ガロウside
「さて、俺も本気で行かせてもらうよ…」
衣服の至る所から真っ黒のタールやスライムの様な物が溢れ出し、俺の足や腕、に纒わり付き、まるで獣の四肢の様な形に変わる。
「それが貴方のアーツ?」
「まぁ、そんなところです、違うんだけどね…」ボソッ
(さっさと済ませようぜ、そろそろチョコレートが切れそうで…お前の肝臓がジューシーに見えてきて…)
よし!全力でケリを付けよう!
「オラァ!」
俺が大剣をスカジさんに向けて振り下ろすと…
グルゥオォン!!!
鈍く重い空気を切る音が鳴り響く、スカジさんは大剣で受け止めるが床が沈み、少し苦しそうな表情を見せる。
やっべ……後で修理費請求されないかな?
(多分大丈夫だろ、ほら、さっさと次の手行くぞ。)
分かってるって!
「もう一発!」
遠心力に任せる様に大剣で薙ぎ払いを放つが、スカジさんはバク転で回避する。
(S○it!避けるじゃねぇよ!)
口が悪い!不味い!それよりも次来る!
スカジさんはまるで舞の様な剣術で連撃で攻めてくる。
クッ……一撃一撃が重い!
「ここだ!」
大剣でガードし、俺の本来のアーツを使う。
「ドラァ!」
大剣に衝撃を圧縮し、一気に解放し、衝撃波を放ち大剣で薙ぎ払いを放つ。
「貴方、本当に奇妙、その手足といい、そのアーツ、それに攻撃の反応速度の速さ、まるで先を読んでいるようね。」
「ハハッ、伊達に15年も傭兵やってませんよ、それに、毎日反射の訓練してましたね!」
大剣を振り回すが、スカジさんは全部避ける。
(おい、あの女全然本気出してねぇぞ、全身に纏った方が良いんじゃないか?)
「いや…俺のアーツって誤魔化すのは出来るけど、アレを使うのは辞めておくよ…」
アレは奥の手中の奥の手だ、スカジさん…模擬戦だからって手を抜いてる…少し本気を出してもらいたいね…
「スカジさん!本気で来てくれませんか!」
「…そう、なら、本気で行くわよ…」
…ッ!?何が起きた!?背中が痛い…
(あの女の攻撃、俺が防御するのがコンマ数秒遅れるレベルで速かったぞ…)
成程…吹き飛ばされたのはそういう訳か…
「貴方のそのアーツ便利ね、防御も出来る、戦力としては中々優秀ね…ドクター、この位で良いんじゃなかしら?」
『そうだな、スカジ、ガロウ、そこまでだ』
-モニター室-
コクロウside
「二人とも強いな、二人とも同じ大剣使いだが、動きがまるで違うな、水の流れの様でいて舞の様な剣術…まるで山の様に不動如く、それでいて土砂崩れのような荒削りな一撃…どちらも想像以上だ…」
「珍しい…兄さんがそこまで観察してるなんて…」
「そうだよね〜お兄は唯我独尊って感じなのにね〜」
「うるせぇ、それよりも次、ビャクヤお前だろ?準備してこいよ。」
「おっと、忘れてた、んじゃあビャクヤさん頑張ってくるね〜」
「行ってらっしゃい、ビャクヤ……」
「シグレ、ビャクヤさんの戦い方をよぉく見ときんしゃい!」
-訓練施設-
ビャクヤside
訓練施設の出入口で自分の愛銃の確認をしていると、さっきの赤いフードの女の子が歩いてきた。
「模擬戦よろしくね、私はビャクヤだよ!貴女はなんて呼べば良いかな?」
「……レッド…」
「レッドって言うんだ!模擬戦始まるし行こうよ!」
「……!?」
私がレッドの手を引き、訓練施設に入っていき、向かい合うように立つ。
『それでは二人とも武器を構えて下さい。』
私が狙撃銃を構え、レッドは二本のナイフを構える。
ナイフか…恐らく奇襲が得意なんだろうね、じゃあ無闇矢鱈に撃つのは辞めとくとしようか……
『それでは、始めッ!』
社長が開始の合図を出すと同時にゴム弾を射撃するが、全てレッドは避けきる、やっぱり動きが早い、捉えるのは難しいけど、一応見えるからモーマンタイ!
