トレーナーはウマ娘に夢を見る【完結】   作:Tmouris_

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たまたまこの時間帯に完成したので投稿しましたー。


第67話:準備!もう一つのバレンタインステークス!

「これってどうすればいいんですの?」

 

「チョコは鍋に入れて火であぶって溶かすんだよ」

 

「チョコってこのくらい粉々にすればいいのかしら」

 

「嘘でしょ……」

 

 私たちは今バレンタインの準備をするために同室に集まったんだけど、スカイちゃんはマックイーンちゃんをからかって遊んでいる。マックイーンちゃんもマックイーンちゃんでスカイちゃんのいう事をそのまま聞きそうになるし、キングちゃんはチョコを細かく刻んでって頼んだら木っ端みじんにしちゃうしどうしたらいいの……

 

「みんな一回落ち着いて!?」

 

 とりあえず一回みんなの作業を中止してテーブルを囲むことにした。このまま続けていたら何が起こるかわからないし、何よりも収拾がつかなくなっちゃう……スカイちゃんと私がチョコ作りができるって理由からみんなでバレンタインデーの準備することになったのはいいんだけど、スカイちゃんがマックイーンちゃんで遊んでいるせいで収拾がつかない。

 

「スカイちゃん?これ以上マックイーンちゃんからかっちゃだめよ?」

 

「え~マックイーンちゃんがあれもこれも素直に聞いてくれて、本当のこと言った時の反応が面白いのに……」

 

「スカイさんそんなことしていましたの!?」

 

「スカイちゃん?」

 

「ハイ」

 

「だめよ?」

 

「はい……」

 

 スカイちゃんはこれで進捗に影響が出るほどマックイーンちゃんの事をからかうことはないとは思うんだけど……キングちゃんは真面目にやってるし、細かく切るチョコを粉々にしただけだから後はチョコを溶かすだけだから大丈夫なはず……

 

「次は細かく刻んだチョコレートを湯煎にかけて溶かしましょう」

 

「湯煎って何をするのかしらスズカさん……こういったことは本当に何も知らなくって」

 

 湯煎なんてお菓子作りでもしてないと滅多に聞かない単語だし、そこは問題ないんだけど……流石にお湯位沸かせるよね?マックイーンちゃんとキングちゃんを見ているとそれすらできないんじゃないかって不安になってしまう。

 

「キングちゃん」

 

「何かしら」

 

「お湯って沸かせる?」

 

「スズカさん……流石にそれは私も傷つくわ……」

 

 そうよね、お湯を沸かすことくらい寮生活でもするものね。私も心配しすぎたみたい。スカイちゃんとマックイーンちゃんの二人も湯煎の準備をするためにお湯を沸かしてるし問題ないよね。その直後にマックイーンちゃんたちの方から叫び声が聞こえた。

 

「くっそあっちいですわぁぁ!」

 

「どうしてマックイーンちゃんお湯沸かすだけでそんな簡単に火傷できるの!?」

 

 どうやらお湯を沸かしている途中でマックイーンちゃんが軽いやけどをしてしまったみたいで水道で手を冷やしてた。水をやかんに入れて火にかけてボウルに入れるだけのはずなんだけど……一体どこの過程でやけどをしちゃったんだろう。

 

「キングちゃん……大丈夫?」

 

「大丈夫です!」

 

 一応様子を見ながらキングちゃんにお湯を沸かしてもらった。マックイーンちゃんとは違って特別何か起こることもなく無事に沸かすことができてよかった。普通はこれが正しいんだろうけど……

 

「あとはお湯の入ったボウルの上にもう一個砕いたチョコを入れたボウルを乗っけて、ドロドロになるまでヘラで混ぜるの」

 

「わっわかったわ」

 

 キングちゃんは慎重にボウルを机に固定してからチョコを湯煎し始めた。この調子なら何事もなく作業も終わりそうで安心していた。その直後にもう一度スカイちゃんたちの方から悲鳴を聞くことになったのだけど……

 

「くっそあちいですわぁぁ!」

 

「マックイーンちゃんそれさっきも聞いた!中にお湯が入ってるんだから思いっきりボウル押し込んじゃダメじゃん!」

 

 油断してないで一応はしっかり見ておこうかな。というかキングちゃんは知識がないだけでそこまで不器用ってわけじゃないから問題はなさそう。マックイーンちゃんは知識もないし、なによりも……不器用な娘だったのね。

 

「スズカさんしっかりと溶かせました」

 

「それじゃあ、あとはこれを型に流し込んで固めるだけね。ここに温めた生クリームとか入れて生チョコなんていうのもできるけど、今日は簡単に手作りチョコレート。生チョコとか興味があったらネットで少し調べれば簡単に作れるだろうし、もしよかったら試してみてもいいかも」

 

「意外とチョコレート作りって簡単なのね」

 

