閻魔庁の医務室うさぎ   作:ゲガント

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とてもかんたんなあらすじ
「まきみきと衝撃的な出会い」


放送日記二頁目

「いや~ごめんなさいね。昔時々やってもらってたエステを久しぶりにお願いしてたのよ~。」

「僕のこれ()エステだと思ってたんですか?」

「効果で見れば似たようなもんですよ。」

 

炎が消えたカマーから話しかけられるまきみきの二人だったが、目に見えて疲れている。

 

「はい………ご無事ならなによりです……………。」

「心臓に悪いんだニャーン…………。」

「すいません?」

 

なんとなく謝っておく月見。

 

「ほら、さっさと自己紹介して。」

「コイツ…………はぁ。」

「マキちゃん、マネージャー(私達のことを道具だと思ってるやつ)になに言っても無駄だにゃん。」

 

意気消沈していようが容赦なく働かせようとしてくるマネージャーに二人はため息をついていた。

 

「では改めまして…アイドルやってますまきみきのマキです!」

「ミキですにゃ。」

「どうもはじめまして、閻魔庁医務室長…獄卒専門の医者をやっている月見と申します。」

 

はじめて会う者同士の挨拶が終わったところで鬼灯が話しかけてくる。

 

「どうでしょう、お近づきの印として燃やして差し上げては?」

「いやいやいやいや結構です!」

「大丈夫です!大丈夫ですから!」

「いや是非ともやって下さい。」

「「なにカメラ構えてんだ!」」

 

全力で拒否していたまきみきの二人の隣でマネージャーが起動したカメラを構えていた。

 

「アイドルが炎上(物理)してる動画だよ?バラエティーでそのうち使いそうだから撮ってるんだよ。」

「二人とも、別に怪我するとかじゃないから大丈夫よ~。」

 

マネージャーから言われた事に言い返そうとした二人だったが、カマーからフォローが入って来たため何も言えなくなってしまう。

 

「ホラ、百聞は一見にしかず、百見は一触にしかずよ。一回やってもらいなさい。」

「うえぇ?…カマーさんがそこまで言うなら…。」

 

マキがおそるおそる月見に近づく。

 

「じゃあ、お願いします…。」

「きつくなったらすぐに言ってくださいね。」

 

依頼された月見は耳の炎を手に移し、軽くマキの方に振るう。すると、炎に当たったマキが青い炎に包まれていく。

 

「あつっ!?………くない?」

「マキちゃん、大丈夫なのかニャーン?」

「うん、むしろなんか暖かくて癒される感じがする。」

「僕の数少ない自前の力なんです。」

 

困惑している二人に対し、カマーが話しかける。

 

「ほら、大丈夫だったでしょ?ミキちゃんもやってもらっちゃいなさい。」

 

 

 

その後、青い炎に包まれている二人組アイドルという中々にヤバい絵面が完成した。

 

「はふぅ…。」

「癒されるぅ…。」

 

当の本人達はとてもリラックスしている。一連の出来事を見ていた鬼灯が隣にいる月見に対して質問する。

 

「月見さん、心なしかカマーさんの炎より色が暗い気がするのですが。」

「ストレスを燃やしてるんです。」

「精神にも作用が?」

「はい、「生き物にとって害があるものを燃やす(・・・・・・・・・・・・・・・・・)」炎なので、ストレスとか心の闇とかもついでに燃やします。」

「便利ねぇ。」

「重宝してますよ。」

 

そんな会話をしている三人をよそに、マネージャーが渋い顔をしながらまきみきに話しかける。

 

「面白くないなー。もうちょっと慌てろ演技でいいから。」

「あんたは私達をどうしたいんだ!?」

「いい加減にしろよお前!」

 

キレた二人が暴れた拍子に火の粉がマネージャーの方に飛ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マネージャーが凄い勢いでドス黒く燃え始めた。

 

「「うひゃあ!!??」」

 

目の前で勢い良く燃え盛る黒い炎に驚く二人。やり取りを見守っていた三人の目も丸くなっている。

 

「月見さん、何かしましたか?」

「いえ…どうしましょうこんな現象初めてです。少なくとも炎は透ける筈なんですが…。」

「ちょっと大丈夫なのこれ?」

 

月見が頭を悩ませていたが、ふと顔を少し歪ませる。

 

「いや……でも……。」

「とりあえず消しましょうか。」

「…すぐに終わらせます。」

 

月見がそう言うとすぐに炎に近づいていく。ちなみに今の間、燃えているマネージャーはなにかを喚いているが炎が弾ける音で掻き消されている。

 

「ほい。」

 

月見が炎に触れた瞬間、ドス黒い炎は霧散したがマネージャーから何も反応がない。

 

「?……気絶してる。」

 

月見がバイタルチェックを行おうとして顔を見るとマネージャーは涙や鼻水でぐしゃぐしゃに濡れた上で白目を剥いていた。

 

「…そういえばマネージャーって暗闇がトラウマなんだっけ。」

「この前もガチ泣きしてたもんね。」

「あぁ罰ゲームの時の。」

 

そんな後方待機組の会話を聞きながら月見は応急処置をしていく。

 

「あとは気付け薬でいいですね。」

 

そう言うと、月見がポーチから一つの小瓶を取り出した。それをそのままマネージャーの鼻の近くに持ってくる。

 

「……………うがっ!?」

「はいおはようございます。」

「あっ!?また弱み握り損ねたぁ!」

「待ってもらえばよかったぁ!」

 

まきみきの叫びにカマーは苦笑いしている。

 

「大丈夫ですか?」

「…あぁすいません、助かりました。」

 

マネージャーが無事戻って来たところで他の出演者が集まってくる。まきみきは肩を落としながら、カマーは共演者に明るく挨拶しながら自分の席に向かって行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「僕達の席はどこでしょうか?」

「向こうですよ。まぁそれとは別に聞きたいことが。」

「?なんでしょうか?」

「ぶっちゃけ何であんなことになったんですか?」

「………どれでしょうか。」

「全部です。おそらく理由もわかってるんでしょうし。」

 

月見はため息をつくように話し始める。

 

「……さっきも言ったように、僕の炎は心の闇を燃やせるんですけどあの方の場合心の闇が深すぎた……濃すぎたんです。」

「ほう?」

「あの状況を簡単に言えば…

「常温で気体化する油をぶっかけた固形燃料にマッチの火を近づけた。」

っていうことです。」

「あぁ、そりゃあんな風になりますね。」

 

 




マネージャーのトラウマについては原作第202話を参考にしています。他の話で鬼灯様から「真性」と言われるレベルなので、これくらいだろうってことでこんな形になりました。
ちなみに鬼灯様が普通だったのは、感情の湿度がほとんど正常に近かったからです。



次回予告
「イメージって怖いですよね。」
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