トレーナーはウマ娘に夢を見る【完結】   作:Tmouris_

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タイトルが思いつかんかった……


第17話:乗り越えろ!怪我をしたサイレンススズカ!

 スズカに謝ろうと決意したのはいいけど、そもそもトレーニングに来てくれるだろうか……

 

「こんにちは……トレーナーさんいますか?」

 

 トレーナー室で待っているとスズカが来てくれた。怒って来てくれなかったらどうしようかと思ってた。

 

「ああ居るぞ、入っても大丈夫だ」

 

 スズカが入って来てから沈黙の時間が続く。やっぱり少し気まずい。いや、しっかりと謝るんだ。

 

「スズカ……昨日は悪かった!スズカは俺の期待に応えてくれようと頑張ったのに、怒るようなことをして」

 

「いえ……私も感情ばかり先行させて、勝手に走りすぎてしまってごめんなさい」

 

「俺もしっかり注意して見るが、スズカもいっぱい走りたい時は俺に言ってくれ。メニューも、それに合わせてできるだけ調整するから」

 

 俺もスズカのことを、24時間監視し続けられるわけじゃない。スズカが直接俺に言ってきてくれた方が確実だ。

 

「今回はお互い様って事でいいですよね」

 

「そうだな……これからはお互い気をつけよう」

 

 少し微笑みながらスズカがそう言う。その笑顔を見て俺も安心した。

 

「それでこれからの方針だが、弥生賞は出るか?これからしばらくは、足に負担がかかるハードなトレーニングは出来ないからな」

 

「私は弥生賞に出たいです……ダメかもしれないですけど、弥生賞も皐月賞も諦めたくありません!」

 

 スズカもまだやる気満々だ。だったら俺にも諦める理由はないな。治るのが間に合うか分からないが、弥生賞に向けてトレーニングしないとな。

 

「分かった、怪我がよくなるまではプールトレーニングと、上半身を鍛えるために筋トレ、そして走り方を忘れないように軽いジョギングを行なう」

 

「分かりました!今できる限りで頑張ります」

 

「とりあえず今日は、プールでトレーニングするから準備してプールに来てくれ」

 

ーーープールーーー

 

「それにしても、プールは久しぶりだな」

 

 最近は外での走り込みだったり、坂ダッシュばっかだったからな。中での練習となると中々新鮮な気持ちだ。

 

「いくら私たちが魅力的でもいやらしい目で見ちゃダメですよ」

 

「いや見ねえよ!てか、なんでセイウンスカイがここに居るんだよ!」

 

 ここで練習するなんて伝えてなかったんだがな、なんでいるのこの娘?

 

「たまたまトレーナーさんがプールに向かうのが見えたので、私も行こうかな〜って」

 

「『 私も行こうかな〜』じゃねえよ!トレーニングはどうしたんだトレーニングは」

 

「どうしたんですか?トレーナーさんそんなに大きな声出して。あら、スカイさんこんにちは」

 

 スズカも準備が終わったのかプールに合流した。

 

「スズカ聞いてくれよ。こいつまたトレーニングすっぽかして、俺らのトレーニングについて来たんだよ。そのうち俺が怒られちまう」

 

「いや〜将来の自分のトレーナーさんのトレーニングを受けておこうかな〜って、抜け出してきちゃいました」

 

「ちょっとトレーナーさん、どういうことですか?」

 

 そういえば、スズカにはセイウンスカイのことを話してなかったな。話そうと思ってスズカの方を見ると怖いくらい笑ってた。いや、笑ってはいるんだけど目が笑ってないんだよ。

 

「スズカさん聞いてなかったんですか?俺はお前を絶対離さないって、熱烈なスカウトを受けちゃったんですよ。さすがのセイちゃんも断れなくて」

 

 いや、近いことは言ったけど色々捏造しすぎじゃない?スズカからの視線が痛いんだけど。

 

「いや違うんだスズカ、決して俺はそんなことは」

 

「酷いですよトレーナーさん、あそこまで言っといてそれは」

 

 そんな事を言いながら、セイウンスカイが体をくっ付けてきた。いくら俺がトレーナーだと言っても、男なんだからやめて欲しい。嫌なわけじゃないけどね?

 

「今日のトレーニングはスカイさんも参加するんですよね」

 

「ああ、成り行きとはいえ、そういうことになる……」

 

「分かりました。じゃあ、スカイさん泳ぎましょうか」

 

「は〜い、よろしくお願いします」

 

 セイウンスカイを連れて、スズカがプールに入っていく。

 

 泳ぎ始めると、スズカが先にゴールする。その後セイウンスカイも泳ぎ終えて水から上がる。

 

「スズカさん速いですね。ちょっと休憩しますか?」

 

「もう一本行きましょう?」

 

 スズカのやつやる気満々だな。怪我をして落ち込んでると思ったが。

 

 もう1本泳ぎ始めた。またスズカが先にゴールする。

 

「スズカさん……さすがに休憩を」

 

「私の練習に付き合ってくれるんですよね?」

 

「はい……」

 

 さすがに次のもう一本終わったら止めよう。さっきの仕返しに、ちょっと苦しんでもらおう。

 

 プールから上がった2人の方に行くと、セイウンスカイが土下座している姿を見た。

 

「スズカさんお願いします。休憩しましょう。いや、させてください」

 

「スズカ、これ以上はお前に負担がかかる。1回休憩にしよう」

 

「分かりました。スカイさんまた泳ぎましょうね」

 

 2人を連れてとりあえず休憩することにする。そのついでに、スズカに昨日の経緯を説明した。セイウンスカイもさっきので懲りたのか、しっかりと説明してくれた。

 

「事情はわかりました。私もスカイさんがメンバーに入ることは反対じゃありません。ただ、そういうことはしっかりと私に相談してからしてください」

 

「大変申し訳ございませんでした」

 

「それに、日本ダービーに勝つなんて勝手な約束までしちゃって……」

 

「いや……スズカならダービーもきっと勝てるって信じてるから、つい」

 

 そうすると機嫌が治ったのか尻尾を振り始めた。セイウンスカイはこっちみてニヤニヤしてるし。

 

「ところで、2人とも私のこと呼ぶ時固くないですか?」

 

 たしかに、俺はフルネームで呼んでるし、スズカもさん付けで呼んでるから固いっちゃ固いかもな。

 

「じゃあ、なんて呼んだらいい?」

 

「気軽にセイちゃんとお呼びください!」

 

「そっか、よろしくなスカイ」

 

「よろしくお願いしますね、スカイ……ちゃん」

 

「セイちゃんって呼んでくれてもいいのに……」

 

 さすがにセイちゃんはキツい。スカイも呼びやすいしそれでいいだろう。

 

「まあ、当分は担当契約どころか、契約すら出来ないけどな」

 

「そこはお2人に頑張ってもらって」

 

「私も早く怪我が治るように頑張ります」

 

「無理はしすぎないようにな。焦りは禁物だ」

 

 早く治そうと焦って、怪我を悪化させたら元も子もない。

 

「スカイもまだ俺の担当じゃないんだから、教官のトレーニングにしっかりと参加すること」

 

「はーい、了解です」

 

「スズカも、トレーニング外でのランニングは控えてくれ」

 

「わかりました。我慢します」

 

 スズカもスカイもちゃんと理解してくれたようだ。スカイに関してはトレーニングをサボるくらいなら、こっちに顔を出して欲しいくらいだけど。

 

「それじゃあ、休憩は終了!また泳いできてくれ」

 

「行きましょうかスカイちゃん」

 

「えっと、お手やわらかにお願いしますね?え、無視しないでくださいよスズカさん。あれ、もしかしてまだ怒ってます?」

 

「ふふ、私は全然怒ったりしてないから安心して」

 

「待って、トレーナーさん助けて。助けてえええ!」

 

 スズカとスカイも仲良くやってるようだし、問題はなさそうだな。このままトレーニングを頑張ってもらおう。

 

 トレーニングが終わったあとに、スカイが死んだ魚のような目をしてダウンしてたので、話しかけることにした。

 

「おい、大丈夫かスカイ。生きてるかー」

 

「トレーナーさん……普段怒らない人って怒らせちゃダメなんですね……セイちゃん初めて知りました」

 

「それはなんというか、ご愁傷さま」

 

 結局あの後もスズカにしごかれてたしな……自業自得にしても可哀想に見えた。

 

「スズカとは仲良くやれそうか?」

 

「スズカさんも、私のこと嫌ったりしてるわけじゃないみたいだし、私もスズカさんのこと嫌いじゃないので、仲良くなれると思います」

 

「なら良かった」

 

 担当のウマ娘同士が仲悪くなるってのは割と最悪な状況だからな。

 

「俺のとこきたら練習はハードだから、しっかりと鍛えとくんだな」

 

「日本ダービー……勝ってくださいよね」

 

「もちろんだ、勝ってみせるさ」

 

 トレーニングも終わって時間も遅くなってきたな。

 

「スズカー片付けしたら、解散にしよう。今日もしっかりと休んで、明日のトレーニングに備えてくれ」

 

「スカイお前も帰ったらゆっくり休め。今日は疲れただろう」

 

「はーい」

 

 その後片付けを終えて解散となった。怪我がどのくらいで治りきるかが心配だけど、今はできることをしよう。




文章見ればバレるかもしれないけどセイウンスカイ大好きです
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