 確かに今回のチョコレート作りは初心者でもできるように溶かして固めるだけだしね。他にも色々と作り方とかもあるけど、そういうのは私も作れないしキングちゃん……マックイーンちゃんにやらせたら何が起こるかわからないし。

 

「確かに簡単だけど、こういうのって手作りっていうことに意味があると思わない?」

 

「一理ありますわね……市販のものを買って渡すよりもこちら側も感謝を伝えられてる気分になります」

 

 私たちの方は方にはめ終わって冷蔵庫の中に入れたから少し一休みすることにした。マックイーンちゃんの方は大丈夫か心配で少し覗いてみると、マックイーンちゃんが型にはめたチョコレートをつまみ食いする決定的瞬間を目撃してしまった。

 

「熱いですわ……」

 

「マックイーンちゃんつまみ食いしたらダメじゃん……」

 

 最初はスカイちゃんがマックイーンちゃんをからかって大変な事になってたけど、後半はマックイーンちゃんのお世話が大変すぎてスカイちゃんが珍しくマックイーンちゃんにツッコミをいれてた。キングちゃんの方は特別苦労はしなかったからよかった。

 

「そういえば~みんなでこうして集まってバレンタインの準備してるんだから渡す相手も決まってるよね~」

 

 片付けも一通り終わって完成したチョコレートを食べながら雑談をしているとスカイちゃんがそんなことを言い始めた。バレンタインの準備のためというのは聞いてたけどみんなが誰に渡すかは聞いてなかった。スカイちゃんなんかは友達いっぱいいそうだし、みんなに配って回るのかな?

 

「私は同室のウララさんに渡したり、スカイさんやスペシャルウィークさんとか同級生に渡すくらいかしら。日ごろのお礼も兼ねてトレーナーさんにも渡す予定だけど」

 

 そういえばキングちゃんはスカイちゃんと同級生だしスペちゃんとも同級生だったわね。よくスペちゃんがキングちゃんがーとかエルちゃんがーとか仲のいい5人のお話を良く聞かせてくれるし。

 

「私はテイオーとトレーナーさんくらいですわ。私がチョコレートを作ったなんて知ったらテイオー驚くに違いありませんわ!」

 

「あれれ~セイちゃんにはくれないのー?」

 

「スカイさんは今こうやって一緒に食べてるじゃありませんの……」

 

「私は個人的にマックイーンちゃんにあげようと思ってたのに……私だけだったんだね」

 

「ちょっとスカイさん!?ちゃんと作ります!ちょっとしたサプライズですわ!」

 

 スカイちゃん落ち込んでるように見せてたけど、マックイーンちゃんが困惑し始めたあたりからニヤニヤが抑えられてないわ……マックイーンちゃんもそんな大勢に送るわけじゃないのね。一人で大勢分作ってたら大変なことになりそうだし少し安心しちゃった。

 

「そして~スズカさんは誰に送るんですか~?」

 

「私はエアグルーヴとかフクキタルかしら。みんなと一緒で友達に配ってトレーナーさんに渡すくらいかしら。同室のスペちゃんにはもちろん送るつもりではいるけど……」

 

 スペちゃんなんかは多分私に何かしら渡してくれるだろうし、私自身もスペちゃんになにか送りたいから。トレーナーさんには日ごろからお世話になっているから贈らないわけにはいかない。

 

「スカイちゃんは誰に渡す予定なの?」

 

「私はキングちゃんと似たような感じですよ?」

 

 スカイちゃんはキングちゃんと同級生だから渡す相手も必然的にかぶっちゃうよね。マックイーンちゃんに渡したり細かいところは違うかもしれないけど大体は似た感じなのかな。

 

「でも~みんなトレーナーさんにはお世話になってるから渡すんだよね?」

 

「そうね……トレーナーさんにはとってもとってもお世話になってるから」

 

「私も同じね。せっかくのいい機会なのだから贈らない理由はないわ」

 

「そうですわね」

 

 みんながみんなトレーナーさんには返せない程の恩を持ってるんだもの。少しでも返せる機会があるなら返していきたいと思ってる。キングちゃんやスカイちゃんなんかはトレーナーさんに救われたと言っても過言でもないんだから。

 

「それならさ~その役目私に譲ってもらえないかな?みんな別々に渡すとトレーナーさんもお返しを考えるの大変でしょ?」

 

「「いやですわ」」

 

 スカイちゃんの発言にキングちゃんとマックイーンちゃんはすぐに拒否した。スカイちゃんのいう事ももっともだけど、なぜだか私もそれは嫌だった。トレーナーさんには自分で渡したいと思ったから。

 

「でも、私何かおかしいこと言ったかな~」

 

「スカイさん?それ以上そこに触れるのはタブーじゃない?」

 

「冗談だって!冗談だからそんなに怒らないでよキングちゃん!」

 

 結局はトレーナーさんにはみんなが別々にバレンタインデーに贈り物をすることになった。それにしても、なんで私はトレーナーさんには自分が直接渡したいだなんて思ったんだろう……。

 

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