閻魔庁の医務室うさぎ   作:ゲガント

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なかなか筆が進みませぬ……。

それはそうと質問箱的なのを活動報告に設けましたので気になった事があれば遠慮無くお申し付け下さい。




それでは、どうぞ。


北欧日記五頁目

ブリュンヒルデの(殺意)を笑顔で受け止めて血を撒き散らすシグルドをその場に置いて三人はオーディンと閻魔大王の元へと顔を向ける。鬼灯はその手に持ったお茶を差し出そうと口を開いた。

 

「閻魔大王、お茶をお持ちしました。」

「そこでですな!私はこう言ったのですよ!」

「ほぉ!それはまた素晴らしい!」

「「はっはっはっはっ!」」

 

しかし、その目線の先にいたのは顔をこれでもかと赤くした二人であった。辺りには空になったジョッキがいくつも転がっており、近くにはお代わりらしき蜂蜜酒の入ったジョッキを持っておろおろしているゲルと彼女と同じような格好をした黒髪の少女がいる。

 

「あの、オ、オーディンさまぁ……まだ会談は終わってないんじゃないっすかぁ……?」

「構わん構わん!ほれ、閻魔殿、もう一杯。」

「悪いですなぁ。」グビッグビッ

「ふぇぇ……!オルトリンデ姉様、どうすればいいんすか~!?」

「わからない…………。」

「えーっと、誰か、誰か。」

 

次々と酒を浴びるように飲む二人を止める事が出来ないゲルと少女……オルトリンデは助けを求めるように辺りを見回す。そして、

 

「あっ!美穂様、月見様~!」

 

目当ての人物が見つかり直ぐ側まで駆けてきた。自分が慕っている人物がいることに気がついたオルトリンデもそれに続くように飛んでくる。

 

「あら、また会いましたねゲルちゃん、リンデちゃんも久しぶりです。」

「はい……お二人にお会いできて嬉しいです。」

「美穂さまぁ、月見さまぁ!オーディン様達が止まってくれないんっす、どうしたらいいんすか~!」

「お二人とも給仕をしてらしたんですね、お疲れ様です。」

 

美穂に抱きついて現状の説明をして嘆くゲルとオルトリンデ、そしてそれをあやす美穂を横から見ていた月見であったが、不意に鬼灯に肩を叩かれる。それに反応してそちらを向くと、明らかに不機嫌そうな鬼灯が口を開いた。

 

「…………月見さん、これ温めておいてください。」

「温度は?」

「閻魔大王の日課程で。」

「承知しました。」

 

返答を聞いた鬼灯は持ってきた盆を月見へと渡し、常日頃から持ち歩く金棒を肩に担ぎ上げ大股で歩き始めた月見は鬼灯から受け取った盆の上に乗った二つの湯呑みを見やる。片方はもう片方に比べ数倍程の大きさがあり、その両方に湯気を発する緑茶が淹れられていた。

 

「えい。」

 

掛け声と共に二つの湯呑みが青い炎に包まれる。透き通ったその炎は月見のうさみみの先に宿る物と同じ様に見えるが、内側の緑茶に異変が訪れる。

 

ボコッ  ボコッ

 

湯呑みの中身が音を立て始め、泡が浮かんできた。その頻度は段々と上がって行き、やがて完全に沸騰し始めた。

 

「うわぁっ!?何やってるんすか月見さまぁっ!?」

「これですか?お茶の追い焚きをしてます。」

「追い………焚き?」

 

その異変を感じ取ったゲルは驚いた声を上げながら少しばかり月見から離れるように身を引く。ゲルからの焦ったような質問に対し月見は何でもないかのように答えると、疑問符を浮かべるオルトリンデをよそに歩いて行った鬼灯の方へと視線を向ける。その行き先にはベロンベロンになって騒ぐオーディンと閻魔大王がいた。

 

「再起不能までやらないと良いんですが……。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「閻魔大王、オーディンさん。」

 

 

「おぉ、鬼灯殿か。やはり宴の中酒を我慢する事など無作法だと、そう思わんかね。」

「そうだよ鬼灯くん、折角なら楽しんでからでも良いじゃない。」

 

 

「あ?」

 

 

瞬間、殺気が辺りを支配する。先程まで騒いでいた閻魔大王とオーディンは勿論、比較的近くにいた無関係の英霊達までもがその殺気によって静まり返る。しかしそんなことを気にも留めない鬼灯は切れ長の目で二人を睨み付けながら底冷えするような声で話し出した。

 

「閻魔大王、先程も申しましたが貴方がこの場に居るのは北欧神話の方々との会談、ひいてはそれに伴う企画の提案とその契約です。貴方、完全に忘れてましたね?」

「い、いやこれはね鬼灯くん。」

「問答無用。」

 

バキャァッ!!

 

焦りに焦って言い訳を口に出そうとする閻魔大王に向けて振り下ろされた金棒は見事に脳天を捉え、クレーターが出来る程の強さで地面へと閻魔大王を叩きつけた。地面へと沈んで動かなくなった閻魔大王をゴミを見るような冷徹な目で一瞥した鬼灯はゆっくりと冷や汗を流すオーディンに向き直る。

 

「オーディンさん、何が弁明は?」

「………酒が旨いのが悪い。」

 

パリンッ! バキャァッ!!

 

開き直ったオーディンの顔面にも鬼灯の金棒が直撃する。硝子が砕けたような音が響いたが、その一撃の威力に何ら衰えはなく、オーディンは真横に吹き飛び広場の中心辺りに着弾して頭から地面に突き刺さった。周囲どころか全体が静まり返る中、鬼灯は溜め息を吐いた。

 

「…………ふぅ。」

「鬼灯様、やりすぎです。」

「すいませんね、久々に嘗め腐った態度をとられたものでして、思わずフルスイングしてしまいました。今から金魚草の餌にするために加工するのでもう少しお待ちください。」

「止まれと言ってるんですよ。やるんだったら会談を終えてからにしてください。」

「……………仕方が無いですね。月見さん、お茶ありがとうございました。」

 

美穂からの静止(?)の声に渋々といった様子で殺意を収めた鬼灯は月見の元へと歩いていき、燃え盛る湯呑みの乗ったお盆を回収する。

 

「月見さん、オーディンさんの処置は頼めますか?閻魔大王は私が叩き起こすので。」

「別に構いませんよ……穏便に済めばそっちの方が良かったんですけどね。」

「向こうの自業自得ですよ。それに、貴方も新しい酒気払いの薬の治験をあの酒浸り共でしようとしてましたよね?」

「ばれましたか。」

「つい先日試作品が出来たと昼時に仰ってたでしょう、効能の反動で馬鹿みたいに苦くなったと。」

「でも良い機会じゃないですか?」

「同感ですね、一つ下さい。」

「ご協力感謝します。」

 

仏頂面と真顔がデフォルトの二人が薬品の受け渡しをする絵面は何とも危ない雰囲気がするが、基本的にそんな事を気にする性格はしていないのでそのままそれぞれ地面に沈んだ酔っぱらいの元へと向かい始める。そして、静まり返った宴会場の中をピョンピョンと軽い足取りで進む月見は頭から地面に突き刺さったオーディンの前へ辿り着いた。

 

「………うん、犬神家。」

「おーおー、宴やってるって聞いて暇潰しがてらあいつらと来てみたら随分と愉快な事になってやがる。オーディンが地面にぶっ刺さるなんざ初めてじゃねぇか?」

 

腰まで深く突き刺さって動かないオーディンの前で既視感を感じて呟いた月見であったが、そこへ一人の男が近寄りながら口を開いた。

 

「?失礼、どちら様でしょうか?」

「あん?……おぉ、見覚えがねぇ奴だとは思ってたが格好からしてオーディンをぶっ飛ばした奴の同僚か坊主。だったら俺の姿を知らなくても無理無いな。」

 

後ろに流した青い長髪が特徴的なその男は顔に快活そうな笑みを浮かべ手を差し出した。

 

「俺はクー・フーリンだ、よろしくな。」

「あぁ、かの有名なアルスターの………僕は月見と申します、お会いできて光栄です。」

「お、そう言って貰えるとは嬉しいねぇ。で、これ(オーディン)どうするよ。」

 

月見は手を握り返し握手をする。そして男……クー・フーリンは空いてる方の手で地面に刺さったオーディンを指し示す。

 

「とっとと抜きましょう。湖では無いですが何時までもスケキヨ状態にするのも忍びないですし。」ガシッ

「スケキヨってなんだよ………っと。」ガシッ

 

ボコッ

 

二人はオーディンの足を片方ずつ掴み地面から引き抜きながら言葉を交わす。引き抜かれたオーディンは白目を剥いて気絶していた。

 

「日本の小説の登場人物です。詳しくは省きますが、初冬の半ば凍りついた湖に頭から突っ込んで死んでた人ですね。その時のポーズを映像化したらこんな感じで。」

「ほーん、まぁそれよりどうやって起こすかねぇ。俺がルーンを使っても良いんだがオーディンに効くかどうか微妙なんだよな。」

「ご心配無く、薬でどうにかいたしますので。」

 

地面に仰向けに寝かせたオーディンを上から見下ろすクー・フーリンは不意に思った事をポーチの中をまさぐっている月見へと問いかけた

 

「つーか神…それも主神級を一撃で気絶させるとか何もんだあいつ。魔力の形跡からして防御もしてたろうに。」

「鬼灯様は日本地獄が誇る最恐(・・)の鬼神様ですよ。」

「最強ねぇ……益々戦ってみたくなるじゃねぇか。」

「どうでしょう、鬼灯様は必要であれば容赦なく叩き潰す為に動きますが手合わせなどは余り進んで行いませんし。」

「仕事人間って奴か?お堅い………いや、ちょっと待てさっきオーディンの前にぶっ飛ばしたあの小さめの巨人誰だ?」

「あ、そちらは地獄のトップで鬼灯様の上司の閻魔大王です。一応古代に生きた人間ですよ。」

 

その月見の言葉にクー・フーリンは眉をひそめた。

 

「あん?つーことは、あの鬼灯とか言う奴自分の支えてる奴相手に手出してるって事か?」

「日常的にボッコボコにしてますよ、原因は閻魔大王側にもありますけど。鬼灯様は嘗め腐った態度を取られる事だったり理不尽な理由で馬鹿にされるのが相手を殴り飛ばすほど嫌いでして、例え他国の神相手だろうとトップ相手だろうと心を折ろうとしますから。」

「場合によっちゃ国際問題だろそれ。」

「基本的に鬼灯様が動くのは向こう側が悪い時が殆どかつ解決策を用意した上なので大丈夫です。」

「……そういう問題かねぇ。」

 

国を守る騎士団に所属していたかつ、自分自身が神等と関わってきた為その強さや恐ろしさを知るクー・フーリンにとっては鬼灯の行動はかなり奇抜に見えるようで、頭を掻きながら自分の考えを口に出す。

 

「どうせボッコボコにするんだったら自分が上に立ちゃいいだろうに。」

「本人曰く、組織のNo.2として地獄で一番頑丈でへこまない閻魔大王を叩きながら地獄の黒幕を務められるあの立場が楽しいらしいので。」

「完全に思考が悪役じゃねぇか。それに加え強さもトップクラスと来たもんだ、下手な神よか厄介だぞ。」

「何を仰いますか、神なんぞ基本的にろくでなしでしょうに。それに比べたら鬼灯様は個性的ですが何十倍もしっかりとしたお方ですよ。」

 

月見から聞いた話で完全に鬼灯のイメージが極悪人になりそうなところでゆったりと月見を追って歩いてきた美穂が口を挟む。それにより、

 

「おうおう、一応オレも神の血を引いてるんだが?というかあんた誰だよ嬢ちゃん。」

「ただの神嫌いの狐です。あと貴方に嬢ちゃん呼ばわりされる程私は若くないですよ。」

「美穂、神関係の人に高圧的にならないの………すいません、クー・フーリンさん、こちら僕の妻の美穂です。」

「へぇ、お前結婚してたのか坊主。」

 

少しばかり驚いた後、クー・フーリンは並び立った月見と美穂を見比べぼそりと呟く。

 

「…………ショタコンかあんた?」

「貴方も地面に埋まりたいですか?数千年来の幼馴染みですよ私達、百年程度の歳の差なんてあってないような物でしょうが。」

「その発言的にお前らが俺より年上なのは分かったが見た目からして犯罪的だろ。」

「ケルトに性犯罪云々を問われたくないですぅ~。特に貴方の周りそういう話絶えないでしょうが、チーズ死した女王とか貴方の育ての親とか。」

「…………………痛いとこ突いてきやがるぜ。」

「否定できないんすね………。」

「ん?おぉ、ワルキューレの嬢ちゃんか。確か………誰だっけか?」

「ゲルっす!末妹の!」

「ほーん……すまん、知らねぇ。」

「そんなぁ………って、あれ?月見様?オルトリンデ姉様?」

 

茶番劇のようなやり取りが行われた後、自分の知名度の低さにショックを受けていたゲルだったが、ふと美穂の隣にいた筈の月見と自分の近くにいた筈のオルトリンデがいなくなっているのに気がつく。すぐに辺りを見回すとその二人の姿は案外早く見つかった。未だに気絶するオーディンの頭付近である。

 

「あったあった……オルトリンデちゃん、水とかはありますか?」

「あ、はい、こちらに。」

 

言われた通りに水の入ったコップを差し出したオルトリンデからそれを受け取った月見はポーチから取り出した一つの小瓶の中身を数滴混入する。その瞬間、透明だった水は美しいエメラルドグリーンへと色を変える。そして月見はオーディンの頭の角度を調節し、その液体を飲ませた。

 

「……………ゴホガッ!?

「「ッ!?」」ビクッ

「うおッ、なんだ?」

 

数秒後、突如オーディンは勢い良く目を開きおもいっきり噎せ始めた。近場にいたワルキューレ二人は驚きで体をびくつかせ、クー・フーリンは仰向けに寝たまま体を跳ねさせ始めたオーディンに奇妙なものを見る目を向けていた。それをよそに、月見は新たにポーチから取り出したメモ帳にオーディンの様子を書き留めている。

 

「うーん、気付け薬としてはあまり良くないかもなぁ……100倍希釈でも刺激が強すぎるし、やっぱり気払いとして使うのが一番かなぁ。」

「おい……おいおいおい。」

「はい、どうされました?」

「何ぶちこんだらこんな風になるんだよ。」

 

「ゴッ……ゴハッ!」バタンッ

「オーディン様ぁッ!?」

「また気絶してしまいました……。」

 

「試作品の酒気払いです。眠気覚ましとかにも使えると思うんですが………どう思います?希釈率上げた方がいいですかね。」

「数敵であぁなる物質はどうあがいても劇物だろ。また気絶したぞオーディンの野郎。」

 

月見からの問いに、呆れながら再び気絶したオーディンを指差しながら答えるクー・フーリン。それに対し月見はゆっくりと視線をそらしながら口を開いた。

 

「……オーディン様は犠牲となったのです、医学発展の犠牲に………。」

「良い風に纏めようとすんなよ。」

「冗談ですよ、ちゃんと処置は行いますので。」

 

そう言うと月見はポーチから別の瓶を取り出して蓋を開ける。そして今度は月見手製の気付け薬が入ったそれを顔の近くまで持って行き、匂いを散らすようにゆっくりと瓶を動かし始めた。

 

「……………う、うぐぅ………。」

 

数秒後、呻き声を上げながらオーディンは体を起こした。

 

「大丈夫ですか?オーディン様。」

「む……あぁ、月見か。すまない、閻魔殿と話し込んで酒を煽った所から記憶が朧気でな……いや、誰かに何かとんでもない力で殴り飛ばされたな。ルーンによる防御も泥酔状態ながらも張れた筈なんだが………。」

「キレた鬼灯様に防御なんて意味ないですよ。力業で全てどうにかしますから。」

「……なんとも末恐ろしく、強大だな。もしラグナロクで鬼灯殿のような兵が一人でも居ればまた結末も変わったのかもしれんなぁ。」

「過去を嘆くなんざ、アンタらしくもねぇなオーディン。」

 

月見と言葉を交わし

 

「嘆いてなどおらぬわ猛犬よ。ラグナロクは神の世界から人の世界へと変えるのに必要な事だったのだ。当時はそんなこと知らんと言わんばかりに勝とうとしておったが……もしラグナロクが我々の勝利であれば抑止力が黙ってなかっただろう。そういう意味では敵味方関係無く消し飛ばし引き分けにしたスルトには感謝せねばなるまい。」

「………どうしたいきなりそんな悟った様なこと言い出しやがって。」

 

突然きれいな眼を見せ、謙虚そうな口振りで話し始めたオーディンは怪訝な目を向けてくるクー・フーリンからの問いかけに嬉しそうに答える。

 

「なぜだがな、また世界が広がった様な感覚があるのだよ。あぁ、今の世界はこんなにも美しい!」

「うぉぉ、気持ち悪ッ。」

「オ、オーディン様?」

「どどと、どうしちゃったんすかぁ!?」

 

困惑するワルキューレ達とクー・フーリンをよそに月見は再度メモ帳を取り出して書き始めた。

 

「ふむ、副作用として感覚が更に鋭くなる上に賢者モードになると………うーん、改善点がまだあるなぁ。ミントと金魚草エキス少し減らして………いやそもそも水薬にする必要も無いから揮発性を高くして霧に………いやそれだと対象以外も吸う可能性があるから塗り薬にしてしまえば………。」

「原因さっきの薬か!いや、軽く解析してみたが魔術もなんも掛けられてねぇ只の水薬だった筈だろ……そもそもなんでそんなもんが純粋な神であるオーディンに効きやがる………?」

「僕こんなちんちくりんでも薬学の神獣の端くれですので、魔法薬の効果位なら魔力無しでも似たようなものを再現出来ますよ?神の方々に処方する薬も作ってるので効く効かない云々は今更ですし………。」

「………うっそだろお前。」

「まぁこのままではやるべき事も出来ないですから、さっさと薬を飛ばしましょう。」

「飛ばすっつってもどうやっ「えい」聞けよ!」

 

ドン引きのクー・フーリンの声に反応せず月見は月炎を走らせオーディンを包んだ。勢い良く燃え上がるそれを周囲にいた者達が呆然と見守るなか、月見は出していたメモや瓶ををしまい込む。その動作を終えた後、月見は指を鳴らした。

 

「オーディン様、もう大丈夫ですか?」

「………うむ、問題無い。先程まで妙な高揚感があったがこれなら大丈夫だろう。」

「そうですか、それじゃあ行きましょう。本題はまだ終わってませんので。」

 

青い炎が霧散し、中にいたオーディンは何事も無かったかのように立ち上がって埃を払い、そしてそのまま先程鬼灯に殴られた地点へと歩き始めた。その後ろを着いていく月見と美穂であったが、そこでようやく月見は周りの者達が驚いた様子でこちらを見つめていることに気が付くのだった。

 

「?……皆様どうされましたか?」

「お前な、あれをスルーしろっつうのは無理あるだろ。」

 

自分が生み出した「主神が燃やされる」という光景の異常さを自覚していない月見は、クー・フーリンが絞り出だした呆れたような言葉とその後ろで死んだ目で高速で頷き同意するワルキューレ達を見て首をかしげるのであった。




月見さんが薬を作る際には補正が働いてほぼ確実に望んだ効果が得られます。ただし、副作用どうのこうのは考慮してません。例えば万能薬を作ろうとすると副作用としていつ治るのか不明瞭な感覚麻痺を引き起こすものが出来上がります。

クーの兄貴はオーディン繋がりで出ていただきました。本来ならヴァルハラやユグドラシルとは少し離れた場所(Fateの座のような所)で生活してますが、生前から仲の良い御者に頼んで色んな所を回ったりしてます。戦いが絡まなければ常識的だと思ってます。
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