ダヴィンチちゃんの恐竜に対する反応見てると日本地獄の一部で働いてる恐竜達見せた時どうなるんだろと思いました。
とてもかんたんなあらすじ
「三蔵さんのお話」
「あ?亡者が脱走だぁ?」
『おや、悟空さんもそこにいらっしゃいましたか。』
「美穂も三蔵さんもいますよ鬼灯様。」
ようやく自分で立てるようになった月見が持つ携帯から鬼灯の声が聞こえる。今はスピーカー状態になっているようでその場の全員に行き渡っていた。
『どうやら三蔵さんの捜索頼んだ際に警備が緩んだ隙を突かれたみたいですね。』
「ホントに申し訳ございません……。」
自分が原因の一端であると知った三蔵が土下座し始めた。
「で、俺らも手伝った方がいいか?」
『そうしてもらえるなら有難いですが、よろしいのですか?』
「かまいやしねぇよ、もともと迷惑かけたのはこっちだ。ならその分は働くのが道理だろ?」
『ありがとうございます。現場からの情報だと逃げたのは10名ほどだそうです。』
「了解。」
鬼灯の言葉に返答した悟空はそのまま店を出ようとしたが、何歩か進んだ所で足を止める。その様子に端から見ていたまきみきの二人が疑問を持つ。
「あの~どうされたんですか?」
「……なぁに、向こうから獲物が来てくれただけだ。」
「そういう事ですので行って来ますね鬼灯様。」
『分かりました。』
月見は電話を切るとポーチにしまい込み、大通り沿いの窓の方を見る。うさみみをひくひく動かし、より情報を取り込もうとし始めた。
「……………もうすぐここの通りに突っ込んで来るのが4人、向こう側にある通りに3人、裏路地に隠れているのが3人、あとは………美穂。」
「わかった~。」
ぶつぶつ呟く月見に声をかけられた美穂は袖から複数の木の棒を取り出し、窓から屋根の上に軽く跳んで登る。美穂が見据える先には屋根を駆ける白装束の人間がいた。こちらには気づいておらず、ただひたすら刑場から逃げているようだ。
「自律木式 穿弓、自律木式 縛矢狼。」
美穂が術式を唱えると、持っていた木の棒が太い大弓と複数の縄が捻れて固まったような見た目をした矢のような何かに変わる。そのまま美穂は矢をつがえ、上に向ける。限界まで引き絞られた弓はギギギキと音を鳴らしている。
「目標設定。」
美穂はそのまま上空につがえた矢を放った。
「ハァッ、ハァッ!これならあいつらも追って来れねぇはずだ!」
屋根の上を走る亡者。軽い調子で走っていることからどうやら慣れているようだ。
「俺はまだやりたいことがあるんだよ!さっさと生き返ってビルの上から女の部屋を覗くんだ!」
言ってる事が下らなすぎるが、本人は至って真面目であるようだ。しばらく走り続けていた亡者だったが、ふとひゅるるるるる、という音が聞こえて来た。
「あん?」
「仕留めなさい。」
音が気になった亡者が振り向くが何もない。それでも違和感が拭えないようで辺りを見回すが、何も見つけられない。音が近くなって来た所で上を見ると巨大な狼の頭が口を大きく開いていた。
「は?」
バクンッ!!
「月見~終わったよ~。」
「ありがと美穂。…さて、あとは…。」
「取り敢えず近くの奴らを終わらせるか。」
そう言った悟空は自分の髪の毛の少し抜き取り、息を吹き掛ける。するともくもくと煙が立ち始めた。数秒後、煙が晴れるとそこには悟空がもう一人いた。ほとんどは同じだが、顔は猿の面で隠されている。
「いいか?近くの路地裏で逃げてる白装束が三人いる。そいつらを仕留めて来てくれ。俺は今から来る奴らをまとめて仕留める。わかったな?」
「」コクリ
悟空の指示に頷きで返事をした分身はそのまま窓から跳んでいった。その様子を見届けた悟空は月見の方に顔を向ける。
「お前は向こうの通りをやるか?」
「いや、必要ないみたいだよ美猴兄さん。」
「あん?」
「ブーツと革靴と………下駄の音が聞こえた。おそらく警察がそっちを追ってるね。」
「斎藤さーん!そっちお願いします!」
「人使いが荒いね沖田ちゃん……ま、お仕事はきっちりしますけど。」
逃げる亡者を追いかける人間が二人。それぞれ桜色をベースにした着物と袴を着込む少女とスーツの上にコートを羽織った男性である。着物の少女…沖田に声をかけられたスーツの男…斎藤一は走る速度を上げ、そのまま近くまで追い付いた亡者の一人の背後につく。
「こっちも仕事なんでね、恨みとかそういうのは無しにしてくれると嬉しいか…なッ!!」
「ぐふッ!?」
「はい一人確保。」
そのまま亡者の頭に木刀を振り下ろし、その場で沈めた。そのまま拘束し始める斎藤の横をとんでもないスピードで沖田が通り過ぎる。
「…相変わらずとんでもないよなぁ。」
頬を掻きながらぼそりと何かを呟く斎藤だが、沖田はそんな事気にせずスピードをさらに上げる。そのまま逃げる亡者の横につくと、木刀をぶれる勢いで振り下ろした。
「よいしょ~。」
「ぶべらッ!?」
いきなり横からぶっ叩かれた亡者は反応できるわけもなく、意識を落とした。
「沖田さん大勝利~。あ、斎藤さんもう一人はどうしました?」
「あの人が追っかけてったから大丈夫じゃない?」
