トレーナーはウマ娘に夢を見る【完結】   作:Tmouris_

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第72話:実践!新トレーニング!

「とりあえず今日はスカイとマックイーン2人のトレーニングを見るけど問題ないか?」

 

「私は問題はないですよ?」

 

「私も大丈夫よ」

 

 とりあえずキングとスズカは大丈夫そうだ。2人はしっかりものだし、トレーニング内容をしっかりと見て理解できるだろう。トレーニング自体は特別難しい内容ではないからな。

 

「というわけでスカイとマックイーン準備はいいか?」

 

「私は問題ありませんわ!」

 

「私も大丈夫ですよ〜」

 

 スカイはいつも通りだけど、マックイーンが気持ちいつもよりやる気を感じるのは気のせいだろうか?いつも弄ってくるスカイに一矢報いてやろうとでも考えているのか。

 

「じゃあまずはスカイが球を投げてそれをマックイーンが取りに行ってくれ」

 

「それじゃあいくよマックイーンちゃんッ!!」

 

 最初から全力投球!?投げたスカイはニヤニヤと走るマックイーンを眺めている。1本目だからって流石にやりすぎだろ……さすがにマックイーンも取れな……って取ってる!?なんて綺麗なスライディングキャッチ。

 

「えっ……?マックイーンちゃん?」

 

 投げたスカイも唖然としてるし。なんでマックイーンがそんな高クオリティのスライディングキャッチができるんだ?あのレベル最近初めて到達できるレベルじゃないぞ?

 

「次は私の番ですわねスカイさん……行きますわよっ!!」

 

 マックイーンもスカイが全力投球してきたことには気付いていたようで、まるでお返しするかの如くの全力投球。だがしかし、スカイとは全く違う美しいフォーム。球の速度も飛距離もスカイよりも格段に上だった。

 

「ちょっとマックイーンちゃんそれは聞いてないよぉぉおおお!」

 

 スカイは絶叫しながらも何とか球に追いついてキャッチしていた。なんという闘争心……マックイーンよりは先に落とさないという鋼の意思と鉄のような強さを感じる。

 

「ハァハァ……次は私の番だねマックイーンちゃん」

 

 スカイはニヤニヤとしながら球を構える。待ったスカイやめておいた方がいいんじゃないか?そこからは地獄だぞ……

 

「ほらマックイーンちゃん取ってこぉぉぉぉおおおい!!」

 

「絶対落としませんわぁぁぁあ!」

 

 なんかこいつら1周回って楽しそうだな。一応はかなり負荷がかかるトレーニングのはずなんだけどな……さっきから叫んで全力でトレーニングに励んでいる。

 

(前々から思ってたけどトレーニングする相手っていうのも大事だよな)

 

「落としてしまいました……」

 

「ほらマックイーンちゃんさっきみたいに全力投球しなよ」

 

 そう言いながらスカイはマックイーンに球を渡した。さっきと違って腕立てのペナルティを背負っているマックイーン。さすがにさっきまでみたいに全力投球することはできないよな。

 

「こうなったらやけくそですわ!」

 

「ちょっとマックイーンちゃん本気!?」

 

 まさかのマックイーンの全力投球に呆気に取られたスカイはスタートが出遅れてしまって球に追いつけそうになかった。

 

「一矢報いてやりましたわ……」

 

「マックイーンは喋ってないで腕立てしろ腕立て」

 

 走って疲れてるせいもあってマックイーンもひぃひぃ言いながら腕立てをしていた。球を落としたスカイがそれを拾って戻って来るまで腕立ては続くんだけど、これはマックイーンの自業自得なので何も言えなかった。

 

 その後もスカイとマックイーンの全力投球は続いた。投げて取って落として腕立てをして2人はへとへとになっていた。スカイよりも先にマックイーンがダウンすると思っていたんだけど、いかんせんマックイーンの投擲距離が長いもんだからスカイもへとへとになっていた。

 

「私の方が取り逃した数は少なかったですわ」

 

「いや~セイちゃんの方が少なかったと思うなぁ」

 

「「どっちの方が少なかった?トレーナーさん!」」

 

 そんなにしっかりとカウントしてなかったんだけどな……ぶっちゃけ後半の方は2人ともへとへとになって拾い逃しも多かったし。気持ちマックイーンの方が少なかった気はするんだけど、2人の視線が怖い。ここは無難な回答を……

 

「大体同じくらいだったと思うぞ?そんなことよりしっかり休憩して次に備えてくれ」

 

「えぇ!これまだやるの!?」

 

「そんなの私聞いてませんわ!」

 

 本当は一本目から過度な負荷がかかる予定はなかったからな。お前たちが勝手にヒートアップしてあんな全力投球するから……罰ゲームの腕立て伏せの時間だってどんどん伸びていくし。その割には2人とも投球の力を抑えようともしないし。ストイックなんだかただのバ鹿なんだか……

 

「ほら、体冷やさないようにジャージ着てドリンクも飲んで!」

 

 2本目からは2人とも加減を覚えたのか投擲距離が短くなっていた。それでも2人ともしっかりと全力で走ってくれるから助かる。本来はこのくらいを想定していたんだけど2人とも無茶するから……結局その翌日からのトレーニングでも1本目はかなりの強度の高い練習をしているようだ。

 

 

ーーー翌日ーーー

 

「っというわけで本日はキングとスズカのトレーニングに付き添う」

 

「どういうわけなのよ……」

 

 とりあえずトレーニングメニューの再確認と昨日のトレーニングの様子だけは聞いておくか。昨日のトレーニング終わりに少しだけキングがナイーブな感じになっていた気がするし……スズカさんあなた何かしたんじゃないだろうな?

