トレーナーはウマ娘に夢を見る【完結】   作:Tmouris_

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皐月賞までのアンケート結果です!
サイレンススズカ 141票
セイウンスカイ 100票
キングヘイロー 56票
メジロマックイーン 64票
トレーナー 42票

スズカとスカイが大きく票を伸ばしました。キングに焦点を当てたお話は最近でしたし、マックイーンはまだメインじゃないのに善戦だと思います。


第84話:飲む!トレーナー飲み会!7杯目

 チームメンバーを寮まで送り届けて、軽く準備をして飲み会の会場に向かう。いつもの店に着くと既に葵さんと南坂さん、たづなさんの3人が待っていた。

 

「すいませんお待たせして」

 

「大丈夫ですよ。こちらこそお忙しい中来てくれてありがとうございます」

 

 疲れたっちゃ疲れたけど、俺も息抜きになるから誘って貰えてありがたい。葵さんに謝られると申し訳ないな。

 葵さん達に合流して店の中に入っていった。そして、注文をして全員に飲み物が届いた。

 

「それでは私が音頭を取らせていただきます。紫葉トレーナーの皐月賞を祝って!カンパーイ!」

 

「「「カンパーイ!」」」

 

 こうして俺たち4人の飲み会兼俺の祝賀会が始まった。

 

「紫葉さんおめでとうございます。次の日本ダービーも楽しみですね」

 

「ありがとうございます葵さん。今回は何とか勝てましたが……次の日本ダービーでスペと沖野先輩が手を打たないはずがないので油断はできないです」

 

 今回のスペは完全に仕上がりきっていなかった。体重管理なんかも少し出来ていなかったらしい。スペは今回の敗北を糧に必ず這い上がってくる。

 

「沖野さん……多分気づいてたと思います。スペシャルウィークさんが緩んでることに。けど、それで勝てばいいし負けたら糧になると分かってたと思います」

 

 スペはここまでに大きな負けはなかった。敗北を知ることで新しく分かることもある。

 

「沖野さんは放任主義だけど見ることは見ているから。スペの成長を思ってこそだとは思う」

 

 もちろんトレーニングなんかはしていただろうが、慢心や心の問題は本人が納得して初めて完全に解決することだから。スペ本人に気がついて欲しかったんだろう。

 

「そういえば、結局ハルウララはなんで葵さんのところに?本人は修行中って言ってましたけど」

 

 俺が気になっていたことを聞くと少し渇いた笑いをしながら答え始めた。

 

「元々はライスさんの紹介で会うことになったんです。すっごい頑張ってる娘がいるからって」

 

 ハルウララはライスの友達だったのか。奥手なライスと天真爛漫なハルウララはちょうどいい相性なのかもしれない。実際会ってみて凄く明るい娘だったし。

 

「それでチームに入れることにしたんですか?」

 

 そう言うと次は苦虫を噛んだような顔をしながら葵さんは説明してくれた。

 

「チームメイトとは仲良くやっていけそうですし、私個人としても好きなタイプの娘です……ただ、最近では私のチームに入りたいというウマ娘もいます。そんな中でハルウララさんを入れることができなくって」

 

 葵さんも桐生院としての立場もあるし、ハルウララにもハルウララの立場があるだろう。ハルウララの方はそういった事をあまり気にしなそうだが、そうじゃないウマ娘もいるだろう。ハルウララはお世辞にも実力者とは言えない。芝で走るところを見たことがあるが……ダートはそこそこ走れると聞いたことがあるが、そんな娘が自分の入りたいチームに入れたって聞いたらハルウララも葵さんも何か言われるかもしれない。

 

「それで修行中ということですか?」

 

「そういうことです。ウララさんの実力が一定の水準に到達するまで私から課題を出して、それをクリアしてもらうことになってます」

 

 なるほど。そうすればハルウララの実力もついて行くし、チームに入る時も周りから何かを言われることもないだろう。

 

「トレーナーさんたちにはそういうことは考えなくて良いようにしていきたいんですがね……皆さん心を持ってますから中々難しいです」

 

 学園を運営する側のたづなさんからすれば痛い話だろう。ただ、これに関しては対策する術がないから仕方ないとも思うが。

 

