投稿遅れましたああああ!
今日はスズカの小倉大賞典当日。応援は俺とマックイーンの2人だけだ。スカイとキングはダービーが近いから調整の為に学園に残っている。
「スズカ体調や足の具合に問題はないか?」
今は控え室でスズカの調子などの最終確認を行っている。走ることにワクワクしながらもかなり落ち着いているように見える。
「はい。今回のレースも最初から最後まで先頭を譲る気はありません」
スズカはこちらを見ながらニコっと笑いそう言った。
「は〜お前にはトレーナーらしいことをしてやれないが全力で応援させてもらうよ」
スズカの走りの性質上、俺が口を出せることもない。妙な作戦を立てたりするよりも、彼女自身の走りたい全力の走りをさせてあげるのがベストだからな。
しかし、それを聞いたスズカはとても嬉しそうにしっぽを揺らしていた。
「それだけで私は嬉しいです……見ていてくださいね。トレーナーさんの1番の担当ウマ娘の走り」
スズカの走りやレースへ対する想いは強い。レースに対する油断や慢心もない。
「頑張ってこい!」
「はい!」
俺に出来るのはスズカに檄を飛ばしてやることだけだ。そして、それが1番スズカに力を与えてやれると信じている。
こうして、俺はスズカのことを送り出して観客席に戻る。
「スズカさん調子は良さそうですの?」
観客席にはマックイーンがソワソワしながら待っていた。マックイーンもチームメンバーから色んな刺激を受けて成長している。
「あぁ、調子はいいよ。むしろ良すぎて負けるのが想像できない……」
俺の回答にマックイーンは頬を緩ませた。ここまで褒めるべきじゃないと思うが……だが、今のスズカを止めることができるウマ娘はいるのか?
「とりあえず、俺たちには見ることしか出来ないからな。応援しよう。スズカもスカイとキングの2人を見て燃え上がってるはずだ」
俺がそういうと同時にパドックの入場音がなり始めた。G1ではないが、シニアクラスの重賞レース……さすがにどのウマ娘も仕上がりがいい。
『続いては7枠14番サイレンススズカ!異次元の逃亡者のその走りを今日も見ることができるのか!1番人気です!』
実況がスズカの解説をしている。異次元の逃亡者か……ほかのチームメイトとかにも異名ってのはついてくのかな。
「(マックイーンならスイーツの鬼とかだな……)」
そんなことを考えているとマックイーンに足をつねられた。ウマ娘につねられるとめっちゃ痛いんだけど!
「変なこと考えてるからですわ!」
「マックイーンは真面目だなぁ……」
こんな時でもしっかりとスズカのことをじっくりと見ている。かという俺も見ている訳だが。こういうのは見ているだけでも勉強になるからな。
「当たり前ですわ!私たちのチームのエースが走るのですわよ!?」
マックイーンはそう言うが……スズカの仕上がりは素晴らしい。もし、これで負けるのなら相手の実力が相当上だということだ。俺たちにできるのは不安がってることじゃない。全力のスズカを応援してやることだ。
パドック入場が終わり、次はゲートインが始まった。特に問題も起こらずに無事にゲートインも終わった。
『晴天の元2000mバ場状態良、小倉競馬場に16人のウマ娘がゴールを目指して……いまスタートしました!』
全員が一斉にスタートして、ハナを取ったのはスズカだ。さすがにスタートが速い。初動の加速も上手くいってる。
「流石スズカ……と言いたいがペースが早いな」
スズカは序盤からハイペースでレースを展開していくのは分かってる。だが、今日のレースはいつもよりもペースが早い。ラストスパートで垂れなきゃいいんだが……
『先頭は変わらずサイレンススズカ!後方のウマ娘を引き寄せないハイスピードの逃げです!』
「今のところスピードは落ちてませんわね……」
マックイーンも俺のさっきの言葉を聞いて少し不安そうな顔をしている。当の本人のスズカは真剣な顔をしながら涼しそうに走っている。
『レースは半分を終えて残り1000mとなりました!後方に控えた追い込み策のウマ娘たちが動き始めました!』
『ここからのレース展開がどうなるか目を話せませんよ』
掛かっていたと思っていたが……スピードは未だ衰えないし、スタミナも残っているように見える。
「大丈夫ですの?なにかあったのでしょうか……」
さっきまで一生懸命に応援していたマックイーンだが、スズカのペースを見て心配そうだ。今は先頭を保っているが抜かされることを危惧しているんだろう。
「俺もそう思ったが、どうやら悪いことは起こってないみたいだ」
俺がターフを見ながらそう言うと、マックイーンはこちらを見ながら首を傾げていた。
「クラシックの時点でスズカの才能は開花したと思っていたが……」
スズカのペースは落ちずに1200m、1300mを通過していく。
「よく見ておけマックイーン。今日のレースでスズカの才能は完全に花開くぞ」
(今日はいつもよりも脚が軽い)
序盤に少しペースが早すぎるという自覚はあった。だけど、何故か脚は自然と動いていた。私はその時、このまま走ってみたいって思った。ペースは確かに早い……だけど、このペースでも走りきれる気がしたから!
レースは残り400m。後方から追い込みの娘が一気に迫ってきた。いつもよりハイペースで走っていたせいで、呼吸が苦しく肺が痛い。それでも、脚はまだ動く。
【先頭の景色は譲らない!】
『おーと!ここに来てサイレンススズカが更にペースをあげていきます!』
そこからゴールまではあっという間だった。だけど、私はその短い時間がとても楽しかった。今までよりもずっとずっと速く走れたから。
『1着はサイレンススズカ!そしてタイムは……レコードです!異次元の逃亡者サイレンススズカ!レコードタイムを更新しました!』
(レコード……?)
電光掲示板にはレコードの表記があった。私はまだ速くなってるんだ。まだまだ速くなれる。そう思うと嬉しくって顔が少し緩んでしまった。
私は観客席に一礼をしてから控え室に戻った。控え室の前ではトレーナーさんが待っていた。
「お疲れ様スズカ。想像以上の走りだった。本当によく頑張ってくれた!」
そう言いながらトレーナーさんは私の方に来て、頭を撫でてくれた。
(あぁ……なんでこんなに落ち着くんだろう)
その直後に自分が走り終わった直後だと思い出した。私は頭を下に下げて1歩後ろに下がる。トレーナーさんは申し訳なさそうに手を下ろした。
「あっ!嫌だったわけじゃないんです!ただ、走り終わったばかりなので汗が……」
私は直ぐに離れた理由を説明した。すると、トレーナーさんも事情を察してくれたようで納得していた。
「ライブの準備もあるだろうから、俺はとりあえずこの辺で戻るよ」
トレーナーさんはその場を去ろうとすると、焦ったように振り向いてこっちに戻ってきた。
「レコードおめでとうスズカ!ウィニングライブもしっかり決めてこい!」
どうやら、私がいつも以上に走れたことが嬉しくてレコード更新のことを話忘れてたらしい。トレーナーさんに言われた通りウイニングライブも頑張らないと。
(次はスカイちゃんとキングちゃんの番よ……)
私は心の中で2人の日本ダービーへのバトンを繋いだ。
日本ダービーを制するのは
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スカイ×キング×スペ
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スカイ×キング
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スカイ×スペ
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キング×スペ
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セイウンスカイ
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キングヘイロー
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スペシャルウィーク