トレーナーはウマ娘に夢を見る【完結】   作:Tmouris_

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飲み会回です。ちょっと短めになってしまいました。


第14話:飲む!トレーナー飲み会!2杯目

 トレーニングを終えてから寮に戻り、飲み会の準備をする。時間はまだあるし、ゆっくりで間に合いそうだな。

 

「そういえば、誰が来るか聞いてなかったな。葵さんとも連絡先くらい交換しとくか」

 

 約束の時間も近くなってきたし、そろそろ寮を出て目的地に向かおう。

 

 集合場所の飲み屋につくと、ちょうど沖野先輩と葵さんも到着した様子だった。

 

「よお、お前らよく来たな」

 

「先輩がお祝いしてくれるって聞いたんで、さすがに来ますよ」

 

「今日はわざわざありがとうございます」

 

 俺たちは軽く挨拶をすませて、店の中に入っていった。

 

「それにしても、お前ら見事な勝利だったな。おめでとう」

 

「「ありがとうございます」」

 

「スズカの大逃げも凄かったが、ハッピーミークの堅実な走りも見事なもんだ」

 

「スズカが頑張ってくれたおかげですよ」

 

「そうですね、ミークも私の作戦を聞いて一生懸命に走ってくれました」

 

 スズカもハッピーミークも、デビュー戦まで俺たちの話を聞いて、トレーニングに全力で取り組んでくれた。彼女らが、頑張ってたからこそ勝てたんだ。

 

「これからの方針とかは決まってるのか?」

 

「俺はクラシック路線を狙っていきます。スズカなら十分に狙っていけると思いますし」

 

「私もクラシック路線を狙ってます。ミークと夢の三冠目指して、頑張りたいと思います」

 

 予想はしてたけど、葵さんもクラシック路線か……直接対決になるだろうが、負けるわけにはいかないな。

 

「それじゃあ、お前らはライバル同士ってわけだ。最初の対決は、弥生賞になるか」

 

「ライバルですか……柴葉さんが相手でも負けません」

 

「俺もですよ。全力で勝ちにいきます」

 

 ハッピーミークは強敵だ、ギリギリの戦いになるだろう。たとえそうでも、競り勝ってみせる。

 

「相手のことを意識するのもいいが、そればっかり見てると、足を掬われるからな」

 

「肝に銘じておきます」

 

「ところで、沖野先輩のとこのウマ娘たちはいつ頃デビューする予定なんですか?」

 

「ああ、ゴルシは来年辺りにデビューさせようと思ってるが、スカーレットとウォッカは、来年のデビューになるだろうな」

 

「早くても勝負することになるのは、再来年ですか」

 

「そうなるな。その時は勝たせてもらうけどな」

 

 冗談混じりに言っているが、実際に沖野先輩のトレーナーとしての能力は高い。しかも担当のウマ娘3人も逸材揃いだから、冗談に聞こえない。

 

「全力でぶつからせてもらいますよ」

 

「私も負けないように頑張ります」

 

「そのためにも、トレーニングメニューをしっかりと組まねえとな」

 

 トレーニングメニューで思い出した。先輩にいいトレーニング場所があるか、聞かなきゃいけないんだった。

 

「先輩に聞きたいんですけど。坂ダッシュの練習するための、いい場所とかってないですかね」

 

「坂ダッシュか……弥生賞と皐月賞に向けてのトレーニングだな。普通の坂じゃないが、学園近くの神社にある階段がある」

 

「坂じゃなくて階段ですか?」

 

 普通に坂ダッシュするのと、なにか違うのだろうか?

 

「ああ、単純な坂を走る練習にもなるしな。それに、加速に必要な走り方のテンポの感覚も掴みやすいだろうしな」

 

「気づいてたんですか……?」

 

 スズカの加速については、誰にも相談したことはなかった。良く気がついたなこの人……

 

「併走の時から少し思ってたが、デビュー戦の時の走りは、じっくりと見せてもらったからな」

 

「スズカさんって、加速力そんなに足りないんですか?そんなふうには見えないですけど」

 

「スズカが得意なのは、ハイペースでそれを維持したまま、走り続けることなんだ。終盤でもそのままペースを落とさずに、スピードを上げてくからそう見えるんだ」

 

