新機動戦記ガンダムW 〜試されしガンダム達〜   作:星々

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未知
それだけで人は恐怖に飲まれる

人にとって絶対的な恐怖とは、強大な力でも、極限的に絶望でもない
それは『()()』である


第2話 〜翔べガンダム〜

「にしても凄いもんだなホント。」

黒い牧師服を着た青年が背中に垂らした三つ編みを揺らして黒いガンダムに飛びついた。

ミデンとレイ、サリィと現れた青年たちは格納庫におりていた。

ミデンとレイにはこの青年たちに心当たりがあり、少し緊張気味だ。

「そういえば自己紹してませんでしたね。僕の名前はカトル・ラバーバ・ウィナー。よろしくね!」

銀髪の紳士的な印象を持つ青年が手を差し出した。

ミデンは握手に応えたが、緊張で目を逸らしていた。

「や、やっぱり、あの…サンドロックの…?」

「えぇ、まぁ。」

カトルは少し照れ混じりの笑顔で答えた。

「じゃあ、あなた達もガンダムの?」

レイが各々別々のガンダムに向かった青年たちに聞いた。

前髪の青年とプリベンターの青年は答える素振りを見せなかったが、牧師服の青年はコックピットから顔を出して答えた。

MO-X内は遠心力による重力(?)が若干あるが、それは月より少し弱い程度である。

そのため、牧師服の青年の三つ編みが慣性で不自然に横に流れる。

「俺はこのデスサイズヘルのパイロットだったぜ!! そこの前髪、トロワと頑固者、五飛(ウーフェイ)は見ての通りさ。俺たちみんな、ガンダムのパイロットだぜ。」

「お前と一緒にするな。」

深緑のガンダム、アルトロンのコックピットから鋭い声で即答が帰ってきた。

「まぁそう言うなって。5年前、一緒に牢屋で死にそうになった仲じゃねぇか。」

「あそこでお前が死んでいれば、ここの空気も少しはマシになっていただろうな。」

「…言ってくれるぜ。」

ミデンたちは明らかに温度差を感じていた。

しかし、どこか友人じみた雰囲気があるのも確かだ。

「正直に関心するな。俺が設定したディテールまで再現されている。」

重火器を多数装備するガンダム、ヘビーアームズ改のパイロット、トロワ・バートンが抑揚を抑えた声で呟いた。

「まぁ、実際ほぼ本物ですから。」

ミデンが少し嬉しそうに答えた。

レイは自分の機体、プテリュクスに歩み寄った。

「そういえばあの機体って、ウイングガンダムのカスタムタイプなの?」

サリィがプテリュクスを眺めて問うた。

「僕も少し気になってました。シルエットはソックリだけど、カラーリングが全身無彩色だし、武装も少し違う…」

プテリュクスは、フレーム自体はウイングガンダムとほぼ同じである。

カラーリングはウイングガンダムを白黒にした感じで、脚部にミサイルポッドが取り付けてある。

「まぁあらかた正解です。さすがに1から設計するのは1機で限界です。」

「1機でも十分すごいよ!」

カトルが正直に賞賛する。

「あ、でもそういえばレイ君が見せてくれた戦闘機は?」

サリィが先程レイに見せられた設計図を思い出した。

シルエット的には大昔の20世紀に流通していた戦闘機に似ていた。

「あれは、グランとセットで1機です。人1人じゃ武装が管理しきれないので。」

「人1人じゃ管理しきれないって、ヘビーアームズ以上の量を装備してるのかい?」

カトルが少し楽しそうな目をして質問した。

「いや、量自体はそこまで。グランは元々、グランシャリオっていうプランで、本格的なオールレンジ武装を装備したガンダムだったんですが、レイも私も、同時に制御しきれなくて。」

「なるほど…」

「あともう一つ理由があって、変形してグラン以外のガンダムにも装備できるようにして、戦況に合わせて強化するっていうのもあります。」

「へぇ! 凄いじゃないか!」

カトルは眼を輝かせていた。

このままコーヒーを飲みながら1日中話せる気がした。

「色々話してるところ悪いけど、アンノウンが近くまで来てるわ。みんな発進準備してちょうだい。」

サリィが少し話す速度を上げた。

「久しぶりだけど、がんばるしかないか。」

カトルがサンドロック改に飛び乗った。

「こちらウォーター、状況は!」

サリィが管制室に移動しながら通信機を開いた。

『こちらゴールド、只今、エネルギーシールドシステムを応用したビーム砲を準備中だ。』

「了解! こちらはガンダムで応戦する。」

『ガンダムだと!? どういうことだ!!』

「細かい話は後! あ、それとパイロットが足りないの、あと5人集められる?」

『わ、わからないが尽力する。』

「お願いね!! 通信終わり!」

 

 

ミデンが自分の機体、グランガンダムに乗り込んだ時には4人の青年は既に宇宙空間に出ていた。

ミデンはシートベルトを締めた。

「んっ…ちょっとキツイ…」

グランガンダムのシートベルトは、胸部全体を包み込むタイプのものである。

そのため、パイロットに合わせて型をとるのだが、ミデンの胸を包み込むには少し小さかったようだ。

『僕たちも行くよ!』

右下にある映像通信用モニターにレイの顔が映し出された。

「え、えぇ。」

グランガンダムがカタパルトに連結した。

隣には無彩色のプテリュクスガンダムがいる。

先に発進したプテリュクスに続いてグランが宇宙空間に飛び出す。

操縦桿を少しずつ手前に引いて、スラスターを軽く逆噴射させると、前方に身体が引っ張られる感覚とともに機体が静止した。

身体がふわっとして、しっかりシートに座れていなかった。

「足のベルトが緩い…」

ミデンがベルトを締めると、MO-X管制室から通信が入った。

『アンノウンを確認。お願いよ!!』

『任せとけって!!』

『一気に殲滅させる…!』

『ここは通さんぞ!!』

『守らなきゃ…僕たちが!!』

デュオ、トロワ、五飛、カトルが警戒態勢を取る。

それを後ろから見るミデンは、その背中に少しかっこよさを感じた。

『さぁ、始まるよミデン…人類存亡をかけた戦いが。』

「えぇ…!!」

レイの声に応え操縦桿を奥に押し込もうとした、その時。

何かがミデンの心を引き止めた。

(何?………)

(何かおかしい……)

(この、モヤモヤしたのは…)

『どうしたんだミデン? どこか痛いのかい?』

「い、いや。なんでもないわ。」

『分かった、無理しないでね。』

レイのプテリュクスが翼を広げて前に出た。

「レイ……」

ミデンの頬は少し赤くなっていた。

 

 

グランも位置につき、迎撃体制が整った。

陣形的にはこうだ。

前衛をデスサイズヘルとサンドロック改、中層をアルトロンとプテリュクス、後衛をヘビーアームズ改とグランである。

他のガンダムはMDで運用するつもりだったが、システムの特性上、敵の形状的データ、サーモデータが無い以上、MDの目標を設定できない。

ただでさえ少ない戦力が更に少なくなってしまった。

アンノウンが一度集結してから再度地球に針路を向けたのが不幸中の幸いだった。

『来たわよ!!』

サリィの通信で緊張が一気に高まった。

数秒の沈黙が辺りを包む。

「あれか…」

デュオのデスサイズヘルがモニターで捉えた。

まだ距離は遠く、ただ巨大な銀色の塊が近づいてくるように見える。

表面は不規則にうずいている。

調査でアンノウンの大きさは18m前後、MSとほぼ同じ大きさであることが分かっている。

戦いやすい相手ではあるが、量が違いすぎる。

5年前も同じ条件で戦ったガンダムパイロットは、勝ってはいるが苦戦を強いられた。

 

徐々に接近するアンノウン。

そしてついに、デスサイズヘルとサンドロック改が動いた。

「行くぜぇ!!!!」

「僕らを守るためだ。ごめんっ!!」

アンノウンはデスサイズヘルとサンドロック改が動いたと同時に、中心から一部が速度を上げた。

「カトルとデュオに続け!」

レイの掛け声で(というわけではなさそうだが)残りのガンダムたちも動いた。

アンノウンとの距離が近づき、デュオとカトルは驚くべきものを見た。

「なっ……!?」

「これは、偶然なのか…それとも……」

『どうしたカトル、デュオ。』

トロワが通信を入れた。

「こいつら…人型だ…」

『なんだって!?』

ミデンは驚きを隠せず、目を見開いた。

よく映画などで描かれるエイリアンは、あくまで地球人が考えた姿である。

頭があり手足があり、そういった地球生物の型にはまるものがほとんどである。

しかし現実的に考えると、そんなことはほとんどあり得ない。

異なる環境で異なる進化を遂げた結果、似た形になる場合があるとするならば、それは何かが意図的に進化を操作するか、過去に接触があったかだ。

でなければ、地球人の想像の範囲内の形にはなり得ない。

 

「この戦い…何かありそうね…」

 

 




どうも星々です

中々戦いはじめませんねw
アンノウンの容姿について執筆中に「自分が人間である以上、宇宙人の描写ってできなくね」と思い、何やら哲学(?)じみたことを書きましたw
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