閻魔庁の医務室うさぎ   作:ゲガント

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セクシーなの(線の細い長髪の美青年)
キュートなの(中性的な合法ショタ)
どっちが好きなの~☆

はい、ようやっと変化要素が十分供給されます。





それでは、どうぞ。


変化日記三頁目

「で、どうするんですか。」

「…………どうしましょうかね。」

 

一通り満足したリリスが帰るのを見届けた後、一行は食堂で夕飯を食べていた。しかし、いつもとは違う風貌の月見に戸惑っているのか、あちらこちらから視線が月見に刺さる。元々気にする性格でもない月見だったが、流石にここまで注目されると落ち着かない様子であった。

 

「大丈夫ですよ鬼灯様。この後は書類整理をするぐらいなので特にハプニングも無いはずです。」

「こういう風にした原因が言っても説得力有りませんよ。」

「えぇ~良いじゃないですか~私の愛しの旦那様の色んな姿を見られるんですから~。」

「そうですか、でしたらそちらで対処するということで。」

 

先程から成長した月見にメロメロで話にならない美穂にいい加減面倒臭くなってきた鬼灯だった。お香も鬼灯の隣で何とも言えない顔をしている。しかし美穂はそれを意に介さず月見に寄りかかってそのまま長くなった髪の毛をいじり始めた。

 

「ふんふふ~ん♪」

「………あむっ。」ムグムグ

「無視していいんですか。」

「一回一回反応しててもキリが無いと思うので、もう自由にやらせてあげようかと………。」

「諦めの境地ね。」

「はいポニテ出来上がり~。」

「うん、ありがとう美穂。」

 

最早止める気力が無いのか、自分の天麩羅定食を頬張り始めた月見だった。

 

「あ、鬼灯様とお香姐さんだ~!」

「ホントだ、こんばんはー。」

「おや、唐瓜さんに茄子さん。今から食事ですか?」

「こんばんは、小鬼ちゃん達。ここ座る?」

「いいんです………か?」 

 

そこに小鬼2人組が現れた。手にはそれぞれ注文したらしい定食が乗った盆がある。お香に手招きされ嬉々として近づいて来る唐瓜だったが、黙々と食事をしている月見(大人Ver.)とそれに垂れかかる美穂を視界に入れた瞬間固まった。

 

「……………月見さん?」

「そうですよ?こんばんは唐瓜くん、茄子くん。」

「うわぁ、スッゲェ背が伸びたね月見さん。」

「感想それでいいんですか。」

 

目を見開いて驚く唐瓜や鬼灯のツッコミをよそに、茄子は興味津々だと言わんばかりに目を輝かせる。

 

「ねぇねぇどうしてそうなったんですか?」

「あぁ、それはですね…………。」

 

 

 

 

 

カクカクシカジカツキツキミホミホ

 

 

 

 

 

 

「何と言うか……取り敢えず欲に忠実過ぎません?」

「可愛い夫の成長した姿を見るためです。それが他の全てより優先されなくてはいけないんです。」

「ダメだ話が高次元すぎる………。」

「単純に馬鹿になってるだけですよ。こういった相手は適当に話を合わせて流しておけば良いんです。」

 

話を聞き、美穂の惚気に当てられ、げんなりとする唐瓜に鬼灯がアドバイスをしている。そんな中、ふとお香が思い出したかのように話し始めた。

 

「そういえば美穂さん、何にでも化けれるのだったわよね?」

「はい、自分がイメージ通りに化ける事位なら造作もないですよ。人にかけるのは少々難しいですがね。」

「あら、そうなの?」

「あぁ、そういえば現世で月見さんに変化の術かける時に特殊な道具を使ってましたね。」

「そうですよ。ぶっちゃけ言うと変化の術って体の構造を作り変えるようなもんですから。自分だったら自分の体の構造を無意識の内に理解して覚えているので戻れますが、もし赤の他人だったら…………ねぇ?」

「拷問に使えませんか?」

「食いつくと思ってましたが、止めといた方が良いですよ?体力使うので。それだったら幻術かけて自分の体に異常が起きていると誤認させた方が手っ取り早いですし。」

 

そう言いながら美穂は一度手を叩く。周りの人物達が一度瞬きをすると、美穂の狐耳と尻尾が消え人間と変わり無い姿になっていた。

 