 

「トレーニングメニューは1000mトラックを一周ダッシュしてから200mのジョギングをしてそこからさらにトラックを一周の繰り返しのインターバルトレーニングだけどここまでは問題ないな?」

 

「問題ないですね。昨日もその通りにトレーニングしましたよ?」

 

「確かにここまでは特に問題ないわね」

 

 トレーニングの方はうまく進行していたらしい。特別に難しいことをしているわけではないし失敗することもないとはわかっていたが。しっかりと確認できたので安心した。

 

「それを5本終わるごとにしっかりと休憩をはさんで」

 

「ちょっとまってトレーナーさん。それは分かってるのよ。分かってるんだけどなぜかそこもうまくいかないの」

 

「それってどういうこと?」

 

 休憩がうまくいかないってどういうこと?インターバルトレーニングのほうが上手く進行しなくてグダってしまったとかならまだわかるんだけど、休憩がうまくいかない?200mのジョギングを挟むから回数も分かりやすいように5本で区切ったんだけどなぁ……

 

「スズカさんがどうしても5本目終わった後に6本目に入っちゃうのよ!それを止めるために私も走らなきゃいけないし!」

 

「私も意識はしていたんですけど気がついたら走っていて」

 

 なるほど……もしかして今のスズカにはこのトレーニング量じゃ足りていないのかもしれない。5本目が終わって6本目に自然と入ってしまうということは、まだまだスズカに余力が残っているということだ。自分の担当ながらも最近のスズカの成長速度は末恐ろしいな……

 

「とりあえずスズカは一回のインターバルの本数を3本だけ増やそう。もしそれで足りないようならペースをさらに上げることを意識して走ってくれ」

 

「わかりました!」

 

 本数を増やされて喜ぶなんてスカイとかと比べると考えられないな。スカイなんかは一応色々言いながらもこなしてはくれるんだけどね……スズカは自分から積極的に走りたがるからな。トレーニングにストイックと言うよりかはシンプルに走るのが大好きだからなスズカは。

 

「それで?他にも何か問題があるのか?」

 

「インターバルトレーニングが終わった後の周回遅れした分のランニング……スズカさんのインターバル中の200mのジョギングのスピードが速くて距離が増えるんですわ!気分転換に外周を走ることにしたらスズカさんが気づいたら居なくなって、それを探すのにどれだけ走ったか……」

 

 外周のランニングの時は一応グラウンドに戻ってくるんだけどな。もしかしていつもランニングの時間が長いのって、本人が無自覚の間に迷子になって無自覚の内に帰って来るからなのでは?トレーニング後のランニングはダウンのためのジョギング程度に考えていたんだけどな……

 

「トレーニング後のランニングは5kmで固定にしよう。スズカもそれでいいな?」

 

「わかりました」

 

「とりあえず、今言った感じでトレーニングを進めていこう」

 

 俺とスズカの会話を聞いてキングもほっとしていた。スズカもここまでトレーニングの調整と圧力をかけて置けば流石に暴走することはないだろう……ないよな?

 

「それじゃあ、さっそくトレーニング始めて行くぞ」

 

「「はい!」」

 

 まずは1本目。スズカもキングもさすがのスピードだ。キングは元々スピードに関してはかなり磨きがかかっていたのに加えて、スタミナも伸びたおかげでそのスピードを今まで以上に有効活用できている。スズカに関しては凄いの一言に尽きるな……フォームも綺麗だしスピードもかなりのハイペース。それでいてペースが乱れることもない。

 

 2本目3本目も順調にトレーニングは進んでいく。1セット目は無事に終了してキングは先に休憩に入った。スズカは今8本目のラストに入ったが、スズカの顔にも疲れの色が出ていた。5本目あたりまでは涼しい顔をして走っていたのにここまでくると厳しいか。これ以上の本数にするとダレて2セット目と3セット目が上手く回らなくなりそうだ。

 

「スズカもお疲れさま、2セット目に入るまでしっかりと体を休めてくれ」

 

「トレーナーさんから見て今の私はどうかしら?スカイさんにも対抗できると思う?」

 

 スズカにドリンクを渡した後でキングが俺に直接訪ねてきた。スカイとキングの実力は拮抗していると言ってもいい。スカイはスタミナとレースを動かす力、キングはスピードとその判断力で互いを上回っている。

 

「いざレースになってみないと分からないけど、俺が見ている感じでは実力は拮抗してる」

 

「そう……ならその考えを変えられるような走りを見せてあげるわ!」

 

 キングは俺に高らかと宣言してスズカと一緒にトラックに向かった。キングは言うだけあって2セット目もしっかりと乗り越えて、2セット目の休憩を終えて3セット目に差し掛かろうとしていた。キングにとってはここからが本番だ。差しの最後のスパートと……あとは根性だな。根性論じゃ何も解決はできないけど、根性がなけりゃ何もできないからなぁ。

 

(それにしても予想外だな……キングが3セット目をここまで走るか)

 

 キングはすでに汗のせいで泥だらけだ。それだけ自分の体を追い込んでいて体はくたくたのはずだ。それでもキングは自分のペースを維持している。スタミナは限界に近いはずなのに、それでもキングは全力で走り続ける。その気持ちの強さがキングの走りを支えているのかもしれない。

 

 とりあえず今後は2つのグループを週ごとに入れ替わりで見ることにしよう。どちらも俺が見てなくてもトレーニングには全力で取り組んでくれるだろうし、2人1組だから何かが起きた時はどちらかが俺を呼びに来ることもできるだろうしな。皐月賞まではあと1カ月、日本ダービーまでは2カ月で宝塚記念が2カ月後。油断はできない。

チームレグルスで1番好きなメンバーは?

  • サイレンススズカ
  • セイウンスカイ
  • キングヘイロー
  • メジロマックイーン
  • トレーナー
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