トレーナーはウマ娘に夢を見る【完結】   作:Tmouris_

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構成を立て文章書くのって難しいです。行き当たりばったりで書いてるせいで矛盾が凄かったり悪戦苦闘中です。


第4話:走れ!併走トレーニング!

 トレーニングを始めてから二週間近く経ちトレーニングは順調に進んでいた。今日はトレーニングからじゃなくてミーティングからだ。

 

「スズカ今日はお前に報告がある」

 

「どうしたんですか?改まって」

 

「お前のデビュー戦が決定した。来月の頭にある1600m芝のマイル走だ」

 

 中距離に出走しても良かったがまだ早い。まずはマイル走でレース経験を積みつつ、デビュー戦を確実に勝ちに行く。

 

「遂にデビュー戦ですか……」

 

 スズカを見ると少し心配そうな顔をしている。気のせいか少し耳が垂れてる気がする。

 

「走ることが好き過ぎて、レースのことしか考えてないと思ったけど、スズカも不安になるんだな」

 

「嘘でしょ……からかわないでくださいトレーナーさん」

 

 そんな冗談を言ってるとスズカが拗ねてしまった。冗談言ってる場合じゃないな。

 

「安心しろ、お前はジュニアクラスの中ではトップクラスの実力者だ。デビュー戦には特に気になるウマ娘もいない。勝てるさ」

 

「トレーナーさんがそこまで言うなら信じます。期待に応えられるようにトレーニング頑張りますね」

 

「盛り上がってるところ悪いんだが今日は長めのジョギングだ。明日に疲れが残らない程度のスピードで走って来てくれ」

 

「わかりました。外を走って来ようと思うんですけどその間トレーナーさんはどうするんですか?」

 

「俺はちょっと用があってな、それを済ませようと思う」

 

 スズカは確かに強い。だけどレースは基礎的な能力だけで勝敗が決まるものじゃない。他人がいる中で走るのと自分1人で走るのでは全然感覚も違ってくる。それを経験させてやりたいんだ。

 

「用ですか?なにかやることがあるんですね」

 

「ああ、併走トレーニングの相手を探そうと思ってな」

 

 併走トレーニングは根性も鍛えることができるだろう。レースでの体力ギリギリの極限状態で、いつも以上の実力を発揮するウマ娘もいるくらいだ。重要なトレーニングになる。それに、誰かと一緒に走ることで見えてくるものもあるだろうしな。

 

「とても、ありがたいんですけど。大丈夫ですか?トレーナーさんが他のウマ娘やトレーナーさんと関わっているところあまりみないですけど」

 

「ハハハ、大丈夫だよ友達がいない訳じゃないし。きっと大丈夫、多分……」

 

 でもしょうがないじゃん?だってスズカのトレーニング考えるのも大変だし、同期も少ないし。かと言って先輩に話かけるのは怖いし。

 

「それならいいんですけど。それじゃあ私は行ってきますね」

 

 そう言うとスズカはジョギングに向かっていった。それじゃあ、俺も用を果たすとしますか。ってあんなところにこんな時間に昼寝してるやつがいるな、サボりか?気になったのでちょっと話かけてみるか。

 

「セイウンスカイか……」

 

 近くに行くとその娘がセイウンスカイだと分かった。直接関わったことはないが、トレーナーの中では少し噂になってるトレーニングに出ずに教官を困らせてるサボり魔だとか。

 

「私になにか御用ですか〜」

 

「って起きてたのか」

 

「私がゆっくりお昼寝してるに、邪魔しようとする人がいるからじゃないですか」

 

「お前な……そんなこと言ってないでトレーニングぐらい出ろよ、このままじゃデビューどころかトレーナーさえ見つからないぞ」

 

「いや〜私はデビューは来年だし、トレーナーさんも一応候補がもういるんですよ?」

 

 あまり勝利に対しての欲がないのだろうか。いや、もうトレーナー候補がいるというのだからきっと実力はあるはずだ。それじゃあ他になにか理由が…………ああなるほどな。

 

「レース外で、しかもこんな早い段階から周りと駆け引きするのは賢くていいが、度合いを間違えると置いてかれるぞ。遅くなる前にトレーニングはしとくんだな」

 

 学園内にはライバルが多い。セイウンスカイは周りからサボり魔と噂され実力があるとは思われずマークもされていないだろう。それには大きなアドバンテージを得ることができるだろう。しかし、レースは楽して勝てるほど甘くない。

 

「へえ〜トレーナーさん面白いこと言うね、どうしてそう思うんですか?」

 

「今のセイウンスカイではそれで得られるアドバンテージを無駄にするトレーニング量の差がある。今でこそ実力は上だとしてもいずれ置いていかれるだろう。なんなら証明しよう、明日の放課後グラウンドに顔を出すといい。教官には許可を取っておこう」

 

「まあ、気が向いたらね〜」

 

 セイウンスカイのサボりは元々の性格もあるかもしれないが楽をして勝ちたいという考えが見え透いてる。しかし、それでは勝ち残れないのだ。

 

「じゃあ、俺は行くぞ。また明日な」

 

「じゃあね〜」

(でも、どうせやるなら負けたくないよね〜)

 

 そうして俺はまた併走トレーニング相手を探してグラウンドを彷徨いてると見覚えのある人影を見たので話しかけることにした。

 

「桐生院トレーナー」

 

「あっ柴葉トレーナー、どうしたんですか?」

 

「こんにちは」

 

 声をかけて近寄ってみると桐生院トレーナーの担当ウマ娘のハッピーミークも挨拶をしてくれた。ハッピーミークもデビュー戦近いはずだからきっとお互い良い刺激になるはずだ。

 

「実はスズカの併走トレーニングの相手を探してて、うちはチームじゃないから他のウマ娘と一緒に練習で走ることが少ないので是非ハッピーミークと走らせたいんです」

 

「トレーナー同士で協力!ハッピーミークもいい刺激になると思いますし、こちらこそお願いします」

 

「頑張ります」

 

 どうやら相手の方もやる気のようだ。なんか協力って時に目をキラキラさせてたけど、あれだろうか彼女もこちら側なのかもしれない。

 

 そんな話を2人でしていると。

 

 

「うーん、いい足だ流石名門桐生院出身の担当ウマ娘なだけはある」

 

 男性がハッピーミークの足をベッタリと触ってた。というか、この人試験の時あった……沖野トレーナーだ。

 

「%*-;&%✩.*˚!?」

 

 そんなこと考えてたら、ハッピーミークが声にならない叫び声を発して彼を蹴っ飛ばした。そして、更なる追撃が襲う。

 

「「「何やってんのこの変態!!」」」

 

 倒れてる沖野トレーナーを3人のウマ娘が踏みつける。流石に心配になり、俺と桐生院トレーナーで助けた。

 

「大丈夫ですか?」

 

「大丈夫大丈夫、慣れてるから」

 

 この学園は大丈夫だろうか。ウマ娘に蹴り慣れるってどうやるんだ。そもそもなんでこの人唐突にウマ娘の足触ちゃってるの。

 

「わざわざ悪いね、桐生院とたしか柴葉だったか」

 

「それにしてもトレーナー2人で集まってお前ら何してんだ」

 

 いや、こっちのセリフですよ本当になにしてんですかあんたは。でも、こんな人でも一応先輩トレーナーだ。もしかしたら何かしら助けてくれるかもしれない。そう思いことの経緯を説明した。

 

「なるほどな、併走トレーニングか」

 

「それならうちのスカーレットとウオッカを参加させていいか。こいつら最近ちょっと速くなったからってデビューさせろってうるさいんだよ。だからちょっと天狗の鼻を折ってやらないとな」

 

「何よトレーナー、トレーニングでなんで鼻を折るに繋がるのよ!」

 

「お前らは1度上には上がいるってことを認識するべきだ」

 

「というわけでコイツら参加はするが併走の時にコイツらを気にしてペースを落とす必要は無い。変わりにゴルシも参加させるから許してくんねえか」

 

 なるほど、チームの2人に自分の今の実力がどのくらいなのか再認識させたいわけか。それが出来るくらいうちのスズカが強いって評価してくれるのは嬉しい。

 

 てか、この人ゴルシって言った?ゴールドシップ?あのゴールドシップのトレーナーやってるってこの人凄い人なんだな多分

 

「何よ私が練習ですらついて行けないっていうの!」

「何だよ俺が練習にもついて行けないっていうのかよ」

 

「なんだ?面白そうな話してんな!私のゴルゴル星奥義その129を見せてやるよ!」

 

「まあ、それは明日のお楽しみってやつだ。5人での併走、しかも普段走らない奴らと走るんだいい経験になるだろう」

 

「あーすいません、併走するのは6人なんですよ。セイウンスカイも来ます」

 

 話に夢中でセイウンスカイのことを言うのを忘れていた。しかし、それを聞いたウオッカとスカーレットはあまり良い表情をしていない。

 

「彼女いつもトレーニングサボってるみたいだけど大丈夫なのかしら」

 

「そうだぜ、よくトレーニングをサボるって噂だ、そんなんで走れるのか?」

 

「いや、これは俺の個人的な事だから気にしないでくれ」

(セイウンスカイの走りを俺は見てみたいからな)

 

「それじゃあ、明日はよろしく頼むぜ後輩達」

 

 そう言うと沖野トレーナーは去っていった。その後桐生院トレーナーと俺も解散する流れとなった。スズカがそろそろ戻ってくるだろうから待つとしよう。

 

「スズカ、明日はお前を含めて6人も練習に付き合ってくれることになった。今日のトレーニングは終わりだから帰ってゆっくりやすんでくれ」

 

「ありがとうございます。トレーナーさん」

 

 そういえば、俺が人と関わっていないとかスズカは言ってたけどスズカが誰かと話してるのってあまりみないな。

 

「なぁ、スズカ。お前って友達いるのか」

 

 そう言ってスズカの方を見ると、明らかに落ち込んでいた。耳も垂れ下がっている。もしかして俺は地雷を踏んでしまったのかもしれない。

 

「友達はちゃんといますよ……?エアグルーヴも話しかけてくれますし、フクキタルも良く絡んできます」

 

 2人とも話しかけて来たり絡んできたりと、エアグルーヴに関してはスズカのこと気を使ってるんじゃないか?フクキタルは……1回見かけたが何を考えてるかわからなかった。

 

 スズカはきっとコミュニケーションを取るのがあまり上手くないんだろう。口下手そうだし。

 

「そうか、ならいいんだ。それじゃあ、また明日な」

 

 こうしてスズカとも別れて寮に戻った。明日は色んなウマ娘の走りが見られる。スズカが他人と走った時に走りにどんな影響を与えるのか気になるところだ。

 




最後まで読んでくれてありがとうございます!!
しっかりと続きも書きます多分………
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