「こんな風にですね。」

「はえっ!?」

「わぁすげぇ!どうやったんだろ?」

「簡単ですよ。変化の術を使う瞬間に手拍子で周りに幻術をかけて変化する所を見せないようにしただけです。相手が瞬きをするまで幻術が続くので動きを変えれば結局不意打ちに使えますよ?」パチンッ

 

今度は指を鳴らす美穂。そして次の瞬きの後、そこにいたのは黄金色のスラッとした猫だった。着物を着ており、そのデザインが美穂の物と似ている事から、その猫が美穂が化けている姿だということが分かる。

 

「あら可愛い。」

「ありがとうございますお香さん。」

 

美穂はそう言って頭を下げた後、一度床に降りる。次の瞬間には既にそこから姿を消しており、元の姿に戻った美穂がいつの間にか月見に後ろから抱きつき、肩に顎を乗せていた。突如抱きつかれている月見だが、慣れているのか動揺なども一切なく、天麩羅の一つを箸で掴むとそのまま美穂の口元まで運んで行く。

 

「はぐっ!」モグモグ

「………………。」ポンポン

「すっげぇナチュラルにイチャつき始めた。」

「いつもの事なので放って置いて下さい。関わろうとしたら砂糖を吐く羽目になるので。」

 

美穂は差し出された天麩羅に食い付き、幸せそうに頬張る。そんな状態の美穂を無言で撫でる月見。ピンク色をした幸せオーラが可視化している。カラカラと面白そうにそれを見ている茄子の隣に座る唐瓜はその光景から目を反らすように食堂内のテレビを見る。丁度番組が変わり、バラエティ番組のOPになった画面をボーッと見ていた唐瓜だったが、ふと気になった事を口に出す。

 

「そういえば、ミキさんも確か狐だったよな。」

「あれ?そうだっけ?」

「そうですよ。語尾で勘違いされがちですが、彼女は立派な野干です。」

「あぁ、最近人気のアイドルの子ね。芥子ちゃんがグッズを集めてたわ。」

「ん~?」

 

話題がミキに移ったところで満足したのか月見の隣に改めて腰かけた美穂はテレビに目を凝らす。

 

「あ、そういえばこの番組に出ると言ってましたね。」

「おや、知り合いでしたか。」

「鬼灯様ほど知り合ってから長くないですけどね。精々一年経ってないぐらいですから。月見とも接点ありますし。」

「へ?」

「月見さんまきみきと知り合いなの?」

「そうですね、僕が初めてテレビに呼ばれた時に共演させて貰いました。」

「「へぇ~。」」

「私はプライベートで少しお世話になった時に仲良くなりましたね。知り合いが携帯電話を落としてしまったんですけど、それを拾ってくれたのがお二人だったんですよ。」

 

月見と美穂が会話に混ざって来たところで鬼灯は新たに話題を提示する。

 

「そういえば皆さん、ミキさんが子供向けの教育番組に出てる事は知ってますか?」

「あ、確か「教えて!ミキちゃん&ブラザーズ」とかそんな名前だったような。」

「あの似髻虫(にけいちゅう)のパペット使ってた番組ですか。」

「似髻虫ってどんなのだっけ?」

「地獄の刑場にいる虫の一種ですよ。長くて細い体を持っており、頭には鋭い触角が生えてます。」

 

一度箸を置いた鬼灯はジェスチャーで細長い紐を表現すると説明を続けた。

 

「具体的には「亡者の尻から内臓に潜り込んで脳から出てくる」という習性を持った虫ですね。どうです?気持ち悪いでしょう?」

「食欲が失せました……。」

「少なくとも食堂でする話じゃねぇな。」

 

げんなりとする唐瓜と茄子。しかし鬼灯は気にすることなく本題に入る。

 

「まぁそこはどうでも良いんですよ。ミキさんがあの番組やることになった理由の一つが私なんです。」

「へぇ、そうなの?」

「えぇ、元々は幼稚園の子供達に獄卒の仕事について説明する仕事をミキさんとそのご兄弟に依頼したんです。そこで丁度来ていた番組プロデューサーの目に留まった結果があれですね。」

「なるほど、だから「ブラザーズ」ですか。」

 

月見の言葉に鬼灯は肯定の意味を込めて頷いた。

 

「私がミキさんのご兄弟が働かれている場所で食事をしてたところにミキさんがいらっしゃいまして、そこから話を聞いてスカウトしたんです。ご兄弟は化けるのが得意でしたし、ミキさんは教員免許持ってますし子供にも人気のアイドルですからね。」

「あの子教員免許持ってたんですか。意外ですねぇ。」

「そうですか?世間の評価は「見た目の割に意外と勉強が出来るアイドル」ですけど。本人はキャラクターがそろそろ限界と言ってましたが、自分としてはどこまで貫き通してくれるのか気になります。」

「……あの子結構ストレス溜め込んでましたから、壊れないと良いんですけど……。」

 

そうこうしている内に月見と美穂の皿が空になり、2人は同時に席を立つ。

 

「ご馳走さまでした。」

「じゃ、私達は仕事に戻りますね~。」

「えぇ、わかりました。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやぁ、皆驚いてたねー。」

「そりゃあ、自分達の上司が突然成長してたら誰だって驚くよ。原因が美穂だって言ったら納得してたけど。」

「何でだろ?」

 

※医務室勤めの皆さんは月見と美穂のやらかす事に慣れてます。

 

「何か今変なテロップ出てなかった?」

「気のせいじゃない?」

「そうかなぁ……。」ボスッ

 

夕食を終えた後、医務室にて残っていた作業を終わらせた二人はそのまま自室に帰っていた。いつもとは違う体の感覚に疲れたのか、次元の壁を越えて地の文を観測しようとする月見だったがそのままベッドに背中から倒れ込む。その様子を見て、美穂は部屋に備え付けられた簡易キッチンでお湯を沸かし始めた。

 

「ねぇ美穂。」

「なぁに月見?」

「美穂はどの僕が好き?」

 

その言葉に美穂の手が止まる。

 

「……いきなりどうしたの?」

「いや、単純に思っただけだよ。この姿の僕にずっと抱きついてたからこの姿になれるように頑張った方が良いのかなって……「はぁ……。」……美穂?」

 

ため息をついた美穂は天井を見つめながら呟く月見に近づいて行く。月見が視界に捉えた時には少し頬を膨らませていた。

 

「全く……そんな事考えてたの?」

「そんな事っt「んっ。」んむっ……。」

 

言葉を紡ごうとする月見の口を自分の口で塞ぐ美穂。ゆっくりと顔を離した美穂は優しく笑って真っ直ぐと見つめてくる月見の口を指で触る。

 

「私は月見が好きなの。月見の全部が好きなの。」

「美穂………。」

「だから月見がどんな姿だろうと、私は月見に対する愛を無くすことなんてあり得ないの。」

「………うん、うん。」

 

月見の隣に腰かけた美穂はそのまま倒れ、月見に抱きつく。

 

 

 

 

 

「だから、月見は月見のままでいて?月見が私を愛してくれるだけで、私は幸せなんだから。」

 

「……………もちろん、大好きだよ美穂。誰よりも、美穂を愛してるから。」

 

 

 

 

美穂の言葉に月見は薄く、それでいてとても嬉しそうに微笑みながらそう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そ・れ・は・そ・れ・と・し・てぇ♥️」

「?………んむっ!?」

「んっ………んむっ……………ぷはぁっ♥️」

「み、美穂?いまそんな雰囲気だった?」

「だまらっしゃい♥️そんなフェロモン駄々漏れの姿で愛を囁くなんて食べて下さいって言ってるようなもんじゃない♥️」

「で、でも「はぁい♥️口答えしないの♥️」んひっ!?」

「あら、弱い所は全く変わって無いの?そんな可愛い声出しちゃって♥️やっぱり誘ってるでしょ?♥️」

「………………………。」

「ん?なんて?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じ、焦らさないで………。」ウルウル

「」

 

 

 

 

 

 

ブチッ!!!!!!!!

 

「……………………♥️♥️♥️」

「…みほ?

 

 

 

 

 

 

 

 

あっ。」




この後、月見さんは一時的に青年Ver.になれるようになりました。

美穂さんの万能性に磨きがかかってる気がする今日この頃。やっぱり月見さんは受けなんやで。
美穂さんの使う変化の術は肉体の強制改造に近いです。普通の妖狐は姿を上から変えるだけなので、見破られるリスクが必ずついてきますが、美穂さんは姿形を作り替えるのでそういった物に対して強いです。というかそんな変化の術が出来るのは美穂位です。
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