ハリーポッターと女王陛下の魔女 作:たはまらたはまさまたらた
無言の中1964年式アストンマーチンDB5のエンジン音のみをBGMにしながら荒涼とした土地を進む。周囲は山、道の横には川が流れ鮮やかな緑色の草が揺れている。
空は相変わらずの曇、お世辞にも暖かいとはいえない気温も相変わらずだ。そして私は無言のその環境に耐えきれずに聞いた
「どこに向かってるんですか?先生」
「6時間…まぁ無言にしては持ったほうかな。もう少し忍耐力をつけよう。さて、今向かってるのは協力者のところと話したはずだよ」
「こんなところに人が住んでるとは到底思えないのですが…」
「それこそ偏見だな、君は魔女だろう?魔法使いはなぜ世間にバレない?」
「身を隠しているから…そういことですか?」
「そのとおり、とりあえず合格だ。そしてついたな」
舗装されたアスファルトの道路をいつの間にか外れ砂利道を走ること数分、立派な門と、邸宅、美しい庭が姿を表した。
アストンマーティンが近づけば門はひとりで開き…門の上に乗った蛇の像はまるで生きているように動きながらこちらを見ている。協力者…たしかにこれほど心強く、そして信用ならない協力者もいないだろう。
私は門のグリーングラスという表札を見てそう確信した。
「グリーングラス家、イギリス魔法界の聖28一族の一つ。少々純血主義的な面はあるが当主は話の通じる男だ」
先生がかなり簡単な紹介を言うのを聞きながら私は窓の外を眺め思わずため息を一つ。かなりしっかり手入れされている。魔法のおかげだろうか、本来咲かないはずの季節外れの花が咲いていたり少なくとも非魔法族の社会では知られていない花もあった。
そんなこんなで車はいつの間にか正面玄関の前に停車しエンジンが切られる。
私も先生も流れるような動作で拳銃、私はP220、先生はワルサーPKK…ついでに杖も点検する。確認が済んだら…あとはなるようになる。
アストンマーティンの扉をあけ屋敷へと向かった。Mからは前回の銃撃のあと呼び出されて計画書の説明をもらい、要するに私は協力者のグリーングラス家の遠い親戚の家から引き取られた養子というあつかいになるらしい。
なにげに言うなら一応私の両親も魔法使いではあるらしい。らしいと言うのは生んですぐ捨てられたという事なので詳しいことは知らない。
扉をノックすれば屋敷しもべ妖精なるものが応接間に案内した。すでにそこにはロンドンのシティの銀行にいてもおかしくないような立派なスーツに見を包んだ紳士がおりこちらに椅子に座るように勧めてくる。
先生をさり気なくみると指を動かし危険は無いと教えてくれた。軽く頭を下げてから椅子に座り笑顔を浮かべながら彼の言葉を待つ。協力者との一番最初の会話は大変と聞くが…確かに気まずい。
しかしそんなことはお構いなしなのか先生はその紳士にメガバンクの一つである香港上海銀行経由で払う金銭類の書面と英国政府側のそちらへの措置を書いた書類を渡す。
紳士は黙って読んでいき最後に横にインク壺も揃えて置いてあった羽ペンではなく胸ポケットに指した高そうなボールペンでサイン。先生に渡す。先生もそれを確かめてサイン、そして立ち上がった途端こう言い放った。
「ではまた今度会おう、メアリー…いや今はヴァイオレット・グリーングラスだな」
軽くウィンクして私があっけにとられている間に先生もとい007は行ってしまった。私は飼い主に捨てられたような犬状態で放心した後私の前でそれを多少面白そうに見ていた紳士に声をかけようとしたが…紳士の方から声をかけてきた。
「さて、いつまでもこの状態でいるわけにはいかないな。私はリチャード・グリーングラス。グリーングラス家の現当主であり魔法界における名門、聖28一族の一つ。娘は二人、君と同い年のダフネと2歳下のアステリア…もっとも人殺しの君とは合わせたくはない。娘たちには私や君のように汚れてほしくはないからね。旅行に行ってるからあと2日は妻と娘たちは帰ってこない、その間に色々詰めるとしよう。どうかな?」
汚れてる、まぁ確かに彼の言葉正しい。この男は当然元デスイーターだし思いっきりの純血主義、多少話が通じるだけマシな部類には入るかもしれないが…
「そうですね、お義父様。私もそのほうが良いと思います。ダフネ様やアステリア様も隠していて知らないとはいえ人殺しのスパイと生活なんて嫌でしょうから…しかし生活をともにする以上どうしても合うことになってしまいますがいかがしますか?」
「それでだ、君はグリーングラスの家名と証明がほしいだけだろう?だからどうかな、ホテル住まいは。ホグワーツで娘たちにあってしまうのは仕方無いし君の表向きも伝えておく、遠い親戚の孤児になってしまって仕方なく引き取ったという設定だ。パーティー等には出さなくても何も言われないしこちらが金さえ出しているアピールをすれば家名も傷つかない、身だしなみだけは気を使ってくれ」
「もちろんです。しかしホテルですか…仮にも魔法使いがマグルのホテルに止まって大丈夫なものですか?」
「リッツロンドン、聞き覚えは?」
「ないわけ無いですよ…世界的に見ても超がつく有名ホテルです。まさかあそこに泊まれと?」
「そのまさかだよ、あのホテルのスイートの一つが魔法界と繋がっている。元々は魔法が使えた女王陛下が魔法界に行く為に使った通路だったらしいが今はもう使われてない。だから魔法族用の部屋として貸し出されているんだ」
「わかりました、ではそれで行きましょう。次にお会いするのは?」
「君の入学前日、それまでに学用品等はこちらで送る。君がやるのは9月1日にホテルをチェックアウトしパームコートで私を待つこと…いいかな?」
「えぇ、ちなみに質問ですがMr.グリーングラス。あなたはどのようにお呼びすれば?」
「今のままで結構だよ。私はMr.グリーングラスだ」
その言葉に私はうなずくと椅子から立ち上がり出発の準備をする。しかし考えてみれば移動手段がない。困ったと思うと紳士…Mr.グリーングラスが屋敷しもべ妖精を使ってロンドンの路地に送ってくれるらしい。そこでタクシーを拾うことにしようと心に決めると不思議な生物の手を握った。
パチンという音ともに体が細い管の中を押し込められているような感覚に陥りながら目を開けるとすでにロンドンの路地についていた。
屋敷しもべ妖精は頭を下げながら消えてしまい私は軽く頭を降ってこれからの算段を立てながら進む。チョロっと路地を出れば夜のロンドンだ。パブでオヤジたちが大騒ぎしているの横目に手を上げてタクシーを止め乗り込む。行き先は…ナショナル・ギャラリー。外はポタポタと雨が降ってきた…小型の腕時計を見てみると夜の七時。まだまだロンドンの夜は長い。
運転手のガラスを叩く音で到着に気づきアメックスのゴールドカードを渡して支払いを済ませると新たな客を求めて走り去るタクシーを横目に館内に入る。適度にきいた心地よい空調を感じながら適当に見て回ってターナー作、戦艦テメレール号の絵の前の椅子に腰掛ける。
この絵は物悲しくも最後まで堂々としていて私は好きだ。そんなことを思いながら絵を見ていると横に腰掛けてくる黒髪のジーンズにラルフローレンの白いシャツといった風貌の少年。
私は暇だったのかもしれない、彼に話しかけた
「なにか感じますか?」
「役目を終えようとしているスクラップといったところでしょうか?」
「そうですか…確かにスクラップかもしれませんね。少し待ち合わせがあるので、突然話しかけてしまってすみません」
「待ってください、メアリー。僕は次期秘密装備担当です」
「あなたみたいなニキビ面の坊やが?」
「能力と年齢は比例しませんよ」
「若すぎてもインスピレーションは生まれませんよ?」
「少なくともメアリー、君があくせく引き金を引いて人を殺している間に僕はパジャマ姿で朝の紅茶一杯を飲む時間でずっと大きなダメージを与えられる」
「じゃあ私は正規の00ユニットになる前に失業?」
「引き金を引いて銃を撃たなきゃいけないときもあります」
「少なくともその判断はパジャマ姿ではできないし紅茶一杯分の時間もかけられませんよ」
少年はため息をついてから右手を差し出し言った。
「よろしくお願いします。メアリー、次期007」
「こちらこそ、次期特殊装備担当。未来のQ」
お互い握手を交わしてから少年は一つのケースを渡してきた。
「僕が用意したあなたへの装備。車のキーはありませんし派手な爆発物もありません…入っているのは個人的な意思表明の道具と命綱だけです」
「随分チャチなプレゼントね…感謝はするけど」
「どこも予算は厳しいんですよ。あなたの先生のせいで特に」
毎度装備と街をめちゃくちゃにして帰ってくる先生を思い浮かべて私は苦笑いを浮かべたあとに彼に会釈して立ち上がり小さいケースを持ち上げる。
「そうだ、メアリー。装備は全て無傷で返してもらいます」
「善処しますね。無事を祈ってるというふうに理解しておきますよ」
Qが後ろで思わずポカーンとした顔をチラッと見てしてやったりという小さな優越感を感じながら私は近くのユニバール貿易に向かった。
ひとまず
私はあのQのシーンが好きなんです…許して…
にしても色々詰め込みすぎた感はありますが楽しんでいただけたなら幸いです。なるべく早く投稿するようにはします。
誤字脱字感想等お待ちしております。
解説回があったほうが良いですか?
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いる
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いらない
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そんなことより早く続き書け
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どちらかといえばいらない
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どちらかといえばいる