「ひぃ!ひぃ!聞いてねぇぞ!あんな早く動ける奴がいるなんて!」
通りを一人で走る亡者。その顔には先程まで一緒に逃げていた仲間が捕らえられる様子に対する怯えが見てとれる。
「俺だけでも生き返ってやる!」
「世の中そんな甘くないですよ。」
「ッ!?誰だ!?」
突如聞こえた声に思わず立ち止まり辺りを見回そうとする亡者だったが、脳天から痛みが走り、そのまま崩れ落ちてしまう。そんな亡者の頭上には今しがた足を振り抜いたような姿勢になった女性がいた。女性は亡者の上にきれいに着地するとどこかに電話をかけ始める。
「あ、もしもし遮那王?西側は全員終わりました。」
『すまない牛若丸。残りは獄卒の皆さんに任せていいそうだぞ。』
「了解しました、ふんじばって集めますね!」
「おう、そうか。じゃ師匠、今から来る奴らぶちのめせば終わりだ。」
「よーし!久々に頑張っちゃうぞ~!」
大通りを走る亡者達は道行く人を押し退けながらすすんでいる。様子を見るにかなりの騒ぎになってそうだ。
「どけ!俺はここから逃げたいんだよ!」
「クソッ、早くどけyっうおあッ!?」
すると突然4人の内の一人がこける。先頭を走っていた男だったため、残る三人も必然的に足を止めた。よくよく見ると男の足の近くに棒のような物が浮いている。どうやらこれに引っ掛かったようだ。
「ッてて……。」
「おー見事な転び方だったな。」
「んだと!てめぇぶっ飛ばし…て…。」
こけた男が馬鹿にされた事に腹立って声の元を見ると次第に声が萎んでいく。亡者の目線の先には男の足を引っ掛けたであろう長い棒…如意棒を持って非常に好戦的な笑みを浮かべる悟空が立っていた。
「ん?なんだ?お前が俺をどうするって?」
さらに笑みを深くして近づく悟空。
「いやッ!なんでもないッ!なにも言ってないッ!」
「ま、そういうのどうでもいいんだわ。
取り敢えずテメェからだ。」
ドゴムッ
「ぶべらッ!?」
そのまま悟空は踏みつけで目の前の亡者を石畳の地面に埋めた。石の破片が辺りに飛び散るがやった本人は気にすることなく亡者達の方を向く。
「さぁて、次はどいつだ?」
悪鬼のような笑みを浮かべゆっくりと歩いて来る悟空。その姿に血迷ったのか一人の男が突っ込んできた。
「うあぁぁぁ!!」
「おーおー蛮勇だな。」
悟空を殴ろうとする男だったが、軽くいなされて体勢を崩してしまう。そのがら空きになった鳩尾に悟空は短くした如意棒をえぐりとるように突き刺した。
「うぐあッ!?」
「残り4人。」
何事もなかったかのように再び近づいて来る悟空。するとそこに上から亡者が降って来た。悟空の後ろに積み重なるように落ちた3人の亡者を踏み潰すかのように分身も降ってくる。
「あんがとな、戻っていいぞ。」
「」グッ
悟空に礼を言われた分身はサムズアップをするとそのまま消えていった。その隙に逃げ出そうとする亡者達だったが、突如亡者を囲むように光の輪が現れる。
「な、なんだこれ!」
「光の輪よ、拘束しなさい!」
三蔵がそう唱えると光の輪が縮み、亡者達が何も出来なくなるまで締め付けた。すぐさま三蔵は光の輪で一ヶ所に纏められた亡者達の近くまで近づいていく。
「御仏の加護、見せて上げる!」
「は?」
「でぇーい!」
悟空から気の抜けた声が聞こえた。が、三蔵は気にすることなく無数の掌底の連撃を食らわせて始める。
「五行山………
「おい馬鹿やめろッ!!」
釈迦如来掌ッ!!」
トドメと言わんばかりに右手にオーラを纏わせておもいっきり亡者達に向かって放つ。巨大な掌底となったオーラは亡者を巻き込んでとんでもないスピードで飛んでいった。
「ああ、糞が!こんな場所でやりやがって!」
このままだと亡者達が地獄の天井に当たることを予期した悟空は瞬間移動で掌底の進行方向に飛んでいった。
「ぶっ飛ばしても問題無さそうな場所……あそこの針山でいいな!!」
そのまま空中を飛んでいる悟空は両手を腰にひき、鳥の嘴のような構えをする。すると両手の間に光る球体ができた。そのまま力を溜めていると次第に球体が膨らんでいく。
「ッ!!」
限界まで溜めきった力を解放するかのように両手を上下に開いた形で前方に突き出し、掌から気を放出する。
「ぶっ飛べおらぁぁぁぁッ!!」
掌から放出された気は太い光線になり、飛んで来た掌底のオーラ(with亡者)をぶち抜いて亡者を目的の針山まで一直線に送った。まさしく「ド○ゴンボ○ル」の「か○め○波」である。
「………はぁっ…………疲れた。」
「あ、悟空!いきなりどうしたの飛んでいっちゃったりして。」
「こんの馬鹿がッ!!」
「へぶぅッ!?」
別の話でも出たように、悟空は器用なため漫画の中の技をパクる事ができます。
あと、この話の中では源義経は「双子」であり、二人で一人として扱われていたとしています。鬼灯の冷徹側は「遮那王」、Fate側は「牛若丸」と呼ばれてます。
どっちも消したくなかったのでこういう形になりました。
ちなみに牛若丸の格好はグレイルライブの際の衣装に近いです。何故かって?原作通りの格好が警察として許されるとでも?
次回予告
「もう諦めて開き直ってるよ。」