早いもので本年も残すところあと365日となりました。
ことよろしくお願いします
俺は今日は荷物をあまり持っていなかったし、たづなさんも帰り際に食事をとる予定だったみたいだったからそのまま店に向かうことにした。
「トレーナーさん今日は外に出ていたんですか?随分と遅かったようですが」
「はい。少しキングの実家の方に……」
「キングヘイローさんのご実家ですか……?なにか問題でも?」
俺は今日あったことをたづなさんに話した。家族間のこともあるし少し濁すところもあったが、たづなさんもキングのことを知っていたようでスムーズに説明は終わった。
「なるほど……私もこれでも色々なトレーナーさんやウマ娘の皆さんを見てきました。途中で挫折するウマ娘もいれば、最後の最後で夢を叶えられないウマ娘。他にも怪我でどうしても復帰出来ない娘なんかもいました。レースに参加して競い合っていく以上はそういう辛い思いはすることになると思います」
「キングは強いウマ娘です。肉体的にも勿論ですけど、精神的に言えば他のウマ娘を凌ぐと思ってます。たしかに母親の件に関しては小さい時から染み付いてしまったものもあるし、コンプレックス的なものもあるでしょうけど……」
いくら精神的に強いと言っても無敵ではない。キングも少しずつ揺らいでいって不安定になってしまうことだってある。
「それでも俺はキングならそれを乗り越えられると信じています」
「素晴らしい信頼関係ですね……いいでしょう!私が皐月賞の後でよければキングさんの特訓に相応しい相手をご用意しますよ」
「本当ですか!?クラシックに備えての相手なので中々見つからなくって……学園の生徒に心当たりが?」
スズカの時はルドルフとの模擬レースで得られるものは大きかったし、先日のミークとの模擬レースでも多くのことに気が付かされた。普段走らない強い相手との勝負は通常のトレーニングよりもいい刺激になるだろう。
「学園の生徒ではありませんが……実力は私が保証しますよ」
「それならぜひお願いします!」
何故かたづなさんが誇らしげに紹介する相手の実力を保証していたけど、たづなさんが認めるほどの実力者とトレーニングできるならキングの役に立つはずだ。
「それで、柴葉トレーナーはキングヘイローさんにどのようなトレーニングを?」
「とりあえず1週間近くは何もしません」
「皐月賞も近いですしなにか手を打たなくてもいいんですか?」
「あぁ、そういう意味じゃなくて。キングにはこれから1週間は走らせません」
俺の発言にたづなさんは目を丸くして驚いていた。本番レースはすぐなのに走らせないなんて普通じゃ考えられないけど……俺が狙うのは皐月賞じゃなくてダービーと菊花賞だ。今の状態のまま皐月賞を勝ててもダービーと菊花賞で勝ち残れない。
「意図はある程度は分かりますが……リスキーなことをしますね。何よりもキングヘイローさんが納得してくれるでしょうか」
「それは話してみないとわかりません。もしかしたら皐月賞にも間に合うかもしれませんし。今やるべきことはキングから今の走りを抜き去って不純物を除いたキングの本当の走りを作り上げることです」
「そのために1週間走らないと」
「本当はもっと長い期間を取りたいですけど、そうすると皐月賞の勝利も怪しくなってくるので……」
「その間はどうしておくつもりなんですか?」
「基本的な筋トレと水泳トレーニング。あとは知識をつけて自分の走りって言うのを固めていくつもりです」
何もしないと体の質が落ちてしまうから、その辺をカバーするようにしっかりと運動はする必要はある。そしてフォームと走り方を固めていくんだ。
「たしかにリスキーではあるかもしれません……でもキングなら必ず乗り越えてくれると思います」
「あなたがそういう決断をしたならわたしは何も言いません。最強チーム目指して頑張ってくださいね」
「はい。クラシックで強いのはスペとスカイだけじゃないって解らせてやりますよ」
俺たちは最後にそう言い合って店を後にした。明日のキングのことを考えないと行けないからな。
チームレグルスで1番好きなメンバーは?
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サイレンススズカ
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キングヘイロー
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トレーナー