トレーナーはウマ娘に夢を見る【完結】   作:Tmouris_

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久しぶりの投稿です


第126話:ファルコの葛藤!

 3月末、今年に入ってからのチームの戦績と現状をチームルームで整理していた。

 

(キングとスカイはクラシックから続いて調子も戦績も絶好調だな)

 

 スカイは先日の日経賞で勝利。キングは今年に入ってマイル路線に移ったばかりにも関わらず。東京新聞杯と中山記念で無事に勝利して6月にある安田記念に駒を進めた。

 

(むしろ問題なのはマックイーンとファルコの2人か……)

 

 先日のゆきやなぎ賞でマックイーンにはソエが見つかった。これで、クラシック路線の内の皐月賞とダービーは厳しい……

 しかし、マックイーンの元々の目標が天皇賞春や宝塚記念といったレースだったためか、本人のメンタル的ダメージは少ないようだった。

 

(それに比べるとファルコのメンタル的ダメージは大きいな……)

 

 OP戦でこそ善戦を見せて1着を取ることが出来た。だが、重賞レースではファルコの実力では通用しなかった……元々はダート適性のファルコだが、彼女の夢はウマドルとしてキラキラした姿をファンたちに見せることだ。

 皐月賞への切符は手に入れることはできたが、かなり厳しいレース展開が予想できる。しかし、彼女自身が芝レースで活躍しそれを果たしたいと望んでいる。こういうことはあまり考えたくはないが、芝とダートレースでは芝レースの方が盛り上がりを見せ注目度も高い。それ故に彼女は芝レースにこだわりがあるのだろう。

 

「トレーナーさん、こんにちはー☆」

 

 そんな事を考えていると、ファルコがチームルームにやってきた。ここ最近のファルコは気丈にこそ振舞っているが、明らかに調子が落ちている。

 

「ようファルコ。昼休みにお前が来るなんて珍しいな」

 

「あはは~ほら。ファルコ最近調子崩しちゃってるからさ……」

 

 流石のファルコも気にしてるか……ファルコの調子を気にしているのは俺だけじゃない。チームメイトみんなが表には出さないが、少なからずファルコの心配をしている。それが長く続けば、流石のファルコも気付いちゃうよな。

 

「ファルコは、キラキラしたウマドルになることが夢なんだよな」

 

「……うん」

 

 現状はそれからかけ離れた状態にある。ライブはレースで上位に入らない限りは参加することすらできない。そうなれば周りからの注目もされない。ファンを増やすことは難しいだろう。

 ただ、そのウマ娘の走り方や走りざま、レース人生に惹かれる人もいる。ファルコの得意分野はダート。そして、芝は走れこそすれど得意なわけじゃない。ファルコ自身の走りもできないし、その走りに魅力を感じる人も少ないのも事実……

 

「正直、俺はアイドルに詳しいわけじゃない。実際に推しのアイドルがいたわけじゃないんだ」

 

 アイドルがなんとなくどういうものなのかは知っている。ファンがアイドルに何を求めて、どういった感情を抱いているかは理解している。

 

「でも、俺は彼等の気持ちが分かる。俺も同じ気持ちを何度も味わっているからだ」

 

「トレーナーさんが?」

 

「呼び方が違うだけで、俺にとってチームのみんながアイドルなんだよ」

 

 活躍してきたスズカやスカイ、キングだけじゃない。デビューしたてもマックイーンも、デビューしていないブルボン。そして、ファルコもそうだ。

 

「一人一人に魅力を感じて、キラキラしているように見えた。だから、俺はみんなと契約を結んだんだ」

 

「でも……ファルコは今、キラキラ出来てると思えないの」

 

「それは、最近のレースで戦績が良くないからか?」

 

 ファルコは無言で頷いた。

 

「たしかに、G1レースで勝ち続ければファンは増えるし、レースに勝利出来るに越したことはない。けど、それが全てじゃないんだ」

 

「じゃあ、ファルコはどうしたらいいの?」

 

「ファルコがやりたいことをすればいい」

 

 そう、大事なのは本人がやりたいことに全力で打ち込んでいること。理由はなんだっていい。全力でそれに向き合って、挑戦することが輝いて見えるんだから。

 

「スズカが伝説になったのは、大逃げで走り続けるっていう常識離れしたことを貫いて、常識をぶち壊したからだ。スカイとキングも三冠達成というやりたいことの為に互いに全力でぶつかり合った。俺やファンもそれに感動したんだ」

 

「ファルコがやりたいこと……」

 

「三冠にこのまま挑戦したいなら俺はそれを応援する。やっぱり別のレースに挑戦したいっていうならそれを応援するよ。きっと、ファンもそれについていく」

 

(ファルコも芝で走り続けるよりも得意なダートを走りたいよ……でも、ダートって泥だらけで人気も……)

 

『必死に走っているウマ娘は可愛らしいものでは無いかもしれない。でも、どんな時よりも尊く素晴らしいものでは無いかしら?』

 

 そうだ、ファルコは可愛くてキラキラしたウマドルになって、ファンの皆に笑顔を届けて笑顔になって欲しかった。でも、キングちゃんが可愛くなくても、必死になってる私たちは素敵だって教えてくれた。

 

『必死な時こそ笑えば良いじゃない。誰かに笑顔を届けたいと思うあなたの笑顔はきっと素敵なもののはずよ』

 

 別に泥だらけだっていい。誰かのための笑顔はどんな時でも素敵だから。

 トレーナーさんが言ってた。私がやりたいことに全力で挑む姿にトレーナーさんもファンのみんなもついて来るって。

 

 

「トレーナーさん。私、ダートレースに挑戦したい」

 

 そうか、ファルコはダート路線を選ぶか。皐月賞の出場権を得たからと言って、出走しなければいけないわけじゃない。今からいくらでもレースプランの修正は効く。

 

「でも、皐月賞には出走するよ」

 

 そう言い放ったファルコは、今までのどんな時よりも決意に満ち溢れた顔をしていた。

 

「ここまで、ファルコを応援してくれたファンのみんなの期待に応える為に、皐月賞には出走して全力で頑張る。そして、改めてダートに挑戦する!」

 

 なるほど、ファルコなりのファンに対するけじめか。

 

「分かった。皐月賞はG1レースだ。出走ウマ娘みんなが各々の想いを持って全力で挑戦する。妥協は許されないぞ」

 

「うん!皐月賞が終わるまでは全力で芝のトレーニング頑張るね☆」

 

 ファルコのメンタルも回復して、安心して臨む四月のレース。ファルコの皐月賞はもちろんのこと、スカイの天皇賞春も控えている。

 しかも、先輩の所のスペシャルウィークとぶつかる。距離やレース場ではこちらが有利だが、どうなるかは分からない。万全を期して挑むべきだ。

 それが終われば、チームに入りたいという新入生たちの試験レースも見なくちゃいけない。来月からは当分忙しくなりそうだ……




長く書いてなかったので設定や物語のズレがあったらすみません

新生チームレグルスで1番好きなメンバーは?

  • サイレンススズカ
  • セイウンスカイ
  • キングヘイロー
  • メジロマックイーン
  • ミホノブルボン
  • スマートファルコン
  • ナリタタイシン
  • トレーナー
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