出来るだけもう少し短いスパンで投稿出来るよう頑張ります。
昨日のお出かけから1夜開けた翌日。キングのトレーニングメニューを考えてのスタートだ。メンバー4人を集めて今日のメニューの発表をする。
「スカイとマックイーンの2人はコンビでショットガンタッチを行ってくれ」
「マックイーンちゃん今日は私より長く耐えれるといいねー」
「ぐぐぐ……今日こそは負けませんわ!」
スカイがニヤニヤしながらマックイーンのことをいつもみたいに煽っている。最初の方は五分五分だったんだけど、トレーニングに慣れ始めたのかスカイが最近は勝ち続けてるらしい。
「スズカは2000mのインターバル走だ。スズカもレースが近いから気を引き締めていってくれ」
「はい。今まで以上に速く走れるように頑張ります」
スズカもやる気十分って感じだな。どこか心ここにあらずって顔をしているが、あれは単純に早く走りたいだけだろう。
「最後にキングだが、今日は体幹トレーニングから始めるぞ」
「筋トレでは無いの?」
元々水泳や筋トレを行うと聞いてたキングは少し首を傾げている。
「体幹トレーニングも筋トレの延長線上みたいなもんだからな。長い距離を速く走るなら体幹の軸がブレるとスタミナを多く使うし、フォームも崩れるから速く走れない。重点的に鍛えて損はないはずだ」
「わかったわ……キングに任せておいて!」
そう息巻いてから数時間後、そこにはさっきの威厳も感じさせないほどに疲れてヘトヘトになってるキングの残骸が……
「いったい……あとどれだけやれば……はぁはァ終わるのかしら」
「とりあえずラスト1セットだな」
俺のその言葉にキングは安堵の息を吐く。俺のチームは基本的には走りがメインのトレーニングが多く取り入れられている。普段積極的に行わない筋肉トレーニングは体に応えるだろう。
(だいたいはスズカが筋トレとかよりも走りたいっていうのがあったからその名残りだが)
「その後は水泳な」
その瞬間にキングが膝から崩れ落ちた。気持ち涙目でこちらを睨んでいる気もする。色々と厳しいトレーニングになってるのは許して欲しいものだ。
「殺す気だわ……あの人私のことをここで沈めるつもりに決まってる!」
私は水泳の休憩中にそんなことを言いながら仰向けで倒れていた。さっきの筋トレに続き水泳トレーニングの内容がハードすぎる。
「大丈夫ですの?キングさん……」
心配そうに私の方に駆け寄ってきたマックイーンさんがタオルをわたしてくれた。
「大丈夫なわけないでしょう!?」
私の大声にびっくりしてマックイーンさんが少し私から距離を置く。
「それで……どういう要件かしら?」
「トレーナーさんがキングさんが泳ぎ終わったようなら図書室に連れて来いってっひ!以上ですわ!私はトレーニングに戻りますわ!」
なんでかマックイーンさんは逃げて行ってしまった。私は今そんなに怖い顔をしているのかしら?そうして私は図書室に向かった。
「待たせたわね」
「おう、待ってたぞキング……ってお前なんて顔してんだよ!何かあったか!?」
トレーナーさんは私の顔を見ると少しギョッとした顔をして怯えていた。何か誤解してるみたいだから笑顔で聞いてみることにした。
「なんでそんなに怖がっているの?」
その瞬間にトレーナーさんが土下座して懺悔をし始めた時はどうしたのかと思った。
「キングのメニューがキツいのも走れないのが辛いのも分かってる!でもお前のためなんだ許してくれ!」
全く理解出来なかった。何故トレーナーさんは目の前で私に土下座をしているのだろうか。私はそんなに怖い顔をしてるのかしら?気になった私は手鏡を確認する。
「酷い顔ね」
私の顔からは威圧感を強く感じさせるような顔になっていた。長らく走る以外のトレーニングをあんまりしてこなかったから、筋トレや補強トレーニングをメインにしてこなかったせいかは分からないけど疲れてしまったのかもしれない。
「全く……この程度のことで顔に出していたら一流とは言えないわね」
少し深呼吸して落ち着いた。そうすると雰囲気が変わったのが分かったのかトレーナーさんが話しかけてきた。
「キング怒ってないのか?」
「怒ってないわ。ただ少し疲れてただけよ」
それを聞くとトレーナーさんは何かを考えている顔つきだった。
「今の威圧感をレースでも出せたら周りは怖いと思わないか?」
そんなに怖かったのかしら……自分ではそんなに分からなかったけど。
「私も無意識だったから難しいかも知れないわね……今すぐにしろって言われても無理だわ」
