はい、てなワケでハザードの登場回です。
ガロウside
俺がタルタロスに所属して5年経って俺が18になったとき、5年も経てば俺も傭兵団の雰囲気に馴染み傭兵団の皆が本当の家族の様に思えてきたんだ。
「ガロウ、ちょっと良いか?」
「ん?シュテン、どうかしたのか?」
テントでクロスボウのメンテナンスをしてたとき、タルタロスのリーダーであるシュテンから呼び出された。
「お前はクロスボウばっか使ってるけどよ、もしかしたら近接武器の方が馴染むんじゃないか?」
長いこと一緒に過ごしてて今更感はあるけどその通りだ、元の家にいた時は木刀を何時も振っていたからどちらかと言うと剣とかの近接武器の方が慣れている。
「まぁ、そうだな、どちらかと言うと剣とかの方が馴染むな。」
「だろうと思ってな、お前にプレゼントがあるんだ、着いて来い。」
なんの事か分からないけどとりあえずシュテンに着いて行くことにした。
「シュテン、プレゼントってなんなんだ?」
「まぁ、見てのお楽しみだ。」
シュテンに着いて行くと盗んだ物や戦利品を収蔵している飛行機の前に着く、すると首尾が開き、中には爺やが居た。
「坊っちゃま、お待ちしておりました。」
「ガルム、例の物は中にあるよな?」
「あぁ、坊っちゃま、私とシュテンから坊っちゃまに誕生日プレゼントを用意させていただきました。」
そう言えば今日は11月25日、俺の誕生日だった、完全に忘れていた、今年で俺は19に成っていた。
「まぁ、ガルムから今日聞いたんだけどな、そんでもってお前への誕生日プレゼントってのはちょっと来い。」
俺が機内に入り、1番奥に無骨な大剣が置かれていた。
何故か不思議とその大剣に惹かれ、触れる。
「その大剣はハザードフェンリルって名前らしい、最初は俺達の誰かが使うつもりだったんだか、誰も持つことが出来なくてな、押し付ける様で悪いが、お前への誕生日プレゼントだ。」
誕生日に曰く付きを送り付けないでくれよ……
「そんな顔すんなって、とりあえず持ってみろよ。」
シュテンに背中を押され大剣の柄を掴む、すると重みが嘘のように無く簡単に持ち上げることが出来た。
「ガルム、やっぱりガロウのプレゼントはコレで決まりだな。」
「そうだな、坊っちゃま、その大剣は坊っちゃまの物です。」
マジかよ、まぁ……良いか、馴染むし…
俺は大剣を背中に背負い飛行機から降りる。
「坊っちゃま、この後任務があるので、坊っちゃまもその大剣の試験運用を為さっては如何でしょうか?」
任務か……俺のアーツとの相性も気になるし参加するか。
「うん、参加するよ。」
「では、準備をしておいて下さい、後で迎えに上がります。」
「おーい!ガロウ、イブキさんが呼んでたぞ!」
仲間から俺が義母さんに呼ばれていると言われ、義母さんのテントに向かう。
「義母さん、入るよ。」
「あぁ、ガロウかい、入りな。」
義母さんことイブキさんは俺の境遇に共感してくれて、俺が欲していた愛情をくれた、俺にとって大切な家族だ。
義母さんは数年前から鉱石病を患い、少し顔色が悪くなっている。
「義母さん、俺を呼んでるって言われて来たんだけど、何か用かな?」
「ガロウ、次の任務なんだけど、アタシ達からの選別とも言える任務だ。」
「選別?」
「そう選別、その大剣を持てるとは言え本当に使いこなせるのかは分からないだろう?だから選別としてアタシから成功条件を三つ与える。」
「三つ……」
「一つ、今回の依頼主からの話だと研究所の中にあるとある薬品を奪ってもらう、二つ、アンタはクロスボウを使っていたけど、使って良いのはその大剣だけだ、そして、三つ、この任務はガロウ、アンタ一人でやってもらう。」
「俺一人!?」
「タルタロスは連携を重んじるけど、一人でやらなきゃいけない任務だってある、ガロウ、アンタは自分が思ってる以上に強いんだ、自信を持ちな。」
「…………」
「ガロウ、もしかして任務に失敗したらヒトリオオカミになるんじゃないかって思ってるのかい?」
「…ッ!?」
図星だ、ループスにとってヒトリオオカミと言う言葉は何よりもの屈辱である差別用語だ、俺はこのタルタロスから迫害されるんじゃないかって思っていたのを義母さんにはお見通しだったみたいだ。
「なにもアンタをタルタロスから追放するって言ってる訳じゃないんだから安心しな。」
「そっか……」
「坊っちゃま、ここに居ましたか、任務の時間です、参りましょう。」
俺が義母さんと話していると爺やが顔を出し、迎えに来たようだ。
「あぁ、じゃあ義母さん、行ってくるよ。」
「頑張ってきなよ!」
テントから出て、爺やとヘリに乗り込み、目的の研究所に向かう。