「実際は終盤にトップスピードに乗るまで時間がかかっちゃうんだよ」

 

「さすがだな、担当のウマ娘のことよくわかってんじゃねーか」

 

 トレーニング場所のことだけ聞くつもりだったけど、思わぬアドバイスをもらったな。

 

「スズカがデビュー戦でやった、あの綺麗なスタートといい、本当によく見てるよ」

 

「たづなさんのおかげですよ。というか、あの人なんであんなこと知ってるんですかね?」

 

 たづなさんは、まるで実際に体験したかのように、詳しく説明してくれた。

 

「それは俺にもわからん……」

 

「私、噂でたづなさんがウマ娘を追いかけて、捕まえてたって聞きました」

 

 本当に何者なんだろか。

 

「この話題は止めておきましょうか。なんだか言及したらいけない気がします」

 

「それもそうだな……」

 

「そういえば、たづなさんは今日はいらっしゃらないんですね」

 

「あの人も忙しい人だからな。オハナさんも、今日は予定があわなくてな」

 

 東条さんは、大人数チームを率いてるから、色々と忙しいんだろうか。

 

「東条さんは、私たちと違ってチームの人数が多いですからね」

 

「優秀な人材ほど、できるだけ多くのウマ娘を担当して欲しいのが学園側からの願いだろうしな」

 

「お前らも結果を残していけば、いずれチームを持つことになるぞ」

 

 チームか……今はスズカのことで手一杯だから、想像もつかないな。いや……気になる娘はいるんだけど。彼女はもうトレーナー候補がいるからな。

 

「私はミークのことで手一杯なので、それどころじゃないですよ」

 

「俺も今は考えられないですね」

 

「いずれの話だからな、今は気にしなくても大丈夫だろ。まぁ、気になるウマ娘がいるなら、唾つけとくのもいいけどな」

 

「そういえば、先輩はどうやって今のメンバー集めたんですか?」

 

 ゴルシもスカーレットもウォッカも逸材だ。どうやってスカウトしたか聞いておきたい。

 

「ゴルシはな……気づいたら拉致られててな、気づいたら担当契約させられたんだよ」

 

 この人は何を言っているのだろうか?拉致られる?怖いんだけど。

 

「拉致って……無理やり契約させられたんですか?」

 

「いや、いい走りするやつがいるなーって眺めてたら、気づいたらそいつがいなくてな。そしたら麻袋の中にいたんだ」

 

 もうダメだ、俺にはこの会話についていける自信がなくなってきたぞ。

 

「走りに目はつけてたし、断る理由もなかったからな。契約をそのまましたってわけだ」

 

 とりあえず話題をそらそう。なんだか聞いてるだけで疲れてくる。

 

「スカーレットとウォッカはどうやって入ったんですか?」

 

「あいつらは、俺のセンスのいいチーム募集を見たらしくてな、俺のところを訪れてきたから契約した」

 

 そう言って、当日貼っていたであろう貼り紙を見せてくれた。お世辞にもセンスがいいとは言えなかったが。沖野先輩の周りには、変わったやつが集まるのはよくわかった。

 

「すごい貼り紙ですね……」

 

「だろ!?ゴルシのやつ、趣味が悪いとか言って反対しやがったんだけどな」

 

 ゴルシにもまともな面があるらしい。それに関しては俺も同意見だ。葵さんもちょっと引いてるし。

 

「そろそろいい時間ですし、解散にしますか?」

 

「そうだな。今日は来てくれてありがとうな。支払いは俺が済ませとく」

 

「良いんですか?それではお言葉に甘えさせてもらいます」

 

 葵さんはお礼を言っているが、俺はお金大丈夫ですか?とツッコミかけた。

 

「そういえば、連絡先を交換してなかったので、交換しときませんか」

 

「私ですか?私は柴葉さんがいいならぜひ!」

 

 連絡先を交換する時にチラッと見えたんだが、トーク履歴がミークと家族らしき名前しかなかったのが見えてしまった。という俺もスズカと家族以外の連絡先は持ってないが。

 

 その後、解散になった。今回もいい時間を過ごさせてもらったな。

 

 明日のトレーニングに備えて、早く帰ってゆっくりと休むとしよう。




文章書いてて、走る知識の無さに驚愕しました
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