「いえ、ウララさんならきっと大丈夫です。彼女は努力家ですし。何よりも走ることが大好きですから」

 

 葵さんがハルウララに何かを見出しているならきっと彼女にも才能があるのだろう。俺には彼女の才能を引き出す自信はないが、そこはトレーナーとウマ娘の相性というやつだろう。

 

「そういえば気になっていたいたのですが、桐生院さんはチーム名を付けないんですか?」

 

 南坂さんが葵さんに質問する。葵さんのチーム名を聞かないと思っていたら、まだチーム名がしっかりとついていなかったのか。

 

「今まではチームとしてデビューしていたのはミークとグラスさんだけでしたし、そのグラスさんも怪我をしていたので延期させていただいてたんです」

 

 チーム結成にチーム名って必須だと思ってその場でチーム名決めたんだけど、もしかしてそんなこと無かったりするのか。

 

「でも、ウララさんも加入予定ですしチーム名を決めることにしました」

 

 南坂さんもたづなさんも興味津々だ。もちろん俺も葵さんがどんなチーム名にしたか気になる。

 

「チーム名を聞いても?」

 

 俺が葵さんに聞くと少し溜めてから話し始める。

 

「チーム名は……【シリウス】にします」

 

 シリウス……一等星の名前のチーム。俺のチームのレグルス。沖野先輩のスピカ。東条さんのリギル。そして、葵さんのチームシリウスか。

 たづなさんはチーム名シリウスを宣言する葵さんを見てとても嬉しそうだった。学園側からすれば優秀なトレーナーがチームをしっかりと確立していくのは喜ばしいことなんだろう。

 

「チーム名ですか。僕も早くチームを持てるくらいになればいいんですが」

 

 葵さんのチーム名発表を聞いてどこか遠い目をしながら南坂さんが呟いていた。

 

「私は南坂トレーナーのことを高く評価していますよ。サブトレーナーから担当を持って独り立ちしたあなたはチームを持つべき手腕の持ち主だと思います」

 

 たづなさんは広い視野を持って学園のトレーナーを見ている。そんなたづなさんが認めているのだから、南坂さんのトレーナーとしての実力は確かなものだろう。

 

「そう言って貰えるのは嬉しいですが、ネイチャさんのこともまだ支えきれていないのにチームを持つのはまだ先ですね」

 

「いいえ、ナイスネイチャさんは確かに成長しています。彼女は控えめな性格で自分を過小評価しがちですから、南坂トレーナーまで卑屈になってはダメですよ」

 

 たづなさんが強く南坂さんの背中を押す。たづなさんとは大きく年齢差がある訳ではないと思うが……なぜここまで頼もしく見えるのだろうか?やっぱり踏んできた場数とかだろうか。

 

「そうですね。もう少し前向きに考えながら頑張って行こうと思います」

 

 それを見てたづなさんは満足したようでビールを再び飲み始めた。葵さんもそれを見て嬉しそうにしていた。

 

「そうそう紫葉トレーナー。以前話していた件ですが」

 

 以前話した件と言うと、トレーニング相手をたづなさんが用意してくれるってやつか。

 

「見つけることが出来ました?」

 

「はい。やっと準備が終わりました。いつでも走れると思うので出来れば早めに……3日後の夕方の5時以降にグラウンドにいてください」

 

 夕方5時以降か。相手側にも色々と事情があるだろうし、わざわざたづなさんが呼んでくれたんだ。時間くらいは合わせないとな。何よりもたづなさんが自信をもって選んだ相手だ、必ず2人の力になってくれるはずだ。

 

「わかりました。3日後の夕方5時に」

 

 その後は、雑談をしながら軽くお酒を飲んで解散となった。たづなさんも葵さんも酔いつぶれることなく安心した。さてと、明日はチームの祝賀会の準備をしないといけないから早く帰って休もう。

 

 

日本ダービーを制するのは

  • スカイ×キング×スペ
  • スカイ×キング
  • スカイ×スペ
  • キング×スペ
  • セイウンスカイ
  • キングヘイロー
  • スペシャルウィーク
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