閻魔庁の医務室うさぎ   作:ゲガント

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とてもかんたんなあらすじ
「沖田さんご登場」


配達日記三頁目

「ありがとうございました!」

「また薬が無くなったら来てね~。」

「あと店の前の木一本薪にしていいですか?」

「?別にかまわないけど…何するの?」

 

おやつ時を少し過ぎたあと、月見と桃太郎ブラザーズが用事を済ませて帰ろうとした時、沖田がおかしなことを言い出した。白澤もあまり意味を理解出来てないようだ。

 

「OKってことですね。月見くん!今から縮地の訓練をつけてあげますよ!」

「いいのですか?」

「さっきのお菓子のお礼です!」

 

そう言われた月見は桃太郎ブラザーズに離れてるように伝えると沖田と共にとある木から10mほど離れた場所に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

「まずは今どんな感じなのか見せてください。目標はあの木で。」

「分かりました。」

 

月見が片手に持つだけだった杵を両手に構え直し、深呼吸で息を整える。

 

「いきます。」

 

そのまま倒れこむように前に進み出す。

 

 

 

一歩  流れるように踏み込む

 

 

 

二歩  杵の先を体を捻りこむことで後ろに回す。

 

 

 

三歩  爆発的な力を込めて地面を駆ける

 

 

 

そして目標が目の前に来る。それに応えるように体の捻りを利用して杵に最大限の力を伝えて上から解き放つ。

 

 

 

 

「セイッ!」

 

 

 

 

バキュッ!

 

 

木のど真ん中に見事なクレーターを作っていた。的となっていた木の葉っぱはすさまじく揺れている。

 

 

「…こんなもんですか?」

 

そう言って月見は沖田の方に振り返る。

 

「ふーむ、前より一撃が鋭くなってますが…まだ甘いですね。もう少し溜めてからでもいいかと。」

「あぁ…なるほど…。」

「ふふん!沖田さんが手本を見せてあげましょう!」

 

沖田は腰に差していた木刀を抜刀するとさらに離れた場所で立ち止まって構える。それを見ていた月見は桃太郎ブラザーズ達の元へ移動した。

 

「へぇ、結構すごいじゃない月見君。」

「いえいえ、僕はまだ未熟ですよ。」

「…あれで未熟だったら自分って…。」

 

心なしか桃太郎が小さくなった気がする。お供たちは静かに慰めていた。

 

「今から沖田さんがする事を見てたら分かりますよ。」

 

そう言われた桃太郎達は月見と白澤の目線の先を見る。

 

 

 

「………ハッ!」

 

声が聞こえた瞬間、沖田の姿がブレて消える。

 

「えっ!?どこにいったの!?」

 

シロが驚いた声をあげている。月見と白澤以外は似たようものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズガガガンッ!!

 

とてつもなく重い音が響き渡る。

 

慌てて音源を確認する桃太郎とお供達。

 

 

 

 

 

 

的にしていた木が半ばでへし折れている。

 

「ふ~、こんなところですかね!」

「さすがですね沖田先生。」

「いや~先生だなんて恥ずかしいですよ~。まぁ?沖田さんだったら?これぐらいよゆu

コファッ!!!???」

「あ、吐血した。」

 

いつものです。

 

「ほら、薬飲んでない状態でそんな動くから…。はい、お薬ですよ。」

「コフッコフッ…あぁそうでした。すいませんね月見くん。」

 

そんな二人にシロ達がおそるおそる近づいてくる。

 

「沖田さん…大丈夫?」

「大丈夫ですよシロくん。生前から病弱でしたし、これでもましにnnコファッ!?」

「いやそうは見えないんですが…。」

 

桃太郎が引きながら話しかけている。

 

「本当だよ桃タロー君。これでも最初よりだいぶ症状が軽くなってるんだよ。」

「白澤様でも治せないんですか?」

「私の吐血ってもはや癖なんで…。」

 

そう言って沖田が受け取った薬を抱える。

 

「それでは私はこれで!」

「僕達も帰りましょうか。」

「あっはい!」「分かりました。」

「ねぇねぇ!沖田さんも一緒に帰ろ!」

 

月見が買った品を持って帰ろうとする横でシロが沖田に話しかけていた。

 

「いいですかね、では途中まで一緒に行きましょうか。」

「ホント!?いやった~!」

「他の皆さんもいいですかね?」

「大丈夫です!」

「かまいません。」

 

柿助とルリオが答えるが月見は何か悩んでいる様子だった。

 

「?どうしたんですか月見くん。」

「いや…なんか忘れてる気が………。あっそうだ頼まれごと。」

 

その場で白澤の方に振り返り、進んでいく。

 

「?どうしたの、月見君。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぺったん」

 

バキュッ!

 

「ボベラッ!?」

 

月見が左手で持ってた杵をフルスイングする。反応出来なかった白澤はぶっ飛ばされた。

 

「いきなりなにすんのっ!?」

「この間チュンさんから「次あの浮気ヤローに会ったら一発ぶん殴っておいてほしいヨ」って依頼されたので。」

 

白澤がぶっ飛ばされた先から抗議するが月見は淡々と返していく。

 

「じゃあ僕がアイツ(鬼灯)を殴ってくれって言ったら君はしてくれるの?」

「くだらない理由でしょうから遠慮します。」

「なんでだよ!」

「どうせあなたが何かやらかしたんでしょう?逆恨みに協力するのは嫌です。」

 

とりつく島もない月見に対し、白澤が頭を抱える。

 

「君どんどんあの闇鬼神に似てきたよ…。」

「昔僕をナンパした女性が怒って来た時の隠れ蓑にしたあなたに似るよりましです。」

「うぐっ!?」

 

いきなり始まった暴力に目を丸くしていた一行は全員月見の言葉を聞いて呆れた目線を白澤に向ける。桃太郎は白澤の肩をポンと叩き口を開いた。

 

「白澤様…諦めてください。」

「では僕は失礼します。」

 

月見はため息をついている白澤をよそに桃太郎ブラザーズと沖田と共に帰って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういえば、月見さんって沖田さんの教え子なんですよね?」

 

帰り道の最中、ずっと気になっていたことをルリオが二人に問いかける。

 

「えぇ、そうですよ!私にとってはかわいい弟分です!」

「…一応僕の方が年上なんですが。」

 

自信満々に言い放った沖田が月見の言葉に固まる。

 

「…え?え?あなたここ二百年あたりで生まれた妖怪じゃ無いんですか?」

「沖田さんそんな風に捉えてたんですか。道理で初対面で斬りかかって来たんですねあなた方。」

「ナニソレシラナイ。」

 

その場には土方さんやほかの新撰組隊員がいたそうです。

 

「月見さんはね!お月さまのうさぎなんだよ!」

「?どういう…?」

「簡単に言うと……。」

 

 

 

~説明中~

 

 

 

 

「ホンットにすいませんでしたぁぁぁ!」

「いや、あの、困るんで頭あげてください…。」

 

沖田の見事な土下座に月見は困惑している。

 

「いや本当に色んな失礼を……あなたに斬りかかった他の方も後日謝罪に向かわせるんで……。」

「気にしてませんし、事情を話してなかった僕も悪いんで大丈夫ですよ?」

 

困惑で心なしか月見の表情が動いた気がする。

 

「うぅ…。」

「ほら、立ってください。」

 

ようやく立ち上がった沖田にシロが話しかける。

 

「大丈夫?沖田さん。」

「いえ…昨日まで弟分だと思っていた子がまさか十倍近く年上だったなんて…。」

「重傷だなぁ。」

「…質問しなけりゃよかったな。」

 

そんなこんなで朧車タクシーの前まで来た。そのまま沖田は行き先を告げて朧車に乗り込む。

 

「それでは…。」

「今度気合い入れて作った餅菓子差し入れますね。」

「ホントですか!?楽しみにしてます!」

 

一瞬で元気が戻った沖田を見送った一行はそのまま閻魔庁へ向かって行った。

 

 

 

 

 

 

 

「おや、お帰りなさい皆さん。」

「「「ただいまかえりました!」」」

「鬼灯様、お土産の仙桃です。」

「あぁ、ありがとうございます。」

「………閻魔大王は何を…いえ、閻魔大王()なにをなさってるんですか?」

 

鬼灯の隣には柱にくくりつけられた閻魔大王がいた。

 

「ちょっと、鬼灯くん!これ外してよ!」

「いえ、閻魔大王(このバカ)が仕事中に漫画を読んでて…

 

 

 

~一時間前~

 

「ねぇ鬼灯くん。この縮地っていうのカッコいいよねぇ~」

「閻魔大王、仕事中ですよ。」

「えぇ~ノリ悪いなぁ~。君もさぁ男子なんだからこういうの気にならないの?」

「私は出来るので興味ないです。あと仕事してください。」

「ホント!?いっかいでいいから見せてよ!」

 

イラァ

 

「……ええ、いいですよ是非体感してください(・・・・・・・・)。」

「?それってd…ちょ、ほ、鬼灯くん?そのロープって何?」

「避けられると困るので。」

 

 

 

いやぁ~~~~~~!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

ということがあったんです。」

「無視!?」

 

どうやらこれから過激なお仕置きが始まるらしい。

 

「へぇ~鬼灯様もしゅくち出来るんだね!」

「月見さんに見せてもらいましたか?」

「うん!あと沖田さんにも!かっこよかった!」

「良かったですね。」

 

鬼灯はシロを一撫でして閻魔大王の方に向き直る。

 

「鬼灯様、僕はこれで。」

「あぁ、引率ありがとうございました。」

「ちょ、ちょっと!月見くん!見てないで助けてよ!」

「?縮地を見られるどころか体験出来るならいいのでは?」

 

そう言って月見はその場をあとにした。部屋に行く途中、叫び声が聞こえてきたがまぁ大丈夫だろう。

 

 




縮地は実際にある古武術式で、仕組みとしては「踏み込んで」ではなく、「体の重さを利用して」移動するらしいです。達人レベルになると走りだしが見えなくなるみたいですよ。

次回予告
「ヤダ、それ誉めてる?」
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