり、僕のスキルで体調でも崩していると思ったのか心配されたり、あのベート・ローガさんでさえ「あー・・・まぁ、あれだ、お前もお年頃ってやつだ」とか言ってくる始末!!
「もういいですっ」
ぷいっと完全に信じてくれない2人を無視してそっぽを向いて羊皮紙の内容を読み漁る。
ところどころ擦れて読みにくいけれど、ダンジョンに関係する文脈なのはわかった。
◇ ◇ ◇
地上に突然空いた大穴『ダンジョン』パッチX.XXについて!!
・各階層に「未開拓領域」が複数追加されます!
・神がダンジョンに侵入した際に
※
・ゴライアスの
※昨今、過重労働ではないかとの苦情が来たために休息期間が設けられました。
・ハーピィ、セイレーンの糞尿問題に対して対策が講じられます!
※イグアスをぶつけて糞尿を吹き飛ばして綺麗にします。
・黒龍のサイズ変更が行われます!
雲よりも高い体が人間大にまで縮小されます。
※強弱に変更はありません
・『大樹の迷宮』で「タケノコ」「きのこ」をそれぞれ食べた場合、違った効果が付与されます。
「きのこ」:里の者に対する特効性が付与されます。
「たけのこ」:山の民に対する特効性が付与されます。
・一部のモンスターに武装を身に着ける個体が生まれるようになります。
・一部のモンスターに言語を介する個体が生まれるようになります。
・一部女性型モンスターの見た目が綺麗になります。
etc....etc....
◇ ◇ ◇
〇確認されている不具合
・「未開拓領域」を発見する際に壁を破壊すると、爆発する場合があります。
・神がダンジョンに侵入した際、
・ゴライアスの
・黒龍のサイズが人間大に縮小されますが、当たり判定が変更されていません。
「くっくどぅるどぅるどぅ」と鳴く場合があります。
・黒龍の頭部だけがダンジョン最下層の壁から出てきてしまう場合があります。
※攻撃しても当たり判定はありません。攻撃もしてきません。
・『大樹の迷宮』で「タケノコ」を食べると、ダークファンガスが強くなってしまう場合があります。
・冒険者が壁にめり込むと、違う階層に抜けてしまう場合があります。
・冒険者が壁にめり込むと、一定確率で言語を介する何かになってしまう場合があります。
・壁を通り抜けようとしないでください、種族が変更されてしまう場合があります。
・種族が変更されてしまった場合、敵対されてしまう場合があります。
etc...etc...
追伸。 テヘペロ☆
◇ ◇ ◇
「・・・・あ、アイズさん、こ、これ・・・ダンジョンって何なんですか・・・」
「し、知らない・・・私こんなの知らない・・・わ、私帰る・・・」
「あ、待って、置いていかないでっ」
「あ、おい、待ちやがれ!」
まったくもって意味の分からない羅列の数々に、3人は顔を引き攣らせ、アイズさんはものすごいスピードで地上に向けて走っていき、ベートさんはそんなアイズさんを「遠征中だから」と止めようとして、僕はそんな2人を必死に
地上に戻り、本拠に戻り、僕の麗しの女神様の元に、すっかりシャワーを浴びるのも忘れて抱き着いて悲鳴を浴びせて一緒に入る羽目になり、今日の出来事を語るとやはり彼女は楽しそうに話を聞いてくれる。身綺麗にした後にソファで膝枕をしてもらいながら、ダンジョンの中で拾った羊皮紙を手渡すと女神様は飛び上がって声を上げた。
「パ、パッチノートだわ・・・・!?」
「アストレア様?」
「これ、拾ったの?」
「はいっ!」
「え、ええっと・・・ええとぉ・・・こ、黒龍・・・緩和とか、まだ来ないかしら・・・なんて・・・」
女神様は横で読書しているお義母さんに、ぷるぷると体を震わせながら、あるかどうかもわからない緩和に期待しては、どこか遠い目を向けていた。
「当たり判定がそのままだと・・・? 話にならん」
「ダンジョン、怖いなぁ・・・」
アンケートさせられたり、謎の羊皮紙を拾ったり。
思っていたのと違う経験をした僕はその日、女神様のお胸に顔を埋めて眠りについた。
ふと思いついたら忘れないうちに勢いで書こう