トレーナーはウマ娘に夢を見る【完結】   作:Tmouris_

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マックイーンデビュー戦で完勝すぎて……


3年目春
第124話:メジロマックイーン!デビュー戦!


 今日はわたくしのデビュー戦。恥ずかしながら、自身の体調を上手く管理できなかったために遅いデビュー戦になってしまいました。

 

「マックイーン緊張してるのか?」

 

「そんなことありません……と言いたいところなのですけどね。正直緊張しています」

 

 今まで、チームメンバーと一緒に走ったりレース形式のトレーニングもしてきました。ですが、今日のレースは公式のレースで、順位が決まり勝者が生まれる。

 

「もし、負けてしまったらと思うと……」

 

「スカイやキングも似たようにデビュー戦は不安を抱いていた」

 

「スカイさんたちが?」

 

 わたくしの知っている2人は強く、どんな勝負でも負けないという強い意志を持ってレースに挑んでいた。そんな2人がレースで負けることを恐れて不安がっていたなんて。

 そんな話をしていると、コンコンとノック音が部屋に響いた。

 

「やっほ~マックイーンちゃんガッチガチじゃん。もしかして、緊張しちゃってる?」

 

「スッスカイさん!?わたくしは緊張なんてしていません!」

 

 つい見栄を張ってしまった。だって、スカイさんが私を煽る用なことをいうから……

 

「大丈夫大丈夫。デビュー戦なんてそんなもんだって。そんなマックイーンちゃんには私がとっておきの魔法をかけてあげましょう。ほらほら頭下げて」

 

 スカイさんの言われるがままに私は頭を下げた。すると、スカイさんが私の耳元に顔を寄せた。

 

「マックイーンなら大丈夫。レースを楽しんでおいで」

 

 スカイさんが耳元でそう囁いてきた。私はびっくりして咄嗟に一歩後ずさってしまった。

 そして、耳に何かついていることに気が付いた。鏡を見てみると青色のリボンが結ばれていた。

 

「それはお守りみたいなものだよ。せっかくの初レース楽しまなきゃ損だよ」

 

「ありがとう……スカイ。そうですね。人生で一度のデビュー戦。楽しまないと損ですわね」

 

 さっきまで強ばっていた体が嘘のようにリラックスしていた。

 わたくしたちのやり取りを見てトレーナーさんは嬉しそうに笑っていた。

 

「そうだな。うちのチームはレースを楽しむ!そうやって、想いを紡いできたんだ」

 

 

 マックイーンとの最後のミーティングを終えて、俺とスカイは2人で観客席に戻った。

 

「ブルボンお待たせ」

 

「はい。お待ちしてましたマスター」

 

 俺たちが観客席に戻ると、ソワソワした容姿でブルボンが待機していた。

 

「まぁ、そう焦るなブルボン」

 

 そう話しかけると、ブルボンは驚いた様子で俺を見てきた。

 

「どうせ、もう少しすれば周りを見て焦ってる余裕なんて無くなるからな」

 

 今日はマックイーンのデビュー戦。しかし、今日はスカイとブルボンしか応援に来ていない。

 キングもファルコも直ぐに大切なレースが控えているからな。キングは今年初のレース。ファルコは初の重賞レースだ。

 そして、みんながレースに備えている中、1人応援に来てデビューの出来ていないブルボン。焦りを感じるのも仕方がない。

 

「来年にはブルボンもデビューの時期だ。今年は去年よりも更に厳しい基礎トレとスタミナトレーニング。来年はそれを踏まえたブルボン自身の走りを確立したりと、やることは山積みなんだからな」

 

「了解しました」

 

 いつも淡々と話すブルボンだが、少し表情が緩んでいるのが見えた。ブルボンもチームに入った時に比べると、相当話し方は砕けて来たし、表情も少し豊かになった。まぁ、これだけ濃いチームにいればそうなるか。

 

「まぁ、見るのも大事なトレーニングだと思って。マックイーンの応援をしようじゃないかって……スカイさん?」

 

 横を見ると、顔を真っ赤にしてチアのユニフォームを着ているスカイがいた。カラーリングはスカイの勝負服を模した様な感じで、何故かサイズはスカイにピッタリだった。

 

「これで負けたら怒るからマックイーン……!」

 

 もはや、恥ずかしさが限界を超えてプルプルと震えながらポンポンを手に付けていた。

 その甲斐あってか、マックイーンは1着でゴールインし、2着とは2バ身近く差を付けて、3着以降とは10バ身の差を付ける脅威のレース結果を残した。

 

 

「おつかれマックイーン!」

 

「っきゃ!スカイさん!?」

 

 わたくしが控え室に戻ろうとしたら、出待ちをしていたスカイさんに捕まってしまった。

 

「いや〜今日のレースは本番レース経験者もいたのに、あそこまで完勝するなんて、さすがうちのマックイーン!」

 

 嬉しそうにスカイさんはわたくしの頭をわしゃわしゃと撫でた。

 

「スカイさん。さっきからマックイーンマックイーンと呼び捨てで急にどうしたのですか!?」

 

「う〜ん?私もマックイーンを1人前として認めたってところかな?」

 

 今までからかって呼び捨てをすることはあっても、決して普段は呼び捨てでわたくしの名前を呼んで来なかったスカイさん……

 

「そうですわね……わたくしもデビューしてトゥインクルシリーズに参戦しました。これからはライバルでもありますからね……スカイ」

 

「ふっふっふ。でも、これからが本番だから油断しないようにね?」

 

「もちろんですわ!」

 

 こうして、わたくしのデビュー戦は完勝で幕を閉じた。

 そして、いつかスカイと同じレースに出走して勝負する夢を抱いた。

 

新生チームレグルスで1番好きなメンバーは?

  • サイレンススズカ
  • セイウンスカイ
  • キングヘイロー
  • メジロマックイーン
  • ミホノブルボン
  • スマートファルコン
  • ナリタタイシン
  • トレーナー
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