とてもかんたんなあらすじ
「縮地まつり」
「「月のうさぎの健康講座」?」
「えぇ、あなた宛にテレビ局から仕事の依頼です。」
「…大丈夫ですかね?僕なんかで。」
仕事用の机で作業していた鬼灯から紙束をもらった月見がそれを見て何かを悩んでいる。渡された紙束の一番上には「企画書」と書かれている。
「大丈夫じゃなかったら依頼なんて来ませんよ。」
「でもこれお昼の情報バラエティーじゃないですか。」
「何か不安でも?」
鬼灯にそう問われた月見は困ったような声色で答える。
「いやぁ…ほら、
僕無表情しか出来ないから画面が寂しくなるんじゃって思うんです。」
「表情以外で補えてると思いますよ。あと気にするとこもっとあるだろ。」
燃えたうさみみ+全身包帯です。
「そうゆうもんですかね。」
「そうゆうもんです。それにあなた一人じゃありませんよ。」
「鬼灯様も出るんですか?」
「別のコーナーのコメンテーターとしてですけどね。」
そう言って鬼灯が別の紙束を差し出す。
「………あぁ、金魚草特集ですか。納得です。」
「はい、ただそこだけ出るわけではないんですが。」
「…まさかフルですか?」
「あなたもですよ。」
ふむぅ…、と月見が黙りこむ。
「鬼灯様月見さん」「なにやってるの」
「おや」
上から声がかかる。二人がつられて見上げると、座敷童子たちが並んで天井に立っていた。白髪の二子は何かを抱えていた。
「どうされましたか座敷童子さん。」「こんにちは童子ちゃん。」
「こんにちは」「さっきまで」「お薬倉庫の手伝いしてた。」「あと月見さんにお届け物です。」
二子から封筒を受け取って月見が中身を確認した。
「あぁ、ナイチンゲールさんからの手紙ですね。手伝いの件も含めてありがとうございます。お礼はこちらでよろしいですか?」
「!あんこ餅!」「食べる!」
月見は腰のポーチから笹の葉にくるんだ餅菓子を差し出す。
「鬼灯様も食べますか。」
「いただきますが……毎度思うんですけどそのポーチどれだけ物入るんですか。」
「あー…これ貰い物なので自分も把握出来てないんです。」
「貰い物?」
「ツクヨミ様にアルテミス様…その他様々な月の神様が制作に関わっているので…。」
「豪華すぎません?」
鬼灯がモソモソと餅を食べているうちに座敷童子たちは走り去って行った。
「どうやら孫みたいに思われてるらしくて。」
「なるほど「かわいい孫のために頑張っちゃう祖父母」みたいなやつですか。」
「この口から入れる事が出来るものはいくらでも入るみたいですよ。」
「便利ですねぇ。」
鬼灯が餅を食べ終えると同時に質問する。
「そういえばあなたナイチンゲールさんと文通してるんですか?」
「文通というより情報交換ですよ。彼女もなかなかの医術狂いみたいなものですから。」
「どこで知り合ったんですか?」
「医療関係のコミュニティに居たんです。最近それを知って入ったアスクレピオス様と意気投合してました。」
めっちゃがっちりと握手したそうです。
「………まぁそれはどうでもいいです。」
(面倒臭くなったかな?)
「で、どうしますか月見さん。」
「…うだうだ言い続けてもいいことないと思うので受けますよ。」
鬼灯はそうですか、と返しそのまま立ち上がって外出準備をし始めた。
「テレビ局に来たのは初めてです。」
「世界中飛び回って忙しいですからね。」
そんな会話をしながら二人はテレビ局内を歩く。
「現世では、飛行機を利用しまくった人をよく探してテレビで紹介してましたよ。」
「僕は月に2往復するぐらいですよ。まぁポイント制度なら存在してほしいと感じたことはありますけど。」
「そういうのないんですね。気にしたことありませんでした。」
そんなこんなで目的の場所に着く。
「この会議室ですね。」
そう言って鬼灯は目の前の扉を開けて中に入る。
「あら?久しぶりじゃない!鬼灯ちゃん、月見ちゃん!」
「ご無沙汰してますカマーさん。」
「転職して以来ですね、釜彦さん。」
「やぁねぇ、カマーって呼んでよ月見ちゃん。」
懐かしさからかカマーの口から次々と言葉が出てくる。
「火傷があるのは変わらないわねぇ。せっかく顔がいいのに~もったいないわぁ~。」
「一応消せますけど一時間ぐらいで体力が全部消し飛ぶんです。」
「そういえばあなた人化の術つかってるんでしたね。」
「はい、ただ元になる体の状態をそのまま移すのが楽なんで火傷は消せません。」
「色々気になること言ってた気がするけど…まぁいいわ。」
会話が途切れたところで月見がカマーに質問する。
「そういえばカマーさんってレギュラーでしたっけ。あまりテレビを見ることが無いんでよく分からないんですが…。」
「ええそうよ、街の子たちのファッションチェックやってるの。」
「なかなかの人気ですよ。」
机に置いてあったお茶を飲んでいた鬼灯が続ける。
「貶すことは無いんですが褒め方がこれでもかと言う位に独特なんです。」
「ヤダ、それ褒めてる?」
「ちなみに僕の耳の場合、どうなるんですか?」
そう言われたカマーはすぐさま口を開く。
「「二泊三日のキャンプで1日目の夜で一番盛り上がった時のキャンプファイアーみたい」って感じかしら。」
「僕の耳の炎青なんですが。」
「気にしたら負けですよ。」
月見が少し首をかしげていた。その最中、カマーが何かを思い出したようだ。
「そうだ月見ちゃん、あれやってくれない?最近仕事詰めでつかれちゃって。」
「良いですよ。」
「「「月のうさぎの健康講座」?」」
「そ、君達が出る番組で補助をするコーナー。」
同じ頃、アイドルのまきみきとそのマネージャーがテレビ局内を歩いていた。まきみきの手には月見が受け取っていたものと同じような紙束がある。
「進行が……月見さん?聞いたことないけど…。」
「横に書いてある役職からして鬼灯様と同じ職場であることは分かるニャーン。」
「えっ?あ、ホントだ閻魔庁医務室長兼医療部門統括責任者………長いわっ!」
「マキちゃん……。」
難しい漢字が並んでいる事に対して拒絶反応を起こしかけてるマキだった。
「よくよく見ると金魚草特集のコーナー鬼灯様もいるし。」
「マキちゃんも出るの?」
「金魚草大使としてね…。」
「なんかゴメンにゃん。」
目が死んでるマキに謝罪するしかなかったミキだったが、そんなの関係無いと言わんばかりにマネージャーが話を続ける。
「二人には他のコーナーにもコメンテーターとして出てもらうから。」
「うぅ…体をはる企画じゃない分まだましなのかなぁ。」
「もう言ってる事が末期なんだニャーン。」
「今から打ち合わせなんだからしっかりしててよ。」
「あんたのせいでしょ!」
そんな会話をしている間に会議室に着いた三人だったが、ふとミキが扉を見て違和感を感じていた。
「……?」
「どうしたのミキちゃん?」
「いや、気のせいかな。(ここの曇りガラスこんな青かったっけ?)」
「どうでもいいから早く挨拶しながら入りなよ。」
((こいつあとでぶっ飛ばそうかな……。))
マネージャーに軽く殺意を覚えたまきみきの二人だったが言われた通り中に入ろうとする。
「失礼しまーす。今回共演させていただくマキで………。」
「?マキちゃん?どうかしたのかニャ………。」
「あら~マキちゃんとミキちゃんじゃな~い。よろしくね~。」
挨拶してきたカマーが月見の炎で物理的に燃えていた。
「「イヤァァァァァァア!!!???」」
「あっ、そういえばこの子達これ見るの初めてだったわね。」
「唐瓜さんも似たような反応してましたね。」
「そんなに心臓に悪いんでしょうか、これ。」
いきなりとんでもない光景を見て悲鳴をあげるまきみきの二人とは対照的に会議室にいた三人はのほほんとした会話をしていた。
FGOでオベロンがガチャに来ましたが、とてもいいキャラしてますよね彼。マイルームの会話が面白いです。
追伸 友達が爆死してました。
次回予告
「また弱み握りそこねたぁ!」