トレーナーはウマ娘に夢を見る【完結】   作:Tmouris_

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マンハッタンカフェとカフェを開いて入店してくるウマ娘達の愚痴を聞きたい人生だった。


第64話:ソエ発症!気分転換のお出かけ!

 レースが終わって、みんなを寮に送り届けた後にスカイと一緒に病院に訪れていた。結果はやっぱりソエによるものだったようだ。覚悟はしていたけど、いざ言われてみるときついな……

 

「なになに〜?トレーナーさん私のこと心配してくれてるんだ」

 

「そりゃ、当たり前だろうが。お前は俺の担当バだぞ」

 

 スカイの怪我の原因は、トレーナーと当の本人のお互いが悪いっちゃ悪いんだけどな。なによりもこの怪我は気が付きにくいし、スカイも初めてな怪我で心配にもなる。

 

「それじゃあ〜私を励ますために明日お出かけしませんか?」

 

「お出かけって……お前意外と傷ついてないだろ……」

 

「この怪我はサボり魔なんて言われてた私とお別れをした証拠です!怖いもんじゃないです!」

 

 そう言うスカイの手は少し震えていた。ほぼ言っている通りなんだろうけど、やっぱり怖いもんは怖いんだよな。スカイは初めての怪我だし、スズカの二の舞にしてしまうわけにはいかない。

 

「そうだな〜それじゃあ明日近くのショッピングモール行くかー」

 

「それで〜?誰を誘うんですか?」

 

「いや?お前と俺だけだぞ?」

 

 誰かを誘うって考えはなかったな、元々チームメンバー1人1人との時間を取る予定だった……いや取らされる予定だったからな。俺の返答に呆気に取られて唖然としていたが、少しするといつものスカイに戻っていた。

 

「へ〜トレーナーさんよくわかってるじゃないですか。好感度アップですピロピロピロリーン」

 

「好感度とかあるの!?ついでに今はどのくらい?」

 

「秘密です!」

 

 スカイは下らないやり取りができるくらいには落ち着いてきたようだった。手の震えは収まってるし、表情の硬さも取れて尻尾もゆらゆらと揺らしている。それにしても、好感度の換算なんてされてるんだなんて初めて知ったんだけど。大丈夫?マイナスだったりしない?

 

「それじゃあ、明日は学園前に集合ということで」

 

「遅刻しないできてくれよー」

 

「さすがに遅れたりしないですよ〜」

 

 ーーー翌日ーーー

 

 結構適当な格好で来ちゃったけど大丈夫だろうか……なんかおしゃれとかしたほうがよかったかな、こういうおしゃれな服とか着るの慣れてないんだよな。

 

「トレーナーさんお待たせしました〜」

 

 スカイは黄緑と白をベースとしたワンピースで……可愛かった。いつもはフワフワ系なのに今回は清楚のカワイイ系といいますか。つい見入ってしまった。

 

「なんですかトレーナーさん?見とれちゃいました?」

 

「いや〜魅入っちまって唖然としてた」

 

「へ〜私に魅了されちゃってたんですね〜」

 

「あぁ可愛かった」

 

「トレーナーさんは私の冗談を流す能力をつけるべきだと思います!」

 

 スカイに魅入っていたのは本当のことで、実際に可愛いと思ったんだから冗談とかそういうのはなかったと思ったんだけどな。

 

「とりあえずはなんか買うか〜スカイは欲しいものとかあったりするか?」

 

「練習用の靴とか欲しいかなー。ランニングウェアーとかはまだ余ってるので」

 

 俺も何を買おうか考えとかないとな。せっかくここまできたんだからプレゼント無しじゃ寂しいだろうし。スカイも年頃の少女だから下手な物を買うわけにもいかないし。

 

「それじゃあ、靴屋に行くかー」

 

 俺はスカイを連れて近くにあった靴屋に入って、スカイに合うトレーニングシューズを探すことになった。サイズに関しては問題はないだろうけど、ファッションのほうはよく分からない。

 

「スカイはどういうシューズが好きなんだ?」

 

「うーん、私は黄緑と白と青が入ってるやつとか好きですよ」

 

