「スズカちゃん!ファルコ的には走れるようになったら、逃げシスとしてライブ開きたいんだけど!」
「おやおやスズカさ~ん。水臭いじゃないですか。トレーナーさんだけじゃなくて私たちも来ましたよ~」
「私たちに気を使わないでも、呼んでいただければ駆け付けたわ」
「ブルボンさん!精密機械などもあるのでお気をつけくださいな」
「マックイーンさんがどのように私を見ているか理解しました……」
「なんでお前らが全員ここにいるんだ!」
「嘘でしょ……」
今日は大晦日。そんな日にどうしてこんな混沌を極めた状況になったのか……場所はメジロ家の療養施設。そもそも、どうして俺がここにいることを皆が知っているのか。マックイーンの爺やさんはどうして申し訳なさそうにしているのか。
「もしもし、今時間大丈夫か?」
『はい。検査も今さっき終わったので大丈夫です」
スズカは12月に入ってからメジロ家の療養所に移った。1月には骨も完全にくっついてリハビリが始まるから、色々な検査など年末年始の移動になるとごたごたするからと、メジロ家の配慮で早めに入れさせてもらった。
「大晦日は予定通りそっちに行くからよろしくな。マックイーンの爺やさんが宿泊の用意までしてくれてな」
『こちらに来てくれるのは嬉しいんですけど……トレーナーさんは大丈夫なんですか?忙しかったりとか』
「仕事はちゃんと終わらせて行くし、年越し年明けも1人じゃ寂しいじゃないか」
『ふふ。それじゃあ楽しみに待っていますね』
電話を切って俺は仕事に戻った。
チームのトレーニングも年末年始は基本的には休息で、各々自主トレという風にしてある。
ファルコのレースがあったり有馬記念もあったから、中々スズカの所に行けてなかったからな。年越しくらいは一緒に過ごしてあげたい。
「へ~トレーナーさんって年末はスズカちゃんに会いに行くんだ」
そういえば、チームのみんなはどうするんだろう?年越しはみんなで集まったりするのかな。去年とかはどうしてたのか聞いてみよ~っと。
「マックイーンちゃん!ちょうどいいところに」
「どっどうしたんですの?ファルコさん」
私がいつもチームで使ってるグラウンドで自主トレして待ってたら、マックイーンちゃんが一番最初にグラウンドに来てくれた。年末で自主練になってるけど、ここで待ってれば誰か来ると思ったんだ。
「えっとね、チームで年末って何かしたりしないのかなって思って」
「年末ですか?年越しはチームルームでみんなで集まっていますね。そうして、年明けはみんなで初詣に行ったり……そういえば、今年は集まろうという話は聞いてないですわね」
「それはね、トレーナーさんが年越しはスズカさんと過ごすらしッグ!」
「あらファルコさん!お顔に何かついてますわよ?わたくしが取って差し上げます」
私が全部言い終える前に、マックイーンちゃんが急に私の口を無理やり抑えつけてきた。何か言っちゃいけないこと言っちゃった!?
「いいですか!そんなことスカイさんやキングさんに聞かれたら大変なことになりますわよ!?」
大変なこと?私が首を傾げると、マックイーンちゃんはッハっとした顔をしてた。
「ファルコさんは今年の夏、秋、冬は色々大変でご存じないかもしれませんが。スカイさんとキングさんはトレーナーさんを深くお慕いしています。私が知らないとなると、お2人も知らないと思います。もし、これがばれでもしたら……」
ゾッとした顔をするマックイーンちゃん。そっか……2人はトレーナーさんを……って!そういうのっていいの?ウマドル的に恋愛はNG!
「あら、2人ともいつの間にそんなに仲良しになっていたの?」
「あれれ~マックイーンちゃん。2人で内緒話?なんの話してたか教えてよ~」
「いっいえ。年越しは今年どのように過ごすのかお話ししていただけですわ」
マックイーンちゃんナイスフォロー!私は一瞬頭が真っ白になってて、咄嗟に言葉が出てこなかったけど。これなら大丈夫そう。
「そうなの。チームのみんなは年末どうすごすんだろうな~って聞いてたんだ」
よし、これで自然な感じになった。トレーナーさんのことは何も話してないし、大丈夫だよね。
「そうだね~いつもならみんなで集まるけど、今年はスズカさんいないしな~」
「流石にチームメンバー全員で療養中に来られたら迷惑でしょう?」
良かった。2人ともスズカちゃんのことを知らないっぽいし。特に問題は起こらなそう。
「抜け駆けは良くないかな~って」
スカイちゃんのその発言に私は一瞬目が泳いだ。キングちゃんとスカイちゃんはその……トレーナーさんが好き…なんだよね?それでスズカさんが出てきて抜け駆けなんて言葉が出てくるなんて!スズカちゃんもトレーナーさんを。
ダメ。ふぁるこの頭じゃこれ以上処理しきれないよー!
「……ファルコちゃん。どうして急に年末の事を?」
「えっと。特に深い意味はないよ!みんないつもはどう過ごしてるのかなって気になっただけ!」
「そっか」
スカイちゃんは凄いニコニコしながらマックイーンちゃんの方に歩み寄っていった。
「ねえマックイーン?」
「ちょっ!スカイさん?きゅっ急にどうしたんですの?」
「爺やさんと少しお話したいんだけど、電話番号教えてもらえる?」
呼び捨てでスカイちゃんに呼ばれて驚いたマックイーンちゃんだったけど、その発言を聞いた瞬間に表情が凍った。
「あらあら、マックイーンさんが怖がってるじゃない。大丈夫よスカイさん。私たちがトレーナーの来客予定を聞くことにおかしいことがある?直接療養所に電話して聞けばいいじゃない」
私たちは全部話した。せっかく行くならブルボンちゃんも連れて行こうってことになった。私ってみんなのことまだ全然知らないんだな……だって2人のあんな怖い顔見たことなかったもん。
「なるほどな……それで、爺やさんにマックイーンが話を通したと」
さっきから爺やさんが申し訳なさそうにこちらを見ている理由が何となくわかった。正直同情する……
「いいじゃないですかトレーナーさん。私はこれはこれで楽しいですよ」
「スズカがいいなら俺は構わないけど……マックイーンや爺やさんに話が通ってるってことはお邪魔にもならなそうだし」
そこだけが今回の件で唯一の褒められる点だった。ここはあくまでトレセン学園の施設じゃなくて、人様の施設だからな。
「まぁ、今年は忙しい1年で来年はもっと忙しくなる。今は楽しむか」
来年待っているのは、スカイとキングのシニア級入り。マックイーンは遅いデビュー戦とクラシック参戦。同じくファルコもクラシックに参戦する。ブルボンとスズカにとっては辛い1年になるだろう。それに、4月には新入生も入ってくる。
「さぁ……来年はどんな1年が待っているんだろうな」
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