ハリーポッターと女王陛下の魔女 作:たはまらたはまさまたらた
キングス・クロス駅、それはこのイギリス・ロンドンでも有数のターミナル駅だ。
しかしここが魔法界への入り口の一つと知っている人間はほぼいない。否、知っても記憶が改竄されるから忘れたという方が正しいのかもしれない。
駅近くの道路に路駐してキーを差したままその場を離れる。少しするとエンジン音をがしてアストンマーティンはどこかへ走り去った。Q課の人間が壊される前に回収しに来たのだろう。トランクの死体処理に関してメモは残していたのだしお小言は任務後かなんて思いながら少し裏道あたりに目だけを動かして確認すると"11時"で止まった時計をわざとこちらに見えるようにしながらしまった男が奥に歩いていく。
私はさぞ自然に数m開けて裏道に入った。
人の声が薄くなると男が口を開く。
「11時に出る列車に乗られる方ですか?」
「えぇ、でもチケットが…譲ってくださいませんか?」
「喜んで」
男性はほほえみながら私にトランクを渡しポケットになにかを入れるとふわりと爽やかなオレンジ系の匂いを残して消える。
ポケットの中にはホグワーツ特急のチケットと一通の白紙がある。ゴミ集積箱の影に屈んで開いたトランクに其れ等を放り込み代わりに着替えを表に出した。
トランクの小物入れから一瓶の小さな飲み薬が転がってくる。解毒薬とでも言えばいいのだろうか、あの成長薬はお世辞にも薬と言えるようなものではない。ほぼマグル世界で素材が揃うため原料から追跡される心配がなく効果が解毒しない限り続くというのがただ2つ優れてる利点とすら言える毒だ。
無色透明の飲み薬からは猛烈な苦味がするがそれを我慢して飲み込めばするすると視点が低くなる。もとに戻ったのだ。不思議とこちらは痛みはない、ただ苦いだけ。
ブカブカになった服を急いで脱ぎ捨て長袖の襟付きシャツにピッチリしたジーパン、緩くネクタイを締め細身のスニーカーを履く。小さな声でアメリカ南部訛な英語を最終確認のように呟きながら銃の確認を済ませる。
最後に少し自慢なセミロングの髪をちょっとした呪文で杖から伸びる魔力の刃でボーイッシュな感じに見えるまで切り落としどこか活発なアメリカ南部の少女といった感じに仕上げた。
この瞬間から私はメアリーボンドではなく…ヴァイオレット・グリーングラス、アメリカ南部出身の何処か田舎じみたところがあり名門グリーングラス家の分家の分家の末端のような家の出身だが両親とは死別、本家のグリーングラス氏のお情けでここに来た純血名家の上流階級の世界には場違いな女の子だ。
杖も銃も放り込んだトランクを持ち上げキングス・クロス駅に入ればすでに大量の人で揉みくちゃ。
出発まであと15分程度しかない。人混みに紛れて偶に柱から出てくる人間が見える。最も非魔法族は意図的にそこから視線をずらされてるのだからバレることは早々ないが…さも当然と言いたげに柱を"潜れば"目の前には蒸気を吐き出す赤い汽車が出発を今か今かと待っている。
反転フラップ式の表示版には
Hogwarts Express Departs at 11am
と表示されていた。
『ホグワーツ急行11時発!停車駅はホグズミード!ドンカスター、ヨーク駅には停車いたしません!この列車はホグワーツ魔法魔術学校の生徒専用列車!』
時計を見る限り残り10分ほどしかない。チェックカウンターに急ぎ受付にチケットを渡す。
「おはようございますレディ、本来半刻前にチェックを済ませるのが規定ですので次からはお気を付けを」
「すみません…私アメリカから来たばかりでこちらのシステムを全くわかってなくて…」
「そうでしたか…では是非共良いご滞在を、こちらの紅茶は海に投げ込みたくなるほどマズくはありませんよ」
受付のキツイ洒落の聞いた言葉に思わず苦笑いを浮かべながらも切られた切符を受け取ると
「お待ち下さい、グリーングラス様が一等車を予約しておられます。親戚の方もそちらにいらっしゃいますので…行き方はわかりますか?」
「生憎…」
「ではご案内します」
さり気なく私のカバンを持ち上げ颯爽と歩く受付の男の後ろを歩いて行くと偶にチラチラと視線を感じる。まぁ殆の生徒がもう乗り込んでいるのだ。しかも乗り込むのが一等車である。
そりゃ注目を集めるだろうというわけではあるが…初っ端から痛いことになった。スパイというのは注目されたらアウトなのだ。
ポールで仕切られた専用の入口を通り車内に入れば見た目以上にやはり広い。というより軽くホテルだ。リッツロンドンの後だからこれで済んでいるのか、普段からそういうのが気取られないように慣らしてきたからなのかはわからないものの対して驚く必要はないがアメリカから来た末端の分家の娘として振る舞うためにキョロキョロ見たりして少し田舎者丸出しな感じにする。
乗りこんで数分でガタンと列車が動き出し汽笛を鳴らしながら滑るようにホームを出ていく。
食堂車を抜け331と書かれた部屋を受付がノックすると一人の線が細い少女が顔を出しなにか御用?と言葉を紡ぐ。
お連れ様です、と告げられれば私を見てお入りになってと促されたから室内に入った。
受付は部屋の荷物置きに私のトランクを置くと一礼して良い旅をなんて言葉の後バチンッ!という音と一緒に姿くらましを行った。
室内には私とダフネ・グリーングラスの二人っきり。どうにも気まずさを感じているとあちらから言葉をかけてきた。
「初めまして…かしら?貴女がお父様の仰っていたヴァイオレットさん…で良いの?」
「あぁ、アタシがヴァイオレット…よろしくダフネさん」
「ダフネでいいわ、でも言葉遣いと服装はどうにかしないといけ無さそうね…着替えは?」
「まぁ2、3着…ドレスとかはないよ?」
「あなたのこと見ればこの短い時間でもそんなことわかるわ…その訛も直したほうが良さそう。マルフォイあたりは確実にバカにするし」
早速頭が痛いわねなんてぼやく彼女を相手に私はなんとも言えない表情を浮かべるしかない。
今まさにこの瞬間もグリーングラス家一家はSASあたりによって強襲され捕えられている…いや死んで無ければ良いとも言えるだろう。
私は英国に忠誠を誓いこの国の目として、手として、耳として、その身を捧げるために生きている。だが目の前の少し難しそうに首を傾げて私のことを案ずる少女の家族が、まさに私と所属する組織によって苦難に直面しているなど彼女は考えもしていない。
私はこの国の高価な道具だ、だが一応は心というものがある。
だから…ただ…ただただ心の声は無視し良心を捨てトランクを開き私の殺人処女も捧げてやった愛銃に消音器を取り付け構えて
きれいな金髪を揺らして背中を向ける彼女にキレイな英国英語で私は言葉を紡いだ
「ご心配なく、ミスグリーングラス、この通り私は発音は綺麗です。南部訛もなかなか上手だった自信はあるんですが…どうでしたか?」
「あなた私をからかってたの?もう、心配して損した!ねぇ……それ…なに?」
「マグルの武器です。どうか動かないで、急所を外して苦しめながらあなたの家族のもとには送りたくありません」
「あなた…だれ…だれなのよ、私はね、一度会ってるのよ、ヴァイオレットって子には…あの子はあなたほど綺麗でもなかったし体も弱かった…血の呪いがあっちまで飛んだから…それに笑顔を浮かべるときそんなキレイな笑い方を彼女はできなかった。笑うのが下手な子だった、あなたは上手すぎる、まるで別物みたいだと思ったし…お父様も何処か引っかかったような言い方もあって何処か疑ってたの」
ゆっくり息を吸いそして吐き
彼女の心臓に銃口を合わせて
私は告げた
「Bond,Mary Bond」
雰囲気描写が多くわかりにくいというご意見を頂きました。定期的に説明回があったほうが良いかというアンケートを作りますので是非投票をお願いします。
評価感想等お待ちしております。
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そんなことより早く続き書け
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