「そういった面を強化していく1週間にしようじゃないか。武器が1つでも増やせるのなら増やせるに越したことはない」
トレーナーさんの言うことはもっともだ。手札は多ければ多いほどいい。それが役に立たないことなんか滅多にない。
「そうして、今日ここに来てもらったのはこれからの走り方……どちらかと言うとレース展開についてだな」
私は彼の提案に頷く。現状は走法とレース展開が迷子の状態の私は基礎の基礎からはっきりと決めていく必要がある。
「今までのレースを振り返ると先行と差しがキングには1番合ってる。キングの末脚は瞬発力だけならスペを凌駕するものだと俺は思うから同じポジションからのスタートでも十分戦える」
「あなたがそう言うならそうなのね。そう考えると私は差しをメインに行きたいと思う。後ろからならレースがよく見えるわ」
私の強さは末脚の瞬発力だと彼は言った。判断力の速さも強みだとも言われた。そう考えると私が走って1番強いのは差しの走り。
「俺もそう思う。ただ、キングは視野の広さと判断力で周りに惑わされることがある」
私も思い当たる節があった。スズカさんとの模擬レース、母親の走り……相手に惑わされすぎて自分の走りを見失うことがある。
「前回の模擬レースでスズカが逃げで行くことは想定できたはずだ。前気味の先行でスズカを捉えていくか、最後まで足を貯めて一気に抜きにかかるかの2択だった。そして、キングは後者を選択したな」
「その通りよ」
あの時はスカイさんかミークさんのどちらかがスズカさんを押さえ付けると思っていた。そして、想像通りスカイさんがスズカさんを抑えにかかった。
「あの時、ミークが想像以上に前に出ていったのにビビって前に着いて行った。キングはあの時、自分の走りを突き通すべきだった。スパートのタイミングや駆け引きはレースにはつきものだけど周りに流されるな」
「分かったわ……」
ここからのレースでもスカイさんと一緒に走ることになる。そう考えると周りに流されてる暇はない。彼女はもっと上手くこちらのペースを乱しに来るかもしれないのだから。
「皐月賞やダービーでの私たちの地力はほぼ互角だと思ってるわ。だからこそ自分の走りを貫いてみせる!」
「その意気だ!お前はキング!キングヘイローだ!最後にゴールするのはお前だ」
そうよ、この人が私をキングと呼んでくれる。キングヘイローだと信じてくれる。だからそれを信じて勝利を掴むのよ。
「私が差しを極めるわ。スズカさんやスカイさんが逃げを極めようとしているのだから」
私は覚悟を決めた。自分のこの走りだというものに自分のレース人生をかけようって。まだ見つかっていないその走りで勝ち上がるんだ。
「あとは走るまではイメージトレーニングだ。誰かの走りを見て考えるな。自分がこう走りたいこうなりたいって気持ちを大切にしろ」
「私がしたい走り……」
私が少し不安そうな顔をすると、トレーナーさんがそれを見て言う。
「スズカのあの大逃げレースは誰かがさせたんじゃない、むしろ周りからは反対されるようなものだった」
「そんなまさか」
スズカさんの大逃げは最強と言ってもいい。終始トップをキープして最後のスパートでさらに加速していく。どうやって勝てばいいのか私にはわからない。
「そのまさかだよ。普通に考えて大逃げなんてするウマ娘がそんなにいるか?スズカも実際に最初は出来なかった。けど、それがスズカのしたい走りだったから出来るようになるまでトレーニングしたんだ」
私のしたい走り……私もカッコよく一流に走れるのかしら。きっと走れるのよね……この人がそう言うんだもの。
「あなた私の末脚は素晴らしいって言ったわよね」
「ああ言ったな。スピード、加速力どちらをとっても1級品だ」
自信満々に答える彼を見て、私もなんだか自信が湧いて口元が少し緩んでいた。
「なら、スズカさんのような走りをするウマ娘も後ろから迫って差し切ることも出来るのかしら?」
「スズカの逃げを差し切るか……並のウマ娘じゃまず無理だろうな。先行ポジションで出来るだけスズカに食らいつくだろう」
彼は含みを持つ言い方でそう言ってさらに言葉を続ける。
「ただ、キングは一流のウマ娘になる娘だ。今は出来ずともいずれ出来るようになる。そして、そのサポートを俺が全力でしてやる。だからお前はお前のしたい走りを貫け」
「えぇ!」
覚悟はできた。後はそれに向けて自分を鍛え上げるだけだ。
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