 スカイが選んだのは結構可愛いらしいデザインのシューズだった。トレーニングシューズだからもっと地味な物を選ぶと思っていたんだけど、割と各々がトレーニンググッズにこだわりを持って物選びをしているっぽい。

 

「スカイによく似合ってんじゃないか」

 

「そうでしょうそうでしょう!セイちゃんはファッションセンスもいいんです!」

 

 スカイのファッションは自分を活かしつつも、まとまっている感じがしている。少しキューティーなところはあるのに幼く見えないのはなぜなのだろうか。

 

「勝負服の制作依頼もそろそろ出さないと行けないし、その辺もこだわりどころがあったら考えといてな」

 

「は〜い」

 

 話をしてる間にスカイは自分の買うシューズを選び終わって、レジの方で購入を済ませようとしていた。俺はすかさずスカイの横に割って入って財布を取り出す。

 

「俺が今回は払うよ」

 

「いや流石に悪いですよ。自分で使うものだし自分で買いますって」

 

 俺の提案を断るスカイを見て俺は驚愕した。スカイが人から奢られることを断っただと……まさか怪我のことを引きずっていてまだ全然元気じゃないのか。

 

「いやトレーナーさん、言いたいことは顔を見ればよーくわかりますけどね……でも、この金額のものを買ってもらうっていうのはセイちゃん的にも〜……」

 

 スカイが買おうとしているシューズの値段は5桁あるからさすがに申し訳ないと思ったのか。トレーナーって言うのは給料も高いし、去年の間にスズカとキングが活躍してくれたおかげでその分色々と貰っているから経済的な余裕がある。

 

「遠慮しなくてもいいぞ。元々お前を励ますためのお出かけだろ?たまにはこんくらい買ってやる。それに、トレーニングシューズはトレーニングに関わる物だし別にいいよ」

 

「それじゃあお言葉に甘えて買ってもらおっかな〜大切にしますね」

 

 そのままスカイのシューズを買って渡すと、スカイは嬉しそうにシューズを抱き抱えていた。

「あとはその辺ぶらぶらしながら欲しいものさがすか」

 

 俺とスカイはショッピングモールをあらかた回り終わった。ここから先はどこに行くか考えてなかったんだよな。お食事とかに連れていけばいいのかな?

 

「スカイはどこか他に行きたいところあるか?」

 

「う〜ん、今日の天候を見るとお昼寝日和……学園に戻りましょう」

 

 2人で一緒に学園に戻ったが、そこは俺とスカイが初めて出会った場所だった。怠惰なスカイを叩き起すのには苦労した。あの時のスカイは楽して勝ちたいという気持ちがあってトレーニングをさぼっていることが多かった

 

「それで?俺は何故ここに連れてこられたのかな?」

 

「そんなのお昼寝日和するからに決まってんじゃないですか」

 

 お昼寝?どこかしら遊びまわるのかと思ったけど、学園に戻って来てグラウンド付近でお昼寝とは。スカイらしいって言えばスカイらしいんだけど、外でお昼寝なんてずいぶんしてないからなんだか落ち着かない。

 

「本当に昼寝でいいのか……ってもう寝てるし!」

 

 スカイの寝顔はいつものフワフワしているような感じを少し残しながらもどこか穏やかに感じた。昼寝のプロって言うか、本当に気持ちよさそうに昼寝するな。何故かウマ娘は基本的にビジュアルが良いとされている。それはスカイも同じで、いつものはしゃいでるスカイとはまた違った可愛さがある。

 

「いや~俺の担当バはかわいいな~」

 

(いやいやいや、トレーナーさん!?私まだ起きてるし全部丸聞こえなんですけど!)

