開放された七星光の力
それは勝利への道案内となり得るものだった
そして、白黒の翼はそれを大きく広げて戦場を翔ける
少年はその力に狂気する…
ミデンの光が包んでから、アンノウンの数は確実に減っていた。
MO-Xから見るアンノウン母隊はところどころ隙間が見られ、崩壊する姿が目に浮かぶ。
グランシャリオの背中にドッキングしたアルクトスのバスターメガ粒子砲は、ジェネラルを幾度か捉えていた。
接近すれば、右腕のポラリスソードで格闘戦を展開できる。
さらに、計74基のビットによる弾幕が絶え間無く張られている。
ジェネラルはそれでもグランシャリオと互角に戦う。
それを実現させているのは、その驚異的な高機動とAEフィールドである。
グランシャリオとジェネラルによる高密度のAEフィールドがほとんどのエネルギー兵器を無効化している。
その高密度AEフィールド内でグランシャリオとジェネラルは、ソードで激しい格闘戦を展開していた。
「はぁぁっ!!」
ジェネラルが振り下ろしたソードをかわして、懐に潜り込んで左脇腹にソードを突き出した。
が、ジェネラルは左腕をひねらせて受け止め、右手のソードを突き上げた。
グランシャリオはそれを身体を仰け反って紙一重でかわした。
「まだなの…!」
ミデンに焦燥の表情が現れ始めた。
「ちょっと勿体無いけど…最終手段ね。」
グランシャリオはジェネラルを蹴り飛ばし、距離をとった。
そして、ミデンは一気に意識を集中させた。
頭が軋む音がした。
「ッ…フォーメーション・ブラックホール!!!」
グランシャリオの背後に配置されていたビットが、ジェネラルを取り囲むように移動した。
「星々よ! 影となりて散れ!!」
ビットは一斉にジェネラルに向けて突撃した。
ジェネラルは身体を守るように丸くなるが、ビットは構わず突撃する。
突撃するというより、密着するといった方が的確だろう。
まるで、スズメバチを襲うミツバチのように。
全てのビットがジェネラルに密着すると、一斉に持てるエネルギーを開放した。
ビットは大爆発を起こした。
が、ジェネラルは耐えていた。
恐ろしいほどの耐久性である。
そんな光景を見たミデンは、不敵な笑みを浮かべていた。
次の瞬間、ジェネラルの右脚をビームの矢が貫いた。
それに加え、右脇腹、左肩、さらに頭部と、4発のビームが命中した。
「よし! ミデン、今だよ!!」
ジェネラルを射抜いたのはプテリュクスのスナイパーライフルだった。
グランシャリオが効かないと分かっていながら弾幕を張ったのは、プテリュクスが離脱したのを隠すためだった。
プテリュクスはアンノウン母隊の外でスナイパーライフルを構えていた。
うごめくアンノウンの群の隙間から、中核のジェネラルを射抜いたのだ。
最大出力のスナイパーライフルは、一時的に崩壊したAEフィールドを突破し、見事にジェネラルを貫いた。
これも、ミデンの光がもたらした集中力が成せる業である。
「これでどうだ!!」
グランシャリオのポラリスソードが行動停止したジェネラルに振り下ろされた。
『いや……だだ……ま…終わ…んよ…!!』
突然、いままで介入してこなかったノーマルタイプのアンノウンがグランシャリオに向けて流れ込んで来た。
ソードが届く一歩手前でグランシャリオは押し返された。
アンノウンたちは1匹の生き物のように流れる。
「くっ!!」
グランシャリオは2門のバスターメガ粒子砲を最大出力でアンノウン集合体に放つ。
頭の20体ほどは蒸発したが、数が多すぎてすぐに押し寄せる。
グランシャリオは踵を返して迫り来る集合体から逃げる。
追いつかれそうになったグランシャリオのすぐ後ろを、高出力の照射ビームが通過した。
プテリュクスである。
『無駄な……らが…か…!』
グランシャリオの元に駆けつけたプテリュクスの背後からもアンノウン集合体が流れ込んで来た。
「しまった…!」
背後を取られたレイは、あっという間に飲み込まれてしまった。
「レイ!!」
ミデンはペダルを踏み込み、グランシャリオをプテリュクスのもとに向かわせた。
グランシャリオはプテリュクスが飲み込まれた集合体に突っ込んだ。
「ミデン! 僕のことはいい!! 逃げるんだ!」
「そんなこと!」
プテリュクスのメインモニターには、こちらに手を伸ばすグランシャリオが見える。
それに応え、プテリュクスも手を伸ばす。
アンノウンが視界を遮り、ミデンとレイを引き離していく。
(ものままじゃミデンの想いが…)
(どうすればいい!?)
(仕方ない…か……)
「ゼロシステム開放!! PXシステムオーバーロード!!」
レイのコールでコックピットの各部が赤く光始めた。
同時に、レイの脳に大量の情報が流れ込んできた。
「うっ…ぐ…」
レイの全身に痛みを伴った痺れがはしった。
「うぐ…ぐっ……にひ」
苦しむレイの口角が上がった。
目を見開いた。
「うがぁああああっはっはっはっはははははははァ!!!」
レイは狂った笑い声をあげた。
「くふふふふ…いいな……悪くない…!!」
プテリュクスはビームサーベルを抜いた。
プテリュクスの腕は凄まじい速度で振られ、次々とアンノウンを切り裂いていく。
機体の関節が悲鳴をあげる。
が、そんなことお構いなしにプテリュクスはビームサーベルを奮う。
「クソ宇宙人共!! 消え失せやがれェ!!!!」
プテリュクスは止まることなく斬りまくる。
「レイ……レイ……………」
ミデンは変わり果てたレイを見て、涙を流した。
プテリュクスはアンノウン集合体を抜け出した。
「テメェがぁぁぁあァァ!!!!」
プテリュクスはビームサーベルを突き出してジェネラルに突貫した。
「オレはァ…誇り高きィ…!!」
レイはグリップを思い切り押し込んだ。
「ロウ家の人間だァァァァァァアア」
どうも星々です
ゼロはやっぱり怖いシステムです
さらにPXシステムも重なって…
レイは大丈夫なのだろうか!?