いやぁ、スズカさんがトレーナーさんと2人でお祭り行きたいなんて……セイちゃんびっくりしたなぁ。
(今までなら絶対そんなこと言わなかったのに)
かという私は1人で釣り針を垂らしてるわけですが。私が最初に声をかけてもらったらなぁ……多分1人抜け駆けしてたのに。
「やっぱりここにいたんですのねスカイさん」
声の方を向くと釣り道具を背負ったマックイーンがいた。そのままマックイーンは私の横に座って釣り糸を垂らし始めた。
「とっておきの場所見つけたと思ったのにバレちゃったか〜。それにしても、マックイーンちゃん道具集めたんだね」
「えぇ、いつかこんな日が来ると思いまして。ここに来るだろうと思えたのも色々と勉強してたおかげですのよ?」
マックイーンは少し誇らしげに胸を張った。私と一緒に釣りをするために勉強して道具とか集めたんだ。
「そんなことよりも、昼のことは少し予想外でしたわ。他の皆さんはともかくとして、スカイさんとキングさんがスズカさんを2人きりでトレーナーさんとお祭りに行かせるなんて」
たしかに、マックイーンから見たら以外かもしれない。けど、私とキングちゃんはスズカさんともう長く居るから分かる。
「多分ね、スズカさんは凄い勇気を振り絞って私たちに頼み込んだと思うんだ。何よりも、スズカさんがこういうお願いをするのは初めてだから」
マックイーンはそうなんですのねと言い、海の方に目を向けた。
「何より、本当に居るべきタイミングで横に入れれば私はそれでいいから」
強がりでしかない。本当は私だってトレーナーさんと一緒に夏祭り行きたかったなぁ……
「全く……トレーナーさんも罪な人ですのね。ですが、私は尊敬こそしますが、その……恋心を抱くほどなんですの?」
「う〜ん……なんて言ったらいいのかな」
マックイーンの質問に私は悩んだ。トレーナーとして私たちのトレーニングを見てくれるのは当たり前だし、他のチームでも同じことだと思う。
「トレーナーさんは受け止めてくれるからかな……私が走る気持ちが出ない時は休んでもいいって言ってくれたし。レースでこういう走りをしたいとか言えば全力で支えてくれる。スズカさんとかがいい例かな。G1レースとかってやっぱり結構辛いんだよ?トレーニングもハードだし、メンタル的にも重圧があるから」
その度にトレーナーさんが支えてくれたんだよね〜。親身になって話を聞いてくれるし、打開策も頑張って考えてくれる。
「もしかしたら当たり前なことかもしれない。でもね、私にとってはそれをしてくれたのはトレーナーさんだから……って何言ってるか分からないね、にゃはは」
私の話にマックイーンも難しい顔で考えてた。上手く説明出来ないから仕方ないんだけどね。
「ま〜マックイーンだってレースに出たり、壁にぶつかった時にわかると思うよ。トレーナーさんすっごく頼りになるんだから」
「でも、そうなるといずれはチームが大変そうですわね」
トレーナーさんは1人しかいないからねぇ……でも、その辺はみんな弁えてると思う。
「このチームって良くも悪くも訳ありの娘が多いからね〜吊り橋効果が凄いんじゃないかな」
私はチラリとマックイーンのお腹を見た。
「なっ!私のこれは体質ですのよ!周りよりちょっと太りやすいだけですわぁぁぁぁああ!」
「ねぇねぇキングちゃん!縁日人いっぱいだね!」
「ちょっとウララさん!走り回ったら危ないわよ!」
私は縁日ではしゃいでるウララさんの裾を掴んで、迷子にならないようにしていた。この子は本当に無邪気なんだから。
縁日を歩き回っていると、ウララさんがふと私の顔を覗き込んできた。
「どうしたのかしら?私の顔になにか?」
「あのね、キングちゃんはいつもトレーナーさんのお話いっぱいしてくれるから、今日はトレーナーさんと一緒にお祭り来たかったんじゃないかなって」
私としたことが顔に出ていたかしら……ウララさんも心配そうな顔で私を見ている。
「そんなことないわ。私はあなたと来て良かったと思ってるのよ?こんなにも元気を貰えてるのだから」
それに、今は一番になれなくたって最後の最後で一番に一番になれればいい。そう教えてくれたのはあなただったわよね?
お昼は凄いもの見ちゃったな……スズカちゃんがあんなこと言うなんて……お付き合いしてるかは分かんないけど、そういうことなんだよね?
「ブルボンちゃん。トレーナーとウマ娘の恋愛っていいと思う?」
私の唐突な質問を理解できなかったのか、ブルボンちゃんの耳飾りが?マークになってる。あれって一体どうなってるんだろう……
「ほら、スズカちゃんって明らかにトレーナーさんに気があるでしょ?それってどうなのかなぁって」
「私には恋という感情が理解できません。しかし、トレセン学園で過去にトレーナーと担当ウマ娘同士が結婚したという事例は何度かあります」
「へっへぇ〜……」
えぇ!ウマ娘とトレーナーの恋愛って珍しくないの!?もっもしかしてファルコも?
「このチームどうなっちゃうのぉぉぉ!」
ここにも1つの叫び声が生まれた。
「タイジンずごいよぉぉぉお!」
「ちょっとチケット暑苦しいって!」
泣きながら抱きついてくるチケットを引き剥がしながら、彼女から少し距離をとった。
「だって!チームレグルスって言ったら今じゃトレセン学園の有名チームだよ!?そんなチームのトレーナーさんに認められるなんてえ!」
「別に……前にたまたま縁があってそれが上手くいっただけ」
実際にあの日トレーナーに会わないで話すことがなかったら、私はこんなにも頑張ることは出来なかった。
「例え偶然が重なったとしても、認められたのは事実だ。それは誰にでもできることじゃないだろう」
「でも油断してられない……まだ入学まで半年もあるから」
ここじゃないどこかでも、私が強くなってるように強くなってる娘がいると思うから。
「あっ!2人とも花火始まったよ!」
けど、今はこの3人で合宿を乗り越えたことを労わろう。綺麗な花火も上がってる事だし。
「ほら、チケットがそこいると私たちも一緒に見えないじゃん」
各々が色んな経験、想い、成長をこの夏で得た。小等部以外はしっかりと2ヶ月間の夏のハードなトレーニングをこなして、秋のレースに向かって準備を着実に始めていた。
夏の合宿はここまでです。もう少し長く書こうとも思ったんですけど、これ以上長くなるとグダッたりすると思ったのでいいところで。
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