 

 スカイが顔を真っ赤にするころには既にトレーナーは横になって眠りに入っていた。スカイもそのあとすぐに眠りについて二人で夕方近くまでお昼寝タイムに突入した。柴葉は浅い眠りに入りながらも、ショッピングモールで買ったプレゼントを渡すのを忘れていたことを思い出した。まぁ、起きてから渡せばいいだろう。

 

 俺が目を覚ました時に、スカイはまだ眠っていた。起こそうと手を伸ばそうとしたところで、スカイの鼻に蝶が止まってスカイが目を覚ました。一度体を伸ばしてから目をごしごしとこすってからスカイが再起動した。

 

「いや~よく眠れましたねトレーナーさん」

 

「あぁ、トレーナーになってから昼寝をする機会なんてなかったからな……外でこんなにぐっすり眠れると思わなかったよ」

 

 年末年始で色々とごたごたしていたし、スカイのデビュー戦もあったから最近ずっと忙しかったから何もせずにこうやってぐっすり昼寝したのは久しぶりだ。時計を見ると五時を過ぎていてそろそろ門限の時間も近かった。

 

「もうこんな時間か~そろそろ寮に帰らないと門限すぎちゃうかも」

 

「そうだ、帰る前にスカイに渡しておきたい物があるんだ」

 

「なんですかなんですか?プレゼントですか?」

 

 昼間ショッピングモールで買っておいたプレゼントをポケットの中から取り出す。そんなに高くないヘアピンを買うことにした。ヘアピンなら例え好みに合わなくても処分に困らないし、値段的にも負い目を感じることもないだろうしな。

 

「今あけちゃってもいいですけ?」

 

「別にいいぞ、大したものじゃないからあんまり期待するなよ」

 

 そういうと、スカイは嬉しそうに袋の中からヘアピンを取り出した。ヘアピンを手に取ってスカイハそれをじっくりと観察していた。大丈夫か?好みに合わなかったかな……

 

「トレーナーさん!ありがとうございます。大事にしますね」

 

「喜んでもらえたならよかったよ」

 

 よろこんでもらえたのはよかったんだけど、なんでそんなにヘアピンを観察しているんですかスカイさん。尻尾を揺らして喜んでいるのはよくわかるんだけど、なぜ疑問そうな目でヘアピンを見ているの?

 

「それにしても、なんでこの花のヘアピンなんですか?」

 

 俺が渡したのは黄色の花……そう菊の花のヘアピンをプレゼントした。たまたま目についただけなんだけど、見た瞬間にスカイに似合いそうだな~って思って手に取ってそのまま購入することにした。

 

「ほら、クラシックでスカイが一番輝くのは多分菊花賞だろ?菊花賞と言えば菊の花だ。だから菊の花のヘアピンをプレゼントしようかと」

 

「ぶっぶ~トレーナーさんこれ菊の花じゃなくてたんぽぽのヘアピンですよ~?間違えちゃったんですか?」

 

 え?これ菊の花じゃないの?菊の花のヘアピンと商品明記はされていなかったし、素人目からしたら菊の花だとばかり思っていた。まさか菊の花じゃなくてたんぽぽだとは……もっとしっかりと見てから買えばよかった。

 

「ごめん!てっきり俺は菊の花だとばかり思っていて……あれならまた今度プレゼントし直すから返してもいいぞ?」

 

「う~ん、一応トレーナーさんからの初めてのプレゼントなのでこれは私がもらっておきます。次はしっかりと菊の花のヘアピンをプレゼントしてくださいね?」

 

「もちろん!次は絶対に間違えないよ……多分」

 

 俺たちがそんなやり取りをしていると時間はさらに進んで門限の時間がさらに近づいていた。これ以上長話をしているとスカイが門限に遅れて俺も怒られることになるからそろそろ帰らないとな。

 

「そろそろいい時間だしここらで解散しようか」

 

「そうですね~今日はありがとうございました。少し元気出ました」

 

 スカイは満面な笑みで手を振りながら寮の方に帰っていった。スカイが元気を取り戻せてよかった、去年のスズカみたいに自分を追い込みすぎて傷ついてしまうんじゃないかと心配していたが問題はなさそうだ。弥生賞に向けてスカイのトレーニングメニューも組み直さないとな。スカイだけじゃない、キングも弥生賞でスカイと初めてぶつかり合う、だからしっかりとトレーニングメニューを考えておかないとな。

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  • サイレンススズカ
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  • キングヘイロー
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