「速さで、いく…」
さっき以上のスピードで攻撃を仕掛けてくる…全部寸前の所で避けるけど、体力が徐々に持っていかれてる……ヤバい、完全に舐めてた…攻撃に移さなきゃ…
「…そこだァァァッ!」
銃の中の空気を極限まで圧縮し最高の一撃を放つ。
「…外れ、レッドには、当たらない…」
「へっへーん、それはどうかな?」
私が指パッチンをすると、外れた弾がまるで生きてるかの様に曲がりレッドの背中に当たる。
「……!?」
私のアーツは空気を操るアーツ、つまりは空気を固めたり消したり、自由自在に干渉できるアーツ、つまり、私は空気を固めてゴム弾の軌道を変えてレッドの背中にヒットさせたのだ、このアーツは狙撃銃との相性抜群なんだよねぇ。
「珍しいアーツ、予測出来なかった…」
「だろうね、ビャクヤさん自身、滅多に使わないからね。」
さぁて、隠し玉を使っちゃったから同じ手を二度は使えない、私の得意分野は隠れて狙撃すること、こんな前線の戦闘なんて出来ないんだけどなぁ。
「なら、こうする!」
「……!?」
私はレッドに向かって走り出し、ぶつかる直前で上に飛び空気を固めて、飛び、空気を固めて、飛びを繰り返し、自分自身が跳弾の様に跳ね続ける、常に死角に入れ、無闇矢鱈でも良い!弾はある!撃ち込んで撃ち込んで撃ち込みまくる。
「負けたく…ない!」
レッドは固まってない空気の場所をすり抜け、跳弾地獄から抜け出す。
「即席の技じゃ勝てないか…」
「レッド、ビャクヤに、本気で勝ちたくなった、レッドをここまで追い込んだの、キュウビと、アビス以来。」
「それは嬉しいね、でも、これで仕留めさしてもらうよ…」
「分かった、レッドも、次で終わらせる。」
私の狙撃銃の中に空気を圧縮し、引き金を引く
グルゥオォン!!!!
まるで獣の咆哮のような音が響き、レッドに向かってゴム弾が放たれるが、レッドは寸前の所で避けられ、距離を詰められ、発勁を入れられる、そこで私の意識は途絶えた……
コクロウside
「ビャクヤ!」
俺は急いでモニター室を出て、訓練施設へと向かう。
「ビャクヤ!」
俺が訓練施設の中に入るとビャクヤがレッドに膝枕をされていた、心做しかなんか幸せそうな表情を浮かべている。
「ビャクヤの、お兄さん?」
「あ、あぁ、なんか、悪いな…」
「大丈夫、こっちこそごめんなさい、レッド、力入れすぎた。」
レッドは思いのほか素直な性格みたいだ。
「そうか、悪いが医務室まで案内してもらえないか?」
「分かった、こっち。」
「CEO!ビャクヤを医務室まで連れていく、シグレの模擬戦を先にやっててくれ。」
『分かりました、レッドさん案内お願いします。』
俺はCEOに許可を貰い、ビャクヤを担ぎ、レッドの着いて行き医務室へと向かう。
シグレside
「ビャクヤ…大丈夫かな…?」
私がビャクヤの心配をしていると、後ろから肩に手を置かれる。
「シグレちゃん、模擬戦よろしくね、それと、妹ちゃん大丈夫かな?」
模擬戦相手のブレイズさんに声を掛けられる。
「ヒッ……ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」
「ちょっ!?大丈夫!?」
私が壊れたラジオみたいに同じ言葉を繰り返しているとブレイズさんが焦った様子で心配してくる。
「どうしたの!? 何か思い出しちゃった!?」
背中を摩りながら、声をかけてくる。
-数分後-
「ごめんなさい、急に声を掛けられるといつも発作が出ちゃうんです。」
「そうなの?いきなり縮こまってごめんなさいって連呼するから心配したわ、そういえば立てる?」
ブレイズさんは手を差し出してくれるが、私は…
「すみま…大丈夫です、自分で立てます……先に訓練施設に向かってます。」
手を握ろうとした瞬間に嫌な記憶が頭に過ぎり、手を引っ込め、自分で立ち上がり、足早に訓練施設に向かう。
誰にも触らない、誰にも触られたくない…
「…い、……れ……おい、…ぐれ……おい、シグレ!」
「…兄さん…」
「大丈夫か?ずっと呼んでるのに全然反応がないから心配したぞ…」
「…兄さん、私、人にアーツを使いそうになった……」
兄さんは黙って私の手を握ってくれた…兄さんの手は温かい……
「兄さん、兄さんまで凍っちゃうよ?」
「大丈夫、俺は凍ったりしない…安心しろ…お前の手は確かに冷たい…それこそ、普通の人間が触ったら凍ってしまいそうだ……だが、極東の言葉に[手が冷たい人は心が温かい]という言葉がある…お前は他人を凍らせたくないという恐れがある…だが、その恐れこそ、お前が心優しいという証拠だ…誇れ…」
兄さんはどんな悩みでもいつも肯定してくれる…それが嬉しい自分がいる。
そんな言葉掛けられたら…
「お、おい!?ど、何処か痛むのか!?な、何故泣いてるのか分からん!?」
私の目からは涙がポロポロと零れ落ちてくる
「違うよ…兄さん…嬉し涙だよ…兄さん、ありがとう、元気出たよ…」
ブレイズさん待たせてるかもしれないし、急がなきゃ。
「俺はビャクヤの看病をしているから、頑張ってこいよ」
「頑張ってくるよ、兄さん……」
私は訓練施設の中に自身の愛刀の
実は途中で執筆データの一部が吹き飛んでヤケクソになって書きました(憤怒)
ちなみに二人ほどオリオペの名前が出ましたが出るのはまだ先です、因みにあと3人程オリオペが出ます。
感想等お待ちしております。