閻魔庁の医務室うさぎ   作:ゲガント

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今回はとんでもない独自設定があるので苦手な人はご了承下さい。

とてもかんたんなあらすじ
「月見さんの火傷のお話」


来訪日記一頁目

お前はこれでもかと言うほどに底抜けたお人好しだった。

 

 

初めて会った時は馬鹿かと思った。

 

 

「おなか空いてそうだったから。」だ?

 

 

それが初対面の奴に自分の食料を全部与える理由になんのかよ。

 

 

柄にもなく心配しちまった。

 

 

俺はただの死に損ないだと言うのに。

 

 

まぁ……お前と一緒にいた時間は悪くなかった。

 

 

すでにお前と行動してた狐がずっとお前を妖しい目で見ていたのは気にしないでいたが。

 

 

旅に出るのは満足してからでもいいかと思ってた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう思ってた矢先、お前は死んだ。

 

 

俺がしぶしぶ食料を集めて戻って来た時にお前は俺が焚いた火の前にいた。

 

 

俺が話しかけようとした瞬間にお前はその中に飛び込んだ。

 

 

そうだお前は馬鹿だった。底抜けたお人好しだった。

 

 

だがこれはないだろ?

 

 

焼け死んだお前の祈りを糧にあいつが復活したことを考えるとお前はしっかりとやりたいことをやったんだろう。

 

 

復活した爺はお前を月に描いた。

 

 

その時はまぁなんとか納得して旅に出た。理不尽だとは思ったが。

 

 

そのあともだらだらと生き続けた。

 

 

そしてあの世に勝手に連れてかれた。

 

 

そして神獣になったお前を見かけた。

 

 

月の神獣?あの爺に気に入られて眷属にされそう?生き返ることも出来たがあの爺がしなかった?

 

 

 

 

 

 

ははははははは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このクソジジイが。

 

 

やっぱり神は勝手だ。

 

 

どうしようもなく自分中心だ。

 

 

俺は生き返ったがお前を連れて行くことは出来なかった。

 

 

邪魔しやがってあいつら。

 

 

まぁ後々お前があのクソジジイに縛られず自由にやっているとわかるんだが…それはそれこれはこれだ。

 

 

だからこそ言おう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お前が犠牲にならないでくれ。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

「え?どういう事?」

「……どうやら彼が目を離した隙に何かに釣られてどこかに行ってしまったようでして……。」

「それでとりあえず同伴者であるあなただけここに来たという事ですか。」

「ホントにわりぃ、あいつの好奇心の強さ忘れてた。」

 

閻魔庁の裁判場にて鬼灯と閻魔大王と月見が一人の男と会話している。鬼灯と同じぐらいの体格をしている。よくよく見ると男の頭にはどこか既視感のある頭飾りがついていた。

 

「どうしようか鬼灯くん。早く探しに行かないとマズイんじゃないかなぁ。」

「……見失った場所は何処ですか。」

「確かあんたらが衆合地獄って呼んでる場所だ。」

「分かりました付近の獄卒に連絡を入れて捜索して貰います。」

「美穂も今日用事で衆合地獄にいるはずなので知らせときますね。」

 

そう言って二人は携帯を取り出し、電話を掛け始める。一息ついた閻魔大王は男に話しかける。

 

「いやぁそれにしても君も災難だったねぇ。本来来るのは君だけだったんでしょ?」

「あー…そうっすね、久々に二人に顔を見せに来ようと思ってたんですけどね。」

 

男は恥ずかしそうに頭を掻きながら目を泳がせる。その様子を見ている閻魔大王は苦笑いしている。

 

「あのバカ師匠が「私も月見さんに会いたいから連れてって!」なんてただこねるから仕方なく視察っつう形で連れてきた結果がこれかよ………。」

 

男が頭を抱えた。いつの間にか携帯をしまった月見が男の肩を慰めるように叩く。

 

「まぁ…うん…一応美穂が術式で探してるからすぐ見つかると思うよ。」

「………美穂の奴からなに言われた?」

「「今度三人で飯食う時奢れ」だってさ。」

「分かってたよ畜生……。」

「お~い鬼灯様~!」

 

男は月見の言葉に項垂れた。するとそこにシロを先頭にした桃太郎ブラザーズが近づいてくる

 

「ねぇねぇ今暇?俺たち今日非番だから遊びにきたよ!」

「おいシロ、どう見たってお取り込み中だろうが。」

「いきなり走るなよ~。」

「おやシロさん。今は少し立て込んでおりますので少々お待ちを。」

「おー、元気のいいワンコロじゃねぇか。」

 

そう言った男は屈んでシロをモフり始める。

 

「初めましてだな、ジャーキーでも食うか?」

「え!?ホント!?やったー!」

「いつの間に用意してたの。」

「いいじゃねぇか美味いし。」

 

月見は呆れるような視線をシロをモフる男に送る。

 

「そっちのお前らはなんつう名前だ?」

「あぁ、申し遅れました。雉のルリオです。」

「柿助です。」

 

シロから手を離して三匹を見据える男は笑いながら口を開く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺は斉天大聖っつうもんだ。日本だと孫悟空のほうが分かりやすいか?まぁよろしく頼むわ。」

 

その言葉にぴしりと固まる三匹だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「とりあえずサイン下さい!!」

「わぁ、柿助が今まで聞いたなかで一番大きい声出してる。」

「つまるところ自分にとっての憧れの人が目の前にいる訳だしな。」

 

復活した柿助が何処からか出したサイン色紙を悟空に差し出した。




はい、月見さんの兄貴分の斉天大聖孫悟空です。月見さんと美穂さんは幼名の美猴王から取って美猴と呼んでます。
少し短くなりましたがお許し下さい。

次回予告
「あー、弟分?」
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