アークナイツ 虐殺血羅   作:マーセナリー

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Vちゃんの話3割ガロウの話7割です


便利屋の悪魔と兄妹の亀裂

Vside

唐突だが、俺の今の状況を説明しよう、椅子に縛り付けられている。

 

「俺らに人権はねぇのか……」

 

「少なくとも今はねぇだろうな。」

 

「だよなぁ。」

 

あの後見事にお縄になり、エニグマ共々取調室の様な場所へ入れられた。

 

「お前ら仲良くお縄になるとはな。」

 

コクロウが扉から入ってきて、俺達に哀れみの目を送ってくる。

そんな目で俺を見るな、俺はあくまで巻き込まれただけだ。

 

「待て、コクロウ、俺はコイツに巻き込まれただけだ、お縄になるならコイツだけだ。」

 

「テメッ、俺の所為にすんなよ!」

 

「はぁ……」

 

コクロウがため息をつくと同時にコータスの少女とバイザーで顔を覆った人物が入ってくる。

 

「CEO、ドクター、コイツらは一応俺の知り合いだ。」

 

「二人とはどう言う関係なんだ?」

 

「このフード野郎から俺は情報を買っていた、つまりは客と商人の関係だ、んでこのサルカズとはビャクヤがコイツの弟子でな、そん時に知り合った。」

 

「随分雑な説明どうもありがとうコクロウ。」

 

「お二人の事はジェノサイドさんに任せる事として、今からお二人には鉱石病の検査を受けてもらいます。」

 

コクロウの奴、随分と物騒なコードネームだな……

 

「あー……いや、それなんだけどさ。俺は受けなくても結果が分かってるよ。」

 

「同じく。」

 

「え?」

 

「俺は今は髪と手袋で隠れてるが俺は源石結晶が生えてる、それにサルカズ人じゃ、鉱石病に掛かってない奴の方が珍しいしな。」

 

「俺も説明したいんだが、悪いがフードを外して貰っても良いか?」

 

「分かった。」

 

コクロウがエニグマのフードを取ると顔の左上を覆う火傷の痕と角の様な形で源石結晶が生えていた。

 

「ヒッ……」

 

コータスの嬢ちゃんは怯えた声を上げる、コイツの顔、モザイク処理が必要だからな。

 

「そんなに怯えんなよ、傷つくぞ。」

 

「こんな面だが、エニグマはこう見えてもリベーリだ。」

 

顬から鳥の翼のような髪が生えているが左右非対称でまるで斬られた様な見た目だ。

 

「つまり、お前ら二人とも感染者って事だな?」

 

「「そーゆこと。」」

 

「CEO、ケルシー先生に頼んでコイツら二人に一応の検査をしてやってくれ、念には念をだ。」

 

「そ、そうですね。」

 

閑話休題

 

その後俺達は精密検査を受け、休息所でコーヒーを飲んでいる。

 

「暫くは便利屋稼業を休むかな。」

 

「良いんじゃねぇか?ロドスって感染者も従業員として雇ってるらしいし、バイトみたいなノリでやってみたら?」

 

「それもありだな〜」

 

コーヒーを飲み終えた俺達は取調室に戻り、ドクターとアーミヤと対面して座っている。

 

「強制はしませんがロドスに協力してもらえませんか?」

 

「こんな悪魔で良けりゃ好きなだけ使え、ある程度の事は出来るんでな。」

 

「俺は辞めとくわ、俺は情報屋としてやるのが性にあってる。」

 

金が沢山ある事に損は無いからな。

俺は契約書にサインと拇印を叩きつける。

 

「よし、改めて、サルカズの便利屋 Vだ、大体の仕事は出来る、よろしく頼む。」

 

ピッと紙をドクターに渡す。

 

「ああ、よろしく頼む。」

 

ドクターが右手を差し出してくる。

口角が釣り上がる。握手なんて久し振りだ。

 

「OK」

 

「俺、空気じゃね?」

 

エニグマがなんか言ってらぁ……

 

 

ハザードside

今現在、俺は深夜の厨房に立っている。

 

「さてと、夜食でも作るか。」

 

「Hey、俺はチョコレートソースとフライドポテトを所望するぞ。」

 

漆黒のタールのような液体が背中から流れ出し、触手を形作った後、先端が膨らみ、ハザードの頭部が現れ、俺に夜食の提案をしてくる。

 

「それもアリだけど、明日の朝胃もたれするからナシだ。」

 

そんな高カロリーなモン食ったら医療部の人に怒られるわ。

 

「胃もたれ知らずが何言ってやがる、お前が食ったところで二人で消化してるんだ、胃もたれにはならんぞ。」

 

グッ……それを言われるとなぁ……

 

「ガロウ、少しはワルになろうぜ?なぁ?」

 

完全に悪魔の囁きだ……仕方ない……

 

「分かった、今回は作るよ、冷凍庫に冷凍フライドポテトがあると思うから出してくれ、あとチョコも冷蔵庫に入ってると思う。」

 

「OK!!楽しみで腹が空くぞ!!」

 

ハザードは触手状に姿を変え、器用に冷凍庫から冷凍フライドポテトと冷蔵庫からチョコを取り出し俺の手元に置いてくれる。

 

「さてと、油を用意して、ハザード、チョコの湯煎よろしく。」

 

「任せろ!熱湯の準備ならお前が言う前から用意出来たからな!」

 

はぁ、コイツ…どんだけ楽しみなんだ…

 

「おい、誰か来るぞ、足音からして女だ…」

 

「多分、夜食作りにきた人じゃない?」

 

俺が食堂の入口に目を向けると、二度と会いたくないと思っていた人物が立っていた。

 

「…兄さん?兄さん、久しぶりだね!まさかロドスに居たなんて夢にも思わなかったよ!」

 

「黙れ…俺は二度とお前の面なんてみたくなかった…」

 

「酷いじゃないか、兄さん、ボク達は兄妹じゃないか!「黙れって言ってんだろ!!」

 

「俺はお前の事を1度も妹だなんて思ったことは無い…」

 

(おい、ガロウ、落ち着けよ。)

 

俺は至極冷静だ、少なくともコイツに手を上げないだけまだ冷静だ。

 

(そうか、ガロウ、チョコレートソースのフライドポテトは要らねぇから部屋に戻ろうぜ。)

 

……ハザード、チョコレートソースだけ持っといてくれ、今日は部屋で別の何かを作ろう……

 

(OK……)

 

触手状のハザードはチョコレートソースが入ったボウルを持ち、冷凍フライドポテト等を冷凍庫に仕舞い、食堂から出ようとする、そのときアイツから声を掛けられる。

 

「兄さんに何があったかは知らないけど、ボクにとっては兄さんは兄さんだよ。」

 

「俺にとってはお前は赤の他人だ…ラップランド…」

 

その後部屋に戻った俺達はチョコレートソースをポテトチップスにかけて食べた。

 

翌日、俺達が真夜中にチョコレートを使った事がバレ、めっちゃ怒られました、Shit!!

 

そして俺は今、ドクターが居る執務室の前に立っている。

 

「ドクター、入るぞ。」

 

「ん?あぁ、ガロウか、どうかしたのか?」

 

「少しドクターに頼みがあるんだ。」

 

「私に出来ることなら極力手伝うが。」

 

「簡単な頼みだよ、俺をラップランドと同じ部隊に入れないで欲しいんだ。」

 

「……彼女と何かあったのか?」

 

「あまり言いたくないけど、俺とアイツは兄妹なんだよ…」

 

「それは意外だ、見たところ過去に何かあったのか?」

 

「まぁ……色々あったよ、色々とね。」

 

昔の家族…いや、家族だったものを思い出すと怒りが込み上げてくる。

 

「深くは聞かないでおこう、君の申請は通しておくよ。」

 

「ありがとう、悪いねドクター、お礼と言ってはなんだけど、その書類整理手伝おうか?」

 

「あぁ、悪いが手伝ってくれ、あまりにも多すぎて全部終わらせる時には日を跨ぎそうなんだ。」

 

「ハハッ……マジ?」

 

「マジだ……」

 

声色からしてマジなんだろうね……

 

(後でコーヒー淹れてやろうぜ。)

 

賛成。

 

 

その後俺は数時間、ドクターの書類整理を手伝い、今はお互いに休憩中だ。

 

「ドクター、コーヒー飲まないか?」

 

「……賛成だ、少し頭をスッキリさせたい……」

 

「了解……」

 

まぁそんなわけで俺はソファから立ち上がり、執務室の隅っこにあるコーヒーメーカーとか言った機械のスイッチを押すと、下に置いてあったカップにコーヒーが注がれていく。

そしてコーヒーがカップに注がれ、一定の量になると、コーヒーメーカーがカップにコーヒーを注ぐのを止める。

 

「はい、ドクター。」

 

「すまない、ガロウ。」

 

「「……」」

 

静寂が執務室を包み込む。

 

「ドクター、少し……昔話をしようか……」




オリジナル設定でガロウはラッピーのお兄ちゃんです
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