「坊っちゃま、私は近くの森に隠れているので、この任務はイブキから聞いたとおり、坊っちゃま一人で行ってもらいます。」
「それは分かっているんだけど、盗む薬品ってのが分からないんだけど?」
「それでしたらこちらです。」
爺やがタブレットに目的の物を映す。
「これが目的の物か……」
映し出された画像には試験管に入ったオレンジ色の粉末状の何かだった。
「なんでも源石に関するものだと依頼主は仰っていました。」
成程……じゃあ目的の物も分かったことだし行くとしよう。
荷台に積んでいた大剣を背負い、爺やとインカムのチャンネルを合わせる
「爺や、目的の物を盗んだら直ぐに連絡する、何時でも飛べる準備をしておいてくれ。」
「かしこまりました、ではお気を付けて……」
「さて、初めての単独任務だ、よっ!」
そして俺はヘリから飛び降り研究所まで自由落下する。
研究所に降りると研究所の護衛達が俺にクロスボウを向ける。
「貴様何者だ!」
「侵入者だ!隊長に連絡しろ!」
護衛達が各々に対応し、研究者達は我先にと逃げている。
「俺はタルタロス所属の傭兵さ……行くぞ……」
そこからはまさに鏖殺だった、護衛達の首を絞め、首を跳ね、体に風穴を空け、頭を踏み潰す。
「…血の匂いがキツイな…鼻が鈍っちまう……」
「クックッ……それはいい事を聞いたなぁ……」
俺が振り向くとスレッジハンマーを持った大男が立っていた、尻尾を見る限り俺と同族みたいだ……
「お前、ヒトリオオカミだろ?」
「……なんでそう思うんだ?」
「匂いだよ、匂い、孤独で寂しそうな匂いだ。」
「感情の匂いを嗅げる……お前、猟犬の一族か…」
「その通り、テメェのその灰色の髪、シフの血族か。」
シフ…懐かしい名前だ…
「かのシフの血族にヒトリオオカミが出てくるとはなぁ!随分堕ちたモンだなぁ!」
「あっそ、俺は目的の物を取りに来ただけだ、話をしている時間は無いんだ。」
俺が猟犬の横を通り過ぎようとすると、大男は…
「まぁ、待てよ!」
手に持っていたスレッジハンマーを俺の向け横ぶりを放つ。
「クッ……」
壁を突き破り何かの実験室の壁に叩きつけられる。
完全に油断してた……
「おいおい、こんなんでダウンすんじゃねぇぞ?」
猟犬は俺の髪を掴み俺が苦しそうにする表情を覗き、クソみたいな笑みを浮かべている。
「ち、畜生……は、離しやがれ……」
「ここの護衛が契約者との契約でな、侵入者には容赦するなって言われてんだわ、ヒトリオオカミさんよ。」
ドクン…心臓が跳ね上がるような感覚、体が熱い、何故か分からないけど力が溢れ出る……
「巫山戯んな!俺はヒトリオオカミじゃねぇ!」
猟犬の脇腹に精一杯の蹴りを叩き込む、すると、猟犬は手を緩める、俺はその機会を逃すさず、直ぐに猟犬から離れ背負った大剣を構える。
「テメェ、俺に傷を付かやがったな、ぶっ殺してやる!」
猟犬は先程よりも一撃の重量が上がっており、大剣でハンマーを防ぐ、防ぐ度に大剣からガコンと言う音が聞こえ、焦燥が走る。
この音…この大剣壊れないよな?
「オラオラァ!防ぐだけじゃ俺には勝てねぇぞ!」
大剣が熱を帯び始め、大剣から煙が立ち上る。
「うるせぇな!クソッタレが!」
スレッジハンマーをパリィし、猟犬の胸を斜めに切り裂くが、傷が殆ど入っていない。
「その程度の一撃でこの鎧は切り裂けねぇよ。」
「畜生……」
一瞬だ、一瞬俺が油断した瞬間、あの野郎は大剣を弾き飛ばし、俺は無防備になってしまう、そして頭を叩き潰されそうになり、俺が手を前に突き出した瞬間。
「グオッ……!」
猟犬は壁に打ち付けられていた、俺の手からは黒いスライムの様な物がネバネバと蠢いていた。
「うわぁ、な、何だこれ!?」
(何ではなく誰と言え。)
「テ、テメェ何しやがった……?」
チッ……まだ起き上がるか……どんだけタフなんだよ!?それよりも大剣を取らなきゃ……
(大剣てのはコレの事か?)
よく分からないやつが弾き飛ばされていた大剣を持ってきたくれた様で既に手に持っていた。
「よく分からねぇけど助かった。」
(良いんだ、俺はお前だからな。)
大剣を構え直し、男を見ると顔から源石結晶が皮膚を突き破り現れて、腕が肥大化していた。
「あの野郎、何しやがった!?」
(さぁな、だがアイツはもう助からねぇぞ。)
「殺ズ、ブヂ殺ジデヤ゙ル゙!!」
猟犬だった奴は俺に向けて拳を振り下ろしてくるが、避け、大剣で振り上げる、がダメージはあまり入っていない。
「チッ……ところでお前、名前なんてんだ?」
(俺か?俺はハザードだ!)
(良いだろう!)
ここから俺とハザードの奇妙な共生関係が始まった。
今回は少し長めです、そして、次回ガロウの話が終わります