トレーナーはウマ娘に夢を見る【完結】   作:Tmouris_

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ウマ娘をしたり、地球を守ったりしていて投稿頻度が遅れています……申し訳ないです。

誤字報告いつもありがとうございます。とても助かっています!


第109話:逃げ切り!秋のファン感謝祭! 前編

 チームルームで作業をしていると、学園側から一通のメールが届いた。

 

『秋のファン感謝祭の出店・イベントについて』

 

 秋のファン感謝祭かぁ……うちもチームメンバーが増えてきたからメールが届いたのか。確か東条さんのチームも出し物やったりしてたが……俺たちのチームもなにかした方がいいのだろうか。一応みんなに確認取るか。

 

「という訳で集まって貰ったんだが……なにか案があるものはいるか?一応不参加というのも可能だけど」

 

 一応は秋のレースがあるからな……トレーニングに集中したいのもあるだろうし。息抜きにでも参加するのもいい。

 

「私は参加してもいいと思います。ファンの皆さんがいつも応援してくれるので……こういう時はそのお礼をしたいです」

 

 スズカは賛成か。ほかの面々も特に反対ではないようだ。問題としては何をするかだが……たしかリギルは喫茶店を開いてファンをもてなすって聞いたな。

 

「はいはーい!ファルコみんなでライブやりたい!」

 

 ライブか。ダンスのトレーニングとかなら普段からやってるし、あんまり負担にもならないな。

 

「でも私たちのチームは6人ですのよ?人数的にバランスも……それに私やブルボンさん、ファルコさんはデビューしていませんし……」

 

 チームとして出るなら問題はない。デビュー前のファンに対する宣伝にもなるし。実際に一個人ではなくチーム自体に注目するファンも少なくない。

 

「センターにスズカを置けば大丈夫だとは思う。あとは衣装や選曲とかをどうするかだけど……」

 

「衣装作りなら任せなさい!やるのならば徹底的に、一流のライブになるようキングが支えてあげるわ!」

 

 キングはファッション系に強いからな。強いというか本職並の仕事が出来るだろう。

 

「そうなるとライブと衣装制作で大変じゃないか?」

 

「いえ、今回は完全に裏方作業に回らせて貰うわ。数合わせ的にも丁度いいわよね?」

 

 メンバー5人ならバランスの良いライブになる。しかし、キングがライブに出ないとは。それとも衣装製作に燃えているのだろうか。

 

「構わない。となると、メンバーはスズカ、スカイ、マックイーン、ファルコ、ブルボンの5人か」

 

 逃げウマ娘が綺麗に揃ったな。マックイーンはどちらかと言うと先行だが……

 

「じゃあグループ名は逃げ切りシスターズだね!」

 

「逃げ切り……?なんだって?」

 

「だから!グループ名!逃げ切りシスターズ!みんなはどう?」

 

 逃げ切りシスターズねぇ……なんだアイドルって感じのグループ名だな。

 

「いいんじゃない?セイちゃん的には問題ないと思う。なんか可愛いし」

 

「そのちょっと可愛すぎないかしら……?」

 

「賛同。グループ名逃げ切りシスターズを受理します」

 

「あの……私はそもそもそも逃げウマ娘じゃ……」

 

 グループ名は逃げ切りシスターズで。あとは選曲だな。既存の曲から選べば今すぐにでもライブを開けるが……

 

「ついでに選曲はどうするつもりだファルコ。なにかアイデアがあるなら聞きたいんだが」

 

 俺の質問を聞くと、ファルコはふっふっふと笑い始めた。さすが言い出しっぺの未来のウマドル。既に選曲とかは決まっているようだ。

 

「こういう日のために私が考えたオリジナル曲があるよ☆」

 

 あるよ☆じゃないだろう!つまり1から歌詞を覚えて振り付けを覚えるってことか?

 

「なにそれ見せて見せて〜」

 

 どうやらスカイは興味があるらしい。元々こういう可愛いものが好きってのもあるだろうが。

 

「それじゃあファルコが1回踊って見せるね!ミュージックスタート!」

 

 え?もう音楽まで作ってあるの?いや……もしかしたらこういうステージがファルコにとっての夢だったのかもしれない。きっと、みんなでステージに上がることを夢見て1人で色々考えて来たのかもな。

 

「逃げ切り!逃げ切れ!だってI want you」

 

 ファルコがみんなの前で歌い始めたが……なんともファルコらしい振り付けと歌詞。でも悪くはなかった。一人一人にしっかり振り付けもあるようでかなり完成されたものだ。

 

「えっと、これをライブでやるんですか?私たちが?」

 

 俺は結構納得していたが。どうもスズカは納得していないらしい。ステージでこれを踊っていることを想像して顔を真っ赤にしてる。

 

「スズカちゃん絶対似合ってるよ!」

 

「でも私はセンターなんですよね……?」

 

 ファン感謝祭だからな……うちのチームの看板はスズカだ。そのスズカをセンターに置かない訳には行かない。

 

「俺もスズカは可愛い路線行けると思うけどな。何よりもこういうキラキラしたものは子供とかに夢を与えるからな」

 

 俺がそう言うとスズカはモジモジと。

 

「私可愛いですか……?」

 

「ん?ああ可愛いだろ」

 

 常識的に考えてスズカは可愛いし綺麗だ。ウマ娘は全員容姿に優れている。スカイやキングたちも例外じゃない。

 

「それなら……分かりました」

 

 よし、スズカの説得もできた……のはいいんだが何故か視線が痛い。

 

「とっとりあえず、軽く振り付けと歌詞を覚えよう。最後に少し合わせて今日は終わりにしよう」

 

 振り付けや歌詞の暗記は順調に進んだ。さすがレースのためにライブのトレーニングをしてきただけのことはある。

 

「とりあえず、序盤の方は覚えて来たか。軽く合わせてみようか」

 

 俺とキングは5人の合わせを確認する。キングも現役だから俺よりも見えてくるものもあるだろう。

 

「どうだ……キング……」

 

「どうもこうも……逆にあなたにはどう見えてるかが気になるところよ」

 

 形にはなっていた。歌詞も振り付けもちゃんと覚えていた……覚えていたんだが……

 

「とりあえず1人1人反省点を言って行くかぁ……」

 

 とりあえず1番問題がなかったやつから言っていくか。

 

「まずはスカイ。特にこれといって問題はない気がする。ノリもいいし歌もダンスもしっかり覚えてるからな」

 

「いえーい!さすがセイちゃんですね」

 

 特に言うことはなかったので良かったてんを褒めると、目の前にピースをして可愛げのあるポーズを……ゴホン。

 

「次はマックイーン。歌は特に問題はないが……スカイを際立たせすぎだ!スカイが常にセンターなわけじゃないんだぞ!?」

 

「そっそんなことしてませんわ!私はしっかりと振り付け通り!」

 

 振り付けは良かった……ただ、明らかにスカイを意識した立ち回りというか……

 

「マックイーン……スカイとのライブが楽しいのは分かるが。ほどほどにな?」

 

「うぅ……分かりましたわ」

 

 マックイーンは耳をしょぼんと垂らして落ち込んでいた。スカイのウイニングライブの時のマックイーンを見て、なんとなく予想はついていたけどな。

 

「スズカはどうした?いつもならウイニングライブはしっかりと踊れてるじゃないか。どうしてそんなに恥ずかしがるんだ」

 

「ウイニングライブはこういうものって割り切れるんです!何より私たちにとっても大切なものですし……」

 

 夢を届けるウマ娘になるのがスズカの夢。もちろんウイニングライブも手を抜かない。それがファンのみんなの為になると分かってるから。

 

「今回のライブも似たようなもんだ。ファンの為にみんなの為にだ」

 

「それは分かってるんですけど……ただ……」

 

 スズカは少し蹲りその顔が見えない。だが、耳がプルプルと震えている。

 

「振り付けも歌詞も可愛すぎませんか!?」

 

 あっ爆発した。スズカの顔も耳も真っ赤っかだ。普段見ることのできない新鮮なスズカの様子に目を奪われた。

 

「聞いてますか!トレーナーさん!」

 

 テンパっているせいか、いつもよりも言葉が崩れてカジュアルな感じになってるし。俺はこれでも別にいいんだが。

 

「おっ落ち着けよスズカ。たしかにウイニングライブとかの曲よりも振り付けも歌詞も可愛らしいものだ。けど、この歌はファルコの夢の形と言ってもいい」

 

「そうですけど……」

 

 俺の言い分も理解できるようで、スズカは1歩退いた。

 

「センターで目立つから恥ずかしいのも分かる。けど、もう少し頑張ってみよう」

 

「分かりました……」

 

 今までのウイニングライブとかじゃこんなことはなかったからな……まぁ、後学のためにもいい経験になるだろう。

 

「次に言い出しっぺのファルコ」

 

「どうだった?私のダンスと歌☆」

 

 ウマドルを目指すと言うだけあって、ファルコの歌とダンスのレベルは高かった。以前トウカイテイオーのダンスを見たことがあるが、それとはまた違った良さがある。

 

「良かった。良かったんだが……ちょ──っと、というか結構でしゃばりすぎだ!センターはスズカだぞ!?」

 

 良くも悪くも目立ち過ぎる……というかポジショニングが明らかにセンターを意識した動きのせいで若干ライブ全体が乱れる。

 

「むー!ファルコだってセンターやりたかったんだもん!」

 

「やりたかったんだもん!じゃない!」

 

 気持ちは汲み取ってやりたい。大勢の前でのライブ。ファルコからすれば夢みたいなものだろう。しかも、ウイニングライブと違って、特別に開くライブだから余計にだ。

 

「気持ちは分かる。けど、ファルコはまだ下積みの時期だ。感謝祭で来る客もほとんどがスズカ、スカイの2人とこのチームを見に来る。お前の可愛さも歌やダンスの上手さも俺にもわかる。だけど今回は我慢してくれ」

 

「ッシャイ」

 

 怒られると思ったが、ファルコは怒ることなく後ろを向いた。

 

「最後にブルボンだが。ライブだけを見るならお前が1番問題だ」

 

 ブルボン本人は言われた意味が分からないようで、首を傾げて耳飾りは?マークになっている。

 

「疑問。私は振り付けも歌詞も完璧に再現していたと思います。どこがいけないのか教えていただけますかマスター」

 

 たしかに歌も振り付けも完璧だ。完璧すぎると言うかなんと言うか。

 

「無表情でずっと踊り続けるのは不味いだろ……動きも若干だけ硬いんだよな」

 

 これだったら、羞恥で踊りを少しミスるスズカの方がまだ可愛げがある。

 

「そう……ですか……次のトレーニングまでに修正しておきます」

 

 ブルボンは素直だ。でも、どこか機械的なところが多い。それは強みでもあるんだが弱みでもある。ウマ娘は想いで走ると言うくらいだからな。

 

「とりあえず課題はまだまだ多い。各々改善に務めてくれ。一応は学園のイベントでやるわけだからな」

 

 この日のライブトレーニングはここで終わった。レースのためのトレーニングもちゃんとしないといけないからな。

新生チームレグルスで1番好きなメンバーは?

  • サイレンススズカ
  • セイウンスカイ
  • キングヘイロー
  • メジロマックイーン
  • ミホノブルボン
  • スマートファルコン
  • ナリタタイシン
  • トレーナー
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