トレーナーはウマ娘に夢を見る【完結】   作:Tmouris_

5 / 138
閲覧とお気に入り登録ありがとうございます!!
執筆してたらイベントのサポカ回収ギリギリになってしまった……


第5話:走れ!併走トレーニング! 1本目

 併走トレーニング当日。グラウンドには6人のウマ娘が集まった。それと俺を含めたトレーナー3人が彼女らを見守っている。

 

「いいか、今日のメニューは2000mの併走トレーニングを三本行う。スズカ、ゴールドシップ、ハッピーミークの3人を中心にペースを作ってもらう」

 

 残りの3人はこの練習に参加することに意味があると思っている。だから付いていくことだけを考えてもらおう。

 

「そして、ラストの300mは自由に走れ、1番を狙うのもいい。これでいいですよね、沖野先輩に桐生院トレーナー」

 

「ああ、問題ないぜ。頑張ってついていけよーお前らー」

 

「別に抜いちゃっても大丈夫なんでしょ?付いていくなんて言ってないで1番狙ってくわよ!」

 

「ああ!俺が1番でゴールするからお前は2番だろ!?」

 

 スカーレットとウオッカはやる気十分のようだ。ゴールドシップは……なんか1人で将棋やってるからわからん。

 

「ちょうどいい機会です。他の娘たちの走りを見て走って来てください。いつもと違う練習で新しい何かが見つかるかもしれません」

 

「分かった。頑張ります」

 

 桐生院トレーナーの方もやる気だ。

 

「どうだスズカ併走トレーニング楽しそうだろう」

 

「はい、いろんな娘と走れるいい機会です。頑張りたいと思います」

 

「みんな気合い入ってるね〜でも私はいつも通り行かせて貰うよ〜」

 

 スズカはやる気だしセイウンスカイは相変わらず読めないやつだ。

 

「沖野先輩今日はみんなの調子どうですか」

 

「ああ、みんな調子はいいぞ。けどゴルシ以外の2人は1本目付いて行ければ上等ってとこだな」

 

「それにしても桐生院のとこのミークは調子は良くも悪くもって感じか。セイウンスカイは全くよめねーし。全く面白いメンツを集めたもんだ」

 

「走るからにはうちのハッピーミークは負けません!」

 

「まあまあ、一応トレーニングなんですから熱くならなくても」

 

「やるからには勝ちてえよな」

 

 みんな戦う気満々って感じだよ。競るのはラスト300だけなの分かっているのだろうか。

 

「トレーニング始めるから位置についてくれー」

 

 今回の併走は2列で先頭からスズカ、ハッピーミーク、セイウンスカイ、スカーレット、ウオッカ、ゴルシの順番で行う。

 

 ゴルシは2番目か3番目辺りに入ってもらおうと思ってたけど、本人が1番後ろでいいと言うので1番後ろに着いてもらった。同じチームの2人を見守る為だと思ったが本人のやる気的にどうやらそういう訳でもないらしい。

 

「それじゃあ行くぞ。位置についてよーい……ドン!!」

 

 俺の合図で全員が同時にスタートした。

 

 併走トレーニングという事もあり最初は全員が固まって走っていく。スズカも練習の意図を汲み取ってか最初からペースを抑えて走っているが気持ち走りにくそうだ。

 

「誰が1番最初にゴールしますかね」

 

「私のハッピーミークが1番になります!!」

 

「まあ、順当に行けばスズカが勝つだろうな。順当に進めば」

 

 沖野先輩は少し含みのある言い方をしたが、実力的に見ればスズカかハッピーミーク。実力が未知数の大穴でゴルシといったところだろう。

 

「それってどういうことですか?」

 

 気になった桐生院トレーナーが沖野先輩に質問をしている。俺も気になっていたのでちょうどいい。

 

「お前らは担当がレースに出てる所を実際に見たことがないもんな。それなら、良いもんが見れると思うぜ」

 

 沖野先輩がそう言ってから800mを過ぎた辺りから列が崩れ始めた。

 

 相変わらずスズカとハッピーミークが先頭に並んでいて、スズカのすぐ後ろにセイウンスカイが着いている。しかし、ここに来て後続のスカーレット達が遅れ始めた。

 

「スタミナ切れですかね?」

 

「違う、スズカ達をよく見てみろ。明らかにペースが上がってんだろ」

 

 たしかにスズカ達のペースが明らかに上がっていた。スタミナが減って来たのもあるがスピードに付いて行けなくなったのか。

 

「なんでこの段階で急にペースを上げたんですかね?まだそんなタイミングじゃないですし……」

 

 スズカには併走トレーニングとしっかりと伝えたし、序盤の走りから見て練習の意図は汲み取ってる筈なんだがなぁ……

 

「本人はペースを上げてるつもりなんてねえだろうな。上げさせられてるんだよ。トレーニングだってのに随分トリッキーな走り方をするやつだな。負ける気はありませんってか?」

 

 沖野先輩は何が起こってるか理解してるようだ。

 

 そのまま併走は続き残り300m手前。ここからは各々のペースでゴールまで走りきる。

 

 1番最初に前に出たのはスズカだ。その後ろにくっついてハッピーミークがいる。セイウンスカイは加速が追いつかず少しずつ距離を離されていく。200mに差し掛かるとハッピーミークも距離を離され始めた。

 

「これは、スズカで決まりでしょ」

 

「それはどうかな、後ろをよく見てみろ」

 

