閻魔庁の医務室うさぎ   作:ゲガント

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とてもかんたんなあらすじ
「一人だけ燃え方おかしい。」


放送日記三頁目

会議室にて始まった打ち合わせだったが月見は時々チラチラと周囲に目線をよこしている。

 

「どうしました月見さん。」

「いえ、テレビをあんまり見ない自分でも知ってる方が沢山いるなぁ、と。」

「それはそうですよ。昼の番組の中でも一番視聴率いいんですからその分有名な方がオファーを受けやすいんです。」

 

そんな他愛のない話をしたりしているうちに、話がこちらに回ってくる。

 

「いや~お二方とも、今回は来ていただいてありがとうございます!」

「いえいえ、こちらこそ呼んでいただき、ありがたい限りです。」

「………プロデューサーさん、少しお聞きしたいことがあるのですが。」

 

月見がおそるおそるといった様子で問いかける。

 

「僕の担当するコーナーの内容ってどんなのがいいですかね。」

「あぁ~、そこは自由に選んでもらっていいですよ。」

「……………いいんですね。」

「何か問題でも?」

「月見さんを医療関係で自由にしたら視聴者とタレント全員置いていくマシンガントークが始まりますよ。」

「出来たら家庭でもできる簡単な健康法とかを分かりやすくお願いします!」

 

焦るプロデューサーとは対照的に月見は少し残念そうに耳を垂れさせてた。

 

「せっかく思う存分語れると思ったのに………。」

「補助をしてくれるまきみきのお二人が可哀想なんで止めて下さい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………それでは内容の確認をしましょうか。」

「はーい!」「分かりましたニャーン。」

 

全体での打ち合わせが終わった後、そのまま月見がまきみきに対して説明し始める。隣では鬼灯達が金魚草の話で盛り上がっていた。

 

「もらったテーマが「家庭でもできる簡単な健康法」なんですよ。なので、今回は「食べ合わせ」をメインにしていこうと思います。」

「食べ合わせ?ニラレバとかですか?」

「はい、そうですね。」

 

そう言って月見は二人に簡単にまとめた資料を渡す。

 

「手書きかつ急いで準備したやつなのでわからない所があれば聞いてください。」

 

二人が資料に目を通し始めたのを見て、月見は話しだす。

 

「まずは体に良いとされるものです。」

「あの~すいません。」

「どうしましたかミキさん?」

 

説明し始める月見だったが、そこにミキがおずおずと手を挙げて質問する。

 

「この目次にある「うなぎと梅干し」って体に良い枠でいいんですか?」

「どういうことなのミキちゃん?」

「なんか…どっかでこれらを一緒に食べると胃腸に良くないって聞いたことが……。」

「あぁ、世間の一般論になってる話ですね。」

 

月見はポーチから折り畳み式のホワイトボードを取り出す。

 

「現世では「うなぎの脂と梅干しの酸が同時に内臓を刺激して消化不良を起こす」なんて言われてます。地獄も似たようなものですね。」

「違うんですか?」

 

そう問われた月見は広げたホワイトボードに円を2つ描きその中にそれぞれ脂、酸と書いていく。

 

「別に脂と酸は互いを邪魔する関係じゃないんです。むしろ、酸は脂の吸収を助けてくれます。」

 

説明したことを図にしていく。

 

「単純に並べてもいいですし、うな丼とかならご飯を炊く時に梅肉やだしを入れても美味しいですよ。食欲増進にもつながります。」

「なんか…普通にお腹空いてきた…。」

「大福持って来てますけど食べます?」

「いいんですか!?」

 

わぁーい、と言いながら受け取るマキと(どこに持ってたんだろ……)と思いつつ受け取ったミキだった。

 

「他にも色々ありますよ。」

「ホントだ、「焼き魚と大根おろし」、「唐揚げとレモン」……良く見る組み合わせも多いですね。」

「体にいいから残るっていうのはよくある事なんですよ。単純に相性が良いものが多いですし。」

 

ミキの言葉に返答しながらホワイトボードに簡単な絵を描いていく。

 

「そういう食材たちの対極にあるのが牛乳ですね。」

「?」

「他の食材と一緒にとると消化が遅くなるんですよ。」

ふぉうふぁんふぇふふぁ(そうなんですか)!?」

「マキちゃん、ちゃんと食べてから話そ?」

 

ずっと食べてました。

 

「もちろん牛乳自体は悪いものではないですし、むしろ栄養価的にはとても良いものですよ。ただ食い合わせが異常なまでに悪いんです。

「単体で飲めばいいってこと?」

「マキさん正解です。」

 

月見はホワイトボードの絵を全て消して「食い合わせ✕」と書いていく。

 

「同じような理由でヨーグルトも酸味の多い食材……フルーツとかと一緒に食べるのはオススメしません。」

「嘘!?良くやってるんですけど…。」

「時々ならいいんですけどね。美味しいし。」

 

他にも……、と例を挙げながらホワイトボードを片付けていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんなとこですね。」

「普通に勉強になりました!」

「それは良かったです。」

「そういえば気になってたんですけど…。」

「なんでしょうか?」

 

金魚草組と合流しようした所でミキが月見に問いかける。

 

「さっきのうなぎと梅干しの話ってなんであの組み合わせが悪いものとされてるんですか?」

「あ!それ私も気になってた。」

「そうですね……元は梅干しじゃなくて銀杏だったとか色々諸説あるんですが、一番有力なのがちょっとした笑い話なんですよね。」

「「笑い話?」」

「梅干しって食欲増進作用があるんですけど、

そのせいで高級食材であるうなぎを食べ過ぎたりする人が多かったので噂流して実質禁止状態にしたらしいんです。

「えぇ……。」

「その噂が残り続けてたんですか………。」

「よくある話ですよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~一週間後~

 

「………どうしましょう。」

「どうしましたか月見さん?お行儀悪いですよ。」

「鬼灯様。」

 

とんかつ定食を食べながら何かの紙束を見ていた月見に中華定食の乗ったお盆を持った鬼灯が近づいてくる。

 

「それは?」

「あぁ……この間のコーナーが話題になったらしくてまたオファーをいただいたんです。」

「ほぉ、良かったじゃないですか。」

「いやまぁありがたい限りなんですけど……。」

 

鬼灯にそう言われるが月見はどこか浮かない様子である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「医療関係じゃなくてお料理番組の解説役として呼ばれそうなんですけどどうすればいいですかね。」

「知りませんよ。」

 

 

 




ちなみに月見さんは金魚草特集にも出てます。

あと月見さんは普通に肉食えます



次回予告
「さすがに想定外です。」
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