トレーナーはウマ娘に夢を見る【完結】   作:Tmouris_

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文章を厚くするのって難しいですねやっぱり。


第120話:サイレンススズカは新たな夢を見る

 トレーナーさんと最後に会ったのはいつだろう……色々悩んだけど。なんだかもう疲れてしまった。もう諦めてしまったほうが楽なのかな。

 

「私はどうすればいいんだろう」

 

 それも今日で決まる。トレーナーさんからの連絡を受けて、トレーナーさんとお話をすることにしたの。

 トレーナーさんならきっと教えてくれる……私がどうしたらいいのか。

 

「スズカ。入るぞ」

 

「空いてるのでどうぞ」

 

 私は病室にトレーナーさんを迎え入れた。

 トレーナーさんと目を合わせる事が出来なかった。今の弱い私を見てどんな顔をしてるのか……それを考えたら自然と視線は下を向いていた。

 

「あの、なんだ……久しぶりだなスズカ。随分と痩せたんじゃないか?」

 

「そうですね……結構痩せたかもしれませんね」

 

 あの日から食欲が薄れた。食欲だけじゃない、物事に対するやる気も色んなものが燃え尽きたようだった。

 

「そんなに痩せちまったらリハビリが大変になるぞ?」

 

 燃え尽きたはずなのに。

 

「……え?」

 

 その発言に私は驚いて顔を上げた。

 そこにはいつも通りのトレーナーさんが居た。私のことを心配そうに見て、私に寄り添ってくれるような暖かい瞳。

 

「ただでさえ体が弱ってるのに、飯食わなきゃ治るもんも治らないぞ?」

 

 どうして、こうもこの人の言葉が心に響くんだろう。もう、この心は折れたと思ってたのに。

 

「あの……トレーナーさん?それじゃあまるで」

 

「そうだ、今日はスズカの復帰プランを考えて持ってきたんだ」

 

 トレーナーさんの手元には厚い資料があった。

 それを見て私の胸はとても熱くなった。もう燃え尽きてたと思っていた。その想い。

 

「でも、もう以前のようには……」

 

「走るのは難しい?じゃあ、諦めるのか?走れるようになるかもしれないのに。その努力の末に元のように走れないのが怖いから?」

 

 そう……走れるようになるか分からない。以前の様に戻れるか分からない。

 

「だったらな。元に戻れなくても……お前がまた楽しく走れるように、前よりも速く走れるように!全力で協力してやる。お前が諦めない限り!」

 

 トレーナーさんはそう言いながら私の手を握った。

 そうだ……私はまだ諦めたくなかったんだ。トレーナーさんに私を引っ張り上げて欲しかったんだ。

 

「リハビリは辛くなるだろうが。メジロ家の療養施設で主治医さんが見てくれる」

 

「トレーナーさん……私はまた走れるようになりますか?レースでみんなと競走できるでしょうか」

 

 今の私じゃ走れる様になるだけじゃ満足できない。みんなとレースで競って走りたい。

 

「その為にもう一度頑張るんだ。俺たちは一度は夢は叶えた。だから、新しい夢を見よう」

 

「新しい……夢」

 

 もう一度レースで走りたい……ううん、もう一度レースで私は勝ちたい!

 まだ、希望はあるんだ。未来はあるんだと、トレーナーさんがまだ一緒に歩んでくれる。そう考えると涙が止まらなかった。

 

「ドレーナーざん……私はまた!レーズで勝ちたいでず!」

 

 そうだ、ウマ娘は夢を見るものだ。そして、それを叶えるために必死に頑張る。

 

「あぁ……それが俺たちトレーナーの仕事だ。だから一緒に叶えよう」

 

「はい……はい……私もう一度頑張ります!」

 

 私は涙を流しながらもたしかに力強く頷いた。

 ずっと、トレーナーさんがそう言ってくれることを待っていました。

 

「ここを退院したら、メジロ家の療養所に移ってリハビリを行う。そこから体力や筋肉を戻す。2年だ。2年後に再びターフに戻るぞ」

 

「2年……」

 

「そうだ、2年かけて元に万全な状態まで持っていく。それまではリハビリに基礎トレ。走るトレーニングなんて今日から1年は出来ないだろう」

 

「耐えてみせます。どれだけ辛い道のりになっても」

 

 必ずもう1回レースに出走してみせる……ううん。前よりも速く走れるようにならなきゃ。

 

「そういえば、メジロ家の療養所でリハビリって言っていましたけど……」

 

 メジロ家ってことは、マックイーンちゃんに頼んだのかな?でも、マックイーンちゃんが1人で施設使ってるのは聞いたことあるけど、積極的に金銭面とか施設とかをトレーナーさんが頼ってるところ見たこと無かった。

 

「出来る限りの事はしたかったからな。メジロ家の療養所なら施設もしっかり揃ってるし。マックイーンことで主治医さんと連絡も取ってるから情報共有もしやすいからな」

 

「そうなんですね……ありがとうございます」

 

 でも、そうなるとトレセン学園近くの病院じゃないんだ。

 

「トレーナーさんと中々会えなくなるので寂しいです」

 

 私が意地悪にそう言うと、トレーナーさんはアワアワと焦ったように反応に困っていた。

 

「ふふふ、冗談ですよ」

 

「でも、ちゃんと定期的に会いに行くようにするよ。昼間の業務は出先でも出来るようなものが多いから」

 

「ありがとうございます」

 

 それから少しの沈黙が流れてから、私は口を開いた。

 

「トレーナーさん。私頑張りますね」

 

「あぁ!頑張ろうな」

 

 こうして、次の日から以前までの当たり前の日常が戻ってきた。スカイちゃんにからかわれたり。ファルコちゃんに大量のライブ動画を送られたり。

 

新生チームレグルスで1番好きなメンバーは?

  • サイレンススズカ
  • セイウンスカイ
  • キングヘイロー
  • メジロマックイーン
  • ミホノブルボン
  • スマートファルコン
  • ナリタタイシン
  • トレーナー
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