 もう残り100mだ、流石にもう追い抜くことなんてできないだろ……そう思いスズカの後ろを見てみるとゴルシがいた。

 

「ゴルシ!?確かに1番後ろにいたはずなのに!」

 

 凄いスピードでゴルシがスズカに並ぶとそのまま追い抜いてゴールした。

 

「ゴルシはあの大きなストライドを活かした走りをするが故に加速に時間がかかる。だから今回みたいなトレーニングじゃ普通実力を発揮しないんだけど、どっかの担当が途中でスピード上げて突き放したもんだからな」

 

 突き放されて先頭に追いつくまでの間に加速が済んでラストにトップスピードに達したのか。ゴルシが1番後ろに着いた理由ってまさか……さすがにないよな。

 

「いえーい、ピスピース」

 

 当の本人はあの調子だし、謎だ本当に謎が多すぎる。

 

「スズカさん達速すぎるでしょ。付いてくことも出来ないなんて……」

 

「次は絶対追いつく!」

 

 スズカ達のペースが上がっていたと気づいてないあの二人は何やら燃えている。っと俺はスズカに何があったか聞かないと。途中から明らかに掛かってたからな。

 

「ハッピーミークよく付いて行けましたね。最後の加速も悪くありませんでした。次も頑張りましょう」

 

「次は頑張って追い越します」

 

 桐生院トレーナーはハッピーミークを褒めて激励しているが、ハッピーミークは何やらやるせない顔をしていた。っと俺はスズカに何があったか聞かないと。途中から明らかに掛かってたからな。

 

「スズカ、途中ペースが上がってたけどなにかあったか?」

 

「ペース上がってましたか?後ろからセイウンスカイさんが少し煽って来たのでムッとしてペースが上がっちゃったかもしれません」

 

 少し煽られたって……セイウンスカイの方を見ると、私なにかやっちゃいましたか〜?と言わんばかりに露骨にすっとぼけた顔をしてた。

 

(というか、ムッとしてペース上がっちゃったかもって。スズカは意外と短気な方なのか?これからの課題になるかもしれないな)

 

「まぁ、次は気をつけてくれ」

 

「はい、気をつけます」

 

「ところで最後のゴルシの追い込みどう思った」

 

「とても速かったです……抜かれた瞬間に先頭を奪われた瞬間、どうしたらいいのか困惑してしまって失速してしまいました……」

 

 スズカはあの中ならスピードなら誰にも負けないと思っていた。だからこそゴルシのラストのスピードには度肝を抜かれた。

 

「いいかスズカ、勝負は抜かれた瞬間終わりじゃない。ゴールした瞬間に終わるんだ。今すぐ対策はできないかもしれない、ただ諦めるな。ゴールするまで勝負はついてないんだからな」

 

「はい……!」

 

 と言っても俺も人のことを言えないな。ラスト100mの時点で俺はスズカの勝利を確信していた。レースについて知識としては知っていても全く理解出来てないんだな。自分の実力不足を再認識した。

 

「それじゃあ、ちょっとセイウンスカイの様子を見てくる。2本目に備えて休憩してくれ」

 

 そうして俺はセイウンスカイの方へ向かった。

 

 

「レース中に相手のペースを乱したりする戦略もあると話には聞いていたが実際に目にすると凄いもんだな」

 

「そうでしょうそうでしょう。もっと私のこと褒めてもいいんですよ?」

 

「ああ、お前はたしかに賢いやつだ。それでも負けは負けだ」

 

「いや〜みんな速いですね〜セイちゃんびっくりですよ」

(そんなの私が1番分かってますよ……)

 

「残り2本残ってるから盗める技術は盗んで、自分の課題を見つけてくれ」

 

「担当でもない私にそんなに肩入れしちゃって大丈夫なんですか?セイちゃんもっと強くなっちゃいますよ?」

 

「俺はトレーナーだ才能あるウマ娘を燻らせることなんてできるか」

 

 今でこそトレーニングのサボりすぎではいるが、セイウンスカイの伸び代は大きいと思う。

 

「そういう不意打ちってズルいですよ……」

 

「それじゃ、休憩して2本目に備えてくれ」

 

「は〜い」

 

 セイウンスカイは最後こそちぎられてしまったが、抑えたと言ってもペースアップしたスズカに付いていってた。スタミナは中々のものだろう。将来的には長距離も目指せるだろうが、それ以外に足りないものがまだ多い。

 

「自分で発破かけておいてあれだけど、将来が恐ろしいな」

 

 ボソッと口に出てしまったが、誰も聞いてないだろ。2本目が始まる前にスズカのところに戻るとしよう。その途中で沖野先輩に話しかけられた。

 

「な?いいもんが見れただろう」

 

「ゴルシのあのスピードには度肝抜かれましたよ」

 

「それもそうだが、レースにはウマ娘同士の駆け引きがある。そして何よりレースってのは何があるかわからない」

 

「先輩の言う通りです……レースを分かったつもりでいた自分が恥ずかしいですよ」

 

 セイウンスカイの煽りそれ単体ならスズカの勝利は揺るがなかっただろう。しかし、ゴルシの走りがそれに噛み合って最後に追い抜いた。トレーニングでこれだけのことが起こるんだからレース本番何が起こるか分かったもんじゃない。

 

「それじゃあ、俺はスズカのところに戻ります」

 

 課題はまだまだ山積みだな。




知識が無さすぎて元々内容の薄い文章がレース中に更に薄くなってしまいます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。