トレーナーはウマ娘に夢を見る【完結】   作:Tmouris_

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超大作!ということも無く……リアルが忙しかったりポケモンしたりしてたら時間があっという間に……失踪してないです。


第113話:デビュー戦!ウマドルのスタート!

 チームレグルスの10月最後のレース。ファルコのデビュー戦の作戦会議中だ。

 

「正直、単純な実力勝負じゃファルコが負けることはないと思う」

 

「本当に!?やったー」

 

 俺の言葉に素直に喜ぶファルコ。まぁ、実力だけで勝負が決まるわけではない。

 

「けど、ファルコと他のウマ娘が唯一同じレベルにあるのがレース経験だ。今回のファルコの作戦は逃げだけど、基本的には自分が好きなペースで好きな時に仕掛けて構わない」

 

 これはデビュー戦だ。つまり、ここにいるウマ娘全員が初めての本番レース。そこに経験値の差は生まれない。それ故にレース中に何が起こるか分からない。

 

「えーっと……つまり」

 

 ファルコは俺の言いたいことが上手く理解出来て無い様子。

 

「つまりだな……油断せずに最後までしっかり走れってことだ」

 

「うん!分かったよ!ファルコ頑張るから見ててね」

 

 相手の情報も無いから対策も無い。作戦も正直考えようもないから、デビュー戦本番のトレーナーのしてやれることってほとんどないんだよな……

 

「そうそう、俺たちのチームにはデビュー戦に挑むに当たっての心構えみたいなもんがあるんだ」

 

 これもスズカが始まりだった。そして、スカイやキングたちにも受け継がれてる想い。

 

「初めてのレースだ!全力で楽しんでこい!」

 

「はい!」

 

 発破はかけた。あとはファルコの運と実力次第だ。相当な事故でも起こらない限りは負けないとは思うが……それが起こり得るのがレースだからな。

 

 

「ファルコさんの様子はどうでしたか?」

 

 観客席に戻るとマックイーンがファルコの様子を気にしている様子だった。

 

「少し緊張してるようにも見えたけど大丈夫だと思う。何よりも、ファルコはみんなに見られてる方が力が出るタイプだしな」

 

 本当はスズカたちもファルコのデビュー戦を見たがっていた。しかし、さすがにG1レース直前に連れ回すのはまずい。

 

「マックイーンは、スカイとキングのデビュー戦を見た事あるだろうがブルボンは見たことないだろ?よく見ておくといい」

 

「了解しました」

 

 デビュー戦は別レースに比べればレベルは劣る。けど、他のレースとは違った雰囲気がある。初めてのレースへの想いや未経験の中での戦い。見ておいて損は無い。

 

『本日出走するウマ娘がパドックに入場します!』

 

 アナウンスと共にウマ娘が入場し始める。デビュー戦なだけあって仕上がりはまばらだ。

 

『3枠3番スマートファルコン!デビュー戦とは思えない仕上がりです!1番人気です!』

 

 おぉ、ファルコは1番人気か。クラシックでスカイとキングも暴れてるし、チームのネームバリューが効いたのか?

 

『先日のチームレグルスの感謝祭でのデビュー宣言が影響しているようですね』

 

 いや、チームの力ではあるが、あのイベントを企画したのはファルコだ。この1番人気はファルコが勝ち取ったものか。

 ファルコは嬉しそうに観客席に手を振ってステージを後にした。

 

「ファルコさん調子良さそうですわね」

 

「あぁ、後は全力で走るだけだ」

 

 

(初めてのレース……なんだか緊張しちゃうな)

 

 でも、スカイちゃんもキングちゃんもスズカちゃんだっていい結果を残してる……同じチームメイトとしてファルコも頑張らないと!

 難しいことを考えながら、ふと観客席を見るとトレーナーさんたちが目に入った。

 

「全力で楽しんでこい……だよねトレーナーさん」

 

 そうだよ。難しいことを考えたって、今の私にはどうにもできないんだから。だったら、今できる自分の精一杯で頑張ろう!

 

 

『全てのウマ娘がゲートに入りました。1600mダートバ場状態は重。14人のウマ娘たちが新たな1歩を踏み出します!』

 

『そして……今スタートしました!』

 

 スタートは上々……いや、むしろ綺麗すぎるくらいだ。

 

「ファルコさん初めてのレースなのに落ち着いてますね」

 

「マックイーンもデビュー戦でカチカチにならないといいな」

 

「なっ!私はメジロ家としてそんなことありえませんわ!」

 

 それはどうかな……レースは順調そのもの。先頭をファルコが取ってから後方を引き付けない走りだ。

 

「なんででしょうか……ファルコさんのあの走りをどこかで」

 

 マックイーンの言ってることはわかる。そしてその人物の正体も。

 

「ファルコさんとスズカさんの走り方を比較。60%近く一致」

 

「ブルボンが言う通りだ……デビュー当時のスズカの走りを思い出すよ」

 

 ただ、スズカと走りを寄せてる訳じゃない。ファルコは大逃げじゃないし、スズカのような逃げ方はしない。それでも、ファルコの走りは自然と俺たちを魅せてくれる。

 

 

(みんなが見てる。みんながファルコの走りに期待してくれてる……)

 

 ピリピリ伝わってくる圧力。感じる疲労と汗。そして、何よりも楽しい!

 

(今の私……輝いてる!)

 

『おぉっと!スマートファルコンが仕掛けた!後方も追いかける!』

 

 私は残った体力を振り絞って脚を前に出す。少しでも速くゴールするために!

 

『速い!スマートファルコンが後方を全く引き付けない!そのまま1着でゴール!』

 

(やった……!私勝った……勝ったんだ!)

 

 私は膝に手を着いた体を伸ばした。そして、観客席の方を見た。そこには私が今まで見たことのない景色が広がっていた。

 

「みんな応援ありがとー!」

 

 私は出来る限り大きい声で観客席に向かって叫んだ。そして、お辞儀をしてからターフを後にした。

 

「ファルコお疲れ様」

 

 控え室に戻る途中でトレーナーさんが待ってた。

 

「えへへ、ファルコ頑張ったよ」

 

「あぁ……本当によく頑張ったよ」

 

 トレーナーさんは私の頭を優しく撫でてくれた。勝ったのは自分だけど、一緒に頑張ってこれたのはチームのみんな……何よりもトレーナーさんのおかげ。だからなのか、私はそれがなんだかとても嬉しかった。

 

「けど油断するなよ?お前にとってはここからも本当の勝負なんだからな」

 

「うん!全力でライブするから!トレーナーさんも盛り上げてよね!」

 

 これから初めてのライブ……私がセンターで踊れるライブなんだから!

 

「みんなー!今日は本当にありがとう!ファルコ全力で踊るからみんなもライブ盛り上げてね!」

 

 私は全力で踊った。ファン感謝祭と同じ……それ以上に。私の私だけのデビューライブを作り上げることが出来たんだ。

新生チームレグルスで1番好きなメンバーは?

  • サイレンススズカ
  • セイウンスカイ
  • キングヘイロー
  • メジロマックイーン
  • ミホノブルボン
  • スマートファルコン
  • ナリタタイシン